第七話 宣戦布告
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目線を動かしてみれば、点滴がある。それに、白衣のような服に着替えさせられていた。
「・・・ここは・・・どこ・・・(あたし・・・宝に・・・?)」
静寂な部屋に、ガチャッと鍵が開けられる音が、やけに響く。
「!!」
「あ、出雲ちゃん♡」
中に入ってきたのは、いつもと格好も服装も違う、ピンク頭。
「起きてたー?よかったー。気分悪ない?喉渇いたやろ」
性格は変わらない、女ったらしで飄々としていて。
(志摩廉造・・・)
志摩はペットボトルの蓋を開けながら言う。
「あ、服着替えさしたん俺やないし安心してな?
ちゃんとそこは女性の研究員さんやからね。
いやー、俺もさっきまで寝ててもうててんや~。
それで・・・"上"の人達が出雲ちゃんに話あるゆーてはるんやけど、
今から中に入ってもらうな?」
そこで出雲が目にしたのは、車椅子に座って運ばれる、
傷らだけで包帯だらけでみすぼらしい母の姿だった。
(母さん・・・!!)
「た、す、けて、い、ずも」
「かあ、さん」
あの頃と全然違う。そこに元気な母の姿もない。そこへ、耳障りな笑い声がした。
「きゃーッキャキャキャ!!!ご覧の通りこのババア・・・っとお、
お母さんの肉体の劣化が、思ったより早くてさぁ。
もう使いものにならないから、出雲に来てもらっちゃったぁ」
「・・・外道院!!」
出雲は奥歯を噛み締める。
「健康診断の結果見せてもらったけど・・・うん・・・うん・・・いい感じに育ったじゃん♡」
ニコォーッと、気持ち悪い笑を見せられ、出雲は寒気を覚えて自身を抱きしめる。
「や・・・約束が違う・・・!」
ここでいい負けしてられない。
「祓魔師になって、手騎士二種の称号が必要なんでしょ!?
あたしはまだ"神降ろし"出来ない・・・!!」
「それが、ぼく達の研究も進んでさぁ。物質と同質でなくても、
強制的に悪魔を物質に憑依定着させる事が可能になったんだ♡
お母さんの研究で、一番の成果だったかな~。いや~、最後にババアも世界の役に立ったってワケだね。
まぁ、ぼくが天才だからだけどぉ。とにかく、出雲が祓魔師になるのを待つ必要なくなったってワケ!
つまり、神木家の人間であれば誰でもよくなったんだけど、どうする?
月雲ちゃんに替わる?」
「やめて!!」
出雲の一番の弱みである月雲の名前。
その大切な名前だけで考えれなくなる、自分さえ投げ出す。
「あたしがやるわ!!」
どこまでも奴は外道で非人道だ。それはわかってる事なのに。
「キャキャキャーっ!だよねだよね!!」
こいつにはいつも、勝てない・・・。
「月雲ちゃんはさすがに小さ過ぎるからさぁ~。ぼくも、出雲くらいの娘が好みだしぃ。
明日、精密検査して問題なければ、すぐ使ってあげるからね?出雲♡きゃきゃきゃ」
外道院の後ろ姿を見送りながら、志摩が出雲に耳打ちした。
「出雲ちゃん、この部屋魔除けが施してあって使い魔呼ばれへんらしいから、大人ししててな?
あのオッサンの研究さえうまくいけば、きっと悪いようにはならんと思うし。じゃ・・・」
行こうとした志摩を、出雲が彼の腕を掴んだ。
「・・・アンタ、まさかこのまま行く気?」
ノーと、答えさせてくれない出雲の雰囲気に、仲間の女性に一言残す。
「あの、少し残ってもええですか?」
「見ているぞ」
大丈夫、監視カメラの位置だって知っている。
「・・・判ってますって」
日本支部にいるメフィストは、一人結界の修復をしていた。
「お目覚めですか、じゃじゃ馬姫」
「メフィスト・・・!」
背後にいる気配だけで、やはり誰だかわかってしまうのだろう。
シュラは傷を負った横腹を抑えている。
「貴女、セラフィムの爆発をモロに受けたんですよ。特に、左腹部を激しく損傷してます。
病院で安静に」
「今、どうなってるんだ・・・!?」
「混乱してますね。私もこのとおり、結界の張り直しで忙しい」
「候補生共はどうした・・・?」
「イルミナティに連れ去られた出雲ちゃんと、スパイの志摩くんを追わせてます」
「にゃに!?」
驚きの反動で、更に傷を深め倒れそうな所をメフィストに支えられてしまう。
「だから言わんこっちゃない・・・」
いろいろ驚きはあるものの、とりあえず。
「し・・・志摩!?宝じゃなく・・・!?」
全然、予想もしていなかった人物だ。
「宝くんは私のスパイです、残念でした☆おや、噂をすれば☆」
メフィストの電話の相手は、雪男だ。
「・・・たった今、目的地に到着しました」
「どのような場所でした?」
「そうですね、完全な・・・」
マスコットキャラクターが元気よく語る。
「お稲荷さまの住まう稲生大社へようこそ~!!
大社にお参りする時には、おきつね横丁にもぜひぜひ立ち寄ってコン~ッ!!」
空港場所とはまるで違う賑わいをみせる観光地が、確かにそこにあった。
「・・・ここは・・・どこ・・・(あたし・・・宝に・・・?)」
静寂な部屋に、ガチャッと鍵が開けられる音が、やけに響く。
「!!」
「あ、出雲ちゃん♡」
中に入ってきたのは、いつもと格好も服装も違う、ピンク頭。
「起きてたー?よかったー。気分悪ない?喉渇いたやろ」
性格は変わらない、女ったらしで飄々としていて。
(志摩廉造・・・)
志摩はペットボトルの蓋を開けながら言う。
「あ、服着替えさしたん俺やないし安心してな?
ちゃんとそこは女性の研究員さんやからね。
いやー、俺もさっきまで寝ててもうててんや~。
それで・・・"上"の人達が出雲ちゃんに話あるゆーてはるんやけど、
今から中に入ってもらうな?」
そこで出雲が目にしたのは、車椅子に座って運ばれる、
傷らだけで包帯だらけでみすぼらしい母の姿だった。
(母さん・・・!!)
「た、す、けて、い、ずも」
「かあ、さん」
あの頃と全然違う。そこに元気な母の姿もない。そこへ、耳障りな笑い声がした。
「きゃーッキャキャキャ!!!ご覧の通りこのババア・・・っとお、
お母さんの肉体の劣化が、思ったより早くてさぁ。
もう使いものにならないから、出雲に来てもらっちゃったぁ」
「・・・外道院!!」
出雲は奥歯を噛み締める。
「健康診断の結果見せてもらったけど・・・うん・・・うん・・・いい感じに育ったじゃん♡」
ニコォーッと、気持ち悪い笑を見せられ、出雲は寒気を覚えて自身を抱きしめる。
「や・・・約束が違う・・・!」
ここでいい負けしてられない。
「祓魔師になって、手騎士二種の称号が必要なんでしょ!?
あたしはまだ"神降ろし"出来ない・・・!!」
「それが、ぼく達の研究も進んでさぁ。物質と同質でなくても、
強制的に悪魔を物質に憑依定着させる事が可能になったんだ♡
お母さんの研究で、一番の成果だったかな~。いや~、最後にババアも世界の役に立ったってワケだね。
まぁ、ぼくが天才だからだけどぉ。とにかく、出雲が祓魔師になるのを待つ必要なくなったってワケ!
つまり、神木家の人間であれば誰でもよくなったんだけど、どうする?
月雲ちゃんに替わる?」
「やめて!!」
出雲の一番の弱みである月雲の名前。
その大切な名前だけで考えれなくなる、自分さえ投げ出す。
「あたしがやるわ!!」
どこまでも奴は外道で非人道だ。それはわかってる事なのに。
「キャキャキャーっ!だよねだよね!!」
こいつにはいつも、勝てない・・・。
「月雲ちゃんはさすがに小さ過ぎるからさぁ~。ぼくも、出雲くらいの娘が好みだしぃ。
明日、精密検査して問題なければ、すぐ使ってあげるからね?出雲♡きゃきゃきゃ」
外道院の後ろ姿を見送りながら、志摩が出雲に耳打ちした。
「出雲ちゃん、この部屋魔除けが施してあって使い魔呼ばれへんらしいから、大人ししててな?
あのオッサンの研究さえうまくいけば、きっと悪いようにはならんと思うし。じゃ・・・」
行こうとした志摩を、出雲が彼の腕を掴んだ。
「・・・アンタ、まさかこのまま行く気?」
ノーと、答えさせてくれない出雲の雰囲気に、仲間の女性に一言残す。
「あの、少し残ってもええですか?」
「見ているぞ」
大丈夫、監視カメラの位置だって知っている。
「・・・判ってますって」
日本支部にいるメフィストは、一人結界の修復をしていた。
「お目覚めですか、じゃじゃ馬姫」
「メフィスト・・・!」
背後にいる気配だけで、やはり誰だかわかってしまうのだろう。
シュラは傷を負った横腹を抑えている。
「貴女、セラフィムの爆発をモロに受けたんですよ。特に、左腹部を激しく損傷してます。
病院で安静に」
「今、どうなってるんだ・・・!?」
「混乱してますね。私もこのとおり、結界の張り直しで忙しい」
「候補生共はどうした・・・?」
「イルミナティに連れ去られた出雲ちゃんと、スパイの志摩くんを追わせてます」
「にゃに!?」
驚きの反動で、更に傷を深め倒れそうな所をメフィストに支えられてしまう。
「だから言わんこっちゃない・・・」
いろいろ驚きはあるものの、とりあえず。
「し・・・志摩!?宝じゃなく・・・!?」
全然、予想もしていなかった人物だ。
「宝くんは私のスパイです、残念でした☆おや、噂をすれば☆」
メフィストの電話の相手は、雪男だ。
「・・・たった今、目的地に到着しました」
「どのような場所でした?」
「そうですね、完全な・・・」
マスコットキャラクターが元気よく語る。
「お稲荷さまの住まう稲生大社へようこそ~!!
大社にお参りする時には、おきつね横丁にもぜひぜひ立ち寄ってコン~ッ!!」
空港場所とはまるで違う賑わいをみせる観光地が、確かにそこにあった。