第七話 宣戦布告
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いくら歩いただろう、検討もつかない。
「わぁ、きれいな稲穂の海だねぇ・・・」
息を切らしながら、しえみが頬を日照りさせ言う。
「すっげー見渡す限りの田んぼ!広大!!」
玲薇は雪男に聞いてみる。
「ねぇ雪男」
「?」
「リニュウで飛んじゃダメなの?」
「ダメだよ。万が一他の人が見て、仮にそれがお年寄りで鷹に人が乗ってたら腰抜かすよ。
それこそ、ろくな理由で騎士團のせいにされても困る。だからクロだって巨大化させないよ」
「まぁ・・・最悪な事態を考えてってことか」
「うん。あ、少し道聞いてくる」
駆け足で行く雪男とすれ違いに、燐が来た。
「雪男は?」
「道聞いて来るって」
ふと燐は、いまも黙ったままの勝呂を気にかける。
「くっれーーぞ、勝呂ォおォオ!!」
そしてなぜか、燐は勝呂に蹴りをかました。
「燐!?」
一体何をやらかすつもりだろう。
「元気出せ元気!!そんなんじゃ、誰も助けらんねーぞ!?」
「・・・・・・!!うるさい」
勝呂は今までみたことのない、般若の血相をし燐を見下ろす。
「俺は、お前らとは違う!!!」
だが燐は、微動だにしない。
「お前って・・・いっつもすぐ怒るよな」
癇に障ることを指摘され、更に怒りが膨れ上がる。言われるばかりでは、思いは届かない。
だから、ハッキリ言った。
「俺にとってあいつは・・・家族なんや。もしもの時は・・・あいつを殺して・・・俺も死ぬ!!!」
勝呂にとってそれは真剣で、自分の心の中で強く誓ったことだった。
けれど燐は、そんなこと構わず大爆笑だ。
「ぶっはははははーー!!!」
「な・・・俺は真剣やぞ!!」
サタンをぶん殴ると言った時だってそう、どうして自分の覚悟を笑われる。
「さすが勝呂だ」
笑われて、馬鹿にされると思った。あの時と同じように。
「あ・・・!?」
「俺の時もそうだったもんな」
「・・・・・・・」
燐の時・・・それは彼がサタンの落胤として、しかとそれを自分自身が受け止めた日。
「あの時は嫌われたんだと思って悲しかった。でも、今思ってみりゃ結局、
みんな俺のこと諦めないで食らいついてきてくれたんだ」
祓魔師になると決めてから、いくらか年月は過ぎ、少しは大人になったのかもしれない。
「怒ってくれる人間がいるって、ありがてぇよ。志摩にだって、多分そーゆー奴が必要だ。
だからお前は、そうでなくちゃ」
「・・・・・・・ッ」
勝呂は拳を握る。どうして燐はいつもいつも、友達を一番に思ってるから。
「お前にはほんまに・・・」
彼はバカだからか、いや、単純だからか、迷いなく人をおだてられる。
もちろん、それを嫌味で捉えることはない。
ない、のだが。
「お?お?泣くのか?
俺の名言が心に響いちゃった?照れんなー」
こうすぐ調子に乗るなと本当は言ってやりたいが、我慢の限界だ。
勝呂が燐に拳を向けた。
「んなワケあるかボケェ!
志摩め、八つ裂きにしたるぁ!!」
「おおー、勝呂。やっとチョーシ出てきたな!
まぁ、志摩がありがたいと思うかは別だけどな」
「知ったことか!!!」
やり合う二人を遠くで見守っている子猫丸は思った。
(志摩さん、マジで死ぬな・・・)
そこへ、呆れ顔しながら、道を訪ねに行っていた雪男が戻ってくる。
「大丈夫ですか?道が判りました、先を急ぎましょう!」
「よーし!」
「はい」
稲生大社まで、あと4キロ。
たすけて•••
どこからか、声がする。
助けて出雲•••
そこには泣きじゃくる、母の姿がある。
玉ちゃん頑張ってるのに、ちっとも幸せになれないのどーして?
•••あたしに聞かないで
ひどーい、実の娘が助けてくれなーい!玉ちゃん世界で一番不幸•••!
(・・・大ッ嫌い、なにもかも・・・。
みんな、みんな、アンタのせいだ!!)
『ねーね・・・』
優しい自分を呼ぶ声。
『ねーね、ないてう?』
(月雲!)
そこにはいまはどこにいるか、生存しているかさえ分からない妹がいた。
出雲は月雲に、そっと寄り添う。
『ううん、平気だよ(月雲はほんとにいい子・・・!)』
たまらず、ギュッと抱きしめる。
(月雲・・・!あたしの一番大切なもの・・・!)
月雲に怖い思いは、あたしがもう絶対にさせない!
『神木月雲の大切なマスコット』
ハッと、出雲は目を覚ました。
「わぁ、きれいな稲穂の海だねぇ・・・」
息を切らしながら、しえみが頬を日照りさせ言う。
「すっげー見渡す限りの田んぼ!広大!!」
玲薇は雪男に聞いてみる。
「ねぇ雪男」
「?」
「リニュウで飛んじゃダメなの?」
「ダメだよ。万が一他の人が見て、仮にそれがお年寄りで鷹に人が乗ってたら腰抜かすよ。
それこそ、ろくな理由で騎士團のせいにされても困る。だからクロだって巨大化させないよ」
「まぁ・・・最悪な事態を考えてってことか」
「うん。あ、少し道聞いてくる」
駆け足で行く雪男とすれ違いに、燐が来た。
「雪男は?」
「道聞いて来るって」
ふと燐は、いまも黙ったままの勝呂を気にかける。
「くっれーーぞ、勝呂ォおォオ!!」
そしてなぜか、燐は勝呂に蹴りをかました。
「燐!?」
一体何をやらかすつもりだろう。
「元気出せ元気!!そんなんじゃ、誰も助けらんねーぞ!?」
「・・・・・・!!うるさい」
勝呂は今までみたことのない、般若の血相をし燐を見下ろす。
「俺は、お前らとは違う!!!」
だが燐は、微動だにしない。
「お前って・・・いっつもすぐ怒るよな」
癇に障ることを指摘され、更に怒りが膨れ上がる。言われるばかりでは、思いは届かない。
だから、ハッキリ言った。
「俺にとってあいつは・・・家族なんや。もしもの時は・・・あいつを殺して・・・俺も死ぬ!!!」
勝呂にとってそれは真剣で、自分の心の中で強く誓ったことだった。
けれど燐は、そんなこと構わず大爆笑だ。
「ぶっはははははーー!!!」
「な・・・俺は真剣やぞ!!」
サタンをぶん殴ると言った時だってそう、どうして自分の覚悟を笑われる。
「さすが勝呂だ」
笑われて、馬鹿にされると思った。あの時と同じように。
「あ・・・!?」
「俺の時もそうだったもんな」
「・・・・・・・」
燐の時・・・それは彼がサタンの落胤として、しかとそれを自分自身が受け止めた日。
「あの時は嫌われたんだと思って悲しかった。でも、今思ってみりゃ結局、
みんな俺のこと諦めないで食らいついてきてくれたんだ」
祓魔師になると決めてから、いくらか年月は過ぎ、少しは大人になったのかもしれない。
「怒ってくれる人間がいるって、ありがてぇよ。志摩にだって、多分そーゆー奴が必要だ。
だからお前は、そうでなくちゃ」
「・・・・・・・ッ」
勝呂は拳を握る。どうして燐はいつもいつも、友達を一番に思ってるから。
「お前にはほんまに・・・」
彼はバカだからか、いや、単純だからか、迷いなく人をおだてられる。
もちろん、それを嫌味で捉えることはない。
ない、のだが。
「お?お?泣くのか?
俺の名言が心に響いちゃった?照れんなー」
こうすぐ調子に乗るなと本当は言ってやりたいが、我慢の限界だ。
勝呂が燐に拳を向けた。
「んなワケあるかボケェ!
志摩め、八つ裂きにしたるぁ!!」
「おおー、勝呂。やっとチョーシ出てきたな!
まぁ、志摩がありがたいと思うかは別だけどな」
「知ったことか!!!」
やり合う二人を遠くで見守っている子猫丸は思った。
(志摩さん、マジで死ぬな・・・)
そこへ、呆れ顔しながら、道を訪ねに行っていた雪男が戻ってくる。
「大丈夫ですか?道が判りました、先を急ぎましょう!」
「よーし!」
「はい」
稲生大社まで、あと4キロ。
たすけて•••
どこからか、声がする。
助けて出雲•••
そこには泣きじゃくる、母の姿がある。
玉ちゃん頑張ってるのに、ちっとも幸せになれないのどーして?
•••あたしに聞かないで
ひどーい、実の娘が助けてくれなーい!玉ちゃん世界で一番不幸•••!
(・・・大ッ嫌い、なにもかも・・・。
みんな、みんな、アンタのせいだ!!)
『ねーね・・・』
優しい自分を呼ぶ声。
『ねーね、ないてう?』
(月雲!)
そこにはいまはどこにいるか、生存しているかさえ分からない妹がいた。
出雲は月雲に、そっと寄り添う。
『ううん、平気だよ(月雲はほんとにいい子・・・!)』
たまらず、ギュッと抱きしめる。
(月雲・・・!あたしの一番大切なもの・・・!)
月雲に怖い思いは、あたしがもう絶対にさせない!
『神木月雲の大切なマスコット』
ハッと、出雲は目を覚ました。