第七話 宣戦布告
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
羽田空港・・・玲薇達が乗り込んだ飛行機に、アナウンスが放送した。
「皆様、まもなく離陸いたします。座席ベルトをもう一度お確かめください」
人生初の飛行機が、飛び上がった。
燐は顔を青くさせ、隣にいる雪男の腕を掴む。
「コッ・・・コエーッ飛んだ!!おい、飛んだぞ雪男!!」
「兄さん、静かに」
「雪男はもしかして、何度か乗ってるの?」
燐とは反対側にいる玲薇は、大丈夫そうだ。
「まぁ、仕事でね」
「そっか。飛行機って、窓開かないよね」
「え?」
「乗り物酔いしそう・・・」
「ええ!?」
兄といい、玲薇といい、空をかけている二人なのに。
同じ乗り物でも、電車と飛行機はワケが違うのか。
「風美夜さん、大丈夫?私、お弁当つくってきたんだ!
朝ごはん食べた?空腹はダメだよ!」
しえみにビシッと言われてしまい、そういえば朝ご飯は食べ損ねていた。
「はい、どうぞ」
しえみが鞄から、包装されたモノを順番に手渡してくれる。
「島根到着まで一時間半、現状について話をしましょう」
昨夜、正十字騎士團本部・全支部・出張所は、イルミナティによるセラフィムの自爆攻撃を受けた。
その衝撃でどうやら、明陀の人達と連絡がつかないらしい。恐らく、京都出張所も攻撃を受けたのだろうと。
全体の被害状況はまだ不明だが、本部のグリゴリも重傷を負われたらしいとの情報も入っているとか。
「日本支部でいうと、破られた結界の修復と群がる悪魔の駆除、一般マスコミへの対応に追われてます」
子猫丸が、携帯を見ながら言う。
「・・・ウェブニュースにはなってますね「原因不明の爆発事故テロの可能性・・・!?」」
「・・・まぁ、あながち間違ってもいないですね」
「"イルミナティ"って・・・一体、何なんです!?名前だけは知ってましたけど・・・、
まさか本当に存在する組織やとは思ってませんでした」
「イルミナティは、二百年以上前に設立された有名な秘密結社の一つです。
・・・ですが、現代では間違いなく消滅が確認されていました。
・・・自称イルミナティは、ごまんといますけどね。
騎士團は世界中の結社やデモニズム反人間団体を、監視してるんです。
ところがここ十数年、大小問わず悪魔がらみの事件で"イルミナティ"の名を聞くようになり、
騎士團も実態を調査していたはずです。それがまさか、こんな巨大なテロ集団だったとは・・・。
・・・僕が知っているのも、この程度の情報です」
「テロ集団・・・」
子猫丸が、寂しげに呟く。
「志摩さんは・・・そんなとこにいってしもたんか。何が参謀や・・・。
僕は何一つ、志摩さんのこと判っとらんかった。
みんなのこと、人一倍見てる気ぃでいた自分が恥ずかしい・・・て、
笑顔で去っていく志摩さんを見た時はそう思ってたけど、でも僕は、
子供の頃から見てきた志摩さんを信じる。僕自身の目を信じる。
・・・そのくらいの自負心持っとらんと、参謀なんて目指されへん・・・!!」
「そ・・・そうだよ」
そう答えたのは、しえみで。
「わ、わ、私は、三輪くんに言ってもらった事、的を射てたもの!だからきっと・・・!」
いまは、彼女のほんの小さな気遣いでも、子猫丸は嬉しかった。
「杜山さん・・・ありがとう・・・」
「・・・じゃあそろそろ、しえみの弁当でもいただこうぜ!」
燐はサンドイッチの包を開き、クロにも食べさせようとしたが、クロは首を横に振っている。
「あの、味はよくないと思うけど、体にいいから食べて!」
「またまた・・・」
「「「いただきます!」」」
みんなでしえみお手製のサンドイッチを頬張る。だが、口に入れた瞬間苦味が増した。
(な、なにコレ・・・!?)
強烈な不味さに、玲薇は何も言えない。燐は吐き出し、子猫丸は泡を吹く始末。
「草の味じゃねぇか!!」
「え」
燐の直球な意見に、しえみは固まってしまう。
「・・・オイシイ・・・デス」
雪男は雪男で、変なところで頑固だ。
自分の料理の腕がプロ級な燐の罵声は、止まらない。
「雪男も、カッコつけてんじゃねぇ。つーか勝呂、よく喰えるな!?舌、破壊されてんじゃねーの」
「・・・・・・・・」
玲薇はチラッと、横目で勝呂をみる。
(・・・志摩くんの一件以来、ずっと黙ったままだ・・・)
彼はいま、どんな心境だろう。
そんなんで、飛行機で島根まではあっという間だった。空港を出てみるが、人気が少ない。
「さてと・・・」
雪男が辺りを見回す。島根は観光地として、もっと栄えていると思ったのだが・・・。
「あんたたち、どげしたや」
掃除担当のお爺さんが、声をかけてくれた。
「稲荷観光かね?」
「はい」
雪男が答える。他の情報を、この人に与えることはないだろうと、最小限に。
「今、もうバスもタクシーも全部でバラっとるがん。けー歩ってった方が早いがな」
「!?」
玲薇は衝撃を受けた。
(歩く!?)
「皆様、まもなく離陸いたします。座席ベルトをもう一度お確かめください」
人生初の飛行機が、飛び上がった。
燐は顔を青くさせ、隣にいる雪男の腕を掴む。
「コッ・・・コエーッ飛んだ!!おい、飛んだぞ雪男!!」
「兄さん、静かに」
「雪男はもしかして、何度か乗ってるの?」
燐とは反対側にいる玲薇は、大丈夫そうだ。
「まぁ、仕事でね」
「そっか。飛行機って、窓開かないよね」
「え?」
「乗り物酔いしそう・・・」
「ええ!?」
兄といい、玲薇といい、空をかけている二人なのに。
同じ乗り物でも、電車と飛行機はワケが違うのか。
「風美夜さん、大丈夫?私、お弁当つくってきたんだ!
朝ごはん食べた?空腹はダメだよ!」
しえみにビシッと言われてしまい、そういえば朝ご飯は食べ損ねていた。
「はい、どうぞ」
しえみが鞄から、包装されたモノを順番に手渡してくれる。
「島根到着まで一時間半、現状について話をしましょう」
昨夜、正十字騎士團本部・全支部・出張所は、イルミナティによるセラフィムの自爆攻撃を受けた。
その衝撃でどうやら、明陀の人達と連絡がつかないらしい。恐らく、京都出張所も攻撃を受けたのだろうと。
全体の被害状況はまだ不明だが、本部のグリゴリも重傷を負われたらしいとの情報も入っているとか。
「日本支部でいうと、破られた結界の修復と群がる悪魔の駆除、一般マスコミへの対応に追われてます」
子猫丸が、携帯を見ながら言う。
「・・・ウェブニュースにはなってますね「原因不明の爆発事故テロの可能性・・・!?」」
「・・・まぁ、あながち間違ってもいないですね」
「"イルミナティ"って・・・一体、何なんです!?名前だけは知ってましたけど・・・、
まさか本当に存在する組織やとは思ってませんでした」
「イルミナティは、二百年以上前に設立された有名な秘密結社の一つです。
・・・ですが、現代では間違いなく消滅が確認されていました。
・・・自称イルミナティは、ごまんといますけどね。
騎士團は世界中の結社やデモニズム反人間団体を、監視してるんです。
ところがここ十数年、大小問わず悪魔がらみの事件で"イルミナティ"の名を聞くようになり、
騎士團も実態を調査していたはずです。それがまさか、こんな巨大なテロ集団だったとは・・・。
・・・僕が知っているのも、この程度の情報です」
「テロ集団・・・」
子猫丸が、寂しげに呟く。
「志摩さんは・・・そんなとこにいってしもたんか。何が参謀や・・・。
僕は何一つ、志摩さんのこと判っとらんかった。
みんなのこと、人一倍見てる気ぃでいた自分が恥ずかしい・・・て、
笑顔で去っていく志摩さんを見た時はそう思ってたけど、でも僕は、
子供の頃から見てきた志摩さんを信じる。僕自身の目を信じる。
・・・そのくらいの自負心持っとらんと、参謀なんて目指されへん・・・!!」
「そ・・・そうだよ」
そう答えたのは、しえみで。
「わ、わ、私は、三輪くんに言ってもらった事、的を射てたもの!だからきっと・・・!」
いまは、彼女のほんの小さな気遣いでも、子猫丸は嬉しかった。
「杜山さん・・・ありがとう・・・」
「・・・じゃあそろそろ、しえみの弁当でもいただこうぜ!」
燐はサンドイッチの包を開き、クロにも食べさせようとしたが、クロは首を横に振っている。
「あの、味はよくないと思うけど、体にいいから食べて!」
「またまた・・・」
「「「いただきます!」」」
みんなでしえみお手製のサンドイッチを頬張る。だが、口に入れた瞬間苦味が増した。
(な、なにコレ・・・!?)
強烈な不味さに、玲薇は何も言えない。燐は吐き出し、子猫丸は泡を吹く始末。
「草の味じゃねぇか!!」
「え」
燐の直球な意見に、しえみは固まってしまう。
「・・・オイシイ・・・デス」
雪男は雪男で、変なところで頑固だ。
自分の料理の腕がプロ級な燐の罵声は、止まらない。
「雪男も、カッコつけてんじゃねぇ。つーか勝呂、よく喰えるな!?舌、破壊されてんじゃねーの」
「・・・・・・・・」
玲薇はチラッと、横目で勝呂をみる。
(・・・志摩くんの一件以来、ずっと黙ったままだ・・・)
彼はいま、どんな心境だろう。
そんなんで、飛行機で島根まではあっという間だった。空港を出てみるが、人気が少ない。
「さてと・・・」
雪男が辺りを見回す。島根は観光地として、もっと栄えていると思ったのだが・・・。
「あんたたち、どげしたや」
掃除担当のお爺さんが、声をかけてくれた。
「稲荷観光かね?」
「はい」
雪男が答える。他の情報を、この人に与えることはないだろうと、最小限に。
「今、もうバスもタクシーも全部でバラっとるがん。けー歩ってった方が早いがな」
「!?」
玲薇は衝撃を受けた。
(歩く!?)