第七話 宣戦布告
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話が大きくて大胆で・・・。
「この意志を否定する者を、私達イルミナティは容赦しません。しかし、耳を傾ける者にはいつでも門戸を開きましょう。
サマエル・・・兄として、最後のお願いです。私と共に・・・」
「ムリ」
キッパリと否定の意志を示すメフィスト。
彼は彼の考えを真っ向から兄というルシフェルにぶつける。
「数多の屍の上に生を受け、天空に憧れながら苦界を這い回る。
異なるものが共に存在する猥雑(わいざつ)さこそが平和だと思うが故に・・・!」
「・・・何故私達は、それほどの業と苦しみを背負いながら存在し続けねばならないのでしょう?
この世界はお前のように強い者ばかりじゃない。弱い者もたくさんいるのです」
昔からそうだ。同じれっきとした悪魔の兄弟なのに、考えがどれも違って。
「・・・兄上とはやはり、価値観が違うようです」
似たような高見を見るけれど、共に手を取り合おうとも思わない。
「そのようですね」
これ以上、メフィストを誘っても無意味だと悟ったのだろう。
ルシフェルの視線は今一度、同じサタンの息子、娘にいった。
「お前にも、何やら考えがあるようですし・・・」
「!」
怖い。咄嗟の反応に、玲薇は自身を抱きしめたくなる。
きっと燐も感ずいている、恐怖の威圧感に。
「お互いに手加減はせず、最善を尽くしましょう。
・・・そうだ、あの少女だけは頂戴しますよ。私達の計画に、必要なんです」
「いず、も・・・」
声が震える。助けなくちゃなのに、体も動かない。
「では、失礼・・・」
ルシフェルは踵を返す。しかし、彼はふらつき倒れ、咳をしだした。
「総帥!!」
イルミナティと呼ばれた連中の一人の女性が駆け寄る。
「主治医を呼べ!!それと志摩、貴様も来い!」
「「「!!」」」
目を見張る祓魔塾の仲間。
「ま、待て!!」
それを呼び止めようと、燐が叫ぶ。
「出雲と志摩をどうする気だ!!」
だが、彼らもまして志摩もこたえようとしない。
「おい・・・メフィスト!!黙って見てるつもりかよ!!」
「光の王が側にいてはどうしようもありません。
弱ってますが、あの方は実質虚無界の最高権力者なのです。
貴方だって、体感したはずでは?」
半分悪魔の血が流れているのであれば尚更。
「じゃあ・・・」
誰の意見も聞こうとせず、燐は降魔剣を抜き炎を出した。
「俺が止める!!」
その斬撃を止めに入ったのは、ずっと仲間だった志摩で。
「志摩・・・」
「奥村くん」
油断を見せた燐に、黒い炎を纏った錫杖を向け慌てて燐はそれを受け止める。
「これからは、人間殺す覚悟ないと勝たれへんで?
イルミナティは、人間の集まりやさかいな・・・!」
「・・・!!」
力が、ほぼ互角?
「何の冗談や・・・志摩、戻って来い!!」
鋭い、勝呂の声。この声に、志摩はいつも笑って過ごすのに。
背中に携えた悪魔を錫杖に戻し、志摩はいつもと変わらぬ表情で言った。
「皆、今まで信用してくれてありがとぉ!でも、俺は結局、こんなもんですわ。
ほな、さいならぁ」
志摩は、どこまでも志摩の性格のままなのに。
「・・・・・・ッ」
志摩が、敵のヘリコプターに乗って行ってしまう。
「んな捨てゼリフで、納得できるか・・・!!志摩!!」
声は届いてるのに、どうして背中を向ける。どうして、振り向いてくれない。
「廉造おおぉォッ!!!」
志摩は戻ることなく、去って行った・・・。
志摩と出雲を乗せたヘリコプターが見えなくなっていく。
「・・・そんな」
何も手出しが出来なかった。
「・・・まぁ、宣戦布告というのだから、これで終わる訳ないですね」
「は!?」
燐がメフィストへ疑問を投げかけた時、街中爆発に巻き込まれる。
メフィストが悪魔から守ろうと張っていた結界が、光の王の手によって破壊され、
終いには細かく張られていた結界をも破られてしまったようだ。
「ご覧なさい」
そのせいで、辺りは黒い物体が動き出す。
「あの時と同じ・・・」
いや、それ以上かもしれない。
初めて街中で、燐と一緒にコールタールの群れを見たあの日と。
「下級・・・いや、中級悪魔も群がってきている・・・!」
雪男が言うのだ。やはり状況が全然違うだろう。
「この感じだと、世界中の支部が同様の状態で混乱している事でしょう。
私も、日本支部の事態を収拾せねばなりません」
そして、メフィストが雪男に命令を下した。
「・・・奥村雪男中一級祓魔師!」
「は!!」
「貴方は、ここにいる候補生を率い、今すぐ神木出雲くんの救出へ向かってもらいます」
「!?」
重大な任務だ。それを、僅かな人数で。
「・・・ぼ、僕と候補生だけでですか!?」
不安がないわけない。
「当然、こちらが落ち着き次第援軍を送ります。それに、宝ねむくんもつけますしね」
彼は当然だと言わんばかりのいい様だ。実力の程をまだ知らないのに。
「・・・彼が、何だというんです?」
「彼は、私が貴方がた塾生の"監督役"として、外部から雇用していた祓魔師です」
「え!?」
そんな素振り、一度も見せたことはないのに。
「上一級の実力の持ち主なので安心しなさい。目的地も、彼が知っています」
ここまでメフィストが太鼓判を押すのだ。嘘でもないのだろう。
どこまで信用していいのか、見極めも必要なのかも知れないが。
「志摩は?」
燐が聞く。もしかしたらこの流れで、メフィストが何かしら命令してるのかもしれない。
そう思いたかったのに、彼は深刻な表情になった。
「志摩くんについては、私の調査不足です。申し開きも出来ません!
しかし、現時点では残念ながら彼がイルミナティの鼠である事実は、認めねばなら・・・」
「うるせえ・・・!!」
燐は怒りをあらわにしたまま、メフィストの胸元を掴む。
「黙れピエロ。まだ決まってねぇ!!
俺達で出雲も志摩も、絶対取り戻してやる・・・!!」
「この意志を否定する者を、私達イルミナティは容赦しません。しかし、耳を傾ける者にはいつでも門戸を開きましょう。
サマエル・・・兄として、最後のお願いです。私と共に・・・」
「ムリ」
キッパリと否定の意志を示すメフィスト。
彼は彼の考えを真っ向から兄というルシフェルにぶつける。
「数多の屍の上に生を受け、天空に憧れながら苦界を這い回る。
異なるものが共に存在する猥雑(わいざつ)さこそが平和だと思うが故に・・・!」
「・・・何故私達は、それほどの業と苦しみを背負いながら存在し続けねばならないのでしょう?
この世界はお前のように強い者ばかりじゃない。弱い者もたくさんいるのです」
昔からそうだ。同じれっきとした悪魔の兄弟なのに、考えがどれも違って。
「・・・兄上とはやはり、価値観が違うようです」
似たような高見を見るけれど、共に手を取り合おうとも思わない。
「そのようですね」
これ以上、メフィストを誘っても無意味だと悟ったのだろう。
ルシフェルの視線は今一度、同じサタンの息子、娘にいった。
「お前にも、何やら考えがあるようですし・・・」
「!」
怖い。咄嗟の反応に、玲薇は自身を抱きしめたくなる。
きっと燐も感ずいている、恐怖の威圧感に。
「お互いに手加減はせず、最善を尽くしましょう。
・・・そうだ、あの少女だけは頂戴しますよ。私達の計画に、必要なんです」
「いず、も・・・」
声が震える。助けなくちゃなのに、体も動かない。
「では、失礼・・・」
ルシフェルは踵を返す。しかし、彼はふらつき倒れ、咳をしだした。
「総帥!!」
イルミナティと呼ばれた連中の一人の女性が駆け寄る。
「主治医を呼べ!!それと志摩、貴様も来い!」
「「「!!」」」
目を見張る祓魔塾の仲間。
「ま、待て!!」
それを呼び止めようと、燐が叫ぶ。
「出雲と志摩をどうする気だ!!」
だが、彼らもまして志摩もこたえようとしない。
「おい・・・メフィスト!!黙って見てるつもりかよ!!」
「光の王が側にいてはどうしようもありません。
弱ってますが、あの方は実質虚無界の最高権力者なのです。
貴方だって、体感したはずでは?」
半分悪魔の血が流れているのであれば尚更。
「じゃあ・・・」
誰の意見も聞こうとせず、燐は降魔剣を抜き炎を出した。
「俺が止める!!」
その斬撃を止めに入ったのは、ずっと仲間だった志摩で。
「志摩・・・」
「奥村くん」
油断を見せた燐に、黒い炎を纏った錫杖を向け慌てて燐はそれを受け止める。
「これからは、人間殺す覚悟ないと勝たれへんで?
イルミナティは、人間の集まりやさかいな・・・!」
「・・・!!」
力が、ほぼ互角?
「何の冗談や・・・志摩、戻って来い!!」
鋭い、勝呂の声。この声に、志摩はいつも笑って過ごすのに。
背中に携えた悪魔を錫杖に戻し、志摩はいつもと変わらぬ表情で言った。
「皆、今まで信用してくれてありがとぉ!でも、俺は結局、こんなもんですわ。
ほな、さいならぁ」
志摩は、どこまでも志摩の性格のままなのに。
「・・・・・・ッ」
志摩が、敵のヘリコプターに乗って行ってしまう。
「んな捨てゼリフで、納得できるか・・・!!志摩!!」
声は届いてるのに、どうして背中を向ける。どうして、振り向いてくれない。
「廉造おおぉォッ!!!」
志摩は戻ることなく、去って行った・・・。
志摩と出雲を乗せたヘリコプターが見えなくなっていく。
「・・・そんな」
何も手出しが出来なかった。
「・・・まぁ、宣戦布告というのだから、これで終わる訳ないですね」
「は!?」
燐がメフィストへ疑問を投げかけた時、街中爆発に巻き込まれる。
メフィストが悪魔から守ろうと張っていた結界が、光の王の手によって破壊され、
終いには細かく張られていた結界をも破られてしまったようだ。
「ご覧なさい」
そのせいで、辺りは黒い物体が動き出す。
「あの時と同じ・・・」
いや、それ以上かもしれない。
初めて街中で、燐と一緒にコールタールの群れを見たあの日と。
「下級・・・いや、中級悪魔も群がってきている・・・!」
雪男が言うのだ。やはり状況が全然違うだろう。
「この感じだと、世界中の支部が同様の状態で混乱している事でしょう。
私も、日本支部の事態を収拾せねばなりません」
そして、メフィストが雪男に命令を下した。
「・・・奥村雪男中一級祓魔師!」
「は!!」
「貴方は、ここにいる候補生を率い、今すぐ神木出雲くんの救出へ向かってもらいます」
「!?」
重大な任務だ。それを、僅かな人数で。
「・・・ぼ、僕と候補生だけでですか!?」
不安がないわけない。
「当然、こちらが落ち着き次第援軍を送ります。それに、宝ねむくんもつけますしね」
彼は当然だと言わんばかりのいい様だ。実力の程をまだ知らないのに。
「・・・彼が、何だというんです?」
「彼は、私が貴方がた塾生の"監督役"として、外部から雇用していた祓魔師です」
「え!?」
そんな素振り、一度も見せたことはないのに。
「上一級の実力の持ち主なので安心しなさい。目的地も、彼が知っています」
ここまでメフィストが太鼓判を押すのだ。嘘でもないのだろう。
どこまで信用していいのか、見極めも必要なのかも知れないが。
「志摩は?」
燐が聞く。もしかしたらこの流れで、メフィストが何かしら命令してるのかもしれない。
そう思いたかったのに、彼は深刻な表情になった。
「志摩くんについては、私の調査不足です。申し開きも出来ません!
しかし、現時点では残念ながら彼がイルミナティの鼠である事実は、認めねばなら・・・」
「うるせえ・・・!!」
燐は怒りをあらわにしたまま、メフィストの胸元を掴む。
「黙れピエロ。まだ決まってねぇ!!
俺達で出雲も志摩も、絶対取り戻してやる・・・!!」