第六話 学園祭
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「・・・ダンスパーティー、私制服しか持ってないよ?」
「俺だってそうだろ」
「雪男はどうするの?」
「雪男はしえみだし」
「そっか・・・」
「おう」
ふと、玲薇は顔を下に向ける。
「・・・玲薇?」
名前を呼ばれても顔を上げられずに眼を燐に向けないように泳がせる。
怖い、聞くのが怖い。けど、聞いてみたかった。
「・・・燐はさ、私と杜山さん、どっちが大事・・・?」
「へ?」
「その・・・あの、なんて言うのかな・・・杜山さんとは本当に赤の他人同士だからな、何したっていいと思う」
自分でも、なんて酷い事を言おうとしてるのかわかってる。
分かってるけど、止められなかった。今までの我慢が爆発していく。
燐はどうして、と・・・。
「でも、私達は普通じゃないじゃない」
「!」
キョウダイ同士。それも最悪な、サタンの落胤としての。
「燐も、その事は分かってくれてるんでしょ?」
「俺は・・・」
ただただ、好きな気持ちだけが勝っていた。
玲薇は椅子に座ってて、背中まで向けているのに、普段することない背中を丸めてモジモジしているのがわかる。
「燐の力は本当にサタンの力だと思うし、私の力もいつどうなるかと思うと怖い。
一緒にヘマして、退学になるだけならまだ話は軽いよ。でもさ・・・もし、もし・・・」
ぐるっと、椅子が回った。燐と思いっきり目が合ってしまう。
そして、キスされた。
「ん・・・!」
両肩に手を乗せられ、座ってるせいか身動き出来ない。
「り・・・」
燐の舌が入りこんでくる。久しぶりの、優しいキスだ。
卑怯だ。唇が離れた瞬間に、言ってやりかたった。
「これが俺の答えで気持ち」
キスで黙らされてしまって、真っ直ぐに目も見てくるから反抗できない。
「しえみのことは本当に申し訳ない。時たま目移りするのは許してくれ」
「なに、それ・・・」
「お前から離れたり変に怒ったりする理由も判ったよ」
ずっとずっと黙って抱え込んでた不安を、やっと話してくれた。
「いまだって俺、お前をベッドに運んで押し倒せたりもできるけど、その先が不安なんだろ?」
気恥しいそうに、小さく玲薇が頷く。何度も思うけど、普通じゃないから。
学生って身分だけの不安ではない。自分らの子への不安。
もしサタンに知られでもしたら、何されるか分からない。いい様にコントロールされてしまうかもしれない。
彼女の気持ちが理解出来ない程バカな奴ではない。けど、ちょっとした仕返しで。
「さっきの、チャンスがあったらしえみにもしていいのか?」
「!」
玲薇はハッとし、燐にしがみつく。
「イヤ!絶対イヤ!」
「嘘だよ。俺だって、ちゃんと見てくれる奴がいればいいよ」
「・・・本当に?」
「本当に。けどさ、普通じゃないからってあまり1人で重たく考えるなよ」
「うん・・・でも」
「でももけども、もう終わりだ!行くのか?行かないのか?」
「行く!」
結局最後は、燐にうまく丸めこまれてしまうのだ。一人じゃないんだ。
「あ」
「ん?」
「その日、出雲と勉強って話してたんだ・・・」
「はぁ!?」
せっかくの学園祭なのに、まだ勉強から頭が離れない人がいるとは。
「・・・後で出雲に話しておくよ」
彼女ならきっと、判ってくれる。今日は遅いから、また明日。
「え!?奥村くんと行ける事になったの?」
「うん」
昼休みになる前に、1-Aで朴と出雲に話す玲薇。
「昨日の夜、やっと話せた。多分、判ってくれたと思う」
そこまでバカだとは思いたくない。
「しえみちゃんは、どうしたのかな」
朴は優しいから、彼女のことも気になるのだろう。出雲も言う。
「一緒に来なかったのね」
「一緒にだと、話ずらくて・・・ホントはお昼休みとかのほうが時間はあるんだけど。
杜山さんは、雪男を誘ったみたい。返事は分からないけど」
雪男の事だ。きっと了解するだろう。
「そっか・・・」
「そっちはそっちで、上手くいってるといいわね」
「え?」
「だって、奥村先生の答え次第では、杜山しえみは必ず奥村に相談するんじゃない」
「・・・・・・・」
しょぼんと落ち込む玲薇。
「ちょっと、出雲ちゃん」
「燐・・・」
「き、きっと大丈夫だよ!なら、私が聞いてみてあげるから!」
「朴ちゃん・・・お願いします」
「俺だってそうだろ」
「雪男はどうするの?」
「雪男はしえみだし」
「そっか・・・」
「おう」
ふと、玲薇は顔を下に向ける。
「・・・玲薇?」
名前を呼ばれても顔を上げられずに眼を燐に向けないように泳がせる。
怖い、聞くのが怖い。けど、聞いてみたかった。
「・・・燐はさ、私と杜山さん、どっちが大事・・・?」
「へ?」
「その・・・あの、なんて言うのかな・・・杜山さんとは本当に赤の他人同士だからな、何したっていいと思う」
自分でも、なんて酷い事を言おうとしてるのかわかってる。
分かってるけど、止められなかった。今までの我慢が爆発していく。
燐はどうして、と・・・。
「でも、私達は普通じゃないじゃない」
「!」
キョウダイ同士。それも最悪な、サタンの落胤としての。
「燐も、その事は分かってくれてるんでしょ?」
「俺は・・・」
ただただ、好きな気持ちだけが勝っていた。
玲薇は椅子に座ってて、背中まで向けているのに、普段することない背中を丸めてモジモジしているのがわかる。
「燐の力は本当にサタンの力だと思うし、私の力もいつどうなるかと思うと怖い。
一緒にヘマして、退学になるだけならまだ話は軽いよ。でもさ・・・もし、もし・・・」
ぐるっと、椅子が回った。燐と思いっきり目が合ってしまう。
そして、キスされた。
「ん・・・!」
両肩に手を乗せられ、座ってるせいか身動き出来ない。
「り・・・」
燐の舌が入りこんでくる。久しぶりの、優しいキスだ。
卑怯だ。唇が離れた瞬間に、言ってやりかたった。
「これが俺の答えで気持ち」
キスで黙らされてしまって、真っ直ぐに目も見てくるから反抗できない。
「しえみのことは本当に申し訳ない。時たま目移りするのは許してくれ」
「なに、それ・・・」
「お前から離れたり変に怒ったりする理由も判ったよ」
ずっとずっと黙って抱え込んでた不安を、やっと話してくれた。
「いまだって俺、お前をベッドに運んで押し倒せたりもできるけど、その先が不安なんだろ?」
気恥しいそうに、小さく玲薇が頷く。何度も思うけど、普通じゃないから。
学生って身分だけの不安ではない。自分らの子への不安。
もしサタンに知られでもしたら、何されるか分からない。いい様にコントロールされてしまうかもしれない。
彼女の気持ちが理解出来ない程バカな奴ではない。けど、ちょっとした仕返しで。
「さっきの、チャンスがあったらしえみにもしていいのか?」
「!」
玲薇はハッとし、燐にしがみつく。
「イヤ!絶対イヤ!」
「嘘だよ。俺だって、ちゃんと見てくれる奴がいればいいよ」
「・・・本当に?」
「本当に。けどさ、普通じゃないからってあまり1人で重たく考えるなよ」
「うん・・・でも」
「でももけども、もう終わりだ!行くのか?行かないのか?」
「行く!」
結局最後は、燐にうまく丸めこまれてしまうのだ。一人じゃないんだ。
「あ」
「ん?」
「その日、出雲と勉強って話してたんだ・・・」
「はぁ!?」
せっかくの学園祭なのに、まだ勉強から頭が離れない人がいるとは。
「・・・後で出雲に話しておくよ」
彼女ならきっと、判ってくれる。今日は遅いから、また明日。
「え!?奥村くんと行ける事になったの?」
「うん」
昼休みになる前に、1-Aで朴と出雲に話す玲薇。
「昨日の夜、やっと話せた。多分、判ってくれたと思う」
そこまでバカだとは思いたくない。
「しえみちゃんは、どうしたのかな」
朴は優しいから、彼女のことも気になるのだろう。出雲も言う。
「一緒に来なかったのね」
「一緒にだと、話ずらくて・・・ホントはお昼休みとかのほうが時間はあるんだけど。
杜山さんは、雪男を誘ったみたい。返事は分からないけど」
雪男の事だ。きっと了解するだろう。
「そっか・・・」
「そっちはそっちで、上手くいってるといいわね」
「え?」
「だって、奥村先生の答え次第では、杜山しえみは必ず奥村に相談するんじゃない」
「・・・・・・・」
しょぼんと落ち込む玲薇。
「ちょっと、出雲ちゃん」
「燐・・・」
「き、きっと大丈夫だよ!なら、私が聞いてみてあげるから!」
「朴ちゃん・・・お願いします」