第六話 学園祭
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「それにしてもしえみちゃん、いい時期に入学したね。もうすぐ学園祭なんだよ」
「あっ、そうだね!毎年素敵だよね。最近は、家からしか見てないけど・・・」
「そっか、地元だもんね~!今年は参加できちゃうよ!ダンスパーティーとか!」
「ダンスパーティー?」
「学園祭二日目に学生限定の音楽フェスティバルがあるんだけど、通称"ダンスパーティー"っていわれてて、
有名なアーティストもくるし、正装して夜中まで堂々と遊べるから、皆すっごい楽しみにしてるんだよ~!」
「へぇええ!楽しそう、行きたいっ!!」
瞳を輝かせるしえみを見て、心の中で眩しいと思いながら、玲薇はしえみと朴の話を聞いている。
「でも、男女ペアでの参加が条件なんだー」
「男女ペア・・・?」
そして、しえみはハッとした。
「そ、それって恋人ってこと・・・?」
「まぁね、ほとんどの人がそんな感じだよ。今、学園中カップル急増中だし」
「そ、そっかぁ。みんな大人だなぁ・・・!」
「でも、友達とでもいいんじゃないかな?私もよくは知らない先輩と行くよ~。
しえみちゃんも誰か誘ってみたら?」
すると、今まで黙ってた出雲が口を開く。
「ハッ。そいつなんて、ほっといても誘われるわよ。玲薇がフリーなわけだし」
「あ・・・はは・・・」
頭では分かってるものの、ストレートに言われるとしょげる。
「ちょっと、出雲ちゃん」
落ち込む玲薇の頭を、優しく撫でてくれる朴。
「・・・・・わ・・・私、誘ってみようかな・・・!」
「えーーっ!?だれ、だれ!?誰誘うの!?」
「しえみ!!」
来た。来てしまった。この雰囲気で一番会いたくなかった人に。
「燐・・・」
「・・・・・・」
呟くしえみに、黙ってそっぽ向く玲薇。
玲薇の態度に頭に来る燐だが、もう最後の手段なのだ。
「えーとぉ、ちょっと顔かせ」
「うんっ、私も丁度話たかったの」
「ほらね」
これが当たり前だと言わんばかりの出雲。
「うわー、どうなっちゃうんだろう!」
ドキドキする朴の隣で、出雲が玲薇に言う。
「いいの?」
「・・・・・・イヤ・・・・・だよ・・・でも・・・」
断ったのは自分。燐が次を選んだのがしえみだとしても、もうしょうがない。
もっと待ってくれると思った。もっと大切にみてくれると思った。
「今回は理解して欲しかっただけだけど、いつも言い合いになっちゃうし。ワガママ過ぎたのね、私が」
「玲薇ちゃん・・・」
「なんか、ゴメンね。ごちそうさま!」
逃げ出すように、1-Aを出ていった。
(かっこ悪る・・・)
自分で自分が情けない・・・。
(アイツ、追ってこねぇのか・・・)
しえみの後ろをチラッと見る燐。彼女の事を気にしてはいるものの、どうしてもダンスパーティーには出たかった。
いままで何度も行事を避けていた自分が、今回やっと楽しい事に参加出来るかもしれないのだ。
(いいもんね!俺だって、出たいもんは出たい!)
こうなったら、ヤケ糞だ。
しえみで誘って、了解が得られれば迷わずダンスパーティーに参加する。
その夜、ドヨ~ンと落ち込んだ燐が旧男子寮に帰ってきた。
「・・・・・なに、どうしたの?」
有無を言わず、自分のベッドに転がり込む。
「・・・何もねぇ・・・」
「・・・・・・・・」
あぁ、なる程。この様子だと失敗したのか。聞いていいのか悪いのか。
「杜山さんはなんて?」
「ゆき・・・お・・・かも・・・」
「ふ~ん」
意外だ。燐となら断らないと思ったのに。クラスでは彼女に聞けなかったから。
「やっぱり俺、お前しかいねーよ・・・一緒に行ってくれよ・・・」
泣く泣く頼んでくる燐を、今は哀れに思ってしまう。そして、ふと思った。学校の行事をこんなに出たがるようになった燐。
変わろうとしているのか、こんな言い方も失礼だが、バカだから分からないが無意識に前を向いてるのか。
「燐・・・変わったね」
「は?」
玲薇の言葉に、燐はきょとんとする。
「クラスも高校も、楽しい?」
彼は難しい顔をする。きっと、急にどうしたんだと思うだろう。
でも、玲薇もそう同じに思っている。
「お前・・・なんか拗ねてる」
「拗ねてない」
「いーや、拗ねてるね!最初っから怒るなら、最初から俺選べ!」
(あーあ・・・あんな腹たってたのになぁ)
なんだか、バカらしくなってきた。願わくばもう少し燐には待ってもらって、
2年生になったら彼と同じクラスがいい。そうすればまた、違う学校生活があるかもしれないのに。
「あっ、そうだね!毎年素敵だよね。最近は、家からしか見てないけど・・・」
「そっか、地元だもんね~!今年は参加できちゃうよ!ダンスパーティーとか!」
「ダンスパーティー?」
「学園祭二日目に学生限定の音楽フェスティバルがあるんだけど、通称"ダンスパーティー"っていわれてて、
有名なアーティストもくるし、正装して夜中まで堂々と遊べるから、皆すっごい楽しみにしてるんだよ~!」
「へぇええ!楽しそう、行きたいっ!!」
瞳を輝かせるしえみを見て、心の中で眩しいと思いながら、玲薇はしえみと朴の話を聞いている。
「でも、男女ペアでの参加が条件なんだー」
「男女ペア・・・?」
そして、しえみはハッとした。
「そ、それって恋人ってこと・・・?」
「まぁね、ほとんどの人がそんな感じだよ。今、学園中カップル急増中だし」
「そ、そっかぁ。みんな大人だなぁ・・・!」
「でも、友達とでもいいんじゃないかな?私もよくは知らない先輩と行くよ~。
しえみちゃんも誰か誘ってみたら?」
すると、今まで黙ってた出雲が口を開く。
「ハッ。そいつなんて、ほっといても誘われるわよ。玲薇がフリーなわけだし」
「あ・・・はは・・・」
頭では分かってるものの、ストレートに言われるとしょげる。
「ちょっと、出雲ちゃん」
落ち込む玲薇の頭を、優しく撫でてくれる朴。
「・・・・・わ・・・私、誘ってみようかな・・・!」
「えーーっ!?だれ、だれ!?誰誘うの!?」
「しえみ!!」
来た。来てしまった。この雰囲気で一番会いたくなかった人に。
「燐・・・」
「・・・・・・」
呟くしえみに、黙ってそっぽ向く玲薇。
玲薇の態度に頭に来る燐だが、もう最後の手段なのだ。
「えーとぉ、ちょっと顔かせ」
「うんっ、私も丁度話たかったの」
「ほらね」
これが当たり前だと言わんばかりの出雲。
「うわー、どうなっちゃうんだろう!」
ドキドキする朴の隣で、出雲が玲薇に言う。
「いいの?」
「・・・・・・イヤ・・・・・だよ・・・でも・・・」
断ったのは自分。燐が次を選んだのがしえみだとしても、もうしょうがない。
もっと待ってくれると思った。もっと大切にみてくれると思った。
「今回は理解して欲しかっただけだけど、いつも言い合いになっちゃうし。ワガママ過ぎたのね、私が」
「玲薇ちゃん・・・」
「なんか、ゴメンね。ごちそうさま!」
逃げ出すように、1-Aを出ていった。
(かっこ悪る・・・)
自分で自分が情けない・・・。
(アイツ、追ってこねぇのか・・・)
しえみの後ろをチラッと見る燐。彼女の事を気にしてはいるものの、どうしてもダンスパーティーには出たかった。
いままで何度も行事を避けていた自分が、今回やっと楽しい事に参加出来るかもしれないのだ。
(いいもんね!俺だって、出たいもんは出たい!)
こうなったら、ヤケ糞だ。
しえみで誘って、了解が得られれば迷わずダンスパーティーに参加する。
その夜、ドヨ~ンと落ち込んだ燐が旧男子寮に帰ってきた。
「・・・・・なに、どうしたの?」
有無を言わず、自分のベッドに転がり込む。
「・・・何もねぇ・・・」
「・・・・・・・・」
あぁ、なる程。この様子だと失敗したのか。聞いていいのか悪いのか。
「杜山さんはなんて?」
「ゆき・・・お・・・かも・・・」
「ふ~ん」
意外だ。燐となら断らないと思ったのに。クラスでは彼女に聞けなかったから。
「やっぱり俺、お前しかいねーよ・・・一緒に行ってくれよ・・・」
泣く泣く頼んでくる燐を、今は哀れに思ってしまう。そして、ふと思った。学校の行事をこんなに出たがるようになった燐。
変わろうとしているのか、こんな言い方も失礼だが、バカだから分からないが無意識に前を向いてるのか。
「燐・・・変わったね」
「は?」
玲薇の言葉に、燐はきょとんとする。
「クラスも高校も、楽しい?」
彼は難しい顔をする。きっと、急にどうしたんだと思うだろう。
でも、玲薇もそう同じに思っている。
「お前・・・なんか拗ねてる」
「拗ねてない」
「いーや、拗ねてるね!最初っから怒るなら、最初から俺選べ!」
(あーあ・・・あんな腹たってたのになぁ)
なんだか、バカらしくなってきた。願わくばもう少し燐には待ってもらって、
2年生になったら彼と同じクラスがいい。そうすればまた、違う学校生活があるかもしれないのに。