第六話 学園祭
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それから数日後。
玲薇は当分、出雲達がいる新館・女子寮に泊まり込みしてしまっていた。
理由はもちろん、燐と二人でいる事に恥ずかしさを覚えたからである。
本当は申請とか必要なのかもしれないが、理事長でもあるメフィストから何もお咎めはない。
ここは見逃してもらっている事をありがたく受け止めさせてもらおう。
そんな中、旧男子寮に一人でいる事になっていた燐はあれから女子に声を掛けていた。
その結果は・・・。
「おはよう奥村くん・・・」
落ち込む燐に声を掛けたのは、これまた落ち込んでいる志摩だ。
「・・・あれから面識ない子にも20人近く声かけたんやけど、全然ダメや・・・。つらい・・・生きるってつらい・・・」
志摩は女子共には全て断られていたらしいが、さらに断られていたとは。上には上がいる。
「すげーや、志摩!俺、玲薇にさけられただけで心折れたぜ?」
用は、ヤルヤル言わなきゃいいのだろう。それだと折角恋人になれたのに意味がないような気さえしていた。
「奥村くんは無理やりすぎやて」
「そーかぁ?」
「お二人共、おはようさん」
そこへ、少し戸惑いつつ子猫丸が来た。
「すっかりウォーキングデッド化が進行してはるね・・・」
「おう・・・おはよー子猫丸・・・って」
燐は子猫丸の隣にいる勝呂をみてぎょっとした。
「勝呂どーしたんだ!?お前こそ、ウォーキングデッドみてーになってんじゃねーか!!」
「ええと・・・坊もダンスパーティーの件で悩んではって・・・」
「え!?勝呂行くの!?」
「いえ・・・2人には言いにくいんやけど・・・朝から同じクラスの女子に誘われて断らはったんやけど、
泣かれてもーて・・・心に深いダメージを受けたところなんです」
「俺達とは悩みの次元が違え!!」
やはり勝呂はモテるのだろう。燐たちとはよそに、彼のため息はもれている。
「くっそー!!カッケェ!なんだよそれ!カッケェ、うらやましい!!
俺は玲薇にだって・・・俺は玲薇だって・・・!!」
自分で勢いよく言ったものの、だんだん悲しくなってきた燐。
「キサマは、我らウォーキングデッドの風上にもおけぬ・・・!!」
今まで大人しくしていたと思った志摩が、とうとう爆発した。
「学園祭に青春の全てをかける戦士(おとこ)全員の疲れ果てた魂から、呪われろ!!!」
「呪われとるのはお前らの方やろ・・・煩悩にまみれよって!!学園祭なぞ、マーラの所業も同じ・・・!
彷徨える魂に、せめて安らかな終焉を・・・!!」
「どこ目指してはるの!?」
思わず突っ込みをいれたくなる子猫丸。
そんな彼をよそに、3人の言い争いは終わらない。止めに入るにも入れずにいると、どこからか聞き慣れた声がした。
「おーい・・・みんな、おはよ~!」
声の主は、ここにいるハズのない彼女だった。
「あれ、杜山さん?」
まさかの救世主。子猫丸の言葉を不思議に思ったのか、言い合っていた3人も振り返る。
「しえみ!なんでここに・・・」
「あ・・・あのね」
彼女はいつも以上に真っ赤になりながら答えた。
「私、これから皆と同級生だよ!よろしくね!」
燐の目が見開かれた。
「まじで!?」
「中途入学の試験に合格したの!
ずっと雪ちゃんに勉強教わってたんだけど、合格してから話したくて黙ってもらってたんだ」
その話を聞いて、雪男の行動にようやく納得できた。
「なんだ、それで二人してコソコソしてたのか!」
「え?」
「い、いや!」
「しえみさん」
雪男に名前を呼ばれ、促される。
「職員室はこっちです」
「あっ、はいっ」
慌てて彼について行くしえみはもう一度振り返り、笑顔で言った。
「またね!!同じクラスになったらよろしくね!!」
一難去ってまた一難。
「・・・奥村くん・・・」
恐る恐る尋ねる子猫丸。まさか、まさか・・・と。
「ついに、俺の時代が到来した・・・」
そのまさかである。呆れる勝呂。
「"到来"とか、知っとったんやな」
「しえみを誘える!!」
ギラギラに輝く燐の目に、一切の迷いはない。
「ええ顔しとるわ~」
「玲薇ちゃん、どうしはるやろ・・・」
3人の心配など、今の燐には届かなかった。
午前の授業が残り一つで終わる頃。
「奥村くん♡私とダンパに行ってください!」
今日もクラスの女子に隙あらば声をかけられてる雪男がいた。
前は玲薇を使って断っていたけれど、今はそうも行かない。
彼女にも、決まったセリフでやんわり断りを入れる。
「ありがとうございます。でも、僕はフェスのスタッフで参加するんで、当日は遊べないんです」
「えーっ」
それでもガッカリする彼女たち。
「なにそれぇ、そんなの・・・サボってもいいと思う・・・!!」
「そうもいかないので・・・すみません」
彼女たちが去る姿を見送って、雪男はため息をついた。
玲薇は当分、出雲達がいる新館・女子寮に泊まり込みしてしまっていた。
理由はもちろん、燐と二人でいる事に恥ずかしさを覚えたからである。
本当は申請とか必要なのかもしれないが、理事長でもあるメフィストから何もお咎めはない。
ここは見逃してもらっている事をありがたく受け止めさせてもらおう。
そんな中、旧男子寮に一人でいる事になっていた燐はあれから女子に声を掛けていた。
その結果は・・・。
「おはよう奥村くん・・・」
落ち込む燐に声を掛けたのは、これまた落ち込んでいる志摩だ。
「・・・あれから面識ない子にも20人近く声かけたんやけど、全然ダメや・・・。つらい・・・生きるってつらい・・・」
志摩は女子共には全て断られていたらしいが、さらに断られていたとは。上には上がいる。
「すげーや、志摩!俺、玲薇にさけられただけで心折れたぜ?」
用は、ヤルヤル言わなきゃいいのだろう。それだと折角恋人になれたのに意味がないような気さえしていた。
「奥村くんは無理やりすぎやて」
「そーかぁ?」
「お二人共、おはようさん」
そこへ、少し戸惑いつつ子猫丸が来た。
「すっかりウォーキングデッド化が進行してはるね・・・」
「おう・・・おはよー子猫丸・・・って」
燐は子猫丸の隣にいる勝呂をみてぎょっとした。
「勝呂どーしたんだ!?お前こそ、ウォーキングデッドみてーになってんじゃねーか!!」
「ええと・・・坊もダンスパーティーの件で悩んではって・・・」
「え!?勝呂行くの!?」
「いえ・・・2人には言いにくいんやけど・・・朝から同じクラスの女子に誘われて断らはったんやけど、
泣かれてもーて・・・心に深いダメージを受けたところなんです」
「俺達とは悩みの次元が違え!!」
やはり勝呂はモテるのだろう。燐たちとはよそに、彼のため息はもれている。
「くっそー!!カッケェ!なんだよそれ!カッケェ、うらやましい!!
俺は玲薇にだって・・・俺は玲薇だって・・・!!」
自分で勢いよく言ったものの、だんだん悲しくなってきた燐。
「キサマは、我らウォーキングデッドの風上にもおけぬ・・・!!」
今まで大人しくしていたと思った志摩が、とうとう爆発した。
「学園祭に青春の全てをかける戦士(おとこ)全員の疲れ果てた魂から、呪われろ!!!」
「呪われとるのはお前らの方やろ・・・煩悩にまみれよって!!学園祭なぞ、マーラの所業も同じ・・・!
彷徨える魂に、せめて安らかな終焉を・・・!!」
「どこ目指してはるの!?」
思わず突っ込みをいれたくなる子猫丸。
そんな彼をよそに、3人の言い争いは終わらない。止めに入るにも入れずにいると、どこからか聞き慣れた声がした。
「おーい・・・みんな、おはよ~!」
声の主は、ここにいるハズのない彼女だった。
「あれ、杜山さん?」
まさかの救世主。子猫丸の言葉を不思議に思ったのか、言い合っていた3人も振り返る。
「しえみ!なんでここに・・・」
「あ・・・あのね」
彼女はいつも以上に真っ赤になりながら答えた。
「私、これから皆と同級生だよ!よろしくね!」
燐の目が見開かれた。
「まじで!?」
「中途入学の試験に合格したの!
ずっと雪ちゃんに勉強教わってたんだけど、合格してから話したくて黙ってもらってたんだ」
その話を聞いて、雪男の行動にようやく納得できた。
「なんだ、それで二人してコソコソしてたのか!」
「え?」
「い、いや!」
「しえみさん」
雪男に名前を呼ばれ、促される。
「職員室はこっちです」
「あっ、はいっ」
慌てて彼について行くしえみはもう一度振り返り、笑顔で言った。
「またね!!同じクラスになったらよろしくね!!」
一難去ってまた一難。
「・・・奥村くん・・・」
恐る恐る尋ねる子猫丸。まさか、まさか・・・と。
「ついに、俺の時代が到来した・・・」
そのまさかである。呆れる勝呂。
「"到来"とか、知っとったんやな」
「しえみを誘える!!」
ギラギラに輝く燐の目に、一切の迷いはない。
「ええ顔しとるわ~」
「玲薇ちゃん、どうしはるやろ・・・」
3人の心配など、今の燐には届かなかった。
午前の授業が残り一つで終わる頃。
「奥村くん♡私とダンパに行ってください!」
今日もクラスの女子に隙あらば声をかけられてる雪男がいた。
前は玲薇を使って断っていたけれど、今はそうも行かない。
彼女にも、決まったセリフでやんわり断りを入れる。
「ありがとうございます。でも、僕はフェスのスタッフで参加するんで、当日は遊べないんです」
「えーっ」
それでもガッカリする彼女たち。
「なにそれぇ、そんなの・・・サボってもいいと思う・・・!!」
「そうもいかないので・・・すみません」
彼女たちが去る姿を見送って、雪男はため息をついた。