第六話 学園祭
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
冷たい反応の出雲はさておき、燐は勝呂や子猫丸はどうするのか聞くと、どうやら彼らも参加しないようだ。
「なんだよ、お前らも参加しねーの!?」
共感してくれる仲間が一人もいないことに寂しさを覚える。
「あのね」
すると、出雲が立ち上がり言った。
「年一回の祓魔師認定試験が三ヶ月後に迫ってるのよ」
「!!」
「あたしは一発合格したいの・・・!!」
出雲の強い意志が伝わる。
「ただでさえ休塾続きで授業が遅れてるし、二学期から実技講習も始まって時間がない。じゃあね」
「あ、待って出雲!」
慌てて玲薇も立ち上がり、彼女についていってしまった。
「ちぇー」
燐の舌打ちが聞こえ気がした。
「出雲!」
「あたし今日は帰るけど、玲薇は竜騎士があるって言ってなかった?」
「あ、うん、そうだけど・・・出雲はダンスパーティーだけじゃなくて文化祭も出ないの?」
「その予定だけど」
「そ、そっか」
祓魔師になる気持ち・・・いったい出雲にはどんな想いがあるのだろう。
「おう、どないしたんや?」
廊下に突っ立っていた玲薇に、勝呂が声を掛けた。
「え、あー・・・今から竜騎士の実技講習だなと思って・・・」
「・・・俺もやけん、一緒に行くか?」
「!」
ただのお誘いなだけに、少し驚くも、そういえば勝呂も詠唱騎士はもちろんのこと、竜騎士も資格持とうとしていた。
「い、いいのかな・・・?」
オドオドしてしまう自分に、燐の事も尋ねようと思った。
「燐、なんか怒ってた・・・?」
直接本人に聞けないのだろう。男同士で分かり合えることもあると思ってるのだろうか。
恋は・・・気持ちは、想いは本人にしか分からない。同じ男だとしても、恋人ではないのだから。
「わからん。何やよー知らんけど、志摩から聞いた。別れたんか?」
「え!?」
また燐は、あの二人に何を話したのだろう。
「別れた訳じゃないよ・・・!!た、ただ距離置きたいだけ。私が・・・。
今まで隣にいたのは代わりないけど、それ以上の近い関係が怖いの。私達、普通じゃないし・・・」
「・・・相変わらずウジウジしとるな」
「なっ・・・勝呂くんほどストイックにはなれないよ!!」
「それはどーも」
「褒めてない!」
その夜、本当に会話というか雰囲気が重たい。最初に燐が切り出す。
「お前、ダンスパーティーにも参加しねーの?」
「ダ、ダンス上手くないし、そもそもドレスだってもってないんだよ?
普通の格好でなんて、とてもじゃないけど行けないよ・・・」
「ドレス、か・・・」
確かにみんなダンスパーティーというだけあって華やかに正装してくるだろう。
それをいえば玲薇だけじゃない。燐だって、タキシードみたいな服を持ってる訳じゃない。
やはり遠回しに拒否されてるのだろう。
「俺、メフィストの晩餐に誘われた時、アイツに服出してもらったから頼めねーかな」
「いやいや、悪いってば。クラスの出し物だけでも充分だって」
だんだん彼女の言い訳に腹が立ってきて、とうとう八つ当たりのように言ってしまった。
「志摩に待たせてもらってたけど、お前がそれでいーなら俺、他の子紹介してもらうけど?」
「う、うん・・・」
「お前の距離置きてーってのはいつまでだ?」
「そ、それは・・・」
「何だよ?」
朴に話を聞いてもらった時、彼女は言った。
『自分の気持ちはちゃんと素直に伝えてあげてね』って。
「燐が・・・」
「ん?」
「ャ・・・ヤろうなんて言わなければ・・・」
自分で言ってて恥ずかしい。顔が真っ赤なのも分かるくらいに。
燐も動きを一瞬止めていたが、動揺し出した。
「な、な、何言って・・・!」
「お、お、女はいろいろ悩むの・・・!高校卒業までは!じゃあ、寝室行く!」
「おいっ!」
逃げ出すようにテーブルを離れてしまった玲薇の後ろ姿を見て、燐は唖然と立ち尽くす。
「・・・・・・あと、2年・・・?」
待てよ。寝室だって同じ部屋なのは変わりない。
(アイツ・・・とんでもないことを告白したんじゃね?いや、あと2年?2年も待たなきゃなの・・・?)
いや、さらに気まずくなった。お互いに。
(やっぱ言わなきゃよかった・・・!恥ずかしい・・・!恥ずかしい・・・!)
けれどそれだけ、燐には優しくして欲しかった。燐にはこれからも優しさだけは忘れて欲しくなかったから。
万一失敗して子供作っちゃって、その子供がモロ悪魔の子にだってなりかねないじゃないか。
「私だって、本当はサタンの娘で、この力が青い炎の1種なのかもしれないし・・・」
一番簡単な事は・・・好きになんてならなければよかったって事。
だけど、それは無理な話だったから。
「なんだよ、お前らも参加しねーの!?」
共感してくれる仲間が一人もいないことに寂しさを覚える。
「あのね」
すると、出雲が立ち上がり言った。
「年一回の祓魔師認定試験が三ヶ月後に迫ってるのよ」
「!!」
「あたしは一発合格したいの・・・!!」
出雲の強い意志が伝わる。
「ただでさえ休塾続きで授業が遅れてるし、二学期から実技講習も始まって時間がない。じゃあね」
「あ、待って出雲!」
慌てて玲薇も立ち上がり、彼女についていってしまった。
「ちぇー」
燐の舌打ちが聞こえ気がした。
「出雲!」
「あたし今日は帰るけど、玲薇は竜騎士があるって言ってなかった?」
「あ、うん、そうだけど・・・出雲はダンスパーティーだけじゃなくて文化祭も出ないの?」
「その予定だけど」
「そ、そっか」
祓魔師になる気持ち・・・いったい出雲にはどんな想いがあるのだろう。
「おう、どないしたんや?」
廊下に突っ立っていた玲薇に、勝呂が声を掛けた。
「え、あー・・・今から竜騎士の実技講習だなと思って・・・」
「・・・俺もやけん、一緒に行くか?」
「!」
ただのお誘いなだけに、少し驚くも、そういえば勝呂も詠唱騎士はもちろんのこと、竜騎士も資格持とうとしていた。
「い、いいのかな・・・?」
オドオドしてしまう自分に、燐の事も尋ねようと思った。
「燐、なんか怒ってた・・・?」
直接本人に聞けないのだろう。男同士で分かり合えることもあると思ってるのだろうか。
恋は・・・気持ちは、想いは本人にしか分からない。同じ男だとしても、恋人ではないのだから。
「わからん。何やよー知らんけど、志摩から聞いた。別れたんか?」
「え!?」
また燐は、あの二人に何を話したのだろう。
「別れた訳じゃないよ・・・!!た、ただ距離置きたいだけ。私が・・・。
今まで隣にいたのは代わりないけど、それ以上の近い関係が怖いの。私達、普通じゃないし・・・」
「・・・相変わらずウジウジしとるな」
「なっ・・・勝呂くんほどストイックにはなれないよ!!」
「それはどーも」
「褒めてない!」
その夜、本当に会話というか雰囲気が重たい。最初に燐が切り出す。
「お前、ダンスパーティーにも参加しねーの?」
「ダ、ダンス上手くないし、そもそもドレスだってもってないんだよ?
普通の格好でなんて、とてもじゃないけど行けないよ・・・」
「ドレス、か・・・」
確かにみんなダンスパーティーというだけあって華やかに正装してくるだろう。
それをいえば玲薇だけじゃない。燐だって、タキシードみたいな服を持ってる訳じゃない。
やはり遠回しに拒否されてるのだろう。
「俺、メフィストの晩餐に誘われた時、アイツに服出してもらったから頼めねーかな」
「いやいや、悪いってば。クラスの出し物だけでも充分だって」
だんだん彼女の言い訳に腹が立ってきて、とうとう八つ当たりのように言ってしまった。
「志摩に待たせてもらってたけど、お前がそれでいーなら俺、他の子紹介してもらうけど?」
「う、うん・・・」
「お前の距離置きてーってのはいつまでだ?」
「そ、それは・・・」
「何だよ?」
朴に話を聞いてもらった時、彼女は言った。
『自分の気持ちはちゃんと素直に伝えてあげてね』って。
「燐が・・・」
「ん?」
「ャ・・・ヤろうなんて言わなければ・・・」
自分で言ってて恥ずかしい。顔が真っ赤なのも分かるくらいに。
燐も動きを一瞬止めていたが、動揺し出した。
「な、な、何言って・・・!」
「お、お、女はいろいろ悩むの・・・!高校卒業までは!じゃあ、寝室行く!」
「おいっ!」
逃げ出すようにテーブルを離れてしまった玲薇の後ろ姿を見て、燐は唖然と立ち尽くす。
「・・・・・・あと、2年・・・?」
待てよ。寝室だって同じ部屋なのは変わりない。
(アイツ・・・とんでもないことを告白したんじゃね?いや、あと2年?2年も待たなきゃなの・・・?)
いや、さらに気まずくなった。お互いに。
(やっぱ言わなきゃよかった・・・!恥ずかしい・・・!恥ずかしい・・・!)
けれどそれだけ、燐には優しくして欲しかった。燐にはこれからも優しさだけは忘れて欲しくなかったから。
万一失敗して子供作っちゃって、その子供がモロ悪魔の子にだってなりかねないじゃないか。
「私だって、本当はサタンの娘で、この力が青い炎の1種なのかもしれないし・・・」
一番簡単な事は・・・好きになんてならなければよかったって事。
だけど、それは無理な話だったから。