第一話 海神
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「玲薇」
「?」
「とにかく、いま雪男の事考えても仕方ないだろ!アイツから話聞こうって示してくんねーと、
俺らからじゃどうしようも出来ねーし」
「・・・そう、だよね。せっかくの海だもん、燐、遊ぼ!」
久しぶりに見た気がする、その笑顔。
「おう!」
水の中に入ってみると、それほど冷たくなかった。太陽が暖かいお陰かもしれないが、生ぬるい。
クロも巨大化して、バシャッバシャッ水を浴びる。
「りんっ」
緊張を含めた声に、見ればしえみが水着姿でいた。
「お、お前水着きたのか!」
「・・・やっぱり、こんな事で恥ずかしがってちゃダメだと思って・・・!」
「そーか」
「・・・・・・」
「玲薇ちゃんっ」
「きゃっ!し、志摩くん!?」
突如、後ろから声をかけられ驚く。そこには、ニヤニヤと笑う志摩がいた。
「かわえーな。みんなで一緒に遊べばええんや」
本当に、志摩は人のことをよく見ている気がする、なんて都合良く思うのは玲薇だけであり、
内心の志摩の本心は分からない。でも、笑顔で頷いた。
「うん」
「奥村くん!杜山さーん!一緒にビーチバレーやろや!」
「おお、いいな!やろう!」
なんて、志摩の一言でみんなで遊ぶ。
戯れて遊ぶ仲間を見て、出雲はため息をついた。
「・・・はあっ」
「ふーっ」
「・・・・・・」
嫌そうな顔で見る出雲に、勝呂が聞く。
「なんや、どーした?」
「ゴリラとため息カブった、サイテー」
「チッ」
「ヘッ」
浮き輪に座っていたままの出雲を、勝呂は持ち上げるとそのまま海の方へ向かっていく。
「ちょ、なに!?なにすんの、やめ・・・きゃあああぁぁあ」
ザパァンと、勝呂は力任せに放り投げたのだ。
「ふざけるな!しんっっじらんない!!怪力ゴリラァ!!」
「い、出雲・・・」
「神木さん、大丈夫?」
「若いってにゃー、いいにゃあ・・・・」
傘の下で寝転ぶシュラのもとへ、雪男がいた。
「ん?」
彼はボーッと、仲間に加わることなく燐たちを見ている。
何を一人で考え背負っているのか・・・。
そんな、一人で立っている雪男に、しえみが声をかけた。
「雪ちゃーん!一緒に遊ぼー!」
大きく手を振って、呼んでくれる。でも・・・。
あの時、無理矢理玲薇にしたことは後悔している。少なくとも、泣かせたことに・・・。
泣いているのを知ってて、気持ちを知ってても、押しつけた自分の気持ち。
目を合わせようと追いかけても、フラれるばかり。正直、もう戻れない・・・。
軽く雪男は胸元に手を持っていき、申し訳無さそうに謝った。
「あ・・・わかったよ~!」
「ケッ、ほっとけ。アイツ祓魔師だからそれどころじゃねーんだってよ!」
雪男の態度が気にくわない。もういい、雪男に認めてもらわなくても、付き合い始めたのは事実なんだ。
「バカだな、行ってこいよ15歳!」
「シュラさんは気を抜きすぎです。兄はまだ、処刑宣告を受けたままだ。
フェレス卿が守るといったって、フェレス卿自体に油断できないんだ。
それなのに・・・」
自分には向けなくなった笑顔を、燐にはあんな笑顔を向けて・・・。
「本当に・・・判ってるの、玲薇・・・」
最近、雪男の目線はいつも玲薇だ。
「はは~ん、お前、玲薇ちゃんと何かあったにゃ?」
「なっ・・・そ、それは・・・」
「恋の事になると分かりやすくなるのは、お前もまだまだ若い証拠」
「違う!ただ僕は、処刑宣告されたままの兄が、一生涯玲薇を幸せに出来ると思えない・・・!」
「ふ~ん、それで?」
「だからっ」
と、我に返る。危うくとんでもないことまで口に出すところだった・・・この人だって、完全には信用していないのに。
「僕のことはどうだっていい!」
「ぶにゃはは!逃げた~!」
「からかわないで下さい」
「よし!お前に命令する!アタシに日焼け止め塗れ!!」
「は!?」
「あっれ~、まさか怖いとか~?プッ、まだまだガキだにゃあ・・・。
あれも怖い、それも怖い、お前の考え方でいくと燐は一生檻にでも閉じこめておかなきゃならないな?
ビビリめ」
ムッと、眉を寄せる雪男は日焼け止めを手にした。
「ビビリ結構!・・・僕は間違った事は言ってません。さぁ、どこから塗りたくってやりましょうか?」
「おい、冗談だよ!!触んなメガネ・・・!」
と、ここで豪快にサイレンが鳴り出す。
「お、クラーケンが100キロ圏内に入ったサイレンだ。準備しろ・・・!」
ハッと振り向いたシュラは紐を外していたのを忘れたのか、
ハラリと外れ、雪男の目の前で胸を露にするのだった。
「?」
「とにかく、いま雪男の事考えても仕方ないだろ!アイツから話聞こうって示してくんねーと、
俺らからじゃどうしようも出来ねーし」
「・・・そう、だよね。せっかくの海だもん、燐、遊ぼ!」
久しぶりに見た気がする、その笑顔。
「おう!」
水の中に入ってみると、それほど冷たくなかった。太陽が暖かいお陰かもしれないが、生ぬるい。
クロも巨大化して、バシャッバシャッ水を浴びる。
「りんっ」
緊張を含めた声に、見ればしえみが水着姿でいた。
「お、お前水着きたのか!」
「・・・やっぱり、こんな事で恥ずかしがってちゃダメだと思って・・・!」
「そーか」
「・・・・・・」
「玲薇ちゃんっ」
「きゃっ!し、志摩くん!?」
突如、後ろから声をかけられ驚く。そこには、ニヤニヤと笑う志摩がいた。
「かわえーな。みんなで一緒に遊べばええんや」
本当に、志摩は人のことをよく見ている気がする、なんて都合良く思うのは玲薇だけであり、
内心の志摩の本心は分からない。でも、笑顔で頷いた。
「うん」
「奥村くん!杜山さーん!一緒にビーチバレーやろや!」
「おお、いいな!やろう!」
なんて、志摩の一言でみんなで遊ぶ。
戯れて遊ぶ仲間を見て、出雲はため息をついた。
「・・・はあっ」
「ふーっ」
「・・・・・・」
嫌そうな顔で見る出雲に、勝呂が聞く。
「なんや、どーした?」
「ゴリラとため息カブった、サイテー」
「チッ」
「ヘッ」
浮き輪に座っていたままの出雲を、勝呂は持ち上げるとそのまま海の方へ向かっていく。
「ちょ、なに!?なにすんの、やめ・・・きゃあああぁぁあ」
ザパァンと、勝呂は力任せに放り投げたのだ。
「ふざけるな!しんっっじらんない!!怪力ゴリラァ!!」
「い、出雲・・・」
「神木さん、大丈夫?」
「若いってにゃー、いいにゃあ・・・・」
傘の下で寝転ぶシュラのもとへ、雪男がいた。
「ん?」
彼はボーッと、仲間に加わることなく燐たちを見ている。
何を一人で考え背負っているのか・・・。
そんな、一人で立っている雪男に、しえみが声をかけた。
「雪ちゃーん!一緒に遊ぼー!」
大きく手を振って、呼んでくれる。でも・・・。
あの時、無理矢理玲薇にしたことは後悔している。少なくとも、泣かせたことに・・・。
泣いているのを知ってて、気持ちを知ってても、押しつけた自分の気持ち。
目を合わせようと追いかけても、フラれるばかり。正直、もう戻れない・・・。
軽く雪男は胸元に手を持っていき、申し訳無さそうに謝った。
「あ・・・わかったよ~!」
「ケッ、ほっとけ。アイツ祓魔師だからそれどころじゃねーんだってよ!」
雪男の態度が気にくわない。もういい、雪男に認めてもらわなくても、付き合い始めたのは事実なんだ。
「バカだな、行ってこいよ15歳!」
「シュラさんは気を抜きすぎです。兄はまだ、処刑宣告を受けたままだ。
フェレス卿が守るといったって、フェレス卿自体に油断できないんだ。
それなのに・・・」
自分には向けなくなった笑顔を、燐にはあんな笑顔を向けて・・・。
「本当に・・・判ってるの、玲薇・・・」
最近、雪男の目線はいつも玲薇だ。
「はは~ん、お前、玲薇ちゃんと何かあったにゃ?」
「なっ・・・そ、それは・・・」
「恋の事になると分かりやすくなるのは、お前もまだまだ若い証拠」
「違う!ただ僕は、処刑宣告されたままの兄が、一生涯玲薇を幸せに出来ると思えない・・・!」
「ふ~ん、それで?」
「だからっ」
と、我に返る。危うくとんでもないことまで口に出すところだった・・・この人だって、完全には信用していないのに。
「僕のことはどうだっていい!」
「ぶにゃはは!逃げた~!」
「からかわないで下さい」
「よし!お前に命令する!アタシに日焼け止め塗れ!!」
「は!?」
「あっれ~、まさか怖いとか~?プッ、まだまだガキだにゃあ・・・。
あれも怖い、それも怖い、お前の考え方でいくと燐は一生檻にでも閉じこめておかなきゃならないな?
ビビリめ」
ムッと、眉を寄せる雪男は日焼け止めを手にした。
「ビビリ結構!・・・僕は間違った事は言ってません。さぁ、どこから塗りたくってやりましょうか?」
「おい、冗談だよ!!触んなメガネ・・・!」
と、ここで豪快にサイレンが鳴り出す。
「お、クラーケンが100キロ圏内に入ったサイレンだ。準備しろ・・・!」
ハッと振り向いたシュラは紐を外していたのを忘れたのか、
ハラリと外れ、雪男の目の前で胸を露にするのだった。