第五話 学園七不思議•後
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「・・・奥村くんは、僕らが全員奥村くん頼みになって、いざ君に頼らへんてなった時どうするん?」
「え?」
「僕らにバカでいろて言うんか?」
「ちっ、違う!!」
「僕らも、強くならなあかんねん。だから、奥村くんには・・・少なくとも僕らとの戦いでは・・・、
僕らの"切り札"でいて欲しい」
「切り札・・・!?」
悪い意味ではない。ここにいる、最終ボーダーラインとして。
子猫丸は本当に、他人を良く観察している。
「切り札は戦いの最後や決め所で出す最強の手札の事なんや。
それに・・・切り札があれば戦闘中、みんなの心の支えになる。奥村くんにはそういう存在でいて欲しいんや」
「・・・わかった」
迷いのない子猫丸の熱い言葉に、燐は素直に頷く。
そんな子猫丸が、頭を下げて言った。
「皆さん、今回は僕に作戦の一切を預けてください・・・!!お願いします!!」
「俺は構わねぇ」→燐
「私も」→玲薇
「・・・特に意見ない」→出雲
「私は大丈夫だよ!」→しえみ
「右に同じで」→志摩
「判った」
最後まで黙っていた勝呂が、ようやく口を開く。
「やってみせてみい!!」
子猫丸の頭が上がる。そして、すぐに的確な指示がはじまった。
「じゃあ杜山さん!目木科の植物を出せますか?何でもええです」
「うんっ」
「二ー!」
「まず皆さんに、この目木の実を使って精神覚醒の呪いをかけます。呪いは坊がかけて下さい。
この呪いが擬態霊のまやかしから正気を保たせてくれるはずです」
勝呂が目木の実を額にあてながら、それぞれに呪いをかけてくれた。
「"コクリコキッキレー"!」
「これでもう擬態霊を直接見ても大丈夫なはずです」
皆で後ろを振り向く。そこには不気味な人形にも似た黒い塊がそびえ立っていた。
背丈は何百メートルとかだろう。思っていたよりもデカかった。
「そろそろ結界も破られます。それに、この呪いは呪い師が死ぬと効力がきれる。
志摩さんと奥村くんは全力でザコから坊を守って下さい!」
「も~~やるしかないんか・・・!」
「杜山さんも、何か植物でバリケードをつくってもらえますか!?」
「うん!!二ーちゃん!!天狗重をお願い!」
「二ー!」
「・・・く」
木の枝でバリケードを作られてしまい、勝呂は身動きが出来なくなった。
男同志でならまだ我慢は出来たが、今回は更に歯がゆい。
「女に守られるやなんて・・・」
それを見てからかう燐。
「またお姫さまポジションだな!!」
「それ、次またゆーたらしばき回すからな!!」
「坊、我慢です!」
子猫丸がピシャリと言い切り、次は出雲と玲薇に言った。
「風美夜さんは竜騎士で聖銀弾を!その間に神木さんが正式な"霊の祓い"を擬態霊に!」
「・・・フン、エラそうに指図しておいて、後悔させたら承知しないわよアンタ・・・!!」
「ま、まぁ・・・やるよ、出雲」
苦笑いしながら玲薇が銃を構える。
「"ふるえ ゆらゆらふるえ ゆらゆらとふるえ ひふみよいむな・・・"」
途中で玲薇が聖銀弾を放った。だが、効果があるのかないのかいまひとつ分からない。
「霊の祓い!!」
出雲の攻撃もほぼ同時だった。にも関わらず、擬態霊はバラバラになったかと思うと再び戻ったのだ。
「も・・・元に戻った!?」
確かに攻撃の手は緩めてないハズ。
「効いてないの・・・?」
白狐が出雲に告げる。
《今のお前に「霊の祓い」以上の力は貸さんぞ》
相変わらず出雲に手厳しいようだ。
「やっぱり、リニュウも出した方が・・・」
「落ちついて・・・!」
闇雲に出した所で、状況が変わるとも言い難い。
(何故、「家族の肖像」なんやろ・・・)
任務が始まる前のメフィストの言葉を思い出す。
『この肖像画は「家族の肖像」といい・・・私のイタズラ・・・コレクションの一揃いだったのですが・・・』
「!!(そうか)」
ハッとし、子猫丸は辺りを見回した。なるほど、これでどう一揃いなのか判った。
(同じ額ブチの絵が四枚・・・!!)
子猫丸はすぐに出雲に言った。
「神木さん!上や!!」
「え!?」
「ここから真っすぐ正面の上から二枚目、右のイスから上へ数えて七枚目、左の入口の上のタテ長の一枚。
右の棚の上から三枚目、この五枚一揃いで"家族"かもしれへん!!」
「冗談でしょ・・・!?」
「どういうこと?」
答えのわからない玲薇が聞く。
「この五枚だけ、額ブチが同じなんや!」
「!」
それが目印なのか。
出雲がもう一度、二枚の絵に霊の祓いを唱えるが何も起きる気配はない。
「え?」
「僕らにバカでいろて言うんか?」
「ちっ、違う!!」
「僕らも、強くならなあかんねん。だから、奥村くんには・・・少なくとも僕らとの戦いでは・・・、
僕らの"切り札"でいて欲しい」
「切り札・・・!?」
悪い意味ではない。ここにいる、最終ボーダーラインとして。
子猫丸は本当に、他人を良く観察している。
「切り札は戦いの最後や決め所で出す最強の手札の事なんや。
それに・・・切り札があれば戦闘中、みんなの心の支えになる。奥村くんにはそういう存在でいて欲しいんや」
「・・・わかった」
迷いのない子猫丸の熱い言葉に、燐は素直に頷く。
そんな子猫丸が、頭を下げて言った。
「皆さん、今回は僕に作戦の一切を預けてください・・・!!お願いします!!」
「俺は構わねぇ」→燐
「私も」→玲薇
「・・・特に意見ない」→出雲
「私は大丈夫だよ!」→しえみ
「右に同じで」→志摩
「判った」
最後まで黙っていた勝呂が、ようやく口を開く。
「やってみせてみい!!」
子猫丸の頭が上がる。そして、すぐに的確な指示がはじまった。
「じゃあ杜山さん!目木科の植物を出せますか?何でもええです」
「うんっ」
「二ー!」
「まず皆さんに、この目木の実を使って精神覚醒の呪いをかけます。呪いは坊がかけて下さい。
この呪いが擬態霊のまやかしから正気を保たせてくれるはずです」
勝呂が目木の実を額にあてながら、それぞれに呪いをかけてくれた。
「"コクリコキッキレー"!」
「これでもう擬態霊を直接見ても大丈夫なはずです」
皆で後ろを振り向く。そこには不気味な人形にも似た黒い塊がそびえ立っていた。
背丈は何百メートルとかだろう。思っていたよりもデカかった。
「そろそろ結界も破られます。それに、この呪いは呪い師が死ぬと効力がきれる。
志摩さんと奥村くんは全力でザコから坊を守って下さい!」
「も~~やるしかないんか・・・!」
「杜山さんも、何か植物でバリケードをつくってもらえますか!?」
「うん!!二ーちゃん!!天狗重をお願い!」
「二ー!」
「・・・く」
木の枝でバリケードを作られてしまい、勝呂は身動きが出来なくなった。
男同志でならまだ我慢は出来たが、今回は更に歯がゆい。
「女に守られるやなんて・・・」
それを見てからかう燐。
「またお姫さまポジションだな!!」
「それ、次またゆーたらしばき回すからな!!」
「坊、我慢です!」
子猫丸がピシャリと言い切り、次は出雲と玲薇に言った。
「風美夜さんは竜騎士で聖銀弾を!その間に神木さんが正式な"霊の祓い"を擬態霊に!」
「・・・フン、エラそうに指図しておいて、後悔させたら承知しないわよアンタ・・・!!」
「ま、まぁ・・・やるよ、出雲」
苦笑いしながら玲薇が銃を構える。
「"ふるえ ゆらゆらふるえ ゆらゆらとふるえ ひふみよいむな・・・"」
途中で玲薇が聖銀弾を放った。だが、効果があるのかないのかいまひとつ分からない。
「霊の祓い!!」
出雲の攻撃もほぼ同時だった。にも関わらず、擬態霊はバラバラになったかと思うと再び戻ったのだ。
「も・・・元に戻った!?」
確かに攻撃の手は緩めてないハズ。
「効いてないの・・・?」
白狐が出雲に告げる。
《今のお前に「霊の祓い」以上の力は貸さんぞ》
相変わらず出雲に手厳しいようだ。
「やっぱり、リニュウも出した方が・・・」
「落ちついて・・・!」
闇雲に出した所で、状況が変わるとも言い難い。
(何故、「家族の肖像」なんやろ・・・)
任務が始まる前のメフィストの言葉を思い出す。
『この肖像画は「家族の肖像」といい・・・私のイタズラ・・・コレクションの一揃いだったのですが・・・』
「!!(そうか)」
ハッとし、子猫丸は辺りを見回した。なるほど、これでどう一揃いなのか判った。
(同じ額ブチの絵が四枚・・・!!)
子猫丸はすぐに出雲に言った。
「神木さん!上や!!」
「え!?」
「ここから真っすぐ正面の上から二枚目、右のイスから上へ数えて七枚目、左の入口の上のタテ長の一枚。
右の棚の上から三枚目、この五枚一揃いで"家族"かもしれへん!!」
「冗談でしょ・・・!?」
「どういうこと?」
答えのわからない玲薇が聞く。
「この五枚だけ、額ブチが同じなんや!」
「!」
それが目印なのか。
出雲がもう一度、二枚の絵に霊の祓いを唱えるが何も起きる気配はない。