第四話 学園七不思議•中
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《しょうじききょうみない》
《あのおんなめだちたがり、うざいきゅるる》
《あいつまじむかつくきゅるきゅる》
《かおとりかえたーいきゅるる》
よくみると、この繭子は複数のよれた女の顔が集まり、髪の毛がどこまでも伸びていた。
この悪霊はきっと、女性の邪念の集合体なのだろう。無数の言葉はどれも聞いていて気持ちのいいものではない。
繭子の武器にもなっているのだろうその長い髪の毛が浮き上がる。
玲薇達は警戒を強め、まずは玲薇が銃を構えた。
「効くか分からないけど、まずは聖水で足止めしとく!その内に出雲、お願い!」
「言われなくても!杜山しえみ!アンタは後ろに下がってなさい!!いざって時の為に、緑男だけ巨大化させといて」
「う、うん!!」
玲薇は一人離れ、繭子の後ろに立ち聖水弾を打ち込む。すると、たちまちに繭子を囲むように煙が上がった。
その様子を伺い、出雲はすかさず後ろに待機していた白狐に言った。
「ウケ!ミケ!!霊の祓いよ!!略式じゃなく、正式でいく!!」
いつもの強気な出雲。しかし、白狐達は動こうとしない。
《え~~正式かぁ、霊力を使うなぁ。疲れるよ》
《汝にそこまで仕える義理はないわ!いつでも言いなりになると思うな!!》
《せめておやつちょーだいよ!》
「な、な、いっ言うことをききなさい!!」
出雲の声が狭いトイレの中で響く。
「出雲!?何やってるの!」
巨大化した緑男の後ろにいる為、玲薇の方からでは様子が分からない。
戦闘が始まってから既にマスクは外してあるのでちゃんと聞こえるハズ。
だが、そんな事をしている間に晴れていく煙の中から繭子の姿が見え出す。
そこから、ピクリと動くのが分かった。
「しまった・・・!出雲!杜山さん!よけて!」
「え?」
「!!」
攻撃が出来ず戸惑っていた2人に、繭子の髪の毛が襲いかかっていた。
玲薇はすぐに出雲の攻撃がくると思っていたため、いまの銃弾は致死説判定弾を入れていたのだ。
その為に、1歩出遅れる。
「ぐっ」
「きゃあっ」
「くっ・・・!」
それぞれが髪の毛に囚われてしまう。けれど、しえみの緑男のおかげか切り離してくれたのだ。
「二ーちゃん、ありがとう」
お礼を言うしえみの声が聞こえた。
(聖水が効かなかった・・・?いや、効力があの髪の毛で半減されたってこと・・・?)
また再び足止めをしたところで結果は同じだろう。
やっぱり、雪男のようにうまくいかない・・・。リニュウがいなくても援護できるようになっていたかった。
「二ーちゃん!!粳(うるち)と糯(もち)の稲を出して!!」
「二ー!!」
機嫌を損ねている困った白狐たちに、しえみはある案を思い出していた。
緑男から出した稲を持ち、しえみが白狐の前でお辞儀する。
「い・・・稲荷の神様!!今はこのお米の稲しかお供え出来ませんが、どうか力をお貸しください!!
お好きですよね、お米・・・」
《《・・・・・》》
白狐たちは何も言わないが、ほんのりと頬は赤くなっている気がする。
「ひぐっ!?」
しかし、そんなしえみに繭子の髪の毛が首に巻き付かれた。
そのまま引きずられていく。
「きゃあああ!!」
《娘!!》
捉えられたしえみ。髪の毛に縛られ、息をするのさえ困難になっていく。
「杜山さん!」
考えている場合ではない。玲薇は素早く魔法円を取り出す。
「"気高き気高き雄飛の眼前我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
先ほどまで機嫌を悪くしていた白狐が立ち上がる。
《・・・仕方あるまい》
「!」
《あの娘に免じて助けてやる。早く祝詞を唱えろ!!》
「・・・!!」
あれほどワガママを言っていたのに。
「・・・くっ"ふるえ ゆらゆらふるえゆらゆらとふるえ"(こんな展開になるなんて・・・借りを返すはずが・・・!)」
出雲が調子を取り戻していく。それを見た玲薇はホッとしていた。
《汝の心に迷いがある・・・なぜ今頃呼び出した。おれは厄介事は引き受けないぞ》
強くいろ、その心を。
「仲間を助けたいの。やっぱり、私にはあなたの力も必要なの。仲間のところに飛んで・・・!」
リニュウは玲薇を睨む。それをまた玲薇が睨み返す。
《あのおんなめだちたがり、うざいきゅるる》
《あいつまじむかつくきゅるきゅる》
《かおとりかえたーいきゅるる》
よくみると、この繭子は複数のよれた女の顔が集まり、髪の毛がどこまでも伸びていた。
この悪霊はきっと、女性の邪念の集合体なのだろう。無数の言葉はどれも聞いていて気持ちのいいものではない。
繭子の武器にもなっているのだろうその長い髪の毛が浮き上がる。
玲薇達は警戒を強め、まずは玲薇が銃を構えた。
「効くか分からないけど、まずは聖水で足止めしとく!その内に出雲、お願い!」
「言われなくても!杜山しえみ!アンタは後ろに下がってなさい!!いざって時の為に、緑男だけ巨大化させといて」
「う、うん!!」
玲薇は一人離れ、繭子の後ろに立ち聖水弾を打ち込む。すると、たちまちに繭子を囲むように煙が上がった。
その様子を伺い、出雲はすかさず後ろに待機していた白狐に言った。
「ウケ!ミケ!!霊の祓いよ!!略式じゃなく、正式でいく!!」
いつもの強気な出雲。しかし、白狐達は動こうとしない。
《え~~正式かぁ、霊力を使うなぁ。疲れるよ》
《汝にそこまで仕える義理はないわ!いつでも言いなりになると思うな!!》
《せめておやつちょーだいよ!》
「な、な、いっ言うことをききなさい!!」
出雲の声が狭いトイレの中で響く。
「出雲!?何やってるの!」
巨大化した緑男の後ろにいる為、玲薇の方からでは様子が分からない。
戦闘が始まってから既にマスクは外してあるのでちゃんと聞こえるハズ。
だが、そんな事をしている間に晴れていく煙の中から繭子の姿が見え出す。
そこから、ピクリと動くのが分かった。
「しまった・・・!出雲!杜山さん!よけて!」
「え?」
「!!」
攻撃が出来ず戸惑っていた2人に、繭子の髪の毛が襲いかかっていた。
玲薇はすぐに出雲の攻撃がくると思っていたため、いまの銃弾は致死説判定弾を入れていたのだ。
その為に、1歩出遅れる。
「ぐっ」
「きゃあっ」
「くっ・・・!」
それぞれが髪の毛に囚われてしまう。けれど、しえみの緑男のおかげか切り離してくれたのだ。
「二ーちゃん、ありがとう」
お礼を言うしえみの声が聞こえた。
(聖水が効かなかった・・・?いや、効力があの髪の毛で半減されたってこと・・・?)
また再び足止めをしたところで結果は同じだろう。
やっぱり、雪男のようにうまくいかない・・・。リニュウがいなくても援護できるようになっていたかった。
「二ーちゃん!!粳(うるち)と糯(もち)の稲を出して!!」
「二ー!!」
機嫌を損ねている困った白狐たちに、しえみはある案を思い出していた。
緑男から出した稲を持ち、しえみが白狐の前でお辞儀する。
「い・・・稲荷の神様!!今はこのお米の稲しかお供え出来ませんが、どうか力をお貸しください!!
お好きですよね、お米・・・」
《《・・・・・》》
白狐たちは何も言わないが、ほんのりと頬は赤くなっている気がする。
「ひぐっ!?」
しかし、そんなしえみに繭子の髪の毛が首に巻き付かれた。
そのまま引きずられていく。
「きゃあああ!!」
《娘!!》
捉えられたしえみ。髪の毛に縛られ、息をするのさえ困難になっていく。
「杜山さん!」
考えている場合ではない。玲薇は素早く魔法円を取り出す。
「"気高き気高き雄飛の眼前我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
先ほどまで機嫌を悪くしていた白狐が立ち上がる。
《・・・仕方あるまい》
「!」
《あの娘に免じて助けてやる。早く祝詞を唱えろ!!》
「・・・!!」
あれほどワガママを言っていたのに。
「・・・くっ"ふるえ ゆらゆらふるえゆらゆらとふるえ"(こんな展開になるなんて・・・借りを返すはずが・・・!)」
出雲が調子を取り戻していく。それを見た玲薇はホッとしていた。
《汝の心に迷いがある・・・なぜ今頃呼び出した。おれは厄介事は引き受けないぞ》
強くいろ、その心を。
「仲間を助けたいの。やっぱり、私にはあなたの力も必要なの。仲間のところに飛んで・・・!」
リニュウは玲薇を睨む。それをまた玲薇が睨み返す。