第三話 学園七不思議•前
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逃げ出した志摩と入れ替わるように、勝呂と子猫丸の目の前に白無垢が来てしまった。
《んまぁ、カワイイ!アタイ、お坊さん大好物♡》
「「!!」」
「させるか!」
不利なのは判ってるが、自分から名乗り出た引きつけ役だ。
降魔剣が効かなくても、時間稼ぎをしなくては。
「くっ、くっそぉ~!」
それでも、白無垢は霧状になって逃げていく。
「相性悪ィ!!」
その僅かな間でも、勝呂は最後の経に入っていた。
「ハラソウギャティボウジソワカ・・・!!」
しかし、白無垢には何の効果もない。いまも燐が、奮闘している。
「ぼ、坊・・・!!」
「・・・もう祝詞も経も唱えつくしてもうた。他に手ェは・・・!!」
勝呂達の動きがない。
「詠唱が効果なかったって事?」
玲薇が首をかしげる。なにせ詠唱に関して、勝呂は優秀だ。間違えたりはしていないだろう。
「霊祓いで一番有効な詠唱が効かないとなると、少しやっかいですね」
「・・・前に遊園地で会った霊の男の子は」
しえみが以前、自分に遭った出来事を思い返している。
「一緒に鬼ごっこしたら、成仏してくれたけどな・・・」
「そうですね・・・あの霊の心残りを取り除くのが、一番いい手なんですが・・・」
白無垢を引きつけていた燐も、もうお手上げ状態だ。
「だめだめ、俺じゃ抑えきんねー!!逃げろォー!!」
「に・・・逃げろて!!」
「坊!子猫さん!」
一度逃げ出した志摩が、雪男達の話を聞いていたのか、勝呂達に教えるのに戻ってきた。
「あの霊、男にチューするまで鎮まらへんねやって!!」
「!!」
「一度退いて、作戦立て直した方がええて!」
《チューチューミサイル!!》
そんなこんな悠長にしてる場合もなく、襲いかかってくる白無垢。
「うぉああ!?」
捕まる前に、必死に逃げ出した。
「チュー・・・やと」
《逃がさないわ、ボーイ達!!》
「「「ぎゃあああ!!!」」」
《つぅかまえた♡》
「わぁあ」
逃げたハズなのに、捕まってしまったのは志摩だった。
顔を両手でガッシリと抑えられてしまう。
《はーい、チューしましょーね♡》
「ムリムリムリムリコワイコワイコワイ」
「志摩!!」
「後生やぁ」
「ヴヴギャ!!」
チューをされてしまった志摩は、声にならない叫び声を上げたのだった。
「志摩・・・天罰と思いや・・・!!」
「尊い犠牲やったで、志摩さん・・・」
《違うわ・・・》
だが、志摩の犠牲も虚しく、白無垢は大人しくすることを知らない。
《・・・運命の人じゃない・・・!!チューが足りないの!?チューはどこ!?》
玲薇の隣で、雪男が小さくため息するのが聞こえる。
「フォーメーションも完全に崩れて、すっかりパニック状態ですね・・・そろそろ僕が・・・」
「・・・チッ、使えねぇガキ共だぜ」
「!」
その時、放置されたままの宝が自ら動きだし、白無垢の前に姿を現す。
《あら♡あんなところにもボーイが!!チューチューミサイル!!》
宝は微動だにするどころか、パペットを前に出した。
「"いでよファッションドールミカフレンドシリーズ ジャン花婿Ver"!!!」
そこから呼び寄せたのは、人形だ。その人形は自我があるように喋り動く。
「ボクの花嫁さん!さぁ、今すぐ結婚式を挙げよう!」
とくんと、胸が小さく高鳴る。相手が小さな人形だとも、霊は構わず歩み寄る。
《アタイ忘れてた。本当は女の子に憧れてたこと・・・もうアタイ、思い残すことないわ・・・。
ありがと、ボーイ達・・・!》
そのまま霊の姿は、霧状になりもう現れることはなかった。
「俺はパペットマスター。あらゆる人形を召喚し、操ることができる。
称号を持ってねぇだけで、そこらの祓魔師のレベルはとうに超えてる。
こんな塾、退屈で仕方ねーんだ。せめて俺の手を煩わせるな!」
緊張の糸も解けたせいか、宝の態度が気に食わず、怒りが珍しく爆発したのは子猫丸だった。
「せやったら塾やめはったらええんや!!」
「子猫丸?どした!?」
勝呂も寸前までキレていたが、子猫丸の迫力に驚いた。
いつもの逆で、泣き怒る子猫丸を勝呂が必死に止めに入る。
「とめろ、志摩!!」
一人じゃ手に負えない状況に助け舟を求めても、志摩は白無垢のチューから足元に転がっている。
「あ・・・あいつアカンかった。奥村!!奥村!?」
次に、返事がなかなかない燐を見れば、彼も落ち込みが半端なく沈んでいた。
「・・・て、お前もアカンのかい!」
一部始終騒ぎ続けている彼らに、出雲が呆れている。
「・・・何やってんの、アイツら」
「皆さん!!」
「「!!」」
「静かにしなさい、死にたいんですか?」
「「いいえ」」
雪男の一喝で、やっと場が静まるのだった。
《んまぁ、カワイイ!アタイ、お坊さん大好物♡》
「「!!」」
「させるか!」
不利なのは判ってるが、自分から名乗り出た引きつけ役だ。
降魔剣が効かなくても、時間稼ぎをしなくては。
「くっ、くっそぉ~!」
それでも、白無垢は霧状になって逃げていく。
「相性悪ィ!!」
その僅かな間でも、勝呂は最後の経に入っていた。
「ハラソウギャティボウジソワカ・・・!!」
しかし、白無垢には何の効果もない。いまも燐が、奮闘している。
「ぼ、坊・・・!!」
「・・・もう祝詞も経も唱えつくしてもうた。他に手ェは・・・!!」
勝呂達の動きがない。
「詠唱が効果なかったって事?」
玲薇が首をかしげる。なにせ詠唱に関して、勝呂は優秀だ。間違えたりはしていないだろう。
「霊祓いで一番有効な詠唱が効かないとなると、少しやっかいですね」
「・・・前に遊園地で会った霊の男の子は」
しえみが以前、自分に遭った出来事を思い返している。
「一緒に鬼ごっこしたら、成仏してくれたけどな・・・」
「そうですね・・・あの霊の心残りを取り除くのが、一番いい手なんですが・・・」
白無垢を引きつけていた燐も、もうお手上げ状態だ。
「だめだめ、俺じゃ抑えきんねー!!逃げろォー!!」
「に・・・逃げろて!!」
「坊!子猫さん!」
一度逃げ出した志摩が、雪男達の話を聞いていたのか、勝呂達に教えるのに戻ってきた。
「あの霊、男にチューするまで鎮まらへんねやって!!」
「!!」
「一度退いて、作戦立て直した方がええて!」
《チューチューミサイル!!》
そんなこんな悠長にしてる場合もなく、襲いかかってくる白無垢。
「うぉああ!?」
捕まる前に、必死に逃げ出した。
「チュー・・・やと」
《逃がさないわ、ボーイ達!!》
「「「ぎゃあああ!!!」」」
《つぅかまえた♡》
「わぁあ」
逃げたハズなのに、捕まってしまったのは志摩だった。
顔を両手でガッシリと抑えられてしまう。
《はーい、チューしましょーね♡》
「ムリムリムリムリコワイコワイコワイ」
「志摩!!」
「後生やぁ」
「ヴヴギャ!!」
チューをされてしまった志摩は、声にならない叫び声を上げたのだった。
「志摩・・・天罰と思いや・・・!!」
「尊い犠牲やったで、志摩さん・・・」
《違うわ・・・》
だが、志摩の犠牲も虚しく、白無垢は大人しくすることを知らない。
《・・・運命の人じゃない・・・!!チューが足りないの!?チューはどこ!?》
玲薇の隣で、雪男が小さくため息するのが聞こえる。
「フォーメーションも完全に崩れて、すっかりパニック状態ですね・・・そろそろ僕が・・・」
「・・・チッ、使えねぇガキ共だぜ」
「!」
その時、放置されたままの宝が自ら動きだし、白無垢の前に姿を現す。
《あら♡あんなところにもボーイが!!チューチューミサイル!!》
宝は微動だにするどころか、パペットを前に出した。
「"いでよファッションドールミカフレンドシリーズ ジャン花婿Ver"!!!」
そこから呼び寄せたのは、人形だ。その人形は自我があるように喋り動く。
「ボクの花嫁さん!さぁ、今すぐ結婚式を挙げよう!」
とくんと、胸が小さく高鳴る。相手が小さな人形だとも、霊は構わず歩み寄る。
《アタイ忘れてた。本当は女の子に憧れてたこと・・・もうアタイ、思い残すことないわ・・・。
ありがと、ボーイ達・・・!》
そのまま霊の姿は、霧状になりもう現れることはなかった。
「俺はパペットマスター。あらゆる人形を召喚し、操ることができる。
称号を持ってねぇだけで、そこらの祓魔師のレベルはとうに超えてる。
こんな塾、退屈で仕方ねーんだ。せめて俺の手を煩わせるな!」
緊張の糸も解けたせいか、宝の態度が気に食わず、怒りが珍しく爆発したのは子猫丸だった。
「せやったら塾やめはったらええんや!!」
「子猫丸?どした!?」
勝呂も寸前までキレていたが、子猫丸の迫力に驚いた。
いつもの逆で、泣き怒る子猫丸を勝呂が必死に止めに入る。
「とめろ、志摩!!」
一人じゃ手に負えない状況に助け舟を求めても、志摩は白無垢のチューから足元に転がっている。
「あ・・・あいつアカンかった。奥村!!奥村!?」
次に、返事がなかなかない燐を見れば、彼も落ち込みが半端なく沈んでいた。
「・・・て、お前もアカンのかい!」
一部始終騒ぎ続けている彼らに、出雲が呆れている。
「・・・何やってんの、アイツら」
「皆さん!!」
「「!!」」
「静かにしなさい、死にたいんですか?」
「「いいえ」」
雪男の一喝で、やっと場が静まるのだった。