第ニ十三話 自分自身
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ルーマニアK.R.C.研究所。
鍵を使いライトニング、勝呂、出雲、ルーシー、オセオラの五人は、ドラグレスクの場所まで、
ライトニングのウィジャグローブで道案内してもらっていた。
研究所ではいまも人々が働く様子が見受けられ、地下通路を通りながら研究所のフロアマップにないエリアまで辿り着く。
「キナ臭くなってきたね」
異様な実験に、出雲は身を引きそうになる。
「何なの・・・」
「十三號セクションに似てます。ここの存在だけでもかなりの証拠になるんじゃ」
勝呂が案を出すも、ライトニングは前を進む。
「今はドラグレスクが先だ」
すると、更に奥の部屋、真っ暗で何も見えない部屋が堪らず足を止めそうになる。
先頭のライトニングに勝呂がランタンを渡そうとするが、出雲の鋭い声が発さられた。
「待って!!何かいる・・・」
明かりを向ければ、呻き声。人が・・・いや、これはただの人ではない。
「ま、まさか人造ゾンビ!?」
「!!」
よく見ると、見覚えのあるゾンビたち。
「この顔、ルシフェル群とアザゼル群の・・・!!ずっと不思議だったんだ。
エリクサー実験を受けたクローンにも、極東研究所のゾンビたちのように、
生死の間に陥ってしまった個体がいたはずだって。ここにいたか」
「「ゴアアアアア」」
「「ギャアアアア」」
一斉に叫び、暴れ出す人造ゾンビ。
「嫌な予感がするね、長居は無用だよ」
勝呂の頭の上にいるルーシーが言った。ウィジャグローブの光に、ライトニングが顔を上げる。
「ドラグレスクはこの上みたいだ。登ろう!!」
だが、階段で上を目指す前に、ゾンビたちが収納されていた隔壁が上がったのだ。
「囲まれた!」
「アタシらの追跡に気づいてるね。足止めに使う気だ」
オセオラが悪魔を召喚し、力いっぱい拳を地面に叩きつける。
すると、ゾンビたちは炎にのまれ焼き尽くされる。
「今だ!登れ!!」
「きゃあ」
出雲が階段を登ろうとした瞬間、ゾンビに足を捕まえられ体制を崩す。
「神木!!」
咄嗟に後ろにいた勝呂が支えるも、登る前にはもうゾンビは火だるまになりながらも立ち上がっていた。
「回復が早い・・・!島根の人造ゾンビの報告を上回る再生速度だね」
「イフ、セト・・・!ディィ、アンク以下省略竜巻よイアサール!」
火だるまになっていたゾンビたちを吹き飛ばし、階段を登りきる。
全員が登りきったのを確認し、ゾンビたちが上がってこれないようにオセオラが階段を壊す。
一息ついたところで、勝呂がまじまじとゾンビたちに視線を戻した。
「・・・ッ、まだ動いとる・・・!!」
「そういえば、アレの祓魔方法の解析をドラグレスクに任せていたなんて、ぼくらはとんだ間抜けだね。
先を急ごう。何があるか判らない、全員臨戦耐性で頼む」
「ウケ!ミケ!」
ライトニングの申し出に、出雲も白狐を召喚。
《出雲!》
だが、白狐は慌てふためいている。
《早く逃げろ!》
「え?」
《何かいるよ、油断しないで》
そう告げられた瞬間、後ろのシャッターが開いていき、現れたのは巨大なキメラゾンビだ。
「きゃああ」
出雲たちを狙い、巨大な張り手が襲いかかる。
「!」
だが、その張り手を食い止めたのは、オセオラだった。
「ここは私が食い止める!行け!!」
「判った・・・」
ライトニングが頷くとともに、ウィジャグローブが磁力をなくし転げ落ちる。
「!?」
拾いあげれば、なんの反応もなくなっていた。
「信号が途絶えた。無理に"鈴"を外そうとして死んだか・・・殺された!?」
「ライトニング!!」
呼ばれ、ハッと顔を上げる。
「どうします」
「・・・どっちにしろ、ドラグレスクはこの上だ。道を切り開く!」
身構えるライトニングに、オセオラが足止めしてるのとは別の、もう一匹のキメラゾンビに全員が迎え打つ。
「「はい!!」」
「使い魔は」
「!?」
何処からともかく、第三者の声。
「私ならば仕舞っておくがな」
「ネイガウス博士!!??」
なにやらネイガウスは銃を構えていて。
「よく判んないけど、使い魔を消して!」
ウケとミケは、出雲が指示を出す前に素早く身を消す。それは使い魔である出雲も驚くほど。
「え・・・ちょ、早!!」
そしてオセオラとライトニングも使い魔を消したのを確認してから、ネイガウスは銃弾を打った。
辺り一面にいたゾンビが、チリとなり消えていく。あんなに苦戦したのに、姿形もなく。
唖然とする一行。ライトニングがネイガウスに問出した。
「・・・ッ、なんなんだ、それ!?」
「メフィスト曰く、"対・悪魔用自我忘却兵器"デビル☆バニッシャー・・・だ、そうだが」
ネイガウス博士を先頭に、彼のこれまでの行動を聞いていた。
「私はこの十五年ほど、メフィストの極秘命令で"対魔特効物質"の研究を続けてきた。
十三號セクションの元科学者、三角に協力してな。このロケット弾は、聖水の基になる、
アルムマヘルの結晶から醸す、黒い炎を圧縮している。着弾すれば、物質に憑依する悪魔の主体性を廃忘させ、
物質との同一性を失わせることで、完全消滅させる」
「し、しかし、アルムマヘルの力は人体にも有害で、聖水も薄めて使う。人間に影響はないのですか?」
「炎に直接深く触れたり、長期間晒されなければあまり影響はない。人間の主体性は、
物質にしがみつく悪魔より強いのだ。功労者である三角は、完成間近に死んでしまい、
助手の私が完成させることになった」
三角の死を目の前に、手を出したライトニングに勝呂は言葉を返せない。
欲しい人を死なせた、亡くさせた。ぼそりとライトニングが言う。
「ぼかぁ貴方を誤解していたのか・・・?ともあれ、素晴らしい発明です」
「フン、称賛には及ばない。弾は残り一発だ。準備不足で量産は出来なかった。
それに、実戦で使ったのはこれが初めてだ。お陰でいい実証データが取れた」
「わぁ、ぼくら実験台」
「怖!!」
鍵を使いライトニング、勝呂、出雲、ルーシー、オセオラの五人は、ドラグレスクの場所まで、
ライトニングのウィジャグローブで道案内してもらっていた。
研究所ではいまも人々が働く様子が見受けられ、地下通路を通りながら研究所のフロアマップにないエリアまで辿り着く。
「キナ臭くなってきたね」
異様な実験に、出雲は身を引きそうになる。
「何なの・・・」
「十三號セクションに似てます。ここの存在だけでもかなりの証拠になるんじゃ」
勝呂が案を出すも、ライトニングは前を進む。
「今はドラグレスクが先だ」
すると、更に奥の部屋、真っ暗で何も見えない部屋が堪らず足を止めそうになる。
先頭のライトニングに勝呂がランタンを渡そうとするが、出雲の鋭い声が発さられた。
「待って!!何かいる・・・」
明かりを向ければ、呻き声。人が・・・いや、これはただの人ではない。
「ま、まさか人造ゾンビ!?」
「!!」
よく見ると、見覚えのあるゾンビたち。
「この顔、ルシフェル群とアザゼル群の・・・!!ずっと不思議だったんだ。
エリクサー実験を受けたクローンにも、極東研究所のゾンビたちのように、
生死の間に陥ってしまった個体がいたはずだって。ここにいたか」
「「ゴアアアアア」」
「「ギャアアアア」」
一斉に叫び、暴れ出す人造ゾンビ。
「嫌な予感がするね、長居は無用だよ」
勝呂の頭の上にいるルーシーが言った。ウィジャグローブの光に、ライトニングが顔を上げる。
「ドラグレスクはこの上みたいだ。登ろう!!」
だが、階段で上を目指す前に、ゾンビたちが収納されていた隔壁が上がったのだ。
「囲まれた!」
「アタシらの追跡に気づいてるね。足止めに使う気だ」
オセオラが悪魔を召喚し、力いっぱい拳を地面に叩きつける。
すると、ゾンビたちは炎にのまれ焼き尽くされる。
「今だ!登れ!!」
「きゃあ」
出雲が階段を登ろうとした瞬間、ゾンビに足を捕まえられ体制を崩す。
「神木!!」
咄嗟に後ろにいた勝呂が支えるも、登る前にはもうゾンビは火だるまになりながらも立ち上がっていた。
「回復が早い・・・!島根の人造ゾンビの報告を上回る再生速度だね」
「イフ、セト・・・!ディィ、アンク以下省略竜巻よイアサール!」
火だるまになっていたゾンビたちを吹き飛ばし、階段を登りきる。
全員が登りきったのを確認し、ゾンビたちが上がってこれないようにオセオラが階段を壊す。
一息ついたところで、勝呂がまじまじとゾンビたちに視線を戻した。
「・・・ッ、まだ動いとる・・・!!」
「そういえば、アレの祓魔方法の解析をドラグレスクに任せていたなんて、ぼくらはとんだ間抜けだね。
先を急ごう。何があるか判らない、全員臨戦耐性で頼む」
「ウケ!ミケ!」
ライトニングの申し出に、出雲も白狐を召喚。
《出雲!》
だが、白狐は慌てふためいている。
《早く逃げろ!》
「え?」
《何かいるよ、油断しないで》
そう告げられた瞬間、後ろのシャッターが開いていき、現れたのは巨大なキメラゾンビだ。
「きゃああ」
出雲たちを狙い、巨大な張り手が襲いかかる。
「!」
だが、その張り手を食い止めたのは、オセオラだった。
「ここは私が食い止める!行け!!」
「判った・・・」
ライトニングが頷くとともに、ウィジャグローブが磁力をなくし転げ落ちる。
「!?」
拾いあげれば、なんの反応もなくなっていた。
「信号が途絶えた。無理に"鈴"を外そうとして死んだか・・・殺された!?」
「ライトニング!!」
呼ばれ、ハッと顔を上げる。
「どうします」
「・・・どっちにしろ、ドラグレスクはこの上だ。道を切り開く!」
身構えるライトニングに、オセオラが足止めしてるのとは別の、もう一匹のキメラゾンビに全員が迎え打つ。
「「はい!!」」
「使い魔は」
「!?」
何処からともかく、第三者の声。
「私ならば仕舞っておくがな」
「ネイガウス博士!!??」
なにやらネイガウスは銃を構えていて。
「よく判んないけど、使い魔を消して!」
ウケとミケは、出雲が指示を出す前に素早く身を消す。それは使い魔である出雲も驚くほど。
「え・・・ちょ、早!!」
そしてオセオラとライトニングも使い魔を消したのを確認してから、ネイガウスは銃弾を打った。
辺り一面にいたゾンビが、チリとなり消えていく。あんなに苦戦したのに、姿形もなく。
唖然とする一行。ライトニングがネイガウスに問出した。
「・・・ッ、なんなんだ、それ!?」
「メフィスト曰く、"対・悪魔用自我忘却兵器"デビル☆バニッシャー・・・だ、そうだが」
ネイガウス博士を先頭に、彼のこれまでの行動を聞いていた。
「私はこの十五年ほど、メフィストの極秘命令で"対魔特効物質"の研究を続けてきた。
十三號セクションの元科学者、三角に協力してな。このロケット弾は、聖水の基になる、
アルムマヘルの結晶から醸す、黒い炎を圧縮している。着弾すれば、物質に憑依する悪魔の主体性を廃忘させ、
物質との同一性を失わせることで、完全消滅させる」
「し、しかし、アルムマヘルの力は人体にも有害で、聖水も薄めて使う。人間に影響はないのですか?」
「炎に直接深く触れたり、長期間晒されなければあまり影響はない。人間の主体性は、
物質にしがみつく悪魔より強いのだ。功労者である三角は、完成間近に死んでしまい、
助手の私が完成させることになった」
三角の死を目の前に、手を出したライトニングに勝呂は言葉を返せない。
欲しい人を死なせた、亡くさせた。ぼそりとライトニングが言う。
「ぼかぁ貴方を誤解していたのか・・・?ともあれ、素晴らしい発明です」
「フン、称賛には及ばない。弾は残り一発だ。準備不足で量産は出来なかった。
それに、実戦で使ったのはこれが初めてだ。お陰でいい実証データが取れた」
「わぁ、ぼくら実験台」
「怖!!」