第三話 学園七不思議•前
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「「「!!」」」
突如、悲鳴が聞こえ目を見開く。
「くるなぁあ!!」
燐は聞き覚えのある声に、駆け出した。
「醐醍院の声か・・・!?」
「燐!?」
まさか、この間燐が話してくれた悪魔の見えるクラスメイトのもの。
既に騒ぎを聞きつけた生徒達の集団を無理矢理どけながら、
燐の目の前に醐醍院が血の気を引いた表情で駆け寄ってきた。
「醐醍院!!」
「お、く・・・むらく・・・」
怯える彼の足元には4本の足でポタポタと血を流しながらヨロヨロ歩く悪魔がいる。
(何だ、コイツ・・・!?)
燐にとっても、初めてみる悪魔だ。
その悪魔は倒れた醐醍院の足に、細長い口をもっていく。
「ううぅ・・・うあぁあ!!助けて!!」
「・・・・!!」
消えろ・・・
燐が足元にいる悪魔に、目で訴える。
怯えぬ悪魔にもう一度、学園では決して見せなかった尻尾を出し、
炎を出さないようにその悪魔だけに集中させた。
消えろ!!!
目の前の悪魔は怯え、ヨロヨロと後戻りするのだった。
「醐醍院・・・」
「もうムリ・・・ムリだよ、助けて・・・!!」
保健室に醐醍院を連れていくため、燐は付き添って行くと出来るだけ悪魔が近寄らない方法を教えてやる。
「お前さ、そんなふうにビビってると、悪魔どんどん寄ってくんだぞ」
「そんな」
見えなくなる方法どころか、近寄ってくるばかりなんて。
「・・・僕は弱い人間なんだ。だから悪魔が見えるようになったのかもしれない。
元に戻りたい・・・!」
醐醍院にとって、悪魔が見えることは深刻な問題なのだろう。
きっと、一般人はそう思うだろう。だって、自分たちが見えなかった時はそう思ったのだから。
悪魔が見えなくなる方法は知らない。でも、頼ってくれるクラスメイトを放っておけなかった。
「・・・判った!待ってろ」
「奥村くん!?」
椅子から立ち上がった燐の背中を見た醐醍院。
「・・・・・」
その背中には、謎の尻尾が揺らめいたのだった。
学校が始まった頃は、燐と雪男と一緒に食べていたお昼も、今はそれぞれ別行動になっていた。
まぁ、2人とはその他でも一緒にいられるから出来るだけ昼休みは仲間と食べようと決めたのだ。
因みに、燐は京都の3人と校庭の木の下でお昼中である。
そして、昨日休塾になってしまったため、いま醐醍院の事を聞いてみた。
「・・・つーワケでお前ら、悪魔を見えなくする方法って知らねーか?」
「さぁな・・・聞いた事ないわ」
「基本、魔障で出来た楔は断ち切れんゆーけどねぇ」
勝呂も子猫丸も知らないらしい。
「それがアイツ、魔障らしきケガしてねーっつーんだ」
「えぇ?そんな事あるんやろか?」
「醐醍院て確か、都議の息子やったよな。お前の友達なんか?」
と、勝呂。
「いや、友達になりたいんだ。心優しそうな奴だし」
「あっ、めっけ♡」
人の話を聞いていたのかいないのか、志摩が何かに反応する。
「出雲ちゃーん!朴ちゃーん!!玲薇ちゃーん!!一緒に食べへーん!?」
「ゲッ、しつこい!!」
すぐさま出雲が拒否る。燐と玲薇は目が合うも、なんだか気まずい。
何も言わない2人の代わりに、出雲はキッパリ断った。
「いい加減にしてよ!!何が悲しくてアンタらと食べなきゃなんないワケ!?」
「出雲ちゃん・・・」
「今日も通常運転やね!!なんやホッとしたわー」
もうこのやり取りは慣れっこだ。
燐は何か思い出したように出雲に聞いた。
「おーい!出雲!!
お前、悪魔見えなくする方法知らねー?」
「「!!」」
ちょっと待て、こんな大勢悪魔の存在を知らない人たちがいる前で答えられる訳ない。
「しっ、知るわけないでしょ。この・・・ッ中二病が!!」
「お前、大声でゆーなや」
「いてっ」
パンっと、勝呂に頭を叩かれる燐。
「ま、ゲームの話かと思われますって!」
もう、何もあてがなくなった。
「チッ、結局塾で雪男かシュラつかまえて聞くしかねーか!」
「せや、忘れとった」
『塾』の一言で、勝呂がハッと思い出す。
「今日も休塾やて、奥村先生が」
「えっ、勝呂、雪男と会ったの?」
「午前の授業は出てはったで。俺、同じクラスやし。
女子連中にも知らせなアカンかったんや。行ってくる」
「もーやんなっちゃう!」
彼らと別れた後、出雲が愚痴る。
「ハハ、志摩くんもこりないね。塾でもそうなの?」
祓魔塾を辞めてしまった朴が、いまの現状を知る為に玲薇に聞く。
「まぁ、そうかな」
「放っといて!」
「志摩のクセは昔からや」
「!」
「勝呂くん?」
どうして彼だけここに来たのだろう。その疑問はすぐになくなる。
「言い忘れとったんや。今日も休塾って、奥村先生が」
休塾続きで、出雲と目を合わせる玲薇。
「また塾やすみなの!?」
先ほどのやり取りもあったせいか、出雲はツンケンしている。
「こんなに塾が休みなの初めてだね」
腕を組んで、顎に手を置きながらいう玲薇。
雪男も帰ってこないし、いったい何が起ころうとしているのだろう・・・。
突如、悲鳴が聞こえ目を見開く。
「くるなぁあ!!」
燐は聞き覚えのある声に、駆け出した。
「醐醍院の声か・・・!?」
「燐!?」
まさか、この間燐が話してくれた悪魔の見えるクラスメイトのもの。
既に騒ぎを聞きつけた生徒達の集団を無理矢理どけながら、
燐の目の前に醐醍院が血の気を引いた表情で駆け寄ってきた。
「醐醍院!!」
「お、く・・・むらく・・・」
怯える彼の足元には4本の足でポタポタと血を流しながらヨロヨロ歩く悪魔がいる。
(何だ、コイツ・・・!?)
燐にとっても、初めてみる悪魔だ。
その悪魔は倒れた醐醍院の足に、細長い口をもっていく。
「ううぅ・・・うあぁあ!!助けて!!」
「・・・・!!」
消えろ・・・
燐が足元にいる悪魔に、目で訴える。
怯えぬ悪魔にもう一度、学園では決して見せなかった尻尾を出し、
炎を出さないようにその悪魔だけに集中させた。
消えろ!!!
目の前の悪魔は怯え、ヨロヨロと後戻りするのだった。
「醐醍院・・・」
「もうムリ・・・ムリだよ、助けて・・・!!」
保健室に醐醍院を連れていくため、燐は付き添って行くと出来るだけ悪魔が近寄らない方法を教えてやる。
「お前さ、そんなふうにビビってると、悪魔どんどん寄ってくんだぞ」
「そんな」
見えなくなる方法どころか、近寄ってくるばかりなんて。
「・・・僕は弱い人間なんだ。だから悪魔が見えるようになったのかもしれない。
元に戻りたい・・・!」
醐醍院にとって、悪魔が見えることは深刻な問題なのだろう。
きっと、一般人はそう思うだろう。だって、自分たちが見えなかった時はそう思ったのだから。
悪魔が見えなくなる方法は知らない。でも、頼ってくれるクラスメイトを放っておけなかった。
「・・・判った!待ってろ」
「奥村くん!?」
椅子から立ち上がった燐の背中を見た醐醍院。
「・・・・・」
その背中には、謎の尻尾が揺らめいたのだった。
学校が始まった頃は、燐と雪男と一緒に食べていたお昼も、今はそれぞれ別行動になっていた。
まぁ、2人とはその他でも一緒にいられるから出来るだけ昼休みは仲間と食べようと決めたのだ。
因みに、燐は京都の3人と校庭の木の下でお昼中である。
そして、昨日休塾になってしまったため、いま醐醍院の事を聞いてみた。
「・・・つーワケでお前ら、悪魔を見えなくする方法って知らねーか?」
「さぁな・・・聞いた事ないわ」
「基本、魔障で出来た楔は断ち切れんゆーけどねぇ」
勝呂も子猫丸も知らないらしい。
「それがアイツ、魔障らしきケガしてねーっつーんだ」
「えぇ?そんな事あるんやろか?」
「醐醍院て確か、都議の息子やったよな。お前の友達なんか?」
と、勝呂。
「いや、友達になりたいんだ。心優しそうな奴だし」
「あっ、めっけ♡」
人の話を聞いていたのかいないのか、志摩が何かに反応する。
「出雲ちゃーん!朴ちゃーん!!玲薇ちゃーん!!一緒に食べへーん!?」
「ゲッ、しつこい!!」
すぐさま出雲が拒否る。燐と玲薇は目が合うも、なんだか気まずい。
何も言わない2人の代わりに、出雲はキッパリ断った。
「いい加減にしてよ!!何が悲しくてアンタらと食べなきゃなんないワケ!?」
「出雲ちゃん・・・」
「今日も通常運転やね!!なんやホッとしたわー」
もうこのやり取りは慣れっこだ。
燐は何か思い出したように出雲に聞いた。
「おーい!出雲!!
お前、悪魔見えなくする方法知らねー?」
「「!!」」
ちょっと待て、こんな大勢悪魔の存在を知らない人たちがいる前で答えられる訳ない。
「しっ、知るわけないでしょ。この・・・ッ中二病が!!」
「お前、大声でゆーなや」
「いてっ」
パンっと、勝呂に頭を叩かれる燐。
「ま、ゲームの話かと思われますって!」
もう、何もあてがなくなった。
「チッ、結局塾で雪男かシュラつかまえて聞くしかねーか!」
「せや、忘れとった」
『塾』の一言で、勝呂がハッと思い出す。
「今日も休塾やて、奥村先生が」
「えっ、勝呂、雪男と会ったの?」
「午前の授業は出てはったで。俺、同じクラスやし。
女子連中にも知らせなアカンかったんや。行ってくる」
「もーやんなっちゃう!」
彼らと別れた後、出雲が愚痴る。
「ハハ、志摩くんもこりないね。塾でもそうなの?」
祓魔塾を辞めてしまった朴が、いまの現状を知る為に玲薇に聞く。
「まぁ、そうかな」
「放っといて!」
「志摩のクセは昔からや」
「!」
「勝呂くん?」
どうして彼だけここに来たのだろう。その疑問はすぐになくなる。
「言い忘れとったんや。今日も休塾って、奥村先生が」
休塾続きで、出雲と目を合わせる玲薇。
「また塾やすみなの!?」
先ほどのやり取りもあったせいか、出雲はツンケンしている。
「こんなに塾が休みなの初めてだね」
腕を組んで、顎に手を置きながらいう玲薇。
雪男も帰ってこないし、いったい何が起ころうとしているのだろう・・・。