第ニ十一話 ユリとサタン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『オレは最強だ!どういう意味か判るか?ユリ?え?あのクソ獅郎なんて、一瞬で潰せるって事だ。
さっきのカスみてーになァ!?グッハハハハ!!オレは全知全能の神なんだ、ハハハ!
全てがオレの意のままだ!どうだ?ユリも嬉しいだろ』
だが、ユリが見せた表情は、泣きだった。
『!?』
なんでそんな表情なのか、燐火は理解出来ない。
『殺しちゃだめ!!ハムスターの時・・・もっとちゃんと、私がしていれば・・・!!』
『・・・はァ?くだらねぇ、人間が勝手につくった善悪の基準や感傷なんぞ知ったことか。オレは神だぞ。
何故、殺しちゃダメなんだ?お前らだって殺すだろ!殺して喰ってるくせに』
『みんな生きたいんだよ!!生きたいから殺すんだよ!貴方は生きるためじゃなく殺した。
貴方だって生きたいはず、判るでしょ?判らない・・・?燐・・・』
『その名で呼ぶな!!』
『きゃっ』
炎の熱で吹き飛ばされるユリ。そのユリをギリギリ助けたのは、獅郎だ。
『あーあ・・・そうかよ、クヒヒ。ユリ、お前にはガッカリだ。特別にオレ様の側にいさせてやろうと思ったが、もうやめだ!!』
燐火が逃げ出す時に飛び火した炎から、ユリを庇う獅郎。
『獅郎、大丈夫・・・』
そんな獅郎の背中は、燃えていた。だが、見かけによらず痛みは少ない。
『あ?あー、平気だ。團服のお陰だな。つーか、お前こそぐっちゃぐちゃじゃねーか。はは、ガキの頃みてーだぞ』
『・・・う、あああああ!!』
我慢していたものが、全部爆発したみたいだった。何も言わない獅郎に、寄り添って。
逃げ出した燐火、いや、サタンだと改めたその悪魔は、ユリの言葉で瞬く間に上層部に広がった。
『サタン!?』
『確かなのですか?』
慌てるグリゴリの人々に、動画で話すルシフェルは動揺することなく静かに語る。
『むしろ、しっくりきます。あの新参者は、我々悪魔ほぼ全てと繋がることが出来る。
それはサタンと呼ぶに相応しい存在かもしれません』
『しかし、サタンだとすれば憑依体はそう長くはもたない。朽ち果てるのは時間の問題です』
『すでに憑依体が果てた可能性は?』
『・・・恐らく、まだです。居場所までは判りませんが、我々には感じるのです。まだ未熟だが、大きくなりつつある』
「あれが、貴方達の父親です。ご感想は?想像どおりでしたか?」
うずくまり考える燐に、メフィストが問うた。
「違う。全然」
「それは善い意味?悪い意味?」
「わかんねぇ。それより・・・捕まえなくていいのか?騎士團に居場所教えてやれよ」
「仮に教えて大捕物が始まったら、この街の地下が崩落する。災害が起きるだけですよ」
「・・・・・・・・・」
「待つしかないのです。さあ、先へ」
再び、ユリの所に姿を見せた獅郎は、ユリに筆記テストの問題を任せ、自分は青森に任務行くところだった。
一人で行く獅郎を心配するユリを尻目に任務にいったものの、思わぬ拾い物をしてしまう。
『う~~ん、正十字には保護施設に空きがありませんね。空きが出るまで身寄りのない少女の里親として、
献身されてはいかがですか?藤本神父』
『ふざけんなよ!?てめぇ、メフィスト、いつも無茶な任務ばっかり俺にフリやがって』
『そのお陰で勲章いくつも持ってるんでしょ。アサイラムなら、即収容可能ですよ』
そう、獅郎が青森で拾い物をしたのは、霧隠シュラだ。困り果てた獅郎は、ユリにシュラのことを頼むが。
まわりくどく断るユリに、まだ燐火を待っていると告げられた。
『・・・お前、まだそんな事。もう死んだよ!あのガキが、大人しく潜伏してるワケねぇだろ!』
『身体が劣化を始めたら、朽ち果てる前に必ずセクションに戻ってくるはず・・・!
戻ってきたら、今度こそ救ってみせる。だからシュラちゃんは巻きこめない。ごめんね』
そして、獅郎が頼ったのが。
『つーワケでお前らは、今日から俺の指揮下で働いてもらう。仕事は主に俺の補佐だ、判ったか?』
新たに、三人の部下を迎えた。
『はい!尽力します!』
『まさか藤本神父に選んでいただけるなんて・・・光栄です!』
『よし、何か質問は』
『そのダッコちゃんみたいな子は、何ですか?』
『気づいたな、俺の弟子だ』
『弟子!?』
ジーと、穴があくほど睨むシュラは、獅郎から離れようとしない。
『さっそくだが、俺が便所の間こいつみててくれ』
『『!?』』
なんやかんやで、任務中。
『この子、一体何なんだ、まさか藤本神父の隠し子か?』
散々遊びまわっていたのだ、勘違いされても仕方ない。
『アタシ、獅郎のおよめさんになるんだ。おっぱい大きくなったら、結婚してくれるって!』
『え?そんな事約束したんですか!?』
『そこ!くだらねえ事言ってないで働け!してねーよ!』
シュラが来て、獅郎の周りは賑やかになっていた。
にぎやかに騒ぐ獅郎の声が聞こえ、窓から顔を向けるリックとユリ。
微笑ましく獅郎の姿を見るユリに、リックはため息が出た。
『はぁ~・・・もー、何やってんだコイツら・・・』
『え?』
二人がお互い好きなのは、リックはもう知っているから。
『前から気になってたけど、お前は獅郎のどこが好きなんだ?』
『えぇ!?な、なぜそれを・・・!?』
自覚はあったが、知られていたことに驚いているのだろう。
『今更何を』
何年一緒にいると思ってるのだ。
『ヒエ~~!!』
顔を真っ赤にしながら、ユリは答える。
『まっしろで私よりおっきいところ?声も好きだよ、目も好き』
『意外とパーツなんだな』
『私と全然違うから。怖くて冷たくて乱暴でどうしようもないけど、中心はあったかいのが透けて見えて、
もどかしくてほっとけなくて。私、ずっと獅郎のあったかいところに触りたくて手を伸ばしてる。
かなり鬱陶しいよね・・・!!でも好き、ずっと好き』
『ユリ・・・?』
お互いを想っているのに、近づけないのは、もう一人放っておけない人がいるから。
自分一人しか、頼れる人間がいないから。
さっきのカスみてーになァ!?グッハハハハ!!オレは全知全能の神なんだ、ハハハ!
全てがオレの意のままだ!どうだ?ユリも嬉しいだろ』
だが、ユリが見せた表情は、泣きだった。
『!?』
なんでそんな表情なのか、燐火は理解出来ない。
『殺しちゃだめ!!ハムスターの時・・・もっとちゃんと、私がしていれば・・・!!』
『・・・はァ?くだらねぇ、人間が勝手につくった善悪の基準や感傷なんぞ知ったことか。オレは神だぞ。
何故、殺しちゃダメなんだ?お前らだって殺すだろ!殺して喰ってるくせに』
『みんな生きたいんだよ!!生きたいから殺すんだよ!貴方は生きるためじゃなく殺した。
貴方だって生きたいはず、判るでしょ?判らない・・・?燐・・・』
『その名で呼ぶな!!』
『きゃっ』
炎の熱で吹き飛ばされるユリ。そのユリをギリギリ助けたのは、獅郎だ。
『あーあ・・・そうかよ、クヒヒ。ユリ、お前にはガッカリだ。特別にオレ様の側にいさせてやろうと思ったが、もうやめだ!!』
燐火が逃げ出す時に飛び火した炎から、ユリを庇う獅郎。
『獅郎、大丈夫・・・』
そんな獅郎の背中は、燃えていた。だが、見かけによらず痛みは少ない。
『あ?あー、平気だ。團服のお陰だな。つーか、お前こそぐっちゃぐちゃじゃねーか。はは、ガキの頃みてーだぞ』
『・・・う、あああああ!!』
我慢していたものが、全部爆発したみたいだった。何も言わない獅郎に、寄り添って。
逃げ出した燐火、いや、サタンだと改めたその悪魔は、ユリの言葉で瞬く間に上層部に広がった。
『サタン!?』
『確かなのですか?』
慌てるグリゴリの人々に、動画で話すルシフェルは動揺することなく静かに語る。
『むしろ、しっくりきます。あの新参者は、我々悪魔ほぼ全てと繋がることが出来る。
それはサタンと呼ぶに相応しい存在かもしれません』
『しかし、サタンだとすれば憑依体はそう長くはもたない。朽ち果てるのは時間の問題です』
『すでに憑依体が果てた可能性は?』
『・・・恐らく、まだです。居場所までは判りませんが、我々には感じるのです。まだ未熟だが、大きくなりつつある』
「あれが、貴方達の父親です。ご感想は?想像どおりでしたか?」
うずくまり考える燐に、メフィストが問うた。
「違う。全然」
「それは善い意味?悪い意味?」
「わかんねぇ。それより・・・捕まえなくていいのか?騎士團に居場所教えてやれよ」
「仮に教えて大捕物が始まったら、この街の地下が崩落する。災害が起きるだけですよ」
「・・・・・・・・・」
「待つしかないのです。さあ、先へ」
再び、ユリの所に姿を見せた獅郎は、ユリに筆記テストの問題を任せ、自分は青森に任務行くところだった。
一人で行く獅郎を心配するユリを尻目に任務にいったものの、思わぬ拾い物をしてしまう。
『う~~ん、正十字には保護施設に空きがありませんね。空きが出るまで身寄りのない少女の里親として、
献身されてはいかがですか?藤本神父』
『ふざけんなよ!?てめぇ、メフィスト、いつも無茶な任務ばっかり俺にフリやがって』
『そのお陰で勲章いくつも持ってるんでしょ。アサイラムなら、即収容可能ですよ』
そう、獅郎が青森で拾い物をしたのは、霧隠シュラだ。困り果てた獅郎は、ユリにシュラのことを頼むが。
まわりくどく断るユリに、まだ燐火を待っていると告げられた。
『・・・お前、まだそんな事。もう死んだよ!あのガキが、大人しく潜伏してるワケねぇだろ!』
『身体が劣化を始めたら、朽ち果てる前に必ずセクションに戻ってくるはず・・・!
戻ってきたら、今度こそ救ってみせる。だからシュラちゃんは巻きこめない。ごめんね』
そして、獅郎が頼ったのが。
『つーワケでお前らは、今日から俺の指揮下で働いてもらう。仕事は主に俺の補佐だ、判ったか?』
新たに、三人の部下を迎えた。
『はい!尽力します!』
『まさか藤本神父に選んでいただけるなんて・・・光栄です!』
『よし、何か質問は』
『そのダッコちゃんみたいな子は、何ですか?』
『気づいたな、俺の弟子だ』
『弟子!?』
ジーと、穴があくほど睨むシュラは、獅郎から離れようとしない。
『さっそくだが、俺が便所の間こいつみててくれ』
『『!?』』
なんやかんやで、任務中。
『この子、一体何なんだ、まさか藤本神父の隠し子か?』
散々遊びまわっていたのだ、勘違いされても仕方ない。
『アタシ、獅郎のおよめさんになるんだ。おっぱい大きくなったら、結婚してくれるって!』
『え?そんな事約束したんですか!?』
『そこ!くだらねえ事言ってないで働け!してねーよ!』
シュラが来て、獅郎の周りは賑やかになっていた。
にぎやかに騒ぐ獅郎の声が聞こえ、窓から顔を向けるリックとユリ。
微笑ましく獅郎の姿を見るユリに、リックはため息が出た。
『はぁ~・・・もー、何やってんだコイツら・・・』
『え?』
二人がお互い好きなのは、リックはもう知っているから。
『前から気になってたけど、お前は獅郎のどこが好きなんだ?』
『えぇ!?な、なぜそれを・・・!?』
自覚はあったが、知られていたことに驚いているのだろう。
『今更何を』
何年一緒にいると思ってるのだ。
『ヒエ~~!!』
顔を真っ赤にしながら、ユリは答える。
『まっしろで私よりおっきいところ?声も好きだよ、目も好き』
『意外とパーツなんだな』
『私と全然違うから。怖くて冷たくて乱暴でどうしようもないけど、中心はあったかいのが透けて見えて、
もどかしくてほっとけなくて。私、ずっと獅郎のあったかいところに触りたくて手を伸ばしてる。
かなり鬱陶しいよね・・・!!でも好き、ずっと好き』
『ユリ・・・?』
お互いを想っているのに、近づけないのは、もう一人放っておけない人がいるから。
自分一人しか、頼れる人間がいないから。