第三話 学園七不思議•前
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翌日、結局雪男は帰ってこなかった。
「やっぱできたじゃねーか」
「もー、うるさいなぁ!」
朝からこんな調子で、不機嫌な燐と照れ隠しで仏頂面な玲薇が校門にいる。
「奥村くん、おはよう!」
「玲薇ちゃん!今日も一段とキラッキラやなー!」
「あ、子猫丸くん、志摩くん」
ばったり下駄箱の前で京都の2人に出会う。
「あっ、そだ」
思い出したように、燐が自分の下駄箱を開けながら言った。
「お前らに聞きたい事あったんだ」
「なんなん?」
「奥村くん!!」
子猫丸の聞き返しを遮るように大声を上げたのは志摩だ。
彼はさらに、動揺している。
「そっ、そそそそれってまさか・・・!!」
「え?」
「ラブレターやん!!」
「なに!?」
「!?」
確かによくみると、1通のオシャレな便箋があった。
「ま、ま・・・まじで!?」
「え~~!!?なんで奥村くんだけ!?」
喜ぶ男たちとは裏腹に、玲薇は一気に不機嫌になった。
「ハッ!オーラ・・・!」
恐る恐る振り返る燐。
「おはよーさん、どないしたんや?」
少し遅れた勝呂がみんなと合流。
「メフィスト・・・?」
「「え?」」
勝呂の登場により、宛名をみてくれたことでその場の空気が一変。
燐も慌てて確認してみる。そこにはハッキリと『メフィストより♡』と書かれていた。
「メフィストからかよ!!」
嬉しいような、それよりも安心したような複雑な気持ちが混ざる。
勝呂の隣では、ホッとする玲薇。
「はー、ビックリした!」
「ぐぬぬ」
彼女にとっては清々しい出来事。
さっきから、少し遅れてきた勝呂は2人の様子に眉を寄せていた。
「さっきから何や?」
「え?何も」
「残念やったね」
志摩はにやにやと、燐の肩に手を置く。
「志摩ウゼー、さわんな!!マジで!!」
ちょっとは玲薇を見返してやれると思ったのに。
そう心の中で思ったことは、口にしないでおこう。
「まぁ、見た目はアレやけど・・・大事な用かもしれへんで。はよ読み」
「えー、読むのダリーなぁ・・・」
メフィストから燐への手紙の内用はこうだ。
【奥村 燐くんへ
立秋とは名ばかりの暑い日が続きますがお元気ですか~私は元気です♡♡
さて、ご報告があります!
先日ヴァチカンが下した奥村くんの処刑の件ですが・・・"保留"になりました!!
ワーイ!パチパチ☆ヤッター!おめでとうございます!!】
本来ならもっと可愛らしい字体で絵文字も書かれている手紙。
いや、それよりも嬉しい報告の内容で笑みが出る。
「燐の"処刑"が保留・・・!」
「よかったなぁ!」
「でもまだ保留なんやな・・・辛気臭いでホンマ」
「処刑って・・・?そんなんあったっけ、忘れてた」
しかし、とうの本人はこんな調子で少々呆れてしまった。
「よう忘れられるな!?」
「さすが奥村くんや・・・」
『処刑』なんて言葉を自分に向けられたら忘れることなんて出来ないと思うのだが。
「もう一枚あるね?」
志摩が言った。
2枚目にはこんな内容だ。
【ところで!
今晩おヒマでしたら祝☆処刑保留お祝い!という事で、
私の屋敷の晩餐へいらっしゃいませんか?】
「「「え・・・」」」
「どういう意味だ、コレ?」
「いや~嫌な予感しかせえへんわ~」
「『私の屋敷の晩・・・』なんて書いてあるの、コレ」
そもそも燐は平仮名がふられていない漢字が読めないらしい。
「そこか~」
「ばんさん!!」
すかさず勝呂が怒鳴り返す。それでも教えてるのだから、彼は優しいのだ。
だが、それも無意味かのように燐は聞き返す。
「バーさん?」
「勉強せえ!!」
「・・・お父さん」
「誰がや!!」
玲薇は一人、心の中で勝呂に謝罪した。
(ごめんね、勝呂くん)
「ぎゃああああ!!」
「やっぱできたじゃねーか」
「もー、うるさいなぁ!」
朝からこんな調子で、不機嫌な燐と照れ隠しで仏頂面な玲薇が校門にいる。
「奥村くん、おはよう!」
「玲薇ちゃん!今日も一段とキラッキラやなー!」
「あ、子猫丸くん、志摩くん」
ばったり下駄箱の前で京都の2人に出会う。
「あっ、そだ」
思い出したように、燐が自分の下駄箱を開けながら言った。
「お前らに聞きたい事あったんだ」
「なんなん?」
「奥村くん!!」
子猫丸の聞き返しを遮るように大声を上げたのは志摩だ。
彼はさらに、動揺している。
「そっ、そそそそれってまさか・・・!!」
「え?」
「ラブレターやん!!」
「なに!?」
「!?」
確かによくみると、1通のオシャレな便箋があった。
「ま、ま・・・まじで!?」
「え~~!!?なんで奥村くんだけ!?」
喜ぶ男たちとは裏腹に、玲薇は一気に不機嫌になった。
「ハッ!オーラ・・・!」
恐る恐る振り返る燐。
「おはよーさん、どないしたんや?」
少し遅れた勝呂がみんなと合流。
「メフィスト・・・?」
「「え?」」
勝呂の登場により、宛名をみてくれたことでその場の空気が一変。
燐も慌てて確認してみる。そこにはハッキリと『メフィストより♡』と書かれていた。
「メフィストからかよ!!」
嬉しいような、それよりも安心したような複雑な気持ちが混ざる。
勝呂の隣では、ホッとする玲薇。
「はー、ビックリした!」
「ぐぬぬ」
彼女にとっては清々しい出来事。
さっきから、少し遅れてきた勝呂は2人の様子に眉を寄せていた。
「さっきから何や?」
「え?何も」
「残念やったね」
志摩はにやにやと、燐の肩に手を置く。
「志摩ウゼー、さわんな!!マジで!!」
ちょっとは玲薇を見返してやれると思ったのに。
そう心の中で思ったことは、口にしないでおこう。
「まぁ、見た目はアレやけど・・・大事な用かもしれへんで。はよ読み」
「えー、読むのダリーなぁ・・・」
メフィストから燐への手紙の内用はこうだ。
【奥村 燐くんへ
立秋とは名ばかりの暑い日が続きますがお元気ですか~私は元気です♡♡
さて、ご報告があります!
先日ヴァチカンが下した奥村くんの処刑の件ですが・・・"保留"になりました!!
ワーイ!パチパチ☆ヤッター!おめでとうございます!!】
本来ならもっと可愛らしい字体で絵文字も書かれている手紙。
いや、それよりも嬉しい報告の内容で笑みが出る。
「燐の"処刑"が保留・・・!」
「よかったなぁ!」
「でもまだ保留なんやな・・・辛気臭いでホンマ」
「処刑って・・・?そんなんあったっけ、忘れてた」
しかし、とうの本人はこんな調子で少々呆れてしまった。
「よう忘れられるな!?」
「さすが奥村くんや・・・」
『処刑』なんて言葉を自分に向けられたら忘れることなんて出来ないと思うのだが。
「もう一枚あるね?」
志摩が言った。
2枚目にはこんな内容だ。
【ところで!
今晩おヒマでしたら祝☆処刑保留お祝い!という事で、
私の屋敷の晩餐へいらっしゃいませんか?】
「「「え・・・」」」
「どういう意味だ、コレ?」
「いや~嫌な予感しかせえへんわ~」
「『私の屋敷の晩・・・』なんて書いてあるの、コレ」
そもそも燐は平仮名がふられていない漢字が読めないらしい。
「そこか~」
「ばんさん!!」
すかさず勝呂が怒鳴り返す。それでも教えてるのだから、彼は優しいのだ。
だが、それも無意味かのように燐は聞き返す。
「バーさん?」
「勉強せえ!!」
「・・・お父さん」
「誰がや!!」
玲薇は一人、心の中で勝呂に謝罪した。
(ごめんね、勝呂くん)
「ぎゃああああ!!」