第三話 学園七不思議•前
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熱海から帰ってきて一段落した燐と雪男と玲薇は、旧男子寮にいた。
それぞれの荷造りをすませ、久しぶりにゆっくり食事をとる。
夏休みが終わり、本格的に二学期が始まろうとしていた。
「学校久しぶりだなー」
ポツリと呟く玲薇。
祓魔塾の皆がいない玲薇のクラス。中学の時は、雪男がいてくれたっけ。
周りと馴染もうとしない彼女は、暇を持て余すように窓の外を見た。
この私立正十字学園高等学校は、祓魔塾があるせいか悪魔がそこら辺にいても怖くなくなった。
それは玲薇自身が候補生として悪魔退治をしてきているおかげだろう。
クラスでは悪魔の話はできないけれど、その話を共通出来る仲間が出来た。
いまはそれだけで嬉しい。
1年B組は、今日も平和である。
「え、七不思議?」
とある昼休み、A組にいる神木出雲と朴朔子と一緒に昼食をとりながら玲薇が聞き返していた。
「そうそう!」
ニコニコと可愛らしい笑顔をみせながら、朴が頷く。
「えっと、一つは真夜中に学園を彷徨う白無垢。二つめは真夜中にメッフィーランドにある、
ヨハン・ファウスト像が動きだす。三つ目、女子寮のトイレの繭子さん」
「・・・まゆ?」
良く聞く花子さんじゃないのだろうかと聞き返す玲薇。
「はは、まゆさんです」
「まゆさんって何よ」
以前燐に『まゆげ』とあだ名をつけられた出雲がすかさず突っ込む。
「だって、そう噂が流れてるんだもん」
「あとは?」
「えーと、確か・・・自画像がどうとかって。まゆさんのインパクトで忘れちゃった」
「朴ったら、酷いじゃない」
不服そうな出雲に謝るのは玲薇。
「ごめんね、出雲。つい、トイレの七不思議って大抵花子さんだなぁと思って」
「まぁ確かに、まゆさんなんて珍しいけど」
「七不思議のことなんだけど二人とも」
朴が改めて二人だけに聞こえるように声をひそめて言った。
「私、悪魔が関係してるのかなぁ・・・って」
「悪魔?」
「朴もそうだけど、最近時々見えるって人がいるみたい」
「そういえば、雪男が相談に来る人が多いって・・・」
と、昼休みが終わるチャイムが鳴った。
「あ、いけない!教室戻らないと!」
「またねー!」
この日も、当たり前のように祓魔塾があると思っていた。
だが、祓魔塾が行われることはなかった。
旧男子寮の一室。
「なぁ、玲薇」
「ん?」
燐と2人で宿題をしている最中、ふと彼が話しかける。
「悪魔を見えなくする方法、知ってるか?」
「・・・え?」
唐突な質問に、おもわず振り返った。
「どうゆうこと?」
嫌な胸騒ぎに、玲薇は眉間にシワを寄せる。
「俺の事じゃねぇぞ!?」
慌てて弁解しながら、燐も振り返り2人は顔を合せながら真面目な表情を見せ合う。
「クラスの奴でさ、悪魔が見える奴がいて。でも『魔障』なんて受けた覚えもねーみてーでさ。
悪魔にビビってるみてーで、どうにかして見えなくする方法一緒に探してるんだけど。
どーもなぁ・・・」
「・・・悪魔を見えなくする方法なんて、聞いたことないけど・・・」
そんなことが出来れば、とうの昔に自分たちにもやってもらいたかった事だ。
「やっぱ帰ってきたら雪男にも聞いてみるか!今日塾なくなっちまったから、明日みんなにも聞いてみよう」
ふと、玲薇は時計をみる。
「・・・雪男、遅いね」
「ハッ!今夜2人きり・・・!」
キラッキラな笑顔を見せる燐の考えに、カッと顔を赤くする玲薇。
「やんないからね・・・!絶対・・・・寮で3人でいる時は・・・!」
「えー、ぜってー帰ってこねーよ」
「い・や・だ!!」
「チューはするのにな」
「もう!もう!」
燐と玲薇は付き合っている。
もう、顔なじみである仲間には知られている事。
けど、キス以外の発展が2人にないのも事実。
だって、ここでは3人で暮らしてるから。雪男にだって、迷惑かけてしまうし。
何より、玲薇は鉢合わせになりたくないのだ。
雪男にも、自分に対する好意がある事も知ってるから・・・。
本当は、ちょっぴり怖い・・・。
それぞれの荷造りをすませ、久しぶりにゆっくり食事をとる。
夏休みが終わり、本格的に二学期が始まろうとしていた。
「学校久しぶりだなー」
ポツリと呟く玲薇。
祓魔塾の皆がいない玲薇のクラス。中学の時は、雪男がいてくれたっけ。
周りと馴染もうとしない彼女は、暇を持て余すように窓の外を見た。
この私立正十字学園高等学校は、祓魔塾があるせいか悪魔がそこら辺にいても怖くなくなった。
それは玲薇自身が候補生として悪魔退治をしてきているおかげだろう。
クラスでは悪魔の話はできないけれど、その話を共通出来る仲間が出来た。
いまはそれだけで嬉しい。
1年B組は、今日も平和である。
「え、七不思議?」
とある昼休み、A組にいる神木出雲と朴朔子と一緒に昼食をとりながら玲薇が聞き返していた。
「そうそう!」
ニコニコと可愛らしい笑顔をみせながら、朴が頷く。
「えっと、一つは真夜中に学園を彷徨う白無垢。二つめは真夜中にメッフィーランドにある、
ヨハン・ファウスト像が動きだす。三つ目、女子寮のトイレの繭子さん」
「・・・まゆ?」
良く聞く花子さんじゃないのだろうかと聞き返す玲薇。
「はは、まゆさんです」
「まゆさんって何よ」
以前燐に『まゆげ』とあだ名をつけられた出雲がすかさず突っ込む。
「だって、そう噂が流れてるんだもん」
「あとは?」
「えーと、確か・・・自画像がどうとかって。まゆさんのインパクトで忘れちゃった」
「朴ったら、酷いじゃない」
不服そうな出雲に謝るのは玲薇。
「ごめんね、出雲。つい、トイレの七不思議って大抵花子さんだなぁと思って」
「まぁ確かに、まゆさんなんて珍しいけど」
「七不思議のことなんだけど二人とも」
朴が改めて二人だけに聞こえるように声をひそめて言った。
「私、悪魔が関係してるのかなぁ・・・って」
「悪魔?」
「朴もそうだけど、最近時々見えるって人がいるみたい」
「そういえば、雪男が相談に来る人が多いって・・・」
と、昼休みが終わるチャイムが鳴った。
「あ、いけない!教室戻らないと!」
「またねー!」
この日も、当たり前のように祓魔塾があると思っていた。
だが、祓魔塾が行われることはなかった。
旧男子寮の一室。
「なぁ、玲薇」
「ん?」
燐と2人で宿題をしている最中、ふと彼が話しかける。
「悪魔を見えなくする方法、知ってるか?」
「・・・え?」
唐突な質問に、おもわず振り返った。
「どうゆうこと?」
嫌な胸騒ぎに、玲薇は眉間にシワを寄せる。
「俺の事じゃねぇぞ!?」
慌てて弁解しながら、燐も振り返り2人は顔を合せながら真面目な表情を見せ合う。
「クラスの奴でさ、悪魔が見える奴がいて。でも『魔障』なんて受けた覚えもねーみてーでさ。
悪魔にビビってるみてーで、どうにかして見えなくする方法一緒に探してるんだけど。
どーもなぁ・・・」
「・・・悪魔を見えなくする方法なんて、聞いたことないけど・・・」
そんなことが出来れば、とうの昔に自分たちにもやってもらいたかった事だ。
「やっぱ帰ってきたら雪男にも聞いてみるか!今日塾なくなっちまったから、明日みんなにも聞いてみよう」
ふと、玲薇は時計をみる。
「・・・雪男、遅いね」
「ハッ!今夜2人きり・・・!」
キラッキラな笑顔を見せる燐の考えに、カッと顔を赤くする玲薇。
「やんないからね・・・!絶対・・・・寮で3人でいる時は・・・!」
「えー、ぜってー帰ってこねーよ」
「い・や・だ!!」
「チューはするのにな」
「もう!もう!」
燐と玲薇は付き合っている。
もう、顔なじみである仲間には知られている事。
けど、キス以外の発展が2人にないのも事実。
だって、ここでは3人で暮らしてるから。雪男にだって、迷惑かけてしまうし。
何より、玲薇は鉢合わせになりたくないのだ。
雪男にも、自分に対する好意がある事も知ってるから・・・。
本当は、ちょっぴり怖い・・・。