第十八話 覚悟
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドアを開ける音に目を覚ます。あの後ホッとしたのか寒さのせいか、燐に寄り添うように倒れ込んでしまったのだ。
「玲薇!?」
「奥村・・・」
「奥村くん・・・」
食堂では、いつの間にか制服に着替えている皆がいる。それぞれの時間を過ごしていたのだろう。
燐の背中にいる玲薇を心配して、出雲が駆け寄って来てくれる。
「心配したんだから・・・!」
「出雲・・・」
「「・・・・・・・・・・・・」」
他の皆の視線が少し痛く感じるのは、気のせい?
「玲薇、立てるか?」
玲薇を心配して彼女の腕を掴んでくれてる出雲。はにかんで答える玲薇は燐に頷く。
「うん、大丈夫。ありがとう」
出雲にも支えてもらって、燐の背中からゆっくりおりた。
「凄く冷えてるじゃない、バカじゃないの!?」
「ハハ・・・返す言葉ないよ・・・」
「奥村・・・大変な事になったな・・・」
安否を確認出来たところで、勝呂が記者会見のことに話題を触れる。
「みんな」
一呼吸おいて、燐は玲薇に顔を向ける。そして、彼女は深刻な表情で頷き返した。
「雪男が、サタンの炎継いでるかもしんねーって、シュラが・・・」
「「「!!!」」」
「検査とかで・・・当分、戻らないかもって。だから、あいつ(なんで、俺はあの時もっと・・・)
雪男を、助けに行く・・・!!」
「!?」
再び、考えなしで行動を起こそうとした燐を、勝呂が止めた。
「ちょ・・オイ、待てコラ。お前は何も変わらんな!?」
「あいつと・・・雪男と話さなきゃなんねーんだ!!」
「後の事、何も考えてへんやろ!!二人揃って、騎士團おられんようになるぞ!?」
「・・・それなら、騎士團は抜ける!雪男と逃げるよ!!」
玲薇はハッと、顔をあげる。また二人に置いていかれてしまう。
「燐、それなら私も・・・!」
「お前はダメだ」
「どうして!?そんなに私、足でまとい!?」
「違う。お前はちゃんと、ここにいろ。(巻き添えも幸せも、この先どうなるか分からないんだ)」
彼女だけは、炎がまだ出ていない。玲薇の不思議なあの力が必要だというなら、
サタンの炎と共鳴しているのであれば、近くにいない方がきっと安全なのだ。
「っ・・・!」
有無を言わせない燐の真剣な表情に、言い返せない。
玲薇の代わりに燐を咎めてくれる出雲。
「本気で言ってるの!?無謀極まりない!」
「そうや、逃亡者になるやなんて、むしろちゃんと検査してもらった方が・・・」
「・・・なぁ、雪男無事に戻ってくるって思うか・・・?」
静かに問いかける燐。
「・・・えっ」
「俺は今、処刑保留の身であいつは?味方になってくれる奴、どんだけいるんだ??
少しの間だけでもいいんだ!捕まるなら、一緒に捕まって検査だって俺も一緒に受けてやる!
あいつを、一人にはしねぇ・・・!!」
「燐・・・」
「ありがとなみんな、心配してくれて。でも俺は行くよ。だからさ、雪男が監禁されてる場所って・・・?
どこか知らない?」
りんはバカだなーと、クロが言ったことは、燐以外誰の耳にも入らなかった。
そして、雪男救出作戦が始まる。
「奥村先生が逃げる事が不可抗力やったて理由付け出来そうな計画立てられへんか?」
真剣に考えてくれる勝呂に、呆れる出雲。
「こんな短時間にそんなトンデモ計画・・・!」
「天災みたいな事故が起こって、雪ちゃんを監禁してる部屋の扉が壊れちゃうとか・・・」
しえみの考えに、子猫丸は頷くが、これもこれで難しいやり口だ。
「ええアイデアやけど・・・強力なパトロンが必要やね」
「強力なパトロンか・・・。ライトニングは今、ヴァチカンやし・・・」
「そのパトロン、時の王サマエルが請け負いましょう」
「「「!?」」」
第三者の声に振り向くと、そこにはメフィストの執事であるベリアルと、
彼の後ろに隠れるように姿を見せたのは、アマイモンだった。
『僕と一緒に死んでみる?』
雪男に言われた言葉が、脳裏をかすめる。
シュラに言われて確信に変わった雪男の炎の件。だからあんなに自分を必要としていたのだ。
ありのままの自分達の姿で終わるならば・・・。
間違った選択をしてはいけない。
本当は二人の、燐のそばにいたい。 寮で待ってろと言われたけれど、こっそり後を追う。
お互い大事に思ってるのは当たり前だ。だって、唯一無二のキョウダイだもの。
過去なんて知らない、いらない。正しくあってほしいのは、今の人としての存在価値。
燐の考え、雪男の考え。たぶん、どっちも間違いなんてことはないだろう。
けど、きっと確実なのは・・・。それには、自分の力だけでは無理だ。上位悪魔に対する術がない。
(・・・大好きだよ、ありがとう燐・・・。私は、このままじゃいけない)
サタン復活の出来事を、イルミナティがやろうとしている事をちゃんと知らなくちゃいけない。
(燐が雪男を助けても、雪男は・・・)
玲薇は携帯で、志摩廉造に電話をかける。
「もしもし玲薇ちゃん?どーしました?俺置いて何処いかれはってたん?」
「・・・志摩くんは、騎士團側のスパイでもあるんだよね?」
「ん?」
「いくら嫌だって言っても、結局は勝呂くんや子猫丸くんを守ってるから」
「・・・何が言いたいんです?」
「ずっと迷ってた。でも、やっと決心がついた」
ジリリリリとけたたましく響く警報音。ほら、やっぱり彼も同じ場所にいる。
雪男を見張ってたのだろう、今は、イルミナティ側のスパイとして志摩は動いている。
「どうせ遅かれ早かれ、雪男を連れて行っちゃうんでしょ?
(燐を悲しませたくないから、燐をもう苦しませたくないから)」
彼はやっと仲間を見付けた。大事な仲間達を。一緒に戦って笑ってくれる仲間を。
「私を、連れて行って」
「・・・タダで大人しぃする気さらさらなさそうやけど・・・ええんやね」
「うん」
過去を知っても、きっと現状は変わらない。騎士團がイルミナティに負けるなんて思わないけど、
メフィストが何を考えて燐を、雪男をサタンの落胤として育てたのかは分からないけど。
サタンを、復活させてはいけない。
「玲薇!?」
「奥村・・・」
「奥村くん・・・」
食堂では、いつの間にか制服に着替えている皆がいる。それぞれの時間を過ごしていたのだろう。
燐の背中にいる玲薇を心配して、出雲が駆け寄って来てくれる。
「心配したんだから・・・!」
「出雲・・・」
「「・・・・・・・・・・・・」」
他の皆の視線が少し痛く感じるのは、気のせい?
「玲薇、立てるか?」
玲薇を心配して彼女の腕を掴んでくれてる出雲。はにかんで答える玲薇は燐に頷く。
「うん、大丈夫。ありがとう」
出雲にも支えてもらって、燐の背中からゆっくりおりた。
「凄く冷えてるじゃない、バカじゃないの!?」
「ハハ・・・返す言葉ないよ・・・」
「奥村・・・大変な事になったな・・・」
安否を確認出来たところで、勝呂が記者会見のことに話題を触れる。
「みんな」
一呼吸おいて、燐は玲薇に顔を向ける。そして、彼女は深刻な表情で頷き返した。
「雪男が、サタンの炎継いでるかもしんねーって、シュラが・・・」
「「「!!!」」」
「検査とかで・・・当分、戻らないかもって。だから、あいつ(なんで、俺はあの時もっと・・・)
雪男を、助けに行く・・・!!」
「!?」
再び、考えなしで行動を起こそうとした燐を、勝呂が止めた。
「ちょ・・オイ、待てコラ。お前は何も変わらんな!?」
「あいつと・・・雪男と話さなきゃなんねーんだ!!」
「後の事、何も考えてへんやろ!!二人揃って、騎士團おられんようになるぞ!?」
「・・・それなら、騎士團は抜ける!雪男と逃げるよ!!」
玲薇はハッと、顔をあげる。また二人に置いていかれてしまう。
「燐、それなら私も・・・!」
「お前はダメだ」
「どうして!?そんなに私、足でまとい!?」
「違う。お前はちゃんと、ここにいろ。(巻き添えも幸せも、この先どうなるか分からないんだ)」
彼女だけは、炎がまだ出ていない。玲薇の不思議なあの力が必要だというなら、
サタンの炎と共鳴しているのであれば、近くにいない方がきっと安全なのだ。
「っ・・・!」
有無を言わせない燐の真剣な表情に、言い返せない。
玲薇の代わりに燐を咎めてくれる出雲。
「本気で言ってるの!?無謀極まりない!」
「そうや、逃亡者になるやなんて、むしろちゃんと検査してもらった方が・・・」
「・・・なぁ、雪男無事に戻ってくるって思うか・・・?」
静かに問いかける燐。
「・・・えっ」
「俺は今、処刑保留の身であいつは?味方になってくれる奴、どんだけいるんだ??
少しの間だけでもいいんだ!捕まるなら、一緒に捕まって検査だって俺も一緒に受けてやる!
あいつを、一人にはしねぇ・・・!!」
「燐・・・」
「ありがとなみんな、心配してくれて。でも俺は行くよ。だからさ、雪男が監禁されてる場所って・・・?
どこか知らない?」
りんはバカだなーと、クロが言ったことは、燐以外誰の耳にも入らなかった。
そして、雪男救出作戦が始まる。
「奥村先生が逃げる事が不可抗力やったて理由付け出来そうな計画立てられへんか?」
真剣に考えてくれる勝呂に、呆れる出雲。
「こんな短時間にそんなトンデモ計画・・・!」
「天災みたいな事故が起こって、雪ちゃんを監禁してる部屋の扉が壊れちゃうとか・・・」
しえみの考えに、子猫丸は頷くが、これもこれで難しいやり口だ。
「ええアイデアやけど・・・強力なパトロンが必要やね」
「強力なパトロンか・・・。ライトニングは今、ヴァチカンやし・・・」
「そのパトロン、時の王サマエルが請け負いましょう」
「「「!?」」」
第三者の声に振り向くと、そこにはメフィストの執事であるベリアルと、
彼の後ろに隠れるように姿を見せたのは、アマイモンだった。
『僕と一緒に死んでみる?』
雪男に言われた言葉が、脳裏をかすめる。
シュラに言われて確信に変わった雪男の炎の件。だからあんなに自分を必要としていたのだ。
ありのままの自分達の姿で終わるならば・・・。
間違った選択をしてはいけない。
本当は二人の、燐のそばにいたい。 寮で待ってろと言われたけれど、こっそり後を追う。
お互い大事に思ってるのは当たり前だ。だって、唯一無二のキョウダイだもの。
過去なんて知らない、いらない。正しくあってほしいのは、今の人としての存在価値。
燐の考え、雪男の考え。たぶん、どっちも間違いなんてことはないだろう。
けど、きっと確実なのは・・・。それには、自分の力だけでは無理だ。上位悪魔に対する術がない。
(・・・大好きだよ、ありがとう燐・・・。私は、このままじゃいけない)
サタン復活の出来事を、イルミナティがやろうとしている事をちゃんと知らなくちゃいけない。
(燐が雪男を助けても、雪男は・・・)
玲薇は携帯で、志摩廉造に電話をかける。
「もしもし玲薇ちゃん?どーしました?俺置いて何処いかれはってたん?」
「・・・志摩くんは、騎士團側のスパイでもあるんだよね?」
「ん?」
「いくら嫌だって言っても、結局は勝呂くんや子猫丸くんを守ってるから」
「・・・何が言いたいんです?」
「ずっと迷ってた。でも、やっと決心がついた」
ジリリリリとけたたましく響く警報音。ほら、やっぱり彼も同じ場所にいる。
雪男を見張ってたのだろう、今は、イルミナティ側のスパイとして志摩は動いている。
「どうせ遅かれ早かれ、雪男を連れて行っちゃうんでしょ?
(燐を悲しませたくないから、燐をもう苦しませたくないから)」
彼はやっと仲間を見付けた。大事な仲間達を。一緒に戦って笑ってくれる仲間を。
「私を、連れて行って」
「・・・タダで大人しぃする気さらさらなさそうやけど・・・ええんやね」
「うん」
過去を知っても、きっと現状は変わらない。騎士團がイルミナティに負けるなんて思わないけど、
メフィストが何を考えて燐を、雪男をサタンの落胤として育てたのかは分からないけど。
サタンを、復活させてはいけない。