第十七話 雪の果て
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
玲薇達が池袋についた頃、その周辺では戦いの騒ぎとは少し違う、祓魔師たちの声を聞く。
騒ぎの中心となっているライトニングは、四大騎士のオセオラ・レッドアームにより、
ドラク・ドラグレスク上一級祓魔師から暴行の疑いで告発状が提出されたという書類を見せられている。
よって、ルーイン・ライト上一級祓魔師を取り調べ及び査問会議へ強制召喚の為、一時拘束するという。
「いたっ」
腕を掴まれるライトニングが、わざとらしく口に出す。
「もう少しやさしくしてって・・・言ってるだろ!!」
「!!」
風の悪魔の力を借りて拘束の手から逃れる。
「ぼかぁ捕まりたくない!」
「ライトニング!?」
「助けてくれえ!!」
逃げ惑うフリをし、わざと人にぶつかったのは雪男。
「なっ!?」
その時、雪男の耳元でライトニングはボソッと呟いた。
「"お寿司も大好き0147Aaa"」
「・・・は!?」
今、この現状に相応しくない言葉に、雪男は眉を寄せた。
「いい加減にしろ、ルーイン!!」
雪男の視界からライトニングの顔が上にあがったかと思えば、彼は後ろからオセオラに掴まれた。
「イエスサー。ゴメンナサイモーシマセン」
騒ぎの元に近付いていた玲薇たち。そこにいるライトニングに、勝呂が声をかける。
「師匠!?」
「やあ~。思ってたより早く捕まっちゃった」
「捕!?」
「しばらく戻って来られないかも。報告書、よろしく頼むね~」
「!?ライトニング!!」
時間も遅いという理由で、候補生は戦いに参加せず、帰っていいと告げられた。
皆で旧男子寮の食堂に戻り、スマホでテレビをつけ先程の電車の事件の行方を耳にしながら料理をする。
「・・・坊は?」
テーブルに料理を並べ終えて、子猫丸に聞かれ勝呂に声をかけていた玲薇が答える。
「仕事に集中したいって」
「・・・・・・・・・」
ご飯が出来ると伝えにいった時に勝呂に言われた。
雪男の事を、燐にも話していいかって。
玲薇は、いいよ、と。一言彼にそう言った。
「ん?どうした?」
ふと無意識に、燐の顔を見ていたのだろう。その声に我に返りハッとする。
「ううん、何でもない」
「・・・・・・そうか」
燐は、深く話を掘り下げようとしない。雪男の異変に、少なからず兄弟として分かっているかもしれない。
あの生まれた経緯の話で言い合いをした日から。三人一緒に、まともに話せてない気がする。
「雪ちゃんも志摩くんも、遅いね・・・」
並べられていない、二人分の食器を見ながら、しえみが切なげに言った。
「しょうがねぇ、喰おう。飯食わねーと、元気でねーぞ」
燐が最後、着席したところで、皆で手を合わせて「いただきます」と声をそろえる。
「・・・うん!」
「おいしい!」
「そーか」
温まる料理に、皆と食べるご飯はより一層美味しく感じさせられた。
食べながら、窓に視線をやったしえみの視界には、外に真っ白なモノが目に入る。
「雪」
その声につられ、しんしんと降り注ぐ雪をボーッと玲薇は眺めた。
「・・・雪男・・・」
「(あいつ・・・)少しはあったかいもん、くってんのか」
同じ頃、未だに現れ続けるゴースト達に手を焼いている祓魔師達の中に雪男はいた。
交代で休憩をしながら、降り始めた雪を見上げ、雪男は白い息を吐く。
背中に付けているホルスターに銃を戻した時に、ポケットに違和感を覚え突っ込み取り出す。
それは、小さな小さなUSBだ。
(ライトニング!!)
あの時、ぶつかって来た時にこっそり入れていたのだろう。
「すみません、このパソコンお借り出来ますか!?」
「ああ、どうぞ」
許可をもらい、USBを差し込む。出たパスワードを入力する画面に、ライトニングが残した、
この場に相応しくないあの言葉を思い出す。
(これで)
これで、判るハズだ。自分らが育てられた理由も、フェレス鄉がどうして自分らの存在を黙認してるのか。
何もかもが、これでやっと・・・。そう、欲しい答えが全部あると思っていたのに。
朝早く、玲薇は目を覚ました。
燐と同じ、二段ベッドの上にいる玲薇は、向こう側にあるもう一つのベッドに視線を向ける。
「・・・・・・・」
雪男は、まだ帰ってきていない。枕元に置いておいてある携帯を確認しても、雪男からの返事はなかった。
帰りが遅い日なんて、しょっちゅうあるのは分かっている。でも、この言い様のない不安はなんなのだろう。
燐と出生の話をして豪快に笑った彼。
勝呂に銃を突きつけていた彼。
今まで見たことなかった雪男のあの恐怖に歪んだ表情は、今でも鮮明に思い出す。
「雪男・・・いま、どこにいるの?」
騒ぎの中心となっているライトニングは、四大騎士のオセオラ・レッドアームにより、
ドラク・ドラグレスク上一級祓魔師から暴行の疑いで告発状が提出されたという書類を見せられている。
よって、ルーイン・ライト上一級祓魔師を取り調べ及び査問会議へ強制召喚の為、一時拘束するという。
「いたっ」
腕を掴まれるライトニングが、わざとらしく口に出す。
「もう少しやさしくしてって・・・言ってるだろ!!」
「!!」
風の悪魔の力を借りて拘束の手から逃れる。
「ぼかぁ捕まりたくない!」
「ライトニング!?」
「助けてくれえ!!」
逃げ惑うフリをし、わざと人にぶつかったのは雪男。
「なっ!?」
その時、雪男の耳元でライトニングはボソッと呟いた。
「"お寿司も大好き0147Aaa"」
「・・・は!?」
今、この現状に相応しくない言葉に、雪男は眉を寄せた。
「いい加減にしろ、ルーイン!!」
雪男の視界からライトニングの顔が上にあがったかと思えば、彼は後ろからオセオラに掴まれた。
「イエスサー。ゴメンナサイモーシマセン」
騒ぎの元に近付いていた玲薇たち。そこにいるライトニングに、勝呂が声をかける。
「師匠!?」
「やあ~。思ってたより早く捕まっちゃった」
「捕!?」
「しばらく戻って来られないかも。報告書、よろしく頼むね~」
「!?ライトニング!!」
時間も遅いという理由で、候補生は戦いに参加せず、帰っていいと告げられた。
皆で旧男子寮の食堂に戻り、スマホでテレビをつけ先程の電車の事件の行方を耳にしながら料理をする。
「・・・坊は?」
テーブルに料理を並べ終えて、子猫丸に聞かれ勝呂に声をかけていた玲薇が答える。
「仕事に集中したいって」
「・・・・・・・・・」
ご飯が出来ると伝えにいった時に勝呂に言われた。
雪男の事を、燐にも話していいかって。
玲薇は、いいよ、と。一言彼にそう言った。
「ん?どうした?」
ふと無意識に、燐の顔を見ていたのだろう。その声に我に返りハッとする。
「ううん、何でもない」
「・・・・・・そうか」
燐は、深く話を掘り下げようとしない。雪男の異変に、少なからず兄弟として分かっているかもしれない。
あの生まれた経緯の話で言い合いをした日から。三人一緒に、まともに話せてない気がする。
「雪ちゃんも志摩くんも、遅いね・・・」
並べられていない、二人分の食器を見ながら、しえみが切なげに言った。
「しょうがねぇ、喰おう。飯食わねーと、元気でねーぞ」
燐が最後、着席したところで、皆で手を合わせて「いただきます」と声をそろえる。
「・・・うん!」
「おいしい!」
「そーか」
温まる料理に、皆と食べるご飯はより一層美味しく感じさせられた。
食べながら、窓に視線をやったしえみの視界には、外に真っ白なモノが目に入る。
「雪」
その声につられ、しんしんと降り注ぐ雪をボーッと玲薇は眺めた。
「・・・雪男・・・」
「(あいつ・・・)少しはあったかいもん、くってんのか」
同じ頃、未だに現れ続けるゴースト達に手を焼いている祓魔師達の中に雪男はいた。
交代で休憩をしながら、降り始めた雪を見上げ、雪男は白い息を吐く。
背中に付けているホルスターに銃を戻した時に、ポケットに違和感を覚え突っ込み取り出す。
それは、小さな小さなUSBだ。
(ライトニング!!)
あの時、ぶつかって来た時にこっそり入れていたのだろう。
「すみません、このパソコンお借り出来ますか!?」
「ああ、どうぞ」
許可をもらい、USBを差し込む。出たパスワードを入力する画面に、ライトニングが残した、
この場に相応しくないあの言葉を思い出す。
(これで)
これで、判るハズだ。自分らが育てられた理由も、フェレス鄉がどうして自分らの存在を黙認してるのか。
何もかもが、これでやっと・・・。そう、欲しい答えが全部あると思っていたのに。
朝早く、玲薇は目を覚ました。
燐と同じ、二段ベッドの上にいる玲薇は、向こう側にあるもう一つのベッドに視線を向ける。
「・・・・・・・」
雪男は、まだ帰ってきていない。枕元に置いておいてある携帯を確認しても、雪男からの返事はなかった。
帰りが遅い日なんて、しょっちゅうあるのは分かっている。でも、この言い様のない不安はなんなのだろう。
燐と出生の話をして豪快に笑った彼。
勝呂に銃を突きつけていた彼。
今まで見たことなかった雪男のあの恐怖に歪んだ表情は、今でも鮮明に思い出す。
「雪男・・・いま、どこにいるの?」