第十七話 雪の果て
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あああ・・・」
退避したその場で、落ち込むシュラ。
「"戦場は焼け野となった"・・・」
「この現場の責任者アタシじゃん、どーしたら・・・。
大体、魔力のない魔剣しか持ってねーのに何でまだ上一級!?ビーム出すなんて聞いてないにゃ!!」
「わーお、ニュース映像で見てた時より巨大化してる。悪魔は人間に知覚される程に強力になるからかな」
駅の入り口の屋根にいるライトニングを見つけたシュラは、容赦なく胸ぐらを掴んだ。
「遅ぇーぞテメークソボケ!何してた!!」
「隠れてた。でも、大変なのかなと思って助けにきたのに。少しはホメてよ~」
そう言いながらも、ガスコンロでお湯を沸かしていたライトニングは詠唱を始める。
「"出でよジェネラルフロスト・・・以下省略"」
「!?」
するとたちまち、先程小隊で結成されていたジャックフロストの何倍もの大きさがあるジェネラルフロストが現れた。
ジェネラルフロスト=冬将軍は、氷の精霊の最上級悪魔。ジェネラルに力を借りるため、
シュラに剣を抜いてもらいそれにお湯をかける。
「"氣と水を凍てつかせる精霊の御名に 以下省略"彼女とこの剣に、力を貸して。
そうだな・・・この八つの穴の数ほど頼む」
「ぐッ!!」
新たに剣に憑依された重みに、力が宿る。
穴の中に何もなかった場所には、氷の結晶の模様が施された。
「きみの剣は空だけど、魔力を憑依させやすい器になった。特に、氣と水の属性と相性がいい。
存分に力を発揮できるだろう」
何故だか投げやりの言い方に、シュラには疑問が浮かぶ。
「・・・で?」
「え?」
「結局アタシが頑張るのかよ!!」
「後方支援はまかせて~」
走るシュラは、サイクロプスの視界から奴の頭上に狙いを定める。
だが、気配を感じとったのか巨大な一つ目を再び光集め始めたのだ。
「ライトニング!!」
またビームを撃たれる前に、後方支援で待つライトニングに呼びかける。
「特攻!」
ジェネラルフロストまでの力はないが、集結させたジャックフロストの群れに攻撃させた。
サイクロプスが目を瞑った隙に、シュラ得意の剣技が命中。
「霧隠流魔剣技・・・虚々!!!」
空中でひと回転して着地するシュラと同時に、サイクロプスはようやく倒れ込む。
「お見事」
「やった!!」
「さすが、霧隠隊長・・・!」
他に、見守りに回ってしまっていた祓魔師たちから歓声が上がった。
サイクロプスを倒し、皆の元に戻ってくるシュラをライトニングが出迎える。
「お疲れ~!どうだった?使った感触は」
「・・・正直、今は助かるよ。ありがとにゃ」
「隊長、別件で問題が」
「また何か!?」
やっと上級悪魔を倒し終えたばかりだというのに。
「さき程のサイクロプスのビームで、東池袋センター公園の慰霊碑が破壊され、
ゴースト(霊)やシャドウ(影)なんかが湧いていると報告が。応援を求めてます」
「まっじか!」
やってしまったとばかりに、シュラは左手で顔を覆う。
「また影響力の強い慰霊碑が壊れちゃったな・・・じゃ、ライトニング頼む!!」
逃げようとする彼の肩に手を乗せた。
「ぼかぁ隠れたいんだけどな~」
「にゃ!?」
破壊されている慰霊碑から黒い靄が湧き出し、その周りには報告通りゴーストやシャドウが、大量にいる。
「援軍来たぞー!!」
「助かった・・・!!」
「神道系に強い詠唱騎士はいないか!?」
援軍の中に混ざっていたライトニングは、京都から戻って戦いに参戦している雪男を見つけた。
「おや。奥村先生、交代しますよ」
だが彼は、聞こえてないのか、ライトニングに返事を返そうとしない。
「先生。きみ、ぼくの弟子を銃で脅したらしいね」
ようやく視線を向けた雪男の瞳は、瞳孔を開ききった目。
「・・・ハッ。勝呂くん、もう告げ口か」
「さっき彼から「君にぼくらの調査内容を教えてもいいか」って、電話があったんだ」
「!!」
「もちろん、はねつけたけどね。そこまでして何を知りたいの?」
「・・・教えてもらえないなら、話す義理はない」
「へーっ。知りたいのに知られたくないときた。なかなかのエゴイストだ」
「貴方には負けますよ」
「こーみえて、そーでもないのに~」
勝呂と話していた会話を、ライトニングは思い出す。
『あんな事をするなんて、余程の事情があるはず。教えれば助けになるのかも・・・』
彼は見かけによらず、クソ真面目だ。
「竜士は本当に、お人好しだ。助けて欲しいと思っている人間しか、助けることは出来ない。
彼は、助けて欲しいと思ってない。ネッ?志摩くん!」
突如名前を呼ばれ、隠れていた木の後ろから志摩が顔を出す。
「だー!?もー、完全にバレとる・・・!!」
完璧に隠れて様子を伺えていたと思ったのに。
ライトニングはこっちに来いと、スパイの彼を恐れることなく手招きする。
「きみって、奥村雪男くん見張ってるんだよね?」
「・・・そんなハッキリ聞かれても・・・。つーか、この首の"鈴"外して下さいよ!!
俺、騎士團側のスパイでもあるんですよ」
いつの間にかライトニングによって首につけられた見えない鈴に、志摩の居場所はすぐにバレてしまうのだ。
「・・・・・・いいよ、外してあげる」
「え・・・ほんまですか・・・!」
意外な返答に、つい目を丸くする。
「ただし、タダじゃない。きみに、やって欲しいことがある」
退避したその場で、落ち込むシュラ。
「"戦場は焼け野となった"・・・」
「この現場の責任者アタシじゃん、どーしたら・・・。
大体、魔力のない魔剣しか持ってねーのに何でまだ上一級!?ビーム出すなんて聞いてないにゃ!!」
「わーお、ニュース映像で見てた時より巨大化してる。悪魔は人間に知覚される程に強力になるからかな」
駅の入り口の屋根にいるライトニングを見つけたシュラは、容赦なく胸ぐらを掴んだ。
「遅ぇーぞテメークソボケ!何してた!!」
「隠れてた。でも、大変なのかなと思って助けにきたのに。少しはホメてよ~」
そう言いながらも、ガスコンロでお湯を沸かしていたライトニングは詠唱を始める。
「"出でよジェネラルフロスト・・・以下省略"」
「!?」
するとたちまち、先程小隊で結成されていたジャックフロストの何倍もの大きさがあるジェネラルフロストが現れた。
ジェネラルフロスト=冬将軍は、氷の精霊の最上級悪魔。ジェネラルに力を借りるため、
シュラに剣を抜いてもらいそれにお湯をかける。
「"氣と水を凍てつかせる精霊の御名に 以下省略"彼女とこの剣に、力を貸して。
そうだな・・・この八つの穴の数ほど頼む」
「ぐッ!!」
新たに剣に憑依された重みに、力が宿る。
穴の中に何もなかった場所には、氷の結晶の模様が施された。
「きみの剣は空だけど、魔力を憑依させやすい器になった。特に、氣と水の属性と相性がいい。
存分に力を発揮できるだろう」
何故だか投げやりの言い方に、シュラには疑問が浮かぶ。
「・・・で?」
「え?」
「結局アタシが頑張るのかよ!!」
「後方支援はまかせて~」
走るシュラは、サイクロプスの視界から奴の頭上に狙いを定める。
だが、気配を感じとったのか巨大な一つ目を再び光集め始めたのだ。
「ライトニング!!」
またビームを撃たれる前に、後方支援で待つライトニングに呼びかける。
「特攻!」
ジェネラルフロストまでの力はないが、集結させたジャックフロストの群れに攻撃させた。
サイクロプスが目を瞑った隙に、シュラ得意の剣技が命中。
「霧隠流魔剣技・・・虚々!!!」
空中でひと回転して着地するシュラと同時に、サイクロプスはようやく倒れ込む。
「お見事」
「やった!!」
「さすが、霧隠隊長・・・!」
他に、見守りに回ってしまっていた祓魔師たちから歓声が上がった。
サイクロプスを倒し、皆の元に戻ってくるシュラをライトニングが出迎える。
「お疲れ~!どうだった?使った感触は」
「・・・正直、今は助かるよ。ありがとにゃ」
「隊長、別件で問題が」
「また何か!?」
やっと上級悪魔を倒し終えたばかりだというのに。
「さき程のサイクロプスのビームで、東池袋センター公園の慰霊碑が破壊され、
ゴースト(霊)やシャドウ(影)なんかが湧いていると報告が。応援を求めてます」
「まっじか!」
やってしまったとばかりに、シュラは左手で顔を覆う。
「また影響力の強い慰霊碑が壊れちゃったな・・・じゃ、ライトニング頼む!!」
逃げようとする彼の肩に手を乗せた。
「ぼかぁ隠れたいんだけどな~」
「にゃ!?」
破壊されている慰霊碑から黒い靄が湧き出し、その周りには報告通りゴーストやシャドウが、大量にいる。
「援軍来たぞー!!」
「助かった・・・!!」
「神道系に強い詠唱騎士はいないか!?」
援軍の中に混ざっていたライトニングは、京都から戻って戦いに参戦している雪男を見つけた。
「おや。奥村先生、交代しますよ」
だが彼は、聞こえてないのか、ライトニングに返事を返そうとしない。
「先生。きみ、ぼくの弟子を銃で脅したらしいね」
ようやく視線を向けた雪男の瞳は、瞳孔を開ききった目。
「・・・ハッ。勝呂くん、もう告げ口か」
「さっき彼から「君にぼくらの調査内容を教えてもいいか」って、電話があったんだ」
「!!」
「もちろん、はねつけたけどね。そこまでして何を知りたいの?」
「・・・教えてもらえないなら、話す義理はない」
「へーっ。知りたいのに知られたくないときた。なかなかのエゴイストだ」
「貴方には負けますよ」
「こーみえて、そーでもないのに~」
勝呂と話していた会話を、ライトニングは思い出す。
『あんな事をするなんて、余程の事情があるはず。教えれば助けになるのかも・・・』
彼は見かけによらず、クソ真面目だ。
「竜士は本当に、お人好しだ。助けて欲しいと思っている人間しか、助けることは出来ない。
彼は、助けて欲しいと思ってない。ネッ?志摩くん!」
突如名前を呼ばれ、隠れていた木の後ろから志摩が顔を出す。
「だー!?もー、完全にバレとる・・・!!」
完璧に隠れて様子を伺えていたと思ったのに。
ライトニングはこっちに来いと、スパイの彼を恐れることなく手招きする。
「きみって、奥村雪男くん見張ってるんだよね?」
「・・・そんなハッキリ聞かれても・・・。つーか、この首の"鈴"外して下さいよ!!
俺、騎士團側のスパイでもあるんですよ」
いつの間にかライトニングによって首につけられた見えない鈴に、志摩の居場所はすぐにバレてしまうのだ。
「・・・・・・いいよ、外してあげる」
「え・・・ほんまですか・・・!」
意外な返答に、つい目を丸くする。
「ただし、タダじゃない。きみに、やって欲しいことがある」