第十七話 雪の果て
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テレビに映るアナウンサーの声に耳を傾ける。
「事の始まりは電車の衝突事故だったわけですが、一時間経った現在二キロ圏内が封鎖されるという事態に。
池袋駅周辺の封鎖が解かれる見通しは依然、立っていない模様です。以上、封鎖線前から中継でした」
「ついに、街中にまで・・・。最近、京都市中でも悪魔の出没が増えて、年末もほとんど休みなしやったんや」
「悪魔が見える人の数も、増えとる気ィするしな」
「・・・何かが起こっとる気がするわ・・・」
志摩の家族からそう報告を聞き、皆と一緒に帰る支度を済ませる。
「連絡取れました。候補生の皆さんは、新幹線で品川、そして池袋へ向かって下さい」
雪男の言葉に、それぞれが返事を返す。
「「「はい」」」
「僕は、一足先に"鍵"で騎士團に戻って池袋の戦闘に加わります。では失礼」
鍵でドアを開けた雪男は、もう既にいない。
「・・・・・・・・・」
あんな事があってから、雪男を一人にして平気だろうかと心配したが、これから任務。気を引き締めなければ。
「じゃ」
そんな緊張感の中、いつものように軽い口調で志摩が鍵を見せながら言った。
「俺もスパイとして、スパイ活動があります。では失礼」
「!?」
「どんなスパイやねん!?」
「そして見送る僕ら・・・。ほんま特殊なポジションやな・・・」
「鍵持ってるんだ・・・」
勝呂のいつもの突っ込みが入りつつ、子猫丸と出雲の冷静さには肝が据わる。
「こんな大きなニュースになるなんて・・・」
「SNSでも話題になってるわね」
新幹線に乗り込んだ一行。一息ついてから呟いた玲薇に、出雲がスマホを見せてくれる。
「本当だ」
新幹線での自由席は席がいっぱいだった為、通路で皆と一緒になって立っている。
そんな中でも、パソコンで勝呂は昨日ライトニングに任された書類の整理をしていた。
慌ただしくやる勝呂に、隣に立つ燐が声をかける。
「勝呂も、ここんとこ大変そーだな」
「・・・・・・・・・・」
顔を上げ、ふと雪男の事を思い出す。出雲達と話ている玲薇に、少し視線を向ける。
新幹線に乗り込む前に、彼女は燐と話していた。
『・・・目、どうした?』
『え?』
『少し赤い』
『あ・・・な、何でもないよ』
話題にしようとしなかった彼女には申し訳ないけれど。
「・・・奥村、話がある」
「お?」
「今、ここではまだちょっと・・・」
「?」
「(明日の朝までは報告書で手いっぱいやしな・・・)明日、どっかで時間つくってくれるか」
「おう」
「すまんな」
そう言い、勝呂はパソコンを閉じ、皆から距離を取るために出入口のドアの方に行ってしまった。
「ちょっと見てよ!」
驚きの声を上げる出雲は、玲薇だけではなく、しえみや子猫丸にもスマホの画面を見せている。
「コレとか、もう3万RTもされてる!」
「こんなに悪魔が見える人がいるってこと・・・?」
画面を覗くと、悪魔に対してのコメントなのか『グロい!キモすぎ!』や、アンケートのような項目に、
[一つ目の怪物が見えますか]の質問に「はい」と答えている人が40%近くいる。
今まで一般人は、悪魔の存在なんて知らずにいてこれたのに。
「わ」
声を上げた子猫丸が見ているのは、動画で。
「誰かが騎士團の戦闘の動画あげとる!」
燐もそれには興味が出たのか、一緒になって見てみれば目を見開いた。
「これ、シュラじゃん!?」
その動画で取り上げられているサイクロプスとの戦闘は、今も続けられていた。
「ジャックフロスト隊前へ!!囲みながら撃てぇ!!」
「目を潰せ!」
シュラがサイクロプスの足に傷をつけ、バランスを崩し尻もちをついた隙に攻撃が炸裂する。
「チッ。あのデカさにジャックフロストじゃ火力足んねーか・・・ライトニングは?」
「まだです」
即答で返される返事に、シュラは眉を寄せる。
「にゃろう・・・肝心な時に限っていねーよ!で、サイクロプスの有効な祓魔法は?」
「やはり十二世紀ほど昔の記録しか出てきません。"火と鉄の神""希に人を食す"。
"火を噴く巨大な目を潰すまで暴れ続け、戦場は焼け野となった"と」
「・・・そうはさせるか。こんな街の真ん中で・・・氷漬けにしてやるよ!」
だが、攻撃が止む隙を狙わず、サイクロプスが巨大な目を開いた瞬間光が集中していく。
「なんだ、あの・・・」
その時、騎士團の為す術もないまま、サイクロプスは目からビームを撃ち放つ。
目の前に繰り広げられた光景に、唖然とした。
「撃ち方止め・・・退避ィ!!!」
街はもう、逃げ惑う人々でパニック状態だ。
「事の始まりは電車の衝突事故だったわけですが、一時間経った現在二キロ圏内が封鎖されるという事態に。
池袋駅周辺の封鎖が解かれる見通しは依然、立っていない模様です。以上、封鎖線前から中継でした」
「ついに、街中にまで・・・。最近、京都市中でも悪魔の出没が増えて、年末もほとんど休みなしやったんや」
「悪魔が見える人の数も、増えとる気ィするしな」
「・・・何かが起こっとる気がするわ・・・」
志摩の家族からそう報告を聞き、皆と一緒に帰る支度を済ませる。
「連絡取れました。候補生の皆さんは、新幹線で品川、そして池袋へ向かって下さい」
雪男の言葉に、それぞれが返事を返す。
「「「はい」」」
「僕は、一足先に"鍵"で騎士團に戻って池袋の戦闘に加わります。では失礼」
鍵でドアを開けた雪男は、もう既にいない。
「・・・・・・・・・」
あんな事があってから、雪男を一人にして平気だろうかと心配したが、これから任務。気を引き締めなければ。
「じゃ」
そんな緊張感の中、いつものように軽い口調で志摩が鍵を見せながら言った。
「俺もスパイとして、スパイ活動があります。では失礼」
「!?」
「どんなスパイやねん!?」
「そして見送る僕ら・・・。ほんま特殊なポジションやな・・・」
「鍵持ってるんだ・・・」
勝呂のいつもの突っ込みが入りつつ、子猫丸と出雲の冷静さには肝が据わる。
「こんな大きなニュースになるなんて・・・」
「SNSでも話題になってるわね」
新幹線に乗り込んだ一行。一息ついてから呟いた玲薇に、出雲がスマホを見せてくれる。
「本当だ」
新幹線での自由席は席がいっぱいだった為、通路で皆と一緒になって立っている。
そんな中でも、パソコンで勝呂は昨日ライトニングに任された書類の整理をしていた。
慌ただしくやる勝呂に、隣に立つ燐が声をかける。
「勝呂も、ここんとこ大変そーだな」
「・・・・・・・・・・」
顔を上げ、ふと雪男の事を思い出す。出雲達と話ている玲薇に、少し視線を向ける。
新幹線に乗り込む前に、彼女は燐と話していた。
『・・・目、どうした?』
『え?』
『少し赤い』
『あ・・・な、何でもないよ』
話題にしようとしなかった彼女には申し訳ないけれど。
「・・・奥村、話がある」
「お?」
「今、ここではまだちょっと・・・」
「?」
「(明日の朝までは報告書で手いっぱいやしな・・・)明日、どっかで時間つくってくれるか」
「おう」
「すまんな」
そう言い、勝呂はパソコンを閉じ、皆から距離を取るために出入口のドアの方に行ってしまった。
「ちょっと見てよ!」
驚きの声を上げる出雲は、玲薇だけではなく、しえみや子猫丸にもスマホの画面を見せている。
「コレとか、もう3万RTもされてる!」
「こんなに悪魔が見える人がいるってこと・・・?」
画面を覗くと、悪魔に対してのコメントなのか『グロい!キモすぎ!』や、アンケートのような項目に、
[一つ目の怪物が見えますか]の質問に「はい」と答えている人が40%近くいる。
今まで一般人は、悪魔の存在なんて知らずにいてこれたのに。
「わ」
声を上げた子猫丸が見ているのは、動画で。
「誰かが騎士團の戦闘の動画あげとる!」
燐もそれには興味が出たのか、一緒になって見てみれば目を見開いた。
「これ、シュラじゃん!?」
その動画で取り上げられているサイクロプスとの戦闘は、今も続けられていた。
「ジャックフロスト隊前へ!!囲みながら撃てぇ!!」
「目を潰せ!」
シュラがサイクロプスの足に傷をつけ、バランスを崩し尻もちをついた隙に攻撃が炸裂する。
「チッ。あのデカさにジャックフロストじゃ火力足んねーか・・・ライトニングは?」
「まだです」
即答で返される返事に、シュラは眉を寄せる。
「にゃろう・・・肝心な時に限っていねーよ!で、サイクロプスの有効な祓魔法は?」
「やはり十二世紀ほど昔の記録しか出てきません。"火と鉄の神""希に人を食す"。
"火を噴く巨大な目を潰すまで暴れ続け、戦場は焼け野となった"と」
「・・・そうはさせるか。こんな街の真ん中で・・・氷漬けにしてやるよ!」
だが、攻撃が止む隙を狙わず、サイクロプスが巨大な目を開いた瞬間光が集中していく。
「なんだ、あの・・・」
その時、騎士團の為す術もないまま、サイクロプスは目からビームを撃ち放つ。
目の前に繰り広げられた光景に、唖然とした。
「撃ち方止め・・・退避ィ!!!」
街はもう、逃げ惑う人々でパニック状態だ。