第十六話 正月と寿
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「メガネ!!」
「はい」
メガネ呼ばわりだが、素直に返事をしている雪男。
「お嬢!!」
「「「・・・・・」」」
誰の事だか分からず、皆して黙っている。だが、金造が指をさしたのは玲薇だった。
「あんたやあんた!!」
「え、私!?何で!?」
「何でって、坊の隣おるやないか」
「ちゃうねん!」「違います!」
二人できっぱり否定する。
「・・・あんた、いつからそうなったの?」
隣の出雲が、いつも以上に呆れている。
「違う違う!勝手に話が広がってるだけ!」
「俺と一緒なん、風美夜が可哀想や」
「またまた坊も、素直やないなぁ」
勝呂にちょっかい出す志摩に、睨みつけてやる。
「えーと・・・くもちゃん?」
そして、出雲の名前を呼ぶ金造だが違う。
「え、可愛い」
出雲の新たな命名に、玲薇が反応。
「なんでよ。出雲です、どーでもいいですけど」
「しろみ!!」
また新たな名前だ。
「しろみ?」
「しえみでしょ」
首を傾げる玲薇に、突っ込む出雲。だが、肝心のしえみの返事がない。
「あ・・・?しろみは?」
「あれ?」
「「「・・・・・・・・」」」
よく見ると、いつの間にか燐もいない。
「はぁあああ!?サタンの奴もいねーのか!?ヤベェ!!柔兄にアタマカチ割られる!!」
「燐!!」
「しえみ!」
人混みの中、少し後ろにいる彼女の声に気付き振り向く。
「後ろにみんないない、はぐれてる!」
「え!?・・・あっ、やべぇ携帯忘れた・・・」
「私も・・・携帯買ってもらおう・・・」
「とりあえず、並んどくか!」
「そ、そーだね」
「いやー、明けたなー」
「明けたねぇ」
「いやー、この一年色々あったよなー」
「そうだねぇ。まだ一年経ってないけどね」
「夏、京都に来た時は皆に嫌われてると思ってたな」
「ちっ、違うよ!?」
「判ってるよ。お前と勝呂が、俺と玲薇の事水クセーって怒ってくれたのも、今なら判る。
今は、お前が言ってくんねーしな?」
「!?ごっ、ごめん!!同じ思いをさせてるんだね・・・」
しえみが、彼女が祓魔師にならないと決めた理由を。
「雪男も・・・」
思い詰めるその表情に、ふいに聞いた。
「燐、何かあった?」
真剣に聞いてくれるその瞳に、嘘はつけなくて。
「俺・・・もう、雪男も玲薇も判んねぇ・・・」
二人で何か、自分を遠ざけようとしてる張り詰めた空気がある。
「あいつら、どーすりゃいいんだ?何考えてんだか全然判んねーよ!弟なのに・・・大事な奴なのに・・・」
「あー!!おった!サタンとしろみ!」
そこに突如、金造の叫び声がする。
「何うっかりはぐれてんのや!俺がドヤされんねやぞ!!」
「うっせーなぁ・・・サタンじゃねーよ!!コイツもしろみじゃねーし!」
「はぁ?じゃ何やねん、きみか」
「はぁーー?」
「はぁあ!?」
そして、いよいよ結婚式当日。
「さぁ出来たえ」
「蝮お姉ちゃんきれー!」
「・・・ほんまに綺麗やで、蝮ちゃん」
「わぁ・・・」
着替え終わった蝮の衣装に感動する。蝮の花嫁衣装は、全身和装の白無垢だ。
好きな人はいる。けど、きっと自分には叶わないであろうその姿。
「・・・いいなぁ・・・」
そう呟く玲薇の隣には今、誰もいない。皆それぞれ慌ただしく準備をしているから。
「私・・・私は・・・」
「・・・やっぱいいな、あーゆーの。家族って感じでさ。なぁ、雪男」
恐る恐る話しかける。しかし、雪男が振り向くことはなかった。
「さあ」
たった一言、それだけ。
慌ただしく結婚式の準備をする時、女子は女子で勝呂の母である虎子に着替えを手伝ってもらっている。
人の結婚式なんて初めて招待されてどうしてよいかわからなかったけれど、服を貸してもらえた。
そんな中、準備を終えた者から席につく。勝呂は一足先に席にいる雪男の隣に座った。
「ふう」
「お疲れさまです。他の皆は?」
「判りません。まだ、おかんにコキ使われとるんかも・・・」
勝呂は勝呂で、戒師を務める父の手伝いをしたりと皆とはバラバラに作業をしていたのだ。
「僕は、座ってていいって言われたんですけど・・・大丈夫かな」
「大丈夫ですよ。さすがのおかんも、遠慮しとるんですよ。俺達の上司ですしね」
話の区切りはついた。ただ、今まで思っていた疑問をいま、直接問い詰める。
「・・・・・・勝呂くん」
「はい?」
「僕らの神父について、何か知りたい事でも?」
勝呂の表情が、驚きのものへと変わる。
「数週間前、僕と兄と玲薇の生家である修道院にいらっしゃってますよね。
ライトニングは何の調査をしてるんですか?」
「はい」
メガネ呼ばわりだが、素直に返事をしている雪男。
「お嬢!!」
「「「・・・・・」」」
誰の事だか分からず、皆して黙っている。だが、金造が指をさしたのは玲薇だった。
「あんたやあんた!!」
「え、私!?何で!?」
「何でって、坊の隣おるやないか」
「ちゃうねん!」「違います!」
二人できっぱり否定する。
「・・・あんた、いつからそうなったの?」
隣の出雲が、いつも以上に呆れている。
「違う違う!勝手に話が広がってるだけ!」
「俺と一緒なん、風美夜が可哀想や」
「またまた坊も、素直やないなぁ」
勝呂にちょっかい出す志摩に、睨みつけてやる。
「えーと・・・くもちゃん?」
そして、出雲の名前を呼ぶ金造だが違う。
「え、可愛い」
出雲の新たな命名に、玲薇が反応。
「なんでよ。出雲です、どーでもいいですけど」
「しろみ!!」
また新たな名前だ。
「しろみ?」
「しえみでしょ」
首を傾げる玲薇に、突っ込む出雲。だが、肝心のしえみの返事がない。
「あ・・・?しろみは?」
「あれ?」
「「「・・・・・・・・」」」
よく見ると、いつの間にか燐もいない。
「はぁあああ!?サタンの奴もいねーのか!?ヤベェ!!柔兄にアタマカチ割られる!!」
「燐!!」
「しえみ!」
人混みの中、少し後ろにいる彼女の声に気付き振り向く。
「後ろにみんないない、はぐれてる!」
「え!?・・・あっ、やべぇ携帯忘れた・・・」
「私も・・・携帯買ってもらおう・・・」
「とりあえず、並んどくか!」
「そ、そーだね」
「いやー、明けたなー」
「明けたねぇ」
「いやー、この一年色々あったよなー」
「そうだねぇ。まだ一年経ってないけどね」
「夏、京都に来た時は皆に嫌われてると思ってたな」
「ちっ、違うよ!?」
「判ってるよ。お前と勝呂が、俺と玲薇の事水クセーって怒ってくれたのも、今なら判る。
今は、お前が言ってくんねーしな?」
「!?ごっ、ごめん!!同じ思いをさせてるんだね・・・」
しえみが、彼女が祓魔師にならないと決めた理由を。
「雪男も・・・」
思い詰めるその表情に、ふいに聞いた。
「燐、何かあった?」
真剣に聞いてくれるその瞳に、嘘はつけなくて。
「俺・・・もう、雪男も玲薇も判んねぇ・・・」
二人で何か、自分を遠ざけようとしてる張り詰めた空気がある。
「あいつら、どーすりゃいいんだ?何考えてんだか全然判んねーよ!弟なのに・・・大事な奴なのに・・・」
「あー!!おった!サタンとしろみ!」
そこに突如、金造の叫び声がする。
「何うっかりはぐれてんのや!俺がドヤされんねやぞ!!」
「うっせーなぁ・・・サタンじゃねーよ!!コイツもしろみじゃねーし!」
「はぁ?じゃ何やねん、きみか」
「はぁーー?」
「はぁあ!?」
そして、いよいよ結婚式当日。
「さぁ出来たえ」
「蝮お姉ちゃんきれー!」
「・・・ほんまに綺麗やで、蝮ちゃん」
「わぁ・・・」
着替え終わった蝮の衣装に感動する。蝮の花嫁衣装は、全身和装の白無垢だ。
好きな人はいる。けど、きっと自分には叶わないであろうその姿。
「・・・いいなぁ・・・」
そう呟く玲薇の隣には今、誰もいない。皆それぞれ慌ただしく準備をしているから。
「私・・・私は・・・」
「・・・やっぱいいな、あーゆーの。家族って感じでさ。なぁ、雪男」
恐る恐る話しかける。しかし、雪男が振り向くことはなかった。
「さあ」
たった一言、それだけ。
慌ただしく結婚式の準備をする時、女子は女子で勝呂の母である虎子に着替えを手伝ってもらっている。
人の結婚式なんて初めて招待されてどうしてよいかわからなかったけれど、服を貸してもらえた。
そんな中、準備を終えた者から席につく。勝呂は一足先に席にいる雪男の隣に座った。
「ふう」
「お疲れさまです。他の皆は?」
「判りません。まだ、おかんにコキ使われとるんかも・・・」
勝呂は勝呂で、戒師を務める父の手伝いをしたりと皆とはバラバラに作業をしていたのだ。
「僕は、座ってていいって言われたんですけど・・・大丈夫かな」
「大丈夫ですよ。さすがのおかんも、遠慮しとるんですよ。俺達の上司ですしね」
話の区切りはついた。ただ、今まで思っていた疑問をいま、直接問い詰める。
「・・・・・・勝呂くん」
「はい?」
「僕らの神父について、何か知りたい事でも?」
勝呂の表情が、驚きのものへと変わる。
「数週間前、僕と兄と玲薇の生家である修道院にいらっしゃってますよね。
ライトニングは何の調査をしてるんですか?」