第十六話 正月と寿
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「はい、そのUSBです。資料は全部その中にデータ化して分類しておきました。
あんま寝てばかりやなくて、年始くらいはまともなもんたべて下さいよ」
「いえすま〜む」
「俺も改めて資料見直してみますんで」
「判った竜士。よいお年を〜!」
「よいお年を!」
ライトニングとのやり取りを終え、勝呂は一息つく。
ガタッと障子の開く方に勝呂が顔を向ければ、雪男が立っていた。
「!」
勝呂は立ち上がり、目線の高さをほぼ同じに持っていく。
「お仕事中ですか?お疲れさまです」
「いえ、もう終わりました。少しはのんびりします」
軽く雪男に頭を下げ、皆の場所に戻る勝呂。
「あ、勝呂くん、こっち!」
「おう(風美夜は、風美夜や)」
玲薇が空いている自分の席を指さしている。そのもう片方は雪男の分だ。
彼女の目の前には、餅と格闘している燐もいた。
「仕事?」
隣に座ると、玲薇が首をかしげる。
「いや、ちょっとな」
「餅なんて滅多に喰えねーからな!うめーぜ」
「つきたてのお餅なんて、そんな味わえないよ」
「・・・・・・・・・」
燐と一緒に、おいしいと言って食べる玲薇を、つい横目で追ってしまう。
(・・・アマイモンや、フェレス卿ともちゃう)
「・・・私の顔、何かついてる?」
「あぁ、いや、スマン」
「?」
「・・・・・・・」
雪男も戻ってくるが、彼は無心だ。
志摩と子猫丸の姿が見えないが、彼らはそれぞれ行き先を告げている。
「気にはなってたんだが、二人は付き合うてんのか?」
「「!」」
少し酔っ払っている柔造が、勝呂と玲薇の間に入ってくる。
これは所謂、親戚同士の最後の挨拶のような名目もあるのだろう。
「なっ、な、なん言うてんねや!風美夜とはそんなやない!」
「玲薇は俺のだ!」
「り・・・燐ってば・・・〜」
「なんやて!?坊かて男前やろ!?」
そこへ、更に酔っ払っている金造も割り込んでくる。
「せやなぁ。いっそウチの者に取り入ってもらえるとええな、気ないわけやないんやろ?」
「と、取り入る・・・!?」
「ええ加減にせぇ二人とも。風美夜が困っとるやろ。それより、志摩も子猫も戻らんな」
「話そらすな、坊」
「ん、せや柔兄!そろそろバカラーの時間や!」
「バチェラーな」
「廉造ぉぉおー!!」
「ま、おいおい考えといてーな」
柔造に肩をポンと叩かれ、顔を赤くする玲薇。
「そ、そんな!私なんか、勝呂くんの横に立てません」
「アハハ、謙虚な子やなぁ!」
「そこかぁ!廉造ーー!!」
叫ぶ金造に、やれやれと首を振る柔造は後ろについていく。
「わ、悪いな風美夜」
「ううん、こっちこそ」
本当は、あの勢いで彼女とどうにかなればなんて思ってしまったけど。
『私なんか』なんて言わせてしまった。そんなこと、全然ないのに・・・。
「勝呂さ〜ん??」
「「!!」」
睨むような燐と雪男の視線に、勝呂と玲薇は縮こまる。
「何もない言うてるやろ!」
「竜騎士のでなんかあったろ!」
「燐、落ち着いてってば」
「この〜ゼッテー渡さねぇ!」
「ああもう、好きにせぇや!!俺は関係ない!!」
「せえぇぇい!!」
どうやら言い争っている間に、志摩の兄弟達はいつの間にか縁側に集まっていた。
庭では廉造と柔造がキリクで戦いあっている。力負けしているのは、やはり廉造の方だ。
「なんやその様ァ!!簡単に力負けしよって、ドーピングせんと戦えもせんか!廉造!それでも志摩家の男かボケェ!」
賑やかなその場所に、皆で見学だ。
「ん?何やってんの?」
「志摩さん家の恒例行事」
燐の問いに、子猫丸が答えてくれる。決着は、どうやら柔造の勝ちのようだ。
「廉造、もっと精進せぇ。死にたなかったらな」
「志摩さん、大丈夫?」
倒れている廉造の元に、子猫丸が駆け寄った。
「・・・子猫さん、これでも俺が羨ましいん?」
「うん。やっぱり志摩さんはたまたまやないよ、特別や」
「どこが?」
二人の間に何があったのか玲薇は知らない。それでも・・・。
「いいなぁ、あぁいうの・・・」
一人、ボソリと呟いた。
新年。
伏見稲荷で年明けをした玲薇たちは、総出で出かけていた。物凄い人の数に圧倒している。
「ちょっと玲薇、そんな押さないで!」
「ごめん、出雲〜わざとじゃないの・・・」
押せや押せやと、人の波に呑まれかねない。もとい、男の子の隣にいると何かしら勘違いされるもんで、
今日は出雲に離れず彼女と行動していた。この京都に来てから出雲は子供たちの相手をしていたからやっとそばにいれる。
「コラ、ジャリ共!はぐれるんやないで!?点呼ォ!!」
意気揚々と指揮をとるのは金造だ。
「坊!!」
「おう」
「廉造!!」
「へぇい」
「猫」
「はい」
「弓!!」
「はぁーい」
彼女は相変わらず子猫丸にべったりくっついている。
あんま寝てばかりやなくて、年始くらいはまともなもんたべて下さいよ」
「いえすま〜む」
「俺も改めて資料見直してみますんで」
「判った竜士。よいお年を〜!」
「よいお年を!」
ライトニングとのやり取りを終え、勝呂は一息つく。
ガタッと障子の開く方に勝呂が顔を向ければ、雪男が立っていた。
「!」
勝呂は立ち上がり、目線の高さをほぼ同じに持っていく。
「お仕事中ですか?お疲れさまです」
「いえ、もう終わりました。少しはのんびりします」
軽く雪男に頭を下げ、皆の場所に戻る勝呂。
「あ、勝呂くん、こっち!」
「おう(風美夜は、風美夜や)」
玲薇が空いている自分の席を指さしている。そのもう片方は雪男の分だ。
彼女の目の前には、餅と格闘している燐もいた。
「仕事?」
隣に座ると、玲薇が首をかしげる。
「いや、ちょっとな」
「餅なんて滅多に喰えねーからな!うめーぜ」
「つきたてのお餅なんて、そんな味わえないよ」
「・・・・・・・・・」
燐と一緒に、おいしいと言って食べる玲薇を、つい横目で追ってしまう。
(・・・アマイモンや、フェレス卿ともちゃう)
「・・・私の顔、何かついてる?」
「あぁ、いや、スマン」
「?」
「・・・・・・・」
雪男も戻ってくるが、彼は無心だ。
志摩と子猫丸の姿が見えないが、彼らはそれぞれ行き先を告げている。
「気にはなってたんだが、二人は付き合うてんのか?」
「「!」」
少し酔っ払っている柔造が、勝呂と玲薇の間に入ってくる。
これは所謂、親戚同士の最後の挨拶のような名目もあるのだろう。
「なっ、な、なん言うてんねや!風美夜とはそんなやない!」
「玲薇は俺のだ!」
「り・・・燐ってば・・・〜」
「なんやて!?坊かて男前やろ!?」
そこへ、更に酔っ払っている金造も割り込んでくる。
「せやなぁ。いっそウチの者に取り入ってもらえるとええな、気ないわけやないんやろ?」
「と、取り入る・・・!?」
「ええ加減にせぇ二人とも。風美夜が困っとるやろ。それより、志摩も子猫も戻らんな」
「話そらすな、坊」
「ん、せや柔兄!そろそろバカラーの時間や!」
「バチェラーな」
「廉造ぉぉおー!!」
「ま、おいおい考えといてーな」
柔造に肩をポンと叩かれ、顔を赤くする玲薇。
「そ、そんな!私なんか、勝呂くんの横に立てません」
「アハハ、謙虚な子やなぁ!」
「そこかぁ!廉造ーー!!」
叫ぶ金造に、やれやれと首を振る柔造は後ろについていく。
「わ、悪いな風美夜」
「ううん、こっちこそ」
本当は、あの勢いで彼女とどうにかなればなんて思ってしまったけど。
『私なんか』なんて言わせてしまった。そんなこと、全然ないのに・・・。
「勝呂さ〜ん??」
「「!!」」
睨むような燐と雪男の視線に、勝呂と玲薇は縮こまる。
「何もない言うてるやろ!」
「竜騎士のでなんかあったろ!」
「燐、落ち着いてってば」
「この〜ゼッテー渡さねぇ!」
「ああもう、好きにせぇや!!俺は関係ない!!」
「せえぇぇい!!」
どうやら言い争っている間に、志摩の兄弟達はいつの間にか縁側に集まっていた。
庭では廉造と柔造がキリクで戦いあっている。力負けしているのは、やはり廉造の方だ。
「なんやその様ァ!!簡単に力負けしよって、ドーピングせんと戦えもせんか!廉造!それでも志摩家の男かボケェ!」
賑やかなその場所に、皆で見学だ。
「ん?何やってんの?」
「志摩さん家の恒例行事」
燐の問いに、子猫丸が答えてくれる。決着は、どうやら柔造の勝ちのようだ。
「廉造、もっと精進せぇ。死にたなかったらな」
「志摩さん、大丈夫?」
倒れている廉造の元に、子猫丸が駆け寄った。
「・・・子猫さん、これでも俺が羨ましいん?」
「うん。やっぱり志摩さんはたまたまやないよ、特別や」
「どこが?」
二人の間に何があったのか玲薇は知らない。それでも・・・。
「いいなぁ、あぁいうの・・・」
一人、ボソリと呟いた。
新年。
伏見稲荷で年明けをした玲薇たちは、総出で出かけていた。物凄い人の数に圧倒している。
「ちょっと玲薇、そんな押さないで!」
「ごめん、出雲〜わざとじゃないの・・・」
押せや押せやと、人の波に呑まれかねない。もとい、男の子の隣にいると何かしら勘違いされるもんで、
今日は出雲に離れず彼女と行動していた。この京都に来てから出雲は子供たちの相手をしていたからやっとそばにいれる。
「コラ、ジャリ共!はぐれるんやないで!?点呼ォ!!」
意気揚々と指揮をとるのは金造だ。
「坊!!」
「おう」
「廉造!!」
「へぇい」
「猫」
「はい」
「弓!!」
「はぁーい」
彼女は相変わらず子猫丸にべったりくっついている。