第十七話 先手必勝
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「・・・・・・焦凍・・・」
一部、映像が熱さにやられ乱れた。けれど、もう一度映る彼の姿はより赤く燃える炎に身を包んでいた。
いままさに、焦凍の炎の熱は、エンデヴァーの火力より上間っていると言っていいだろう。
"個性"上、炎は少し苦手だった。でも、彼の炎はどこまでも優しく苦手ではなくなってきている。
「あっちいいィィィ!!(熱!!イカれた熱量!わかるぞ轟、俺にはわかる!チンテツで熱を内に溜める俺にはわかる!!
てめェそれキツイだろ!!長くはもたねェハズだ!!んなもん、そんなら)」
突撃してくる鉄哲を、轟は咄嗟に左腕でガードするが。
「我慢比べは、得意だぜェ!!さらに向こうへぁあ!!」
鉄哲の膝蹴りが、轟の腹に命中する。
「っ・・・!おまえ・・・!!火傷どころじゃ済まなくなっちまうぞ」
「訓練で命懸けねぇ奴ぁ、本番でも懸けらんねェよ!!格上と限界は、越える為に在る!!」
「――うるせェな」
轟の熱は、離れて行動している角取と障子の元にまで届いていた。
「ソーリーテンタコル、私アクアリウムでいつもタコ見ないスルー、苦手」
ある程度の距離のもとで、角取は障子と向かい合った。
「恐がられるのは慣れている」
「だから、一気にプリズン!勝負つけるね!」
「そうこなくては」
角取の無数の角が障子に襲い、その角を障子は複製されている腕も使い弾き返していく。
「もらっ」
「タ!」
一本、隙をついた角が、障子の背後に襲いかかる。しかし、後ろを見ていた目もあり、障子はつかみとったのだ。
「助かった、尾白」
「尾空旋舞!!」
角を叩き落とし、這えてくる角取の頭にある角を上空から降り尾白が捕まえる。そして、尻尾で彼女を巻きつけた。
「操作する角発射させなきゃ、脅威はないね!」
角取は何か言っているようだが、英語なためわからない。
「拘束し、牢へ連れていく。おまえは轟をサポ」
身動きとれなく障子の足場は、柔らかくなっていたのだ。
「骨・・・しまっ・・・」
それは障子だけでなく、尾白の足場も、骨抜の"個性"で地面を柔らかくされ体がしずまっていく。
「角取、返してもらうよ。俺ね、意外と友だち想い」
その地面をうまく活用し、骨抜は一部埋まってしまった尾白の尻尾共々いる角取のもとへ急ぐ。
(強・・・過ぎ、このォオ!尾拳"沼田打旋風"!!)
尾白の攻撃で、地面からの脱出と骨抜を弾き飛ばす。
「助かった、尾白!」
腕を伸ばし、配管を掴んで尾白を引き上げながら障子が言った。
「先、行ってて下さい骨抜さん!!」
けれど何処からか、角が戻ってきたところを、尾白の尻尾に突き刺さる。
「っ・・・刺しても、緩まな」
「緩まなくて大丈ブね」
「!」
障子の手から、尾白がいなくなってしまったのだ。
「このまま4本パワーで、牢まで直行でーす!」
なすすべないまま、角取のパワーに押され尾白は牢に入れられてしまった。
状況は、1―1。
「どうした、すットロいぜ轟ィィィィァアあっちィィ!!」
「おまえも、鈍くなってんぞ」
二人の攻防に、歌恋はたまらず胸元に手をやる。
(焦凍、そんなに熱の温度上げて大丈夫なの・・・?)
あの鉄哲が叫ぶ程だ。決して、大丈夫なハズはないだろう。
(目眩がする。体が思うように動かねェ・・・冷やそうにも、一旦こいつ、退かせねェと・・・!!)
限界を越えろ。
広がる炎を、左手に一転集中させる。
「鉄哲、溶けちゃうよ」
「!」
ズボリと、轟の足場が柔らかくなり体が沈む。周りも影響し、鉄パイプが轟の背中に直撃した。
「!!(やべェ!!・・・意識が・・・)」
「固める」
「今度は!!外さないぞマッドマン!!」
骨抜の技が発動する前に、飯田が戻り駆けつけたのだ。骨抜に攻撃し、そのまま轟の元による。
「あつっ(轟くん!!気を失っているじゃないか!遅れてごめん!!)」
「てめっ・・・待っ・・・逃げんじゃねェー!!」
鉄哲の声に振り向いている暇はない。それよりも安全な場所で、轟の手当てを。
「慎め悪党!救助が先決!!」
意識が飛びかかっていた骨抜は、よろめきながらも這い上がる。
(制御できねーとか言ってたくせによー・・・飯田後回し完ペキミスった。あー、負けかこれ・・・。
俺がトんだら、柔化も解除される・・・!八百万みてーに、後に残すみたいなことできねー。
悔しいとかはあんま無い。負けたと思うだけだ。でも)
骨抜の視線の先には、轟とやり合い、いまにも倒れてしまいそうな鉄哲の姿。
(自分のミスで友だちが負けんのは、嫌だ!)
最後の人踏ん張りだ。
「鉄哲、これ押せ!」
骨抜が柔化したそれは、土を大量に積ませている巨大な柱。それを鉄哲が押すと、走り去る飯田に向かって倒れていく。
「・・・・・・・」
画面を見て、唖然とする歌恋。懸命に走っていた飯田だったが、押し寄せる土砂崩れに巻き添えをくらってしまった。
彼に意識はあるようで、投げられて無事な轟に何度も声をかけているが、反応が返ってこない。
「・・・・・歌恋、大丈夫・・・?授業だよ・・・」
消え入りそうな小さな声で心配してくれる耳郎。そんな不安そうな
眼差しをくれる彼女に申し訳なくて、笑顔を見せる。
「大丈夫だよ(そう、授業。リカバリーガール先生がいる・・・大丈夫・・・)」
気を失っているのは轟だけじゃない。骨抜も鉄哲も。身動きが取れなくなってしまっている飯田。
四人揃ってダウンだ・・・。
泣くな。泣くな。泣くな。
まだ負けと決まったわけじゃない。投獄されなければ、リタイアにはならない。
(焦凍さえ目が覚めてくれれば・・・)
まだ勝機はある。そうおもっていた。だが、尾白を投獄させて戻ってきた角取を追う障子だったが、
角取は角で仲間を拾い、気を失っている轟を抱き上げ空を舞う。
「まさか・・・」
「ソーリーテンタコル。皆を負けさせるのは・・・いやデスので!」
「・・・・・・・・・」
言葉が出ない歌恋。あの状態では、どうすることもできないじゃないか。
「仲間と轟を連れて上空に・・・!」
A組の面々が話しているのが聞こえる。
「障子の"個性"じゃあ空を飛べねぇ・・・」
(・・・私や常闇くん、あるいはヤオモモの"個性"の創造次第では飛べるのに)
「ケッ・・・逃げやがった」
舌打ちし、いい放つ爆豪の言葉に握る手に力が入る歌恋。逃げの選択も一つの手段。
わかっているが、とても悔しい。
(私は、なんのために・・・!)
好きな人の役に立てない。彼はいつも、そんな風な事を言っていたけれど。
(そう思ってるのは焦凍だけじゃない。私もだよ・・・!)
「デクくん、B組どうする気なん?」
麗日が、緑谷に聞いている。
「おそらく、安全策をとったんだとおもう。仲間を置き去りにすれば、障子くんが投獄するから」
「なんで轟まで」
峰田が聞いている。
「轟くんが目を覚ましたら、たとえ上空に避難したとしても、氷結や炎の攻撃を受けてしまう。安全策を強化する保険だよ」
「けどさぁ、相手を牢屋に入れないと決着がつかないじゃん」
芦戸が聞いている。
「つかないけど、つくんだ」
そう、制限時間は20分。残り時間は、もうない。
===============
「チューー!!!」
保健室に響くその音に、轟はハッと目が覚めた。状況を整理しながら、ムクリと起き上がる。
「スニッカーズお食べ。尾白も食べて戻ったよ」
声の方を向けば、リカバリーガールがそれを手渡してくれた。
「轟!!」
ドアを開けながら鉄哲が言う。
「試合は引き分けだったが、俺は負けたと思ってる!ヤベェ熱さだった!!また闘ろうぜ!!」
「うるさいよ」
リカバリーガールに注意される鉄哲。けれど、彼の言葉に理解する。
(引き分け)
そう、あの試合は引き分けに終わった。投獄数は一対一と、時間切れというタイムリミットで。
「俺がもっと速ければ勝てた内容だった」
「飯田」
仕切られていたカーテンから、車椅子に乗っている飯田が姿を見せる。
「俺はまだまだ遅い。骨抜くんの柔軟なスタイルに、対応できなかった」
「・・・助けてくれただろ、朧げに覚えてる。それに、一番最初にミスしたのは俺だ」
骨抜に言われた、『もっと非情に火攻めで来られたら打つ手なかったのに』と。
まず氷結で先手を取るのが癖に、体に染み付いてしまっているのだろう。
いままでずっと、炎は自分なりに封印していた。いや、使いたくなかったから。
「おまえは速いよ、俺が遅いだけだ。俺が遅いから、心配かけさせちまった。
安心させられるようなヒーローになんなきゃな・・・」
憧れた、オールマイトのように。
(歌恋はいま、どう思ってるだろう・・・)
ここにいない彼女のことを考える。また、情けなく終わってしまった。課題だらけだ。
「いや!君が頼りない等は決して痛!」
いつものように身ぶり手振り腕を振り上げる飯田だが、痛みに上げた腕が止まる。
「俺はいつでも誰の元へでも駆けつけるんだ。インゲニウムを継ぐ者の信念だ」
すると再び、カーテンが開くと骨抜がいた。話を聞いていたのだろう。
「炎の件とかレシプロとか。正直、俺も課題残ったままなんで、また相手してくれない?」
「「もちろん」」
一部、映像が熱さにやられ乱れた。けれど、もう一度映る彼の姿はより赤く燃える炎に身を包んでいた。
いままさに、焦凍の炎の熱は、エンデヴァーの火力より上間っていると言っていいだろう。
"個性"上、炎は少し苦手だった。でも、彼の炎はどこまでも優しく苦手ではなくなってきている。
「あっちいいィィィ!!(熱!!イカれた熱量!わかるぞ轟、俺にはわかる!チンテツで熱を内に溜める俺にはわかる!!
てめェそれキツイだろ!!長くはもたねェハズだ!!んなもん、そんなら)」
突撃してくる鉄哲を、轟は咄嗟に左腕でガードするが。
「我慢比べは、得意だぜェ!!さらに向こうへぁあ!!」
鉄哲の膝蹴りが、轟の腹に命中する。
「っ・・・!おまえ・・・!!火傷どころじゃ済まなくなっちまうぞ」
「訓練で命懸けねぇ奴ぁ、本番でも懸けらんねェよ!!格上と限界は、越える為に在る!!」
「――うるせェな」
轟の熱は、離れて行動している角取と障子の元にまで届いていた。
「ソーリーテンタコル、私アクアリウムでいつもタコ見ないスルー、苦手」
ある程度の距離のもとで、角取は障子と向かい合った。
「恐がられるのは慣れている」
「だから、一気にプリズン!勝負つけるね!」
「そうこなくては」
角取の無数の角が障子に襲い、その角を障子は複製されている腕も使い弾き返していく。
「もらっ」
「タ!」
一本、隙をついた角が、障子の背後に襲いかかる。しかし、後ろを見ていた目もあり、障子はつかみとったのだ。
「助かった、尾白」
「尾空旋舞!!」
角を叩き落とし、這えてくる角取の頭にある角を上空から降り尾白が捕まえる。そして、尻尾で彼女を巻きつけた。
「操作する角発射させなきゃ、脅威はないね!」
角取は何か言っているようだが、英語なためわからない。
「拘束し、牢へ連れていく。おまえは轟をサポ」
身動きとれなく障子の足場は、柔らかくなっていたのだ。
「骨・・・しまっ・・・」
それは障子だけでなく、尾白の足場も、骨抜の"個性"で地面を柔らかくされ体がしずまっていく。
「角取、返してもらうよ。俺ね、意外と友だち想い」
その地面をうまく活用し、骨抜は一部埋まってしまった尾白の尻尾共々いる角取のもとへ急ぐ。
(強・・・過ぎ、このォオ!尾拳"沼田打旋風"!!)
尾白の攻撃で、地面からの脱出と骨抜を弾き飛ばす。
「助かった、尾白!」
腕を伸ばし、配管を掴んで尾白を引き上げながら障子が言った。
「先、行ってて下さい骨抜さん!!」
けれど何処からか、角が戻ってきたところを、尾白の尻尾に突き刺さる。
「っ・・・刺しても、緩まな」
「緩まなくて大丈ブね」
「!」
障子の手から、尾白がいなくなってしまったのだ。
「このまま4本パワーで、牢まで直行でーす!」
なすすべないまま、角取のパワーに押され尾白は牢に入れられてしまった。
状況は、1―1。
「どうした、すットロいぜ轟ィィィィァアあっちィィ!!」
「おまえも、鈍くなってんぞ」
二人の攻防に、歌恋はたまらず胸元に手をやる。
(焦凍、そんなに熱の温度上げて大丈夫なの・・・?)
あの鉄哲が叫ぶ程だ。決して、大丈夫なハズはないだろう。
(目眩がする。体が思うように動かねェ・・・冷やそうにも、一旦こいつ、退かせねェと・・・!!)
限界を越えろ。
広がる炎を、左手に一転集中させる。
「鉄哲、溶けちゃうよ」
「!」
ズボリと、轟の足場が柔らかくなり体が沈む。周りも影響し、鉄パイプが轟の背中に直撃した。
「!!(やべェ!!・・・意識が・・・)」
「固める」
「今度は!!外さないぞマッドマン!!」
骨抜の技が発動する前に、飯田が戻り駆けつけたのだ。骨抜に攻撃し、そのまま轟の元による。
「あつっ(轟くん!!気を失っているじゃないか!遅れてごめん!!)」
「てめっ・・・待っ・・・逃げんじゃねェー!!」
鉄哲の声に振り向いている暇はない。それよりも安全な場所で、轟の手当てを。
「慎め悪党!救助が先決!!」
意識が飛びかかっていた骨抜は、よろめきながらも這い上がる。
(制御できねーとか言ってたくせによー・・・飯田後回し完ペキミスった。あー、負けかこれ・・・。
俺がトんだら、柔化も解除される・・・!八百万みてーに、後に残すみたいなことできねー。
悔しいとかはあんま無い。負けたと思うだけだ。でも)
骨抜の視線の先には、轟とやり合い、いまにも倒れてしまいそうな鉄哲の姿。
(自分のミスで友だちが負けんのは、嫌だ!)
最後の人踏ん張りだ。
「鉄哲、これ押せ!」
骨抜が柔化したそれは、土を大量に積ませている巨大な柱。それを鉄哲が押すと、走り去る飯田に向かって倒れていく。
「・・・・・・・」
画面を見て、唖然とする歌恋。懸命に走っていた飯田だったが、押し寄せる土砂崩れに巻き添えをくらってしまった。
彼に意識はあるようで、投げられて無事な轟に何度も声をかけているが、反応が返ってこない。
「・・・・・歌恋、大丈夫・・・?授業だよ・・・」
消え入りそうな小さな声で心配してくれる耳郎。そんな不安そうな
眼差しをくれる彼女に申し訳なくて、笑顔を見せる。
「大丈夫だよ(そう、授業。リカバリーガール先生がいる・・・大丈夫・・・)」
気を失っているのは轟だけじゃない。骨抜も鉄哲も。身動きが取れなくなってしまっている飯田。
四人揃ってダウンだ・・・。
泣くな。泣くな。泣くな。
まだ負けと決まったわけじゃない。投獄されなければ、リタイアにはならない。
(焦凍さえ目が覚めてくれれば・・・)
まだ勝機はある。そうおもっていた。だが、尾白を投獄させて戻ってきた角取を追う障子だったが、
角取は角で仲間を拾い、気を失っている轟を抱き上げ空を舞う。
「まさか・・・」
「ソーリーテンタコル。皆を負けさせるのは・・・いやデスので!」
「・・・・・・・・・」
言葉が出ない歌恋。あの状態では、どうすることもできないじゃないか。
「仲間と轟を連れて上空に・・・!」
A組の面々が話しているのが聞こえる。
「障子の"個性"じゃあ空を飛べねぇ・・・」
(・・・私や常闇くん、あるいはヤオモモの"個性"の創造次第では飛べるのに)
「ケッ・・・逃げやがった」
舌打ちし、いい放つ爆豪の言葉に握る手に力が入る歌恋。逃げの選択も一つの手段。
わかっているが、とても悔しい。
(私は、なんのために・・・!)
好きな人の役に立てない。彼はいつも、そんな風な事を言っていたけれど。
(そう思ってるのは焦凍だけじゃない。私もだよ・・・!)
「デクくん、B組どうする気なん?」
麗日が、緑谷に聞いている。
「おそらく、安全策をとったんだとおもう。仲間を置き去りにすれば、障子くんが投獄するから」
「なんで轟まで」
峰田が聞いている。
「轟くんが目を覚ましたら、たとえ上空に避難したとしても、氷結や炎の攻撃を受けてしまう。安全策を強化する保険だよ」
「けどさぁ、相手を牢屋に入れないと決着がつかないじゃん」
芦戸が聞いている。
「つかないけど、つくんだ」
そう、制限時間は20分。残り時間は、もうない。
===============
「チューー!!!」
保健室に響くその音に、轟はハッと目が覚めた。状況を整理しながら、ムクリと起き上がる。
「スニッカーズお食べ。尾白も食べて戻ったよ」
声の方を向けば、リカバリーガールがそれを手渡してくれた。
「轟!!」
ドアを開けながら鉄哲が言う。
「試合は引き分けだったが、俺は負けたと思ってる!ヤベェ熱さだった!!また闘ろうぜ!!」
「うるさいよ」
リカバリーガールに注意される鉄哲。けれど、彼の言葉に理解する。
(引き分け)
そう、あの試合は引き分けに終わった。投獄数は一対一と、時間切れというタイムリミットで。
「俺がもっと速ければ勝てた内容だった」
「飯田」
仕切られていたカーテンから、車椅子に乗っている飯田が姿を見せる。
「俺はまだまだ遅い。骨抜くんの柔軟なスタイルに、対応できなかった」
「・・・助けてくれただろ、朧げに覚えてる。それに、一番最初にミスしたのは俺だ」
骨抜に言われた、『もっと非情に火攻めで来られたら打つ手なかったのに』と。
まず氷結で先手を取るのが癖に、体に染み付いてしまっているのだろう。
いままでずっと、炎は自分なりに封印していた。いや、使いたくなかったから。
「おまえは速いよ、俺が遅いだけだ。俺が遅いから、心配かけさせちまった。
安心させられるようなヒーローになんなきゃな・・・」
憧れた、オールマイトのように。
(歌恋はいま、どう思ってるだろう・・・)
ここにいない彼女のことを考える。また、情けなく終わってしまった。課題だらけだ。
「いや!君が頼りない等は決して痛!」
いつものように身ぶり手振り腕を振り上げる飯田だが、痛みに上げた腕が止まる。
「俺はいつでも誰の元へでも駆けつけるんだ。インゲニウムを継ぐ者の信念だ」
すると再び、カーテンが開くと骨抜がいた。話を聞いていたのだろう。
「炎の件とかレシプロとか。正直、俺も課題残ったままなんで、また相手してくれない?」
「「もちろん」」