第十六話 A組vsB組
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((なんだこの雰囲気・・・))
爆豪と歌恋がイライラしてるのが、瀬呂と耳郎にも気付いていた。とりあえず、第一戦目じゃなくてよかった。
「いいか、葉っぱ女」
「!(また葉っぱ女って・・・っ)」
「俺は雄英に、恋愛ごっこでも友だち作りでも、悠長な事しにきたんじゃーねえ」
「・・・・・・・・・・」
「オールマイトをも越えるNo.1ヒーローになるために来たんだ。足ひっぱんじゃねぇぞ」
「ちょ、爆豪。そんな言い方」
「いいよ、響香ちゃん。悪目立ちしてるのはお互いだから」
「歌恋・・・」
「ケッ」
たぶん、爆豪もまだあの時の生々しい感覚は覚えてるだろう。それに、彼の言う通り。
遊び半分でここ、雄英に通ってる人なんて誰もいない。近すぎて、周りの人の気持ちなんて考えたことなくて。
ただ、自分たちが幸せでいれる道を考えて・・・。
「絶対、B組に勝とう!」
負けっぱなしの自分は、もう嫌だ。拳をつくって意気込みすれば、瀬呂も耳郎も顔を合わせてくれる。
「もちろん」
「んじゃ、作戦立てよーぜ」
オールマイトとミッドナイトも見学にやってきた。
「どっちが勝つと思います?」
「どうだろうねぇ。多くのピンチを乗り越えてきたA組は、確かに強い。しかし・・・、
成績を見ると、実はB組の方が伸びてるんだ。トラブルがない分、着実に地力を上げている」
ピンチに力を発揮するA組か、堅実に全体を底上げしているB組か。
第一戦目が始まり、他はモニターで観戦しながら状況を確認していく。
そんな中、歌恋は今回一部始終耳郎の隣にいさせてもらおうと決意する。
爆豪にあんな風に指摘されてしまえば、気軽に焦凍の隣に行けたもんじゃない。
でも、これからどう接していこうか。そう思いながら、A組最初のチームの皆を見ることにした。
範囲攻撃が出来る上鳴に、蛙吹は新技である保護色で先頭に出て様子を伺いながら。
「俺が皆から離れて、テキトーにぶっぱすりゃ良くね?」
「"離れて"の間考えてるか?一人んなるぞ」
「たしかに・・・!」
切島の指摘に納得する上鳴に、話の流れで範囲攻撃が出来るB組の塩崎をどうにかしようと提案されるが。
「こっちが茨ちゃんをどうにかしたいと思ってるように・・・向こうも、まず上鳴ちゃんをどうにかしたいって考えてるかも。
あとは、経験値じゃ劣るものの、洗脳が強い心操ちゃん」
蛙吹の言葉に唖然と聞き入り、上鳴が言う。
「頼りにしてるぜ、皆・・・!」
「二人が暴れられる状況をつくりたいな」
鳥たちを使い、指示を出していた口田のもとに帰ってくる。彼らの言葉を理解した口田が、さっそくチームに報告した。
左の方向から塩崎が一人、ツルで広範囲を探りながら向かってきていると。
戦闘体制を整えた瞬間、思いもよらぬ正面から、B組の宍田が突如として現れ、蛙吹と切島を投げ飛ばした。
「口田氏の索敵に捕捉されるのは折り込み済みですぞ。塩崎氏を最も警戒するであろう事も!
彼女を囮に、私は這い寄り近づく!準備をさせれば上鳴氏の独壇場となる可能性が高い。
それ故、愚直に攻め入る!私は鼻が利くのですなァアアア!」
獣化している宍田の"個性"はビーストで、身体能力も大幅にアップしている。
その宍田の背中から顔を出したのは円場で、彼の"個性"で口田が空気の檻に閉じ込められた。
「よっしゃ、蹴散らせ宍田ー!!」
「任されましたぞォォオオ!!」
宍田と円場の目の前には、心操と上鳴。その二人に向かって拳が振り上げられる。
「おつかれさまでしたァアー!!!」
殺られる覚悟を持っていた上鳴の叫び。だが、宍田の動きが止まった。
「・・・俺の声で、喋りやがった・・・!?」
「"もう一つの声帯"ペルソナコード」
先ほどの「蹴散らせ宍田」と掛け合ったのは、宍田の背中にのっている円場本人のものではない。
洗脳を"個性"として持つ、心操の技だった。戦闘時、常にマスクをつけているのは、
そのマスクがボイスチェンジャーだからだ。心操自身の声を直接外部に放出する時、彼の声色を変えることが出来る。
心操は動かなくなった宍田に、相澤先生から教わっていた捕縛布を向けた。
だが、捕らえる前に円場の"個性"で心操までが空気の檻に閉じ込められてしまう。
「起きろ!!」
「はぁ!!」
力強く宍田の頭をひっぱたき洗脳を解く。この方法は以前、同じチームであり一度体育祭で経験している塩崎から聞いていたもの。
「(それでも)ボイチェンは聞いてねぇ、暴れろ!」
そう命じたものの、今、宍田が攻撃しようとしている相手は上鳴。
「バッ、駄目だ・・・!」
上鳴の放電に巻き込まれないよう、宍田から離れる円場。その間に、宍田は上鳴の電気を喰らうが、振り抜いて攻撃したのだ。
「ってえ」
だが、上鳴の電気を警戒していた円場を、蛙吹が舌で捕らえた。
「捕まえた!!」
「よっしゃ、牢までもってけ梅雨ちゃん!!」
舌でしっかりグルグル巻きにし、そのまま蛙吹が走る。
「ウッソォ!?痺れてよ!」
電気を振り払った宍田が、蛙吹に向かっていく。二人の間に、蛙吹を守るように"個性"を切り出す切島と口田。
だが、技を繰り出す前に、うまく切島と口田の間を"個性"を解除した人モードで窮地をすり抜ける。
そしてすぐさまビーストし、宍田の力に唯一対抗できるであろう切島を掴んで塩崎がいる方へ空高く投げた。
「わああ!!」
悲鳴を上げて落ちてくる切島に、塩崎の瞳孔が開く。
「天から哀れな子羊が」
ほどなく、切島は塩崎のツルに巻かれ、口田はビースト状態の宍田に捕まり、二人が牢へと入れられた。
これでA組二人確保され、B組一人と、B組が少しのリードを見せる。
「体育祭ん時は、爆豪が楽にっ破ってたけっどっ!強度上がってんなっ、コレ!」
戦闘で落ちたパイプを拾い、それを使い上鳴と蛙吹が心操が捕まってしまった空気の壁を叩き割る。
「B組、強いわね・・・」
「どーする梅雨ちゃん、負けちゃうぜ」
「心操ちゃんの"個性"把握に、時間取られちゃったわね・・・完全に不意をつかれたわ」
「捕縛動作、もっと早く動けた・・・悪い」
「謝るのはこっちよ」
もっと自分の行動を批判されると思っていた。だから、意外な蛙吹の言葉に心操は顔が上がる。
「心操ちゃんを正面から戦わせてしまったわ。策を怠った私がいけなかった」
「つーかさ、ガチ戦闘訓練で怪我当たり前なのに、よく動けたよな・・・。俺、助けられちゃったもん。
馴れ合う気ないとか言ってたけどさ、俺好きだぜ。しっかりヒーロー志望だ」
誉められたのだろう。けれど照れ臭く、素っ気なく返事を返してしまった。
「・・・・・・・別に。それより策を・・・」
「私に考えがあるの。上鳴ちゃん、ポインター見て」
一時休戦となっているのか、両チーム話し合いの時間を取った後、先に攻撃をしかけたのはA組だ。
ビースト状態の宍田が匂いを感知するも、三人とも蛙吹の匂いだと言う。
画面だけをみている歌恋たちからすれば、蛙吹は一人のままなのに。一体何故だろうと。
「緑谷・・・アレだよな」
ふと、峰田が緑谷に耳打ちするのが聞こえる。
「うん・・・!アレだ・・・!」
「どういう事?」
思わず、歌恋は聞き返す。
「毒性の粘液」
「ああ・・・」
確か、必殺技の練習中にも本人から聞いたことがあったような気がする。
蛙吹が作ったその粘液で、上鳴と心操に匂いを上書きしたのだろう。
そして、上鳴本人も気付いていなかった、宍田に攻撃をした時に引っ付いたポインターがまだいきている。
発目に開発してもらったポインターとグラス、それは上鳴自身の"個性"だけでは、
攻撃が四方八方、範囲攻撃しかできないため、一直線上に狙い打ちできるようにしてもらったものだ。
爆豪と歌恋がイライラしてるのが、瀬呂と耳郎にも気付いていた。とりあえず、第一戦目じゃなくてよかった。
「いいか、葉っぱ女」
「!(また葉っぱ女って・・・っ)」
「俺は雄英に、恋愛ごっこでも友だち作りでも、悠長な事しにきたんじゃーねえ」
「・・・・・・・・・・」
「オールマイトをも越えるNo.1ヒーローになるために来たんだ。足ひっぱんじゃねぇぞ」
「ちょ、爆豪。そんな言い方」
「いいよ、響香ちゃん。悪目立ちしてるのはお互いだから」
「歌恋・・・」
「ケッ」
たぶん、爆豪もまだあの時の生々しい感覚は覚えてるだろう。それに、彼の言う通り。
遊び半分でここ、雄英に通ってる人なんて誰もいない。近すぎて、周りの人の気持ちなんて考えたことなくて。
ただ、自分たちが幸せでいれる道を考えて・・・。
「絶対、B組に勝とう!」
負けっぱなしの自分は、もう嫌だ。拳をつくって意気込みすれば、瀬呂も耳郎も顔を合わせてくれる。
「もちろん」
「んじゃ、作戦立てよーぜ」
オールマイトとミッドナイトも見学にやってきた。
「どっちが勝つと思います?」
「どうだろうねぇ。多くのピンチを乗り越えてきたA組は、確かに強い。しかし・・・、
成績を見ると、実はB組の方が伸びてるんだ。トラブルがない分、着実に地力を上げている」
ピンチに力を発揮するA組か、堅実に全体を底上げしているB組か。
第一戦目が始まり、他はモニターで観戦しながら状況を確認していく。
そんな中、歌恋は今回一部始終耳郎の隣にいさせてもらおうと決意する。
爆豪にあんな風に指摘されてしまえば、気軽に焦凍の隣に行けたもんじゃない。
でも、これからどう接していこうか。そう思いながら、A組最初のチームの皆を見ることにした。
範囲攻撃が出来る上鳴に、蛙吹は新技である保護色で先頭に出て様子を伺いながら。
「俺が皆から離れて、テキトーにぶっぱすりゃ良くね?」
「"離れて"の間考えてるか?一人んなるぞ」
「たしかに・・・!」
切島の指摘に納得する上鳴に、話の流れで範囲攻撃が出来るB組の塩崎をどうにかしようと提案されるが。
「こっちが茨ちゃんをどうにかしたいと思ってるように・・・向こうも、まず上鳴ちゃんをどうにかしたいって考えてるかも。
あとは、経験値じゃ劣るものの、洗脳が強い心操ちゃん」
蛙吹の言葉に唖然と聞き入り、上鳴が言う。
「頼りにしてるぜ、皆・・・!」
「二人が暴れられる状況をつくりたいな」
鳥たちを使い、指示を出していた口田のもとに帰ってくる。彼らの言葉を理解した口田が、さっそくチームに報告した。
左の方向から塩崎が一人、ツルで広範囲を探りながら向かってきていると。
戦闘体制を整えた瞬間、思いもよらぬ正面から、B組の宍田が突如として現れ、蛙吹と切島を投げ飛ばした。
「口田氏の索敵に捕捉されるのは折り込み済みですぞ。塩崎氏を最も警戒するであろう事も!
彼女を囮に、私は這い寄り近づく!準備をさせれば上鳴氏の独壇場となる可能性が高い。
それ故、愚直に攻め入る!私は鼻が利くのですなァアアア!」
獣化している宍田の"個性"はビーストで、身体能力も大幅にアップしている。
その宍田の背中から顔を出したのは円場で、彼の"個性"で口田が空気の檻に閉じ込められた。
「よっしゃ、蹴散らせ宍田ー!!」
「任されましたぞォォオオ!!」
宍田と円場の目の前には、心操と上鳴。その二人に向かって拳が振り上げられる。
「おつかれさまでしたァアー!!!」
殺られる覚悟を持っていた上鳴の叫び。だが、宍田の動きが止まった。
「・・・俺の声で、喋りやがった・・・!?」
「"もう一つの声帯"ペルソナコード」
先ほどの「蹴散らせ宍田」と掛け合ったのは、宍田の背中にのっている円場本人のものではない。
洗脳を"個性"として持つ、心操の技だった。戦闘時、常にマスクをつけているのは、
そのマスクがボイスチェンジャーだからだ。心操自身の声を直接外部に放出する時、彼の声色を変えることが出来る。
心操は動かなくなった宍田に、相澤先生から教わっていた捕縛布を向けた。
だが、捕らえる前に円場の"個性"で心操までが空気の檻に閉じ込められてしまう。
「起きろ!!」
「はぁ!!」
力強く宍田の頭をひっぱたき洗脳を解く。この方法は以前、同じチームであり一度体育祭で経験している塩崎から聞いていたもの。
「(それでも)ボイチェンは聞いてねぇ、暴れろ!」
そう命じたものの、今、宍田が攻撃しようとしている相手は上鳴。
「バッ、駄目だ・・・!」
上鳴の放電に巻き込まれないよう、宍田から離れる円場。その間に、宍田は上鳴の電気を喰らうが、振り抜いて攻撃したのだ。
「ってえ」
だが、上鳴の電気を警戒していた円場を、蛙吹が舌で捕らえた。
「捕まえた!!」
「よっしゃ、牢までもってけ梅雨ちゃん!!」
舌でしっかりグルグル巻きにし、そのまま蛙吹が走る。
「ウッソォ!?痺れてよ!」
電気を振り払った宍田が、蛙吹に向かっていく。二人の間に、蛙吹を守るように"個性"を切り出す切島と口田。
だが、技を繰り出す前に、うまく切島と口田の間を"個性"を解除した人モードで窮地をすり抜ける。
そしてすぐさまビーストし、宍田の力に唯一対抗できるであろう切島を掴んで塩崎がいる方へ空高く投げた。
「わああ!!」
悲鳴を上げて落ちてくる切島に、塩崎の瞳孔が開く。
「天から哀れな子羊が」
ほどなく、切島は塩崎のツルに巻かれ、口田はビースト状態の宍田に捕まり、二人が牢へと入れられた。
これでA組二人確保され、B組一人と、B組が少しのリードを見せる。
「体育祭ん時は、爆豪が楽にっ破ってたけっどっ!強度上がってんなっ、コレ!」
戦闘で落ちたパイプを拾い、それを使い上鳴と蛙吹が心操が捕まってしまった空気の壁を叩き割る。
「B組、強いわね・・・」
「どーする梅雨ちゃん、負けちゃうぜ」
「心操ちゃんの"個性"把握に、時間取られちゃったわね・・・完全に不意をつかれたわ」
「捕縛動作、もっと早く動けた・・・悪い」
「謝るのはこっちよ」
もっと自分の行動を批判されると思っていた。だから、意外な蛙吹の言葉に心操は顔が上がる。
「心操ちゃんを正面から戦わせてしまったわ。策を怠った私がいけなかった」
「つーかさ、ガチ戦闘訓練で怪我当たり前なのに、よく動けたよな・・・。俺、助けられちゃったもん。
馴れ合う気ないとか言ってたけどさ、俺好きだぜ。しっかりヒーロー志望だ」
誉められたのだろう。けれど照れ臭く、素っ気なく返事を返してしまった。
「・・・・・・・別に。それより策を・・・」
「私に考えがあるの。上鳴ちゃん、ポインター見て」
一時休戦となっているのか、両チーム話し合いの時間を取った後、先に攻撃をしかけたのはA組だ。
ビースト状態の宍田が匂いを感知するも、三人とも蛙吹の匂いだと言う。
画面だけをみている歌恋たちからすれば、蛙吹は一人のままなのに。一体何故だろうと。
「緑谷・・・アレだよな」
ふと、峰田が緑谷に耳打ちするのが聞こえる。
「うん・・・!アレだ・・・!」
「どういう事?」
思わず、歌恋は聞き返す。
「毒性の粘液」
「ああ・・・」
確か、必殺技の練習中にも本人から聞いたことがあったような気がする。
蛙吹が作ったその粘液で、上鳴と心操に匂いを上書きしたのだろう。
そして、上鳴本人も気付いていなかった、宍田に攻撃をした時に引っ付いたポインターがまだいきている。
発目に開発してもらったポインターとグラス、それは上鳴自身の"個性"だけでは、
攻撃が四方八方、範囲攻撃しかできないため、一直線上に狙い打ちできるようにしてもらったものだ。