第十四話 文化祭
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文化祭当日、朝。天気は快晴。
「文化祭だ・・・!」
ドキドキと楽しみな反面、不安と恐怖はある。だけど今日は、おもいっきり楽しもう。
いつもより晴れ晴れとした表情で、今のうちにダンス隊で揃えた衣装を着て皆のもとに急ぐ。
「お、おはよう・・・!」
「おっはよー!」
「おはよう」
いつもと変わらない、皆の態度も嬉しい。
「ねぇ、やっぱりこの衣装派手じゃない?」
「なに言ってんの!ダンスはね、華やかじゃなきゃダメなんだから丁度いいの!」
「私はバンド隊くらいの衣装で丁度いいのになぁ」
「はいはい、ほーれ!」
「わっ」
葉隠に両肩を掴まれ、クルッと無理矢理ふりかえれば轟と視線が合う。
「っ~・・・」
だが、お互いそれっきり、歌恋は葉隠に声をあらげた。
「透ちゃん!」
「可愛いよ~、可愛いよ~」
「もう」
辺りをみれば、緑谷はいない。昨日朝練の後、買い出しに行くといっていたから。
(てか、青山くんはコスチュームなんだね)
確か緑谷が行くと言っていたホームセンターは、朝8時から。早く帰ってこれても9時前には戻ってこれるだろう。
それまでにそれぞれ最終確認し、身だしなみも整えていく。
「そろそろだなー!ソワソワしてきた!」
「明鏡止水。落ちつきましょう、上鳴さん」
バンドのプレッシャーにソワソワする二人とは違う意味で常闇もソワソワしだす。
「明鏡止水」
「つか爆豪、Tシャツ着なよつくったんだから」
耳郞が指摘するも、未だ爆豪は一匹狼って感じだ。
「・・・緑谷、遅くねぇか?」
突如、背後から轟の声がし、ドキッと心臓が激しく波打つ。
「えーと、そうだよね・・・大丈夫かな」
小学生の子供ではないのだから、時間までには帰ってこれるだろうが、何のために早く開くお店を選んだのだろうか。
「・・・その衣装、悪くねぇよ・・・」
「っ・・・」
まぁ、彼の性格からして「メチャクチャ似合っててかわいーぜ」なんて言ったら逆に鳥肌もんだ。(失礼)
このぐらいの言葉で、丁度いいのだ。彼なりの、精一杯の褒め言葉。
「あり、がとう・・・」
「轟ー!演出の最終確認させてー!」
ダンス隊と一緒に、最終確認。そして時間は、刻一刻と過ぎていき・・・。
「ヘイガイズ!!準備はここまで、いよいよだ!!今日は一日無礼講!!
学年学科は忘れてハシャげ!!そんじゃ皆さん、ご唱和下さい。雄英文化祭、開催!!」
AM9:00、プレゼント・マイクの合図で文化祭が始まった。
「始まった・・・」
A組の出番は10:00。それなのに、9時を回ったいまでも、緑谷の姿がない。
「緑谷くん、何かあったのかな・・・電話は?」
「アイツ、ケータイ持たないで行ったよ」
呆れながら言う切島。委員長である飯田が代表して電話をしてくれたのだろう。
しかし、緑谷が出る気配は一向にないという。あの緑谷がわざと出ないって事はしないと思う。
それに、今から捜索して彼を探しだしたとして、出番までに間に合うかだって分からない。
様子を見かねて緑谷を待つと外に出て行った青山もまだ姿がない。
時刻は9:35分を回った頃、上鳴が爆豪の隙を見てバンド隊の服をようやく無理矢理着させていた。
そして体育館に移動し、客席をみればどんどん人も集まっている。
「き、緊張する・・・」
歌恋は客席から目をそらし、深呼吸。でも、この文化祭は、バンドは成功させたい。
「焦凍・・・」
彼の名前を呼び、右手の拳を突き出す。理解してくれたのか、お互いに拳を合わせた。
「絶対に、成功させようね」
「ああ」
耳郞が歌ってくれる音楽と共に。
エリちゃんの保護役としてA組の様子を見に来てくれてる相澤先生に、
隣にはパトロールのサボリでやってきたプレゼント・マイクがいる。
「さて・・・どうかな」
「どうかなって!!何が!?俺、ちょー楽しみよ!」
「おまえはどーでもいい。つーか、パトロール行けよ」
「ちょっとだけ!ちょっとだけ」
「他科や2・3年には、「最近の雄英」に対する不平不満を、A組に向けてる輩もいる。
楽しもうなんて気はなく、品定めの為に来てるって輩が、彼らの目にお遊戯同然に映らないといいんだが」
そこに、緑谷がギリギリで到着し、皆持ち場に移動。予定通り時計が10:00をさせば幕が上がる。
「おっ」
「おお、始まるぞ」
「一年ガンバレー!!」
「ヤオヨロズー!!」
「「ヤオヨロズー!!ヤオヨロズー!!」」
一際目立って聞こえる八百万コール。きっと彼女は職場体験の時にCMに出て人気があるのだろう。
彼女はその声にも動揺することなく、キーボードと向き合っている。
「エリちゃん、見える!?」
小さなエリちゃんを、通形が抱き上げて。
「うん・・・!」
ベースを持ち、マイクを前に息を吐く耳郞。音楽の道を諦め、ヒーローの道を選んだ自分に、両親は優しかった。
『響香、好きにやっていい』
そして、爆豪の合図で始まる。
「いくぞ、コラァアア!!!」
雄英全員、音で殺るぞ!!
爆豪の、開幕爆発でツカミはド派手に。バンド隊の音が豪快に響き、ダンス隊の動きも加わる。
「よろしくおねがいしまァアス!!」
耳郞の挨拶からの歌が乗っていく。跳ね上がる芦戸と尾白に歌恋の桜から、二人は華やかに姿を現す。
緑谷と青山の二人のパートも、息ピッタリだ。緑谷が青山を投げ、彼のレーザーが花火のように輝く。
歌も盛り上がり、ダンスも順調に合わさっていく。曲が進むにつれ、みんなの"個性"が舞う。
もちろん、芦戸が峰田に約束していた、ダンス隊女子と峰田のパートもちゃんと取り入れて。
ここにくるまでに、いろんな事があった。でも、今が一番楽しい。
サビに入り、轟の氷が会場の上に道を作れるよう、瀬呂のテープと歌恋の桜が入り交じり鮮やかな道を作る。
麗日の"個性"でお客を浮かし、氷の上でダンス隊と躍りながら顔を下に向ければ、皆が笑ってくれている。
それに見えた、緑谷がエリちゃんは笑い方が分からないって言っていたけど、彼女は今、満面な笑顔だ。
そんな楽しい時間は、あっという間に過ぎていく・・・。
「文化祭だ・・・!」
ドキドキと楽しみな反面、不安と恐怖はある。だけど今日は、おもいっきり楽しもう。
いつもより晴れ晴れとした表情で、今のうちにダンス隊で揃えた衣装を着て皆のもとに急ぐ。
「お、おはよう・・・!」
「おっはよー!」
「おはよう」
いつもと変わらない、皆の態度も嬉しい。
「ねぇ、やっぱりこの衣装派手じゃない?」
「なに言ってんの!ダンスはね、華やかじゃなきゃダメなんだから丁度いいの!」
「私はバンド隊くらいの衣装で丁度いいのになぁ」
「はいはい、ほーれ!」
「わっ」
葉隠に両肩を掴まれ、クルッと無理矢理ふりかえれば轟と視線が合う。
「っ~・・・」
だが、お互いそれっきり、歌恋は葉隠に声をあらげた。
「透ちゃん!」
「可愛いよ~、可愛いよ~」
「もう」
辺りをみれば、緑谷はいない。昨日朝練の後、買い出しに行くといっていたから。
(てか、青山くんはコスチュームなんだね)
確か緑谷が行くと言っていたホームセンターは、朝8時から。早く帰ってこれても9時前には戻ってこれるだろう。
それまでにそれぞれ最終確認し、身だしなみも整えていく。
「そろそろだなー!ソワソワしてきた!」
「明鏡止水。落ちつきましょう、上鳴さん」
バンドのプレッシャーにソワソワする二人とは違う意味で常闇もソワソワしだす。
「明鏡止水」
「つか爆豪、Tシャツ着なよつくったんだから」
耳郞が指摘するも、未だ爆豪は一匹狼って感じだ。
「・・・緑谷、遅くねぇか?」
突如、背後から轟の声がし、ドキッと心臓が激しく波打つ。
「えーと、そうだよね・・・大丈夫かな」
小学生の子供ではないのだから、時間までには帰ってこれるだろうが、何のために早く開くお店を選んだのだろうか。
「・・・その衣装、悪くねぇよ・・・」
「っ・・・」
まぁ、彼の性格からして「メチャクチャ似合っててかわいーぜ」なんて言ったら逆に鳥肌もんだ。(失礼)
このぐらいの言葉で、丁度いいのだ。彼なりの、精一杯の褒め言葉。
「あり、がとう・・・」
「轟ー!演出の最終確認させてー!」
ダンス隊と一緒に、最終確認。そして時間は、刻一刻と過ぎていき・・・。
「ヘイガイズ!!準備はここまで、いよいよだ!!今日は一日無礼講!!
学年学科は忘れてハシャげ!!そんじゃ皆さん、ご唱和下さい。雄英文化祭、開催!!」
AM9:00、プレゼント・マイクの合図で文化祭が始まった。
「始まった・・・」
A組の出番は10:00。それなのに、9時を回ったいまでも、緑谷の姿がない。
「緑谷くん、何かあったのかな・・・電話は?」
「アイツ、ケータイ持たないで行ったよ」
呆れながら言う切島。委員長である飯田が代表して電話をしてくれたのだろう。
しかし、緑谷が出る気配は一向にないという。あの緑谷がわざと出ないって事はしないと思う。
それに、今から捜索して彼を探しだしたとして、出番までに間に合うかだって分からない。
様子を見かねて緑谷を待つと外に出て行った青山もまだ姿がない。
時刻は9:35分を回った頃、上鳴が爆豪の隙を見てバンド隊の服をようやく無理矢理着させていた。
そして体育館に移動し、客席をみればどんどん人も集まっている。
「き、緊張する・・・」
歌恋は客席から目をそらし、深呼吸。でも、この文化祭は、バンドは成功させたい。
「焦凍・・・」
彼の名前を呼び、右手の拳を突き出す。理解してくれたのか、お互いに拳を合わせた。
「絶対に、成功させようね」
「ああ」
耳郞が歌ってくれる音楽と共に。
エリちゃんの保護役としてA組の様子を見に来てくれてる相澤先生に、
隣にはパトロールのサボリでやってきたプレゼント・マイクがいる。
「さて・・・どうかな」
「どうかなって!!何が!?俺、ちょー楽しみよ!」
「おまえはどーでもいい。つーか、パトロール行けよ」
「ちょっとだけ!ちょっとだけ」
「他科や2・3年には、「最近の雄英」に対する不平不満を、A組に向けてる輩もいる。
楽しもうなんて気はなく、品定めの為に来てるって輩が、彼らの目にお遊戯同然に映らないといいんだが」
そこに、緑谷がギリギリで到着し、皆持ち場に移動。予定通り時計が10:00をさせば幕が上がる。
「おっ」
「おお、始まるぞ」
「一年ガンバレー!!」
「ヤオヨロズー!!」
「「ヤオヨロズー!!ヤオヨロズー!!」」
一際目立って聞こえる八百万コール。きっと彼女は職場体験の時にCMに出て人気があるのだろう。
彼女はその声にも動揺することなく、キーボードと向き合っている。
「エリちゃん、見える!?」
小さなエリちゃんを、通形が抱き上げて。
「うん・・・!」
ベースを持ち、マイクを前に息を吐く耳郞。音楽の道を諦め、ヒーローの道を選んだ自分に、両親は優しかった。
『響香、好きにやっていい』
そして、爆豪の合図で始まる。
「いくぞ、コラァアア!!!」
雄英全員、音で殺るぞ!!
爆豪の、開幕爆発でツカミはド派手に。バンド隊の音が豪快に響き、ダンス隊の動きも加わる。
「よろしくおねがいしまァアス!!」
耳郞の挨拶からの歌が乗っていく。跳ね上がる芦戸と尾白に歌恋の桜から、二人は華やかに姿を現す。
緑谷と青山の二人のパートも、息ピッタリだ。緑谷が青山を投げ、彼のレーザーが花火のように輝く。
歌も盛り上がり、ダンスも順調に合わさっていく。曲が進むにつれ、みんなの"個性"が舞う。
もちろん、芦戸が峰田に約束していた、ダンス隊女子と峰田のパートもちゃんと取り入れて。
ここにくるまでに、いろんな事があった。でも、今が一番楽しい。
サビに入り、轟の氷が会場の上に道を作れるよう、瀬呂のテープと歌恋の桜が入り交じり鮮やかな道を作る。
麗日の"個性"でお客を浮かし、氷の上でダンス隊と躍りながら顔を下に向ければ、皆が笑ってくれている。
それに見えた、緑谷がエリちゃんは笑い方が分からないって言っていたけど、彼女は今、満面な笑顔だ。
そんな楽しい時間は、あっという間に過ぎていく・・・。