第十四話 文化祭
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「見て!見てー!見ててー!」
軽く準備運動しながら言う芦戸に、皆の注目が集まる。何をやるのかなとみれば、彼女は得意のダンスを見せた。
「ブレイキン!ブレイキン!」
盛り上がりを見せる瀬呂と葉隠に、青山は何故か眉間にシワを寄せている。
「彼女、ダンスが趣味なんだよね☆」
「下穿くならスカート脱げよなァ・・・!」
峰田の変わらず下品な発言に、葉隠が頭をペシペシ叩く。
「芦戸さんは、身体の使い方がダンス由来なんだよね。なんというか・・・、全ての挙動に全身を使う感じだ」
ノートを見ながら解説の如くの緑谷と、最近青山は仲が良い。
「初めての戦闘訓練でマント焼かれた事忘れないよ☆」
「趣味かぁ・・・」
「・・・皆が皆、持ってるモンじゃねぇよな」
「う~ん・・・」
自分には、趣味と呼べる趣味がない。芦戸にダンスを教えてもらってる緑谷と青山。
「ヒーロー活動にそのまま活きる趣味はいいよな!強い!」
確かに、上鳴が言うことも一理ある。
「趣味といえば、耳郞のも凄えよな」
「ちょっ、やめてよ」
「あの部屋、楽器屋みてーだっもんなァ。ありゃ趣味の域越えてる」
「もぉ、やめてってば。部屋王、忘れてくんない!?」
どうして耳郞はそんなに自分の趣味を否定するのだろう。
「前さ、響香ちゃんとカラオケ行った時、歌もスゴく上手だったよ」
「だから!歌恋も余計な事言わなくていいの!!」
頬がほんのり赤い耳郞は、照れてるんだって事はわかる。だけど、そんな否定的になるのは悲しい。
立派な、凄い趣味だと思うのに。
「カラオケ?」
轟が首をかしげる。
「職場体験の時、帰りにちょこっとね」
「けどどっちみち、ありゃプロの部屋だろ!正直かっ・・・!?」
上鳴の、目の前に飛び込んできたイヤホンに、言葉を失う。
「マジで!」
耳郞はそれっきりで、自分の机に戻ってしまった。
「響香ちゃん・・・」
「・・・何で・・・?」
耳郞の態度も気になってしまい、二人で首をかしげるのだった。
チャイムが鳴り、相澤先生が持ち前の寝袋を持って教室に入ってくる。
「えー、文化祭があります」
「「「ガッポォオイ!!」」」
※学校っぽいの略です。
「文化祭!!」
「ガッポいの来ました!!」
「何するか決めよー!!」
久しぶりの学校行事にクラスの皆が盛り上がる。それはもちろん、歌恋も例外ではない。
(文化祭かぁ・・・普段出掛けられないぶん、焦凍と二人で廻れないかな)
デートっぽくできるかわからないけど、楽しみだ。
だが、その盛り上がる雰囲気の中、切島が珍しくも問いかけた。
「いいんですか!?この時世にお気楽じゃ!?」
よく、上鳴とバカ騒ぎしてクラスのムードメーカーとなっていた切島から出る言葉とは思えない。
彼の変わりように、少なからず上鳴はショックを受ける。
「切島・・・変わっちまったな」
「でもそーだろ、ヴィラン隆盛のこの時期に!!」
「もっともな意見だ。しかし雄英も、ヒーロー科だけで回ってるワケじゃない。
体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら、文化祭は他科が主役。
注目度は比にならんが、彼らにとって楽しみな催しなんだ。そして現状、
寮制をはじめとしたヒーロー科主体の動きに、ストレスを感じてる者も少なからずいる」
「・・・・・・・・(ヒーロー科主体の動き、か・・・)」
そう言われてしまうのはしょうがない。林間合宿から神野事件の事を考えれば落ち込む。
(・・・楽しんでいいのかな・・・)
「そう考えると・・・申し訳たたねェな・・・」
切島も、大人しく座り直す。
「あぁ。だからそう簡単に自粛とするワケにもいかないんだ。今年は例年と異なり、
ごく一部の関係者を除き学内だけでの文化祭になる。主役じゃないとは言ったが、
決まりとして一クラス一つ出し物をせにゃならん。今日はそれを決めてもらう・・・」
(((・・・寝た)))
教壇から離れ、壁に寄りかかりお馴染みの寝袋の中で。
「ここからはA組委員長、飯田天哉が進行をつとめさせて頂きます!
スムーズにまとめられるよう、頑張ります!!ではまず、出し物の候補を挙げていこう!
希望のある者は挙手を!」
すると、途端に皆手を上げた。まるで嵐の如く。
「ぐっ・・・なんという変わり身の早さだ・・・ええい、必ずまとめてやる!」
ここから少し、候補を上げた人の名前と飯田のやり取りが始まります。
「上鳴くん!!」
「メイド喫茶にしようぜ!」
「メイド・・・奉仕か!悪くない!!」
「ぬるいわ上鳴!!」
「峰田くん!」
「オッパブ」
どこからともかく、蛙吹が布で峰田をグルグル巻きにしロープで吊るす。
「大丈夫、歌恋ちゃん。重りあるかしら」
「さ、流石梅雨ちゃん・・・」
隣の峰田に触られそうになった胸を避けるように声をかける。後ろの席の彼のオーラが凄いのは気づかぬふり。
そこから順当に、みんなが候補を上げていく。
「おもち屋さん!」→麗日 「なるほど、和風できたか」
「腕相撲大会!!」→切島 「熱いな!」
「ビックリハウス」→葉隠 「わからんが面白いんだろうな、きっと!」
「クレープ屋」→歌恋 「食べ歩きにもってこいだ!」
「ダンスー!!」→芦戸 「華やかだな!」
「ヒーロークイズ!」→緑谷 「緑谷君らしい!」
「カエルの歌の合唱」→蛙吹 「微笑ましい!」
「ふれあいどうぶつえん」→口田 「ふれあい動物園!」
「手打ちそば」→轟 「大好きだもんな!」
「デスマッチ」→爆豪 「まさかの殺し合い!?」
「暗黒学徒の宴」→常闇 「ホホウ!」
「僕のキラメキショウ」→青山 「・・・んん!?」
「・・・コントとか?」→耳郞 「なーる!」
「・・・?」
耳郞の候補に、上鳴は彼女に視線を向け首をかしげる。あんなに部屋に楽器があったのに。
「一通り皆からの提案は出揃ったかな」
「不適切・実現不可、よくわからないものは消去させていただきますわ」
八百万に容赦なく消されたのは、青山・常闇・峰田・爆豪のもの。
「あっ」
「無慈悲っ」
「は?」
「ハナから聞くんじゃねーや」
「郷土史研究発表もなー、地味よねぇ」
これは委員長である飯田の提案。
「たしかに」
「別にいいけど、他が楽しそうだし」
「総意には逆らうまい!」
「勉強会は、いつもやってるし」
この提案は八百万。
「お役に立てればと・・・つい」
「喰いもん系は、一つにまとめられるくね?」
「そばとクレープはガチャガチャしねェか?」
「「・・・・・・・・」」
何も反論は言うまい。
だが、皆が出した提案だけで話し合いにならず言いたいだけ言ってしまう状況になってしまった。
終いには終了を告げるチャイムが鳴る。
「!!」
「まとまりませんでしたわね・・・」
「実に非合理的な会だったな。おまえら、明日朝までに決めておけ。決まらなかった場合・・・公開座学にする」
(((公開座学!!)))
相澤先生のあの目は、本気だ。
「ただの勉強じゃん」→上鳴
「ジョーダンしょ・・・」→瀬呂
「絶対イヤだ・・・!」→歌恋
そういえば、今日からインターン組の補習が始まるが、少し遅く始めた歌恋は、今日の夜の話し合いには参加可能。
軽く準備運動しながら言う芦戸に、皆の注目が集まる。何をやるのかなとみれば、彼女は得意のダンスを見せた。
「ブレイキン!ブレイキン!」
盛り上がりを見せる瀬呂と葉隠に、青山は何故か眉間にシワを寄せている。
「彼女、ダンスが趣味なんだよね☆」
「下穿くならスカート脱げよなァ・・・!」
峰田の変わらず下品な発言に、葉隠が頭をペシペシ叩く。
「芦戸さんは、身体の使い方がダンス由来なんだよね。なんというか・・・、全ての挙動に全身を使う感じだ」
ノートを見ながら解説の如くの緑谷と、最近青山は仲が良い。
「初めての戦闘訓練でマント焼かれた事忘れないよ☆」
「趣味かぁ・・・」
「・・・皆が皆、持ってるモンじゃねぇよな」
「う~ん・・・」
自分には、趣味と呼べる趣味がない。芦戸にダンスを教えてもらってる緑谷と青山。
「ヒーロー活動にそのまま活きる趣味はいいよな!強い!」
確かに、上鳴が言うことも一理ある。
「趣味といえば、耳郞のも凄えよな」
「ちょっ、やめてよ」
「あの部屋、楽器屋みてーだっもんなァ。ありゃ趣味の域越えてる」
「もぉ、やめてってば。部屋王、忘れてくんない!?」
どうして耳郞はそんなに自分の趣味を否定するのだろう。
「前さ、響香ちゃんとカラオケ行った時、歌もスゴく上手だったよ」
「だから!歌恋も余計な事言わなくていいの!!」
頬がほんのり赤い耳郞は、照れてるんだって事はわかる。だけど、そんな否定的になるのは悲しい。
立派な、凄い趣味だと思うのに。
「カラオケ?」
轟が首をかしげる。
「職場体験の時、帰りにちょこっとね」
「けどどっちみち、ありゃプロの部屋だろ!正直かっ・・・!?」
上鳴の、目の前に飛び込んできたイヤホンに、言葉を失う。
「マジで!」
耳郞はそれっきりで、自分の机に戻ってしまった。
「響香ちゃん・・・」
「・・・何で・・・?」
耳郞の態度も気になってしまい、二人で首をかしげるのだった。
チャイムが鳴り、相澤先生が持ち前の寝袋を持って教室に入ってくる。
「えー、文化祭があります」
「「「ガッポォオイ!!」」」
※学校っぽいの略です。
「文化祭!!」
「ガッポいの来ました!!」
「何するか決めよー!!」
久しぶりの学校行事にクラスの皆が盛り上がる。それはもちろん、歌恋も例外ではない。
(文化祭かぁ・・・普段出掛けられないぶん、焦凍と二人で廻れないかな)
デートっぽくできるかわからないけど、楽しみだ。
だが、その盛り上がる雰囲気の中、切島が珍しくも問いかけた。
「いいんですか!?この時世にお気楽じゃ!?」
よく、上鳴とバカ騒ぎしてクラスのムードメーカーとなっていた切島から出る言葉とは思えない。
彼の変わりように、少なからず上鳴はショックを受ける。
「切島・・・変わっちまったな」
「でもそーだろ、ヴィラン隆盛のこの時期に!!」
「もっともな意見だ。しかし雄英も、ヒーロー科だけで回ってるワケじゃない。
体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら、文化祭は他科が主役。
注目度は比にならんが、彼らにとって楽しみな催しなんだ。そして現状、
寮制をはじめとしたヒーロー科主体の動きに、ストレスを感じてる者も少なからずいる」
「・・・・・・・・(ヒーロー科主体の動き、か・・・)」
そう言われてしまうのはしょうがない。林間合宿から神野事件の事を考えれば落ち込む。
(・・・楽しんでいいのかな・・・)
「そう考えると・・・申し訳たたねェな・・・」
切島も、大人しく座り直す。
「あぁ。だからそう簡単に自粛とするワケにもいかないんだ。今年は例年と異なり、
ごく一部の関係者を除き学内だけでの文化祭になる。主役じゃないとは言ったが、
決まりとして一クラス一つ出し物をせにゃならん。今日はそれを決めてもらう・・・」
(((・・・寝た)))
教壇から離れ、壁に寄りかかりお馴染みの寝袋の中で。
「ここからはA組委員長、飯田天哉が進行をつとめさせて頂きます!
スムーズにまとめられるよう、頑張ります!!ではまず、出し物の候補を挙げていこう!
希望のある者は挙手を!」
すると、途端に皆手を上げた。まるで嵐の如く。
「ぐっ・・・なんという変わり身の早さだ・・・ええい、必ずまとめてやる!」
ここから少し、候補を上げた人の名前と飯田のやり取りが始まります。
「上鳴くん!!」
「メイド喫茶にしようぜ!」
「メイド・・・奉仕か!悪くない!!」
「ぬるいわ上鳴!!」
「峰田くん!」
「オッパブ」
どこからともかく、蛙吹が布で峰田をグルグル巻きにしロープで吊るす。
「大丈夫、歌恋ちゃん。重りあるかしら」
「さ、流石梅雨ちゃん・・・」
隣の峰田に触られそうになった胸を避けるように声をかける。後ろの席の彼のオーラが凄いのは気づかぬふり。
そこから順当に、みんなが候補を上げていく。
「おもち屋さん!」→麗日 「なるほど、和風できたか」
「腕相撲大会!!」→切島 「熱いな!」
「ビックリハウス」→葉隠 「わからんが面白いんだろうな、きっと!」
「クレープ屋」→歌恋 「食べ歩きにもってこいだ!」
「ダンスー!!」→芦戸 「華やかだな!」
「ヒーロークイズ!」→緑谷 「緑谷君らしい!」
「カエルの歌の合唱」→蛙吹 「微笑ましい!」
「ふれあいどうぶつえん」→口田 「ふれあい動物園!」
「手打ちそば」→轟 「大好きだもんな!」
「デスマッチ」→爆豪 「まさかの殺し合い!?」
「暗黒学徒の宴」→常闇 「ホホウ!」
「僕のキラメキショウ」→青山 「・・・んん!?」
「・・・コントとか?」→耳郞 「なーる!」
「・・・?」
耳郞の候補に、上鳴は彼女に視線を向け首をかしげる。あんなに部屋に楽器があったのに。
「一通り皆からの提案は出揃ったかな」
「不適切・実現不可、よくわからないものは消去させていただきますわ」
八百万に容赦なく消されたのは、青山・常闇・峰田・爆豪のもの。
「あっ」
「無慈悲っ」
「は?」
「ハナから聞くんじゃねーや」
「郷土史研究発表もなー、地味よねぇ」
これは委員長である飯田の提案。
「たしかに」
「別にいいけど、他が楽しそうだし」
「総意には逆らうまい!」
「勉強会は、いつもやってるし」
この提案は八百万。
「お役に立てればと・・・つい」
「喰いもん系は、一つにまとめられるくね?」
「そばとクレープはガチャガチャしねェか?」
「「・・・・・・・・」」
何も反論は言うまい。
だが、皆が出した提案だけで話し合いにならず言いたいだけ言ってしまう状況になってしまった。
終いには終了を告げるチャイムが鳴る。
「!!」
「まとまりませんでしたわね・・・」
「実に非合理的な会だったな。おまえら、明日朝までに決めておけ。決まらなかった場合・・・公開座学にする」
(((公開座学!!)))
相澤先生のあの目は、本気だ。
「ただの勉強じゃん」→上鳴
「ジョーダンしょ・・・」→瀬呂
「絶対イヤだ・・・!」→歌恋
そういえば、今日からインターン組の補習が始まるが、少し遅く始めた歌恋は、今日の夜の話し合いには参加可能。