第十三話 立場
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手の内ようもなく子供たちと激突しあってる頃、黙りに限界を超えたプレゼント・マイクが実況を始めた。
プレゼント・マイクが席を離れたということは、オールマイトとエンデヴァー二人だけになる。
観覧席に来る前にエンデヴァーが言っていた話したいことがあると。
「・・・知っていたか、ここ一ヶ月の犯罪発生率。例年に比べて3%もの増加だそうだ。
俺は・・・俺は誰よりも多く事件を解決へ導いてきた。今も、今まで以上に・・・。
だが・・・聞こえてくる。貴様が築き上げてきた目には映らぬ何かが崩れていく音が。
元No.1ヒーローよ、平和の象徴とは・・・何だ。俺は焦凍に全てを託した」
エンデヴァーは言う。二十歳の頃には既にNo.2へ登りつめた。だが、登ったから理解してしまった。
自分は頂きには辿り着けないと。肩書きが欲しいならオールマイトのように愛想も振りまいた。
でもそれをしてこなかったのは誰より強くなりたかったから。
「・・・君らしくないな」
いつも真っ先に喧嘩越しのエンデヴァーが、本格的に相談を持ちかけている。
「いいから答えろ!」
オールマイトのおもう平和の象徴とは。
「正直・・・何と言えばいいかわからないな」
オールマイトはただ、この国に象徴が必要だと信じひた走ってきた。
強い光・・・希望であり警鐘でもある、そういう存在になると誓って走ってきたと。
街行く皆が不安な顔をしていた。どれだけヒーローがいても、犯罪そのものは減らなかった。
今よりずっと、皆が脅えていた。近くの優しさを蔑ろにして、多くを切り捨ててオールマイトはこの道を選んだてと。
「エンデヴァー、君のおかれている現状・・・世間からの声は知っている。
私と君を比較する者も多くいる。だが、君と私は違う。私の目指した象徴を、君もなぞる事はない。
君は君の思うやり方を、焦らず見つければいい」
そして、それぞれのやり方で利かん坊な子供たちと仲良くなろうとしていた彼らだが、どれも失敗に終わっていた。
「ねー、3人とも。さっきからフツーにやってる感じだけど、"個性"でしっかり私達見せた方がテットリバヤクない?」
そう提案を出したのはケミィだ。
「俺もそれを言おうとしてたんだ!!」
「ウッソマジキグー」
ケミィの提案に同意していた爆豪が続ける。
「まだ溝は深え。つーか、俺たちを困らせて楽しんでる節がある。
攻めるには溝を埋めるんじゃなく、飛び込むしかねえ。実技デモンストレーションだ!」
だが、先生の叫ぶ声が聞こえた。
「ああダメよ、危ない!!」
相談していた四人は再び、攻撃体制に入った子供たちと向き直った。
「ハッ!!好都合だ・・・!」
「見せてやるぜ!!俺たちの方が上だってよ!!」
「来いやガキ共、相手してやるぜ!」
「フン・・・結局、そうやって上から押さえつける事しかできない。当然、響きません」
偉そうな男の子がそう胸に押し当てる。
「あの子たち・・・自分の"個性"がヒーローより優れていると・・・本気で皆さんを負かす気でいます!!」
子供たちの容赦ない"個性"が、彼らに襲いかかる。その強さに、プレゼント・マイクも開いた口が塞がらない。
「最近の子ヤベェエエ!!」
世代を経るにつれ"個性"は混ざり変化していく。より強力、より複雑化した"個性"は、
やがて誰にもコントロールできなくなってしまうのではないか。
だが、それで殺られるほどやわな彼らではない。彼らは平然とそこに立っている。
「人様に躊躇なく攻撃するたァ・・・だいぶキてんな!!」
「ヒーロー志望相手なら、何してもかまわねぇと思ってそうだ」
「俺はもう、講習とか抜きにこの子らと仲良くなりたい」
上から、爆豪・轟・夜嵐。
「そんな・・・!!俺たちの"個性"にビビってねー・・・」
「ちょっと早く生まれただけのくせに・・・っ」
「みんな、見せてやろう。僕らの力を!もっと」
「私が行くわ!」
そう言う女の子は先ほど、ケミィのおしりを捻っていた子。
「クイーンビーム!!」
「オイオイ、君の可愛い顔が見てぇんだ。シワが寄ってちゃ台無しだぜ」
「はぁい!!!」
決して本人から見せないであろうその眩しい程のキラキラとした轟の姿が消える。
そう、その普段と変わった姿を見せたのは、ケミィの"個性"幻惑で作られたモノだった。
「ごめーん、マボロシー。でも、言われてみたいよねぇ。ウチの学校、今時異性交遊禁止だし、マジ渇望」
「カワイイカオガミテーンダ」
何故か爆豪は爆笑している。
「俺は良いと思うぜ!!マボロキ君よォ!!」
「?そんなに面白ぇ事言ってたか?」
肝心の本人は、首をかしげている。
「歌恋の反応は見てみてぇけど」
「ゼッテェ言うんじゃねぇぞ!!」
「?」
「いーから、さっき話したヤツ行くっスよ!」
言うや、夜嵐の風が子供たちを道ずれに宙を舞っていく。それは子供たちの"個性"も。
「君たちは確かに凄いっス!!でもね!!ブン回すだけじゃまだまだっス!!」
「館内って、ちょっとないよねー味気」
「行くっすよォ!!」
ケミィの"個性"で館内の風景はオーロラに。轟の氷結は巨大な山のような滑り台に。
その幻想的な世界に、誰もが釘付けだ。
滑り落ちる子供たちの上に、轟は炎の輪を潜らせていく。
「おお・・・!?」
あの利かん坊から一変。年相応の無邪気な笑い声が館内に響く。
「複雑な形はできねェから、おまえたちの出したモンを骨組みに使わせてもらったよ。
立派な"個性"で助かった」
「玉城くんたちだけズルイよ!!」
「ああ、並べ」
『すげェとか、カッケェとか思わせねぇといけねェ』
爆豪は、あの時の話し合った事を思い返している。
『かといって、見下してる相手にただ負かされちゃあクソみてぇな気分になるだけだ』
『あの子らあのままじゃ、試験の時の俺らみたいに、迷惑をかける奴になっちまうっス』
『・・・うん』
夜嵐の言葉に頷く轟は、微笑んだ。
『視野を広げてやることくらいは、俺たちも出来るハズだ』
これが、四人で出した答え。結果、完全にいなしつつ心を折らずに交流を深められていく。
「こういう使い方良いよなぁ、ホッコリするもん」
と、プレゼント・マイク。
「おら、てめェも交ざれ」
爆豪はあの一匹狼気取りな生意気な、壁に寄りかかっていた男の子を引きずり出す。
「何をするんです!!放してくれません!?程度が低いんです!!」
「てめェが先導者だろ」
嫌がおうにも重ねてしまっていた、過去の自分の態度と・・・。
「いつまでも見下したままじゃ、自分の弱さに気付けねェぞ。先輩からのアドバイスだ、覚えとけ。
オイ、ハゲ!轟!!」
「ハゲ!?」
一通りみんなを滑らせた頃。
「皆で協力して、今度はもっと凄いヤツを!爆風ジェットコースターつくろうぜ!!」
「「ハァアアイ!!」」
「それは無理じゃねェか?」
何だかんだでついてくるようになった子供たち。
彼らの成長を見て、オールマイトがエンデヴァーに言った。
「何の為に強くあるのか。エンデヴァー、答えはきっとシンプルだ」
「皆で遊んだら皆でお掃除っス!」
「「「ハァアアイ!!」」」
氷を砕く作業は爆豪。その破片を、子供たちと一緒に片していく。
「ゴチンコ、俺の"個性"なら氷の破片食べて消せちゃうんだぜ」
「ゴチンコじゃねェ、ショートだ。そうか、おまえの"個性"都市災害レスキューで輝くんじゃねェか?」
「輝くー!?輝くぞー!」
片付けを済ませて、子供たちとも別れを告げる。
「"協力して子供らの心を掌握せよ"アバウトな課題に対し、よく努めた」
(((アバウトな自覚あったんかい)))
さすがにギャングオルカ本人には突っ込めない。
「他の者もよくついてきている!!今日の講習を忘れることなく次も励め!
君たちはとても可能性・・・あ。糞どもが!!」
「「「サーイエッサー!」」」
プレゼント・マイク曰く、ギャングオルカは子供好きらしい。彼の意外な一面も見れた日であった。
プレゼント・マイクが席を離れたということは、オールマイトとエンデヴァー二人だけになる。
観覧席に来る前にエンデヴァーが言っていた話したいことがあると。
「・・・知っていたか、ここ一ヶ月の犯罪発生率。例年に比べて3%もの増加だそうだ。
俺は・・・俺は誰よりも多く事件を解決へ導いてきた。今も、今まで以上に・・・。
だが・・・聞こえてくる。貴様が築き上げてきた目には映らぬ何かが崩れていく音が。
元No.1ヒーローよ、平和の象徴とは・・・何だ。俺は焦凍に全てを託した」
エンデヴァーは言う。二十歳の頃には既にNo.2へ登りつめた。だが、登ったから理解してしまった。
自分は頂きには辿り着けないと。肩書きが欲しいならオールマイトのように愛想も振りまいた。
でもそれをしてこなかったのは誰より強くなりたかったから。
「・・・君らしくないな」
いつも真っ先に喧嘩越しのエンデヴァーが、本格的に相談を持ちかけている。
「いいから答えろ!」
オールマイトのおもう平和の象徴とは。
「正直・・・何と言えばいいかわからないな」
オールマイトはただ、この国に象徴が必要だと信じひた走ってきた。
強い光・・・希望であり警鐘でもある、そういう存在になると誓って走ってきたと。
街行く皆が不安な顔をしていた。どれだけヒーローがいても、犯罪そのものは減らなかった。
今よりずっと、皆が脅えていた。近くの優しさを蔑ろにして、多くを切り捨ててオールマイトはこの道を選んだてと。
「エンデヴァー、君のおかれている現状・・・世間からの声は知っている。
私と君を比較する者も多くいる。だが、君と私は違う。私の目指した象徴を、君もなぞる事はない。
君は君の思うやり方を、焦らず見つければいい」
そして、それぞれのやり方で利かん坊な子供たちと仲良くなろうとしていた彼らだが、どれも失敗に終わっていた。
「ねー、3人とも。さっきからフツーにやってる感じだけど、"個性"でしっかり私達見せた方がテットリバヤクない?」
そう提案を出したのはケミィだ。
「俺もそれを言おうとしてたんだ!!」
「ウッソマジキグー」
ケミィの提案に同意していた爆豪が続ける。
「まだ溝は深え。つーか、俺たちを困らせて楽しんでる節がある。
攻めるには溝を埋めるんじゃなく、飛び込むしかねえ。実技デモンストレーションだ!」
だが、先生の叫ぶ声が聞こえた。
「ああダメよ、危ない!!」
相談していた四人は再び、攻撃体制に入った子供たちと向き直った。
「ハッ!!好都合だ・・・!」
「見せてやるぜ!!俺たちの方が上だってよ!!」
「来いやガキ共、相手してやるぜ!」
「フン・・・結局、そうやって上から押さえつける事しかできない。当然、響きません」
偉そうな男の子がそう胸に押し当てる。
「あの子たち・・・自分の"個性"がヒーローより優れていると・・・本気で皆さんを負かす気でいます!!」
子供たちの容赦ない"個性"が、彼らに襲いかかる。その強さに、プレゼント・マイクも開いた口が塞がらない。
「最近の子ヤベェエエ!!」
世代を経るにつれ"個性"は混ざり変化していく。より強力、より複雑化した"個性"は、
やがて誰にもコントロールできなくなってしまうのではないか。
だが、それで殺られるほどやわな彼らではない。彼らは平然とそこに立っている。
「人様に躊躇なく攻撃するたァ・・・だいぶキてんな!!」
「ヒーロー志望相手なら、何してもかまわねぇと思ってそうだ」
「俺はもう、講習とか抜きにこの子らと仲良くなりたい」
上から、爆豪・轟・夜嵐。
「そんな・・・!!俺たちの"個性"にビビってねー・・・」
「ちょっと早く生まれただけのくせに・・・っ」
「みんな、見せてやろう。僕らの力を!もっと」
「私が行くわ!」
そう言う女の子は先ほど、ケミィのおしりを捻っていた子。
「クイーンビーム!!」
「オイオイ、君の可愛い顔が見てぇんだ。シワが寄ってちゃ台無しだぜ」
「はぁい!!!」
決して本人から見せないであろうその眩しい程のキラキラとした轟の姿が消える。
そう、その普段と変わった姿を見せたのは、ケミィの"個性"幻惑で作られたモノだった。
「ごめーん、マボロシー。でも、言われてみたいよねぇ。ウチの学校、今時異性交遊禁止だし、マジ渇望」
「カワイイカオガミテーンダ」
何故か爆豪は爆笑している。
「俺は良いと思うぜ!!マボロキ君よォ!!」
「?そんなに面白ぇ事言ってたか?」
肝心の本人は、首をかしげている。
「歌恋の反応は見てみてぇけど」
「ゼッテェ言うんじゃねぇぞ!!」
「?」
「いーから、さっき話したヤツ行くっスよ!」
言うや、夜嵐の風が子供たちを道ずれに宙を舞っていく。それは子供たちの"個性"も。
「君たちは確かに凄いっス!!でもね!!ブン回すだけじゃまだまだっス!!」
「館内って、ちょっとないよねー味気」
「行くっすよォ!!」
ケミィの"個性"で館内の風景はオーロラに。轟の氷結は巨大な山のような滑り台に。
その幻想的な世界に、誰もが釘付けだ。
滑り落ちる子供たちの上に、轟は炎の輪を潜らせていく。
「おお・・・!?」
あの利かん坊から一変。年相応の無邪気な笑い声が館内に響く。
「複雑な形はできねェから、おまえたちの出したモンを骨組みに使わせてもらったよ。
立派な"個性"で助かった」
「玉城くんたちだけズルイよ!!」
「ああ、並べ」
『すげェとか、カッケェとか思わせねぇといけねェ』
爆豪は、あの時の話し合った事を思い返している。
『かといって、見下してる相手にただ負かされちゃあクソみてぇな気分になるだけだ』
『あの子らあのままじゃ、試験の時の俺らみたいに、迷惑をかける奴になっちまうっス』
『・・・うん』
夜嵐の言葉に頷く轟は、微笑んだ。
『視野を広げてやることくらいは、俺たちも出来るハズだ』
これが、四人で出した答え。結果、完全にいなしつつ心を折らずに交流を深められていく。
「こういう使い方良いよなぁ、ホッコリするもん」
と、プレゼント・マイク。
「おら、てめェも交ざれ」
爆豪はあの一匹狼気取りな生意気な、壁に寄りかかっていた男の子を引きずり出す。
「何をするんです!!放してくれません!?程度が低いんです!!」
「てめェが先導者だろ」
嫌がおうにも重ねてしまっていた、過去の自分の態度と・・・。
「いつまでも見下したままじゃ、自分の弱さに気付けねェぞ。先輩からのアドバイスだ、覚えとけ。
オイ、ハゲ!轟!!」
「ハゲ!?」
一通りみんなを滑らせた頃。
「皆で協力して、今度はもっと凄いヤツを!爆風ジェットコースターつくろうぜ!!」
「「ハァアアイ!!」」
「それは無理じゃねェか?」
何だかんだでついてくるようになった子供たち。
彼らの成長を見て、オールマイトがエンデヴァーに言った。
「何の為に強くあるのか。エンデヴァー、答えはきっとシンプルだ」
「皆で遊んだら皆でお掃除っス!」
「「「ハァアアイ!!」」」
氷を砕く作業は爆豪。その破片を、子供たちと一緒に片していく。
「ゴチンコ、俺の"個性"なら氷の破片食べて消せちゃうんだぜ」
「ゴチンコじゃねェ、ショートだ。そうか、おまえの"個性"都市災害レスキューで輝くんじゃねェか?」
「輝くー!?輝くぞー!」
片付けを済ませて、子供たちとも別れを告げる。
「"協力して子供らの心を掌握せよ"アバウトな課題に対し、よく努めた」
(((アバウトな自覚あったんかい)))
さすがにギャングオルカ本人には突っ込めない。
「他の者もよくついてきている!!今日の講習を忘れることなく次も励め!
君たちはとても可能性・・・あ。糞どもが!!」
「「「サーイエッサー!」」」
プレゼント・マイク曰く、ギャングオルカは子供好きらしい。彼の意外な一面も見れた日であった。