第十三話 立場
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インターンが一段落し、勉強と必殺技を作るのに専念する。
(ホークスに誉められたのは素直に嬉しい。それと、ちょっとトキメイてしまったのは秘密)
いまある必殺技を確認すると、自由自在に操れるようになりつつある桜吹雪。
その桜吹雪を応用し、一つは人の気配を感じ取れる捜索向けの時。
一つ、攻撃としての威力は不十分だが、目眩ましのように欺くこと。
一つ、現在常闇と改良中で空を飛べるように。そして幹の方。腕を幹に変換すれば伸ばせる限度は自由。
攻撃高い幹の方で敵を拘束したり、動きを封じられる。葉っぱは身を守ったり足場になったり。
轟のように"個性"が2つあるわけじゃない。通形のように、一つ一つの"個性"を応用した技だ。
(飛ぶのはいま練習中で、それぞれ葉っぱと桜を同時発動しないとだから集中力がヤバいんだよね。でも・・・)
ホークスについていくのには、飛べなくちゃ意味がないような気もするし、
常闇にも負けてるようで悔しいから。必ずものにしてやりたい。
授業が終わり、戻った髪の毛の長さを八百万に染めてもらう。
「今日でなんかごめんね・・・」
「約束したじゃありませんか。それに何かをしてる方が気分が落ち着きますし」
「ヤオモモの黒い長い髪の毛、綺麗だからいいよね・・・」
「急にどうしました?」
「ん?ほら、私も黒だけど決してそんなことないし・・・」
「登坂さんは、技事態が髪の毛を使うんですもの。仕方ありませんわ。それでも立派な"個性"かと」
「そう、かな・・・」
「ええ。さぁ、これで流してみてどうでしょう?」
「うん!」
綺麗に染めてくれた八百万の腕の良さに満足する。
「ありがとうヤオモモ!」
この髪の毛の色に慣れた頃・・・。
「帰ってきたァァア!!奴らが帰ってきたァ!!」
峰田の声に振り向くと、そこには緑谷、切島、麗日、蛙吹の姿があった。
「みんな!」
「大丈夫だったかよォ!?ニュース見たぞ、おい!!」
「大変だったな!」
「おまえら、毎度凄ぇことになって帰ってくる。怖いよいいかげん!」
「お茶子ちゃん、梅雨ちゃん~!!」
葉隠がぎゅうっと、二人を抱き締める。
ガヤガヤ騒ぐなか、飯田が騒ぐクラスメートと緑谷たちの間に割り込む。
「皆、心配だったのはわかるが!!落ち着こう!!報道で見たろう。
あれだけの事があったんだ。級友であるなら、彼らの心を労り、
静かに休ませてあげるべきだ。身体だけでなく・・・心も磨り減ってしまっただろうから・・・」
「飯田くん、飯田くん」
飯田に指摘され、落ち込むクラスメートの心境を見てくれたのか、緑谷が言った。
「ありがとう。でも・・・大丈夫」
何か言いたげな飯田。
「じゃあ、いいかい。とっっっっっても心配だったんだぞ、もう。俺はもう、君たちがもう」
「おめーがいっちゃん激しい」
冷静に瀬呂が突っ込む。
「ラベンダーのハーブティーをお淹れしますわ!心が安らぎますの!」
「ヤオモモ、手伝うよ!」
髪の毛を染めてくれたお礼に。
キッチンに向かってても、皆の賑やかな声が響く。
「おーい、かっちゃん」
一人ソファで浮いてる爆豪に、上鳴がよりかかる。
「何をフテクされてんだ。心配だったから、ここにいんだろ!?なァ!?素直になれよ!」
「寝る」
「えー早くね!?老人かよ!!」
「一言くらいかけたら?」
気遣いに尾白が言う。
「てめーらと違ってヒマじゃねンだ」
「緑谷、麗日、切島、蛙吹。わりィが俺も」
そう名乗り出たのは轟だ。
「えー、早くね!?老人かよ!!」
お盆の上にティーカップをのせて歌恋と八百万が戻る。
「あれ?爆豪くんと焦凍くんは?」
二人の姿が見えなく、蛙吹に聞く。
「二人ならさっき部屋に戻ったわ。ありがとう」
ティーカップを受け取りながら答えてくれた。
「そっか。明日講習か」
「それにしても早くない?」
耳郞が首をかしげる。
「確かに・・・」
爆豪はともかく、轟まで声かけないで部屋に戻ってしまうのは珍しい。
どうしたのだろうと、やけに不安になってしまうけど。まだ時計を見れば20時半を回ったばかりだ。
「!」
ポケットに入れていたスマホが鳴っている。
「ちょっと、部屋に行くね」
「ん?」
耳郞にそう嘘をついてしまった。下手に心配させたくもなかったから。
「・・・・・・・」
外に出ると、玄関前でしゃがみこんでいる轟の姿が目に入る。
「焦凍くん?」
背中に向けて名前を呼ぶと、轟の肩がビクッと揺れた。
「歌恋・・・」
「なにかあった?」
「・・・いや、親父から電話あったから出てみたんだ。そしたら、明日の講習来るって」
「・・・何だかんだあるけど、やっぱりエンデヴァーもお父さんとして焦凍くんが心配なんだよ」
「アイツは、度が過ぎる。来られても迷惑だ」
「う~ん、まぁ・・・体育祭の時も目立ってたもんね」
「・・・最悪だ・・・」
「・・・・・・」
正直、こんなに落ち込む轟を見るのははじめてだ。家族絡みのことでどうこう言ってあげられないけど。
周囲から見ればエンデヴァーは、ただただ親バカにしか見えないとこがあるが。
《最高傑作》としてしかみられていない子供時代を送った彼の心境も、
話してくれてるいまだからわかることで。
自分が落ち込んだ時に、いつも轟がやってくれてるようにしてみた。
「!」
恥ずかしいけど、いまは誰もいない。それに、自分を呼んでくれたのは必要としてくれてるから。
「歌恋・・・」
前から抱き締め、歌恋は右手で轟の頭を撫でる。
「大丈夫だよ(はじめて触った・・・髪の毛、サラサラだぁ)」
いつも冷静沈着な轟が、こうやって嫌々駄々を捏ねる姿も初めてみる。
いや、その前にもあった気もしなくはないけど。
「う~ん、大丈夫って言っても大丈夫じゃないのはなんとなくわかるけど」
体育祭でも息子の名前を堂々叫んでたし。あれはあれで恥ずかしいよね。
「どっちだよ」
「とりあえず・・・頑張って?」
「・・・それしかねぇよな」
一番心地よい場所が、ここにある。
それに、引率は相澤先生だから、どうにかしてくれるだろう。
そう、引率は相澤先生だと思っていた。だが、爆豪と轟の目の前にはオールマイトとプレゼント・マイクがいる。
「遅せーーよ、バッボーイズ!」
「今日の引率は、私たちが行くよ」
「イレイザーは昨日の事件絡みで学校をあける事が多くなりそうなんだと」
「どういうことですか」
轟が首をかしげる。プレゼント・マイクが言うには、救出した子の"個性"に関して相澤先生の力がいるらしく、
代理としてオールマイトになったが、警護としてプレゼント・マイクも付き添いになったとか。
ヴィラン連合の動きも考慮しての措置らしい。
「遅刻厳禁。さァ、バスにお乗り」
(・・・・・・オールマイトか・・・)
轟としては、誰もいなかったらため息をつきたい。
(面倒くせェ事になりそうだ・・・)
(ホークスに誉められたのは素直に嬉しい。それと、ちょっとトキメイてしまったのは秘密)
いまある必殺技を確認すると、自由自在に操れるようになりつつある桜吹雪。
その桜吹雪を応用し、一つは人の気配を感じ取れる捜索向けの時。
一つ、攻撃としての威力は不十分だが、目眩ましのように欺くこと。
一つ、現在常闇と改良中で空を飛べるように。そして幹の方。腕を幹に変換すれば伸ばせる限度は自由。
攻撃高い幹の方で敵を拘束したり、動きを封じられる。葉っぱは身を守ったり足場になったり。
轟のように"個性"が2つあるわけじゃない。通形のように、一つ一つの"個性"を応用した技だ。
(飛ぶのはいま練習中で、それぞれ葉っぱと桜を同時発動しないとだから集中力がヤバいんだよね。でも・・・)
ホークスについていくのには、飛べなくちゃ意味がないような気もするし、
常闇にも負けてるようで悔しいから。必ずものにしてやりたい。
授業が終わり、戻った髪の毛の長さを八百万に染めてもらう。
「今日でなんかごめんね・・・」
「約束したじゃありませんか。それに何かをしてる方が気分が落ち着きますし」
「ヤオモモの黒い長い髪の毛、綺麗だからいいよね・・・」
「急にどうしました?」
「ん?ほら、私も黒だけど決してそんなことないし・・・」
「登坂さんは、技事態が髪の毛を使うんですもの。仕方ありませんわ。それでも立派な"個性"かと」
「そう、かな・・・」
「ええ。さぁ、これで流してみてどうでしょう?」
「うん!」
綺麗に染めてくれた八百万の腕の良さに満足する。
「ありがとうヤオモモ!」
この髪の毛の色に慣れた頃・・・。
「帰ってきたァァア!!奴らが帰ってきたァ!!」
峰田の声に振り向くと、そこには緑谷、切島、麗日、蛙吹の姿があった。
「みんな!」
「大丈夫だったかよォ!?ニュース見たぞ、おい!!」
「大変だったな!」
「おまえら、毎度凄ぇことになって帰ってくる。怖いよいいかげん!」
「お茶子ちゃん、梅雨ちゃん~!!」
葉隠がぎゅうっと、二人を抱き締める。
ガヤガヤ騒ぐなか、飯田が騒ぐクラスメートと緑谷たちの間に割り込む。
「皆、心配だったのはわかるが!!落ち着こう!!報道で見たろう。
あれだけの事があったんだ。級友であるなら、彼らの心を労り、
静かに休ませてあげるべきだ。身体だけでなく・・・心も磨り減ってしまっただろうから・・・」
「飯田くん、飯田くん」
飯田に指摘され、落ち込むクラスメートの心境を見てくれたのか、緑谷が言った。
「ありがとう。でも・・・大丈夫」
何か言いたげな飯田。
「じゃあ、いいかい。とっっっっっても心配だったんだぞ、もう。俺はもう、君たちがもう」
「おめーがいっちゃん激しい」
冷静に瀬呂が突っ込む。
「ラベンダーのハーブティーをお淹れしますわ!心が安らぎますの!」
「ヤオモモ、手伝うよ!」
髪の毛を染めてくれたお礼に。
キッチンに向かってても、皆の賑やかな声が響く。
「おーい、かっちゃん」
一人ソファで浮いてる爆豪に、上鳴がよりかかる。
「何をフテクされてんだ。心配だったから、ここにいんだろ!?なァ!?素直になれよ!」
「寝る」
「えー早くね!?老人かよ!!」
「一言くらいかけたら?」
気遣いに尾白が言う。
「てめーらと違ってヒマじゃねンだ」
「緑谷、麗日、切島、蛙吹。わりィが俺も」
そう名乗り出たのは轟だ。
「えー、早くね!?老人かよ!!」
お盆の上にティーカップをのせて歌恋と八百万が戻る。
「あれ?爆豪くんと焦凍くんは?」
二人の姿が見えなく、蛙吹に聞く。
「二人ならさっき部屋に戻ったわ。ありがとう」
ティーカップを受け取りながら答えてくれた。
「そっか。明日講習か」
「それにしても早くない?」
耳郞が首をかしげる。
「確かに・・・」
爆豪はともかく、轟まで声かけないで部屋に戻ってしまうのは珍しい。
どうしたのだろうと、やけに不安になってしまうけど。まだ時計を見れば20時半を回ったばかりだ。
「!」
ポケットに入れていたスマホが鳴っている。
「ちょっと、部屋に行くね」
「ん?」
耳郞にそう嘘をついてしまった。下手に心配させたくもなかったから。
「・・・・・・・」
外に出ると、玄関前でしゃがみこんでいる轟の姿が目に入る。
「焦凍くん?」
背中に向けて名前を呼ぶと、轟の肩がビクッと揺れた。
「歌恋・・・」
「なにかあった?」
「・・・いや、親父から電話あったから出てみたんだ。そしたら、明日の講習来るって」
「・・・何だかんだあるけど、やっぱりエンデヴァーもお父さんとして焦凍くんが心配なんだよ」
「アイツは、度が過ぎる。来られても迷惑だ」
「う~ん、まぁ・・・体育祭の時も目立ってたもんね」
「・・・最悪だ・・・」
「・・・・・・」
正直、こんなに落ち込む轟を見るのははじめてだ。家族絡みのことでどうこう言ってあげられないけど。
周囲から見ればエンデヴァーは、ただただ親バカにしか見えないとこがあるが。
《最高傑作》としてしかみられていない子供時代を送った彼の心境も、
話してくれてるいまだからわかることで。
自分が落ち込んだ時に、いつも轟がやってくれてるようにしてみた。
「!」
恥ずかしいけど、いまは誰もいない。それに、自分を呼んでくれたのは必要としてくれてるから。
「歌恋・・・」
前から抱き締め、歌恋は右手で轟の頭を撫でる。
「大丈夫だよ(はじめて触った・・・髪の毛、サラサラだぁ)」
いつも冷静沈着な轟が、こうやって嫌々駄々を捏ねる姿も初めてみる。
いや、その前にもあった気もしなくはないけど。
「う~ん、大丈夫って言っても大丈夫じゃないのはなんとなくわかるけど」
体育祭でも息子の名前を堂々叫んでたし。あれはあれで恥ずかしいよね。
「どっちだよ」
「とりあえず・・・頑張って?」
「・・・それしかねぇよな」
一番心地よい場所が、ここにある。
それに、引率は相澤先生だから、どうにかしてくれるだろう。
そう、引率は相澤先生だと思っていた。だが、爆豪と轟の目の前にはオールマイトとプレゼント・マイクがいる。
「遅せーーよ、バッボーイズ!」
「今日の引率は、私たちが行くよ」
「イレイザーは昨日の事件絡みで学校をあける事が多くなりそうなんだと」
「どういうことですか」
轟が首をかしげる。プレゼント・マイクが言うには、救出した子の"個性"に関して相澤先生の力がいるらしく、
代理としてオールマイトになったが、警護としてプレゼント・マイクも付き添いになったとか。
ヴィラン連合の動きも考慮しての措置らしい。
「遅刻厳禁。さァ、バスにお乗り」
(・・・・・・オールマイトか・・・)
轟としては、誰もいなかったらため息をつきたい。
(面倒くせェ事になりそうだ・・・)