第十三話 立場
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「ただいまー」
「おかえりー、歌恋」
女子専用の談話室で、耳郞が出迎えてくれる。
「みんなは?」
「まだ麗日たちは帰ってないよ。いまヤオモモが新しく紅茶用意してくれてるところ。
歌恋からLINEもらって、ウチが出るからいいよって。皆は共有スペース」
「響香ちゃん大好き」
ガシッと、歌恋が抱き付く。
「轟が拗ねるよ」
「大丈夫大丈夫」
「常闇は?」
「常闇くんはちょっと帰り遅くなるかも」
「え、歌恋一人で帰ってきたの!?」
「んー。でもほら、何事もなかったし。それに、仮免ぶら下げてきたから」
「気をつけなよ」
「ありがとう」
「登坂さん、おかえりなさい」
「ヤオモモ!」
「カモミールはお飲みになれますか?グッスリ休められるようにと」
「いただきます!響香ちゃん、外出許可って、相澤先生がいなかったら他の先生でもいいと思う?」
「外出許可?」
「そう。染める用にまとめて買っておこうかなとおもって」
桜吹雪は少ない量でのやり方で見直ししてるのもあるから、以前のような一回で終わりにはしないようしているが。
「登坂さん、それなら相澤先生がいらっしゃらない期間は、わたくしがお手伝い致しますわ」
「ホント!?」
「ええ、もちろんですわ。自分ので染めたことないのですが・・・」
「ううん、自分で自分のを染めるよりは他の人にやってもらった方がいいし!ありがとう、ヤオモモ!」
もう少し長さが欲しいので、もう1日くらいの有余をみてもらってから。
共有スペースに行けば轟の姿を見つける。
「歌恋!」
「わっ!?」
轟より先に抱きついてきたのは芦戸だ。
「三奈ちゃん!」
「・・・・・・・」
部屋に入ったのに気付くのに、一歩遅かった。芦戸の一声に、歌恋の周りに人が集まる。
無事に戻ってくれて安堵する。本当はすぐに引き寄せたいが、皆の手前そう出来ない。少し、距離を取る。
「登坂」
「常闇くん!今ついたの?」
「あぁ、今しがた」
普段皆と一緒にいない爆豪は、テレビから目を反らす気配はない。
【犯人護送中の衝撃事件という前代未聞の失態。重要証拠品の紛失も確認されており、警察への批判が高まっています】
詳しく説明すると・・・。
インターン行きの、公欠四人が関わった一大事件、それはヤクザである八斎會から、一人の少女を救うこと。
その一連が、いまニュースで話題になっている。八斎會が裏の取引で行っていた、
"個性"を消してしまう薬。その薬の原料となっていたのがエリと呼ばれる少女の血だとか。
少女の"個性"を研究の材料とし、裏取引で売買されていたというその薬を、
瀕死状態の治崎と呼ばれる者から警察は集めることが出来ず、ヴィラン連合の邪魔が入り、その薬を奪われてしまったとか。
結果的に、平日の朝ということもあり、被害を確認すれば家屋東海道4棟、
軽傷者3名、いずれもかすり傷程度ですんだらしいとか。
ヒーロー側は重傷者複数。その中には自分達がよく知る切島や、天喰、通形といった先輩達も入院中らしい。
「これって・・・」
「・・・緑谷と昼飯食べてる時、何があるかは言えないとは言ってたが・・・」
ボソッと言う聞きなれな声に振り向けば、轟がいる。
「おかえり」
「ただいま」
八百万が誰かと電話しているようだ。
「蛙吹さんからの連絡で、明日にはこちらに戻れるようですが、いつ学校の方へ来れるかはわからないみたいです。
ですが、皆さんの傷はリカバリーガール先生に治して頂けたようなので、命に別状はないとのことですわ」
「皆、一緒に帰って来れるんだね!?」
芦戸が不安な顔で、八百万に詰め寄る。
「えぇ。ですから私達は普段通りに皆さんを迎えましょう」
ヒーローというものがどんな者なのか、改めて考えさせられる事件だ。
神野事件から活性化するヴィラン連合の動き。日常茶飯事に発生する、
窃盗とかはまだまだ小さい事件なのだろう。いや、事件に大きいも小さいもないのはわかるけど。
ホークスが口癖のように言っていたヒーローが暇をもて余すようにって。
おふざけで言ってるもんだとおもってたけど、プロヒーローだからこそ、
そういった気持ちがより一層強くなるものなのかなとも思う。
歌恋自身、ヴィラン連合に捕まり彼らの、死柄木がいっていたことをほんの少し思い出す。
だからといって、ヴィラン連合のやり方が正しいとも思えないし、
ヒーローの在り方も本当にこれでいいのか、正しいことなのかわからないけれど。
どうすれば事件をなくせるのだろう。どうすれば犯罪をなくせるのだろう。
どうすれば皆幸せで平等にいられるようになるのだろう。
皆と離れて、夜風に当たる。
「冷えねぇか?」
聞き慣れた、優しい声。
「うん、大丈夫・・・いまはちょうどいいよ」
歌恋の短くなった髪の毛に、衝動を抑えきれなくなった自分の気持ちのまま彼女を抱き締める。
「焦凍」
「スゲー心配したんだ。いや・・・俺の身勝手な気持ち、授業受けてる時も歌恋の姿なくて」
なんでいま、あの時のことを思い出してしまうのかわからない。
「・・・神野事件の時さ、死柄木が言ったんだよね。俺たちの仲間にならねぇかって」
「っ・・・!」
轟の目が見開く。
「もちろん、それは爆豪くんと一緒に拒否したよ?したからああなったワケで・・・。
でも、ふと思っちゃったんだよね。ヴィラン連合とヒーローって何が違うのかなって」
いま自分が選んでる道も正しいのかさえ、わからなくなる。
「・・・それは、ヒーローは、困ってる人を助けることじゃねぇのか?
敵は自分の思うままに他人を困らせて、ただ壊すだけだと思うけどな。
仮にもいま俺は、歌恋が何かを壊す奴らの方に行かなくてよかったと思ってる」
「・・・そっか・・・私も、焦凍に出会えてよかった」
部屋に戻ろうとした時に、振り返ると窓の向こうにはニヤニヤしながらこちらをみる、
峰田、上鳴、瀬呂、芦戸、葉隠と、いつもの茶化しメンバーがいるのがみえた。
「みんなぁーー!!!」
「あー、もう!歌恋は羨ましいな!」
「なぁなぁ、俺らもさ歌恋って呼んでいい!?」
「・・・それはダメだ」
「轟からのお許しはでねーよな」
「こんにゃろぉ・・・!!」
「みんなあまり茶化さないで~」
「何言ってんのさ、歌恋ちゃん!幸せを私らに半分おくれ」
もうこんなんだと、隠してる・・・いや、照れてるのがバカらしくなってくるな、と。
今日、予定では皆が帰ってくる。詳しい時間までは分からないがなんだか久しぶりだ。
まぁ、学生であるぶん、勉強は毎日あるのだが。二学期になってからやはり詰め込む量も半端ない。
英語も数学も、両方先生が先生なだけあり、難題だ。
(別に、インターン行くから事件に巻き込まれるとかはないけど)
う~ん、よくわからない。本来インターンの参加は二年からが基本らしいから。
「おかえりー、歌恋」
女子専用の談話室で、耳郞が出迎えてくれる。
「みんなは?」
「まだ麗日たちは帰ってないよ。いまヤオモモが新しく紅茶用意してくれてるところ。
歌恋からLINEもらって、ウチが出るからいいよって。皆は共有スペース」
「響香ちゃん大好き」
ガシッと、歌恋が抱き付く。
「轟が拗ねるよ」
「大丈夫大丈夫」
「常闇は?」
「常闇くんはちょっと帰り遅くなるかも」
「え、歌恋一人で帰ってきたの!?」
「んー。でもほら、何事もなかったし。それに、仮免ぶら下げてきたから」
「気をつけなよ」
「ありがとう」
「登坂さん、おかえりなさい」
「ヤオモモ!」
「カモミールはお飲みになれますか?グッスリ休められるようにと」
「いただきます!響香ちゃん、外出許可って、相澤先生がいなかったら他の先生でもいいと思う?」
「外出許可?」
「そう。染める用にまとめて買っておこうかなとおもって」
桜吹雪は少ない量でのやり方で見直ししてるのもあるから、以前のような一回で終わりにはしないようしているが。
「登坂さん、それなら相澤先生がいらっしゃらない期間は、わたくしがお手伝い致しますわ」
「ホント!?」
「ええ、もちろんですわ。自分ので染めたことないのですが・・・」
「ううん、自分で自分のを染めるよりは他の人にやってもらった方がいいし!ありがとう、ヤオモモ!」
もう少し長さが欲しいので、もう1日くらいの有余をみてもらってから。
共有スペースに行けば轟の姿を見つける。
「歌恋!」
「わっ!?」
轟より先に抱きついてきたのは芦戸だ。
「三奈ちゃん!」
「・・・・・・・」
部屋に入ったのに気付くのに、一歩遅かった。芦戸の一声に、歌恋の周りに人が集まる。
無事に戻ってくれて安堵する。本当はすぐに引き寄せたいが、皆の手前そう出来ない。少し、距離を取る。
「登坂」
「常闇くん!今ついたの?」
「あぁ、今しがた」
普段皆と一緒にいない爆豪は、テレビから目を反らす気配はない。
【犯人護送中の衝撃事件という前代未聞の失態。重要証拠品の紛失も確認されており、警察への批判が高まっています】
詳しく説明すると・・・。
インターン行きの、公欠四人が関わった一大事件、それはヤクザである八斎會から、一人の少女を救うこと。
その一連が、いまニュースで話題になっている。八斎會が裏の取引で行っていた、
"個性"を消してしまう薬。その薬の原料となっていたのがエリと呼ばれる少女の血だとか。
少女の"個性"を研究の材料とし、裏取引で売買されていたというその薬を、
瀕死状態の治崎と呼ばれる者から警察は集めることが出来ず、ヴィラン連合の邪魔が入り、その薬を奪われてしまったとか。
結果的に、平日の朝ということもあり、被害を確認すれば家屋東海道4棟、
軽傷者3名、いずれもかすり傷程度ですんだらしいとか。
ヒーロー側は重傷者複数。その中には自分達がよく知る切島や、天喰、通形といった先輩達も入院中らしい。
「これって・・・」
「・・・緑谷と昼飯食べてる時、何があるかは言えないとは言ってたが・・・」
ボソッと言う聞きなれな声に振り向けば、轟がいる。
「おかえり」
「ただいま」
八百万が誰かと電話しているようだ。
「蛙吹さんからの連絡で、明日にはこちらに戻れるようですが、いつ学校の方へ来れるかはわからないみたいです。
ですが、皆さんの傷はリカバリーガール先生に治して頂けたようなので、命に別状はないとのことですわ」
「皆、一緒に帰って来れるんだね!?」
芦戸が不安な顔で、八百万に詰め寄る。
「えぇ。ですから私達は普段通りに皆さんを迎えましょう」
ヒーローというものがどんな者なのか、改めて考えさせられる事件だ。
神野事件から活性化するヴィラン連合の動き。日常茶飯事に発生する、
窃盗とかはまだまだ小さい事件なのだろう。いや、事件に大きいも小さいもないのはわかるけど。
ホークスが口癖のように言っていたヒーローが暇をもて余すようにって。
おふざけで言ってるもんだとおもってたけど、プロヒーローだからこそ、
そういった気持ちがより一層強くなるものなのかなとも思う。
歌恋自身、ヴィラン連合に捕まり彼らの、死柄木がいっていたことをほんの少し思い出す。
だからといって、ヴィラン連合のやり方が正しいとも思えないし、
ヒーローの在り方も本当にこれでいいのか、正しいことなのかわからないけれど。
どうすれば事件をなくせるのだろう。どうすれば犯罪をなくせるのだろう。
どうすれば皆幸せで平等にいられるようになるのだろう。
皆と離れて、夜風に当たる。
「冷えねぇか?」
聞き慣れた、優しい声。
「うん、大丈夫・・・いまはちょうどいいよ」
歌恋の短くなった髪の毛に、衝動を抑えきれなくなった自分の気持ちのまま彼女を抱き締める。
「焦凍」
「スゲー心配したんだ。いや・・・俺の身勝手な気持ち、授業受けてる時も歌恋の姿なくて」
なんでいま、あの時のことを思い出してしまうのかわからない。
「・・・神野事件の時さ、死柄木が言ったんだよね。俺たちの仲間にならねぇかって」
「っ・・・!」
轟の目が見開く。
「もちろん、それは爆豪くんと一緒に拒否したよ?したからああなったワケで・・・。
でも、ふと思っちゃったんだよね。ヴィラン連合とヒーローって何が違うのかなって」
いま自分が選んでる道も正しいのかさえ、わからなくなる。
「・・・それは、ヒーローは、困ってる人を助けることじゃねぇのか?
敵は自分の思うままに他人を困らせて、ただ壊すだけだと思うけどな。
仮にもいま俺は、歌恋が何かを壊す奴らの方に行かなくてよかったと思ってる」
「・・・そっか・・・私も、焦凍に出会えてよかった」
部屋に戻ろうとした時に、振り返ると窓の向こうにはニヤニヤしながらこちらをみる、
峰田、上鳴、瀬呂、芦戸、葉隠と、いつもの茶化しメンバーがいるのがみえた。
「みんなぁーー!!!」
「あー、もう!歌恋は羨ましいな!」
「なぁなぁ、俺らもさ歌恋って呼んでいい!?」
「・・・それはダメだ」
「轟からのお許しはでねーよな」
「こんにゃろぉ・・・!!」
「みんなあまり茶化さないで~」
「何言ってんのさ、歌恋ちゃん!幸せを私らに半分おくれ」
もうこんなんだと、隠してる・・・いや、照れてるのがバカらしくなってくるな、と。
今日、予定では皆が帰ってくる。詳しい時間までは分からないがなんだか久しぶりだ。
まぁ、学生であるぶん、勉強は毎日あるのだが。二学期になってからやはり詰め込む量も半端ない。
英語も数学も、両方先生が先生なだけあり、難題だ。
(別に、インターン行くから事件に巻き込まれるとかはないけど)
う~ん、よくわからない。本来インターンの参加は二年からが基本らしいから。