第十二話 二学期
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通形の説明を、誰もが遮ることなく聞き入れていく。
彼の"個性"の特徴。それは発動中、肺が酸素を取り込めないこと。吸っても透過してしまうらしい。
同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜け、何も感じることができない。
ただただ質量を持ったまま、落下の感覚だけがある・・・ということらしい。
壁一つ抜けるにしても、片足以外発動、もう片足の方を解除して接地。
そして残った足を発動させすり抜け。簡単な動きにもいくつか工程がいる。
(急いでいる時とか、難しいそうな"個性")
自分の桜の"個性"がいかに単純かが伺える。
「案の定俺は遅れた!!ビリっけつまであっという間に落っこちた。服も落ちた。
この"個性"で上を行くには、遅れだけはとっちゃダメだった!予測!周囲よりも早く!
時に欺く!何より「予測」が必要だった!そしてその予測を可能にするのは経験!
経験則から予測を立てる。長くなったけど、コレが手合わせの理由!
言葉よりも"経験"で伝えたかった。インターンにおいて我々は「お客」ではなく一人のサイドキック!
プロとして扱われるんだよね!それはとても恐ろしいよ。時には人の死にも立ち合う・・・!
けれど恐い思いも辛い思いも全てが、学校じゃ手に入らない一線級の"経験"。
俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!
恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!」
話し方もプロ並み。自分も、あと2年で努力次第でこんなに変われるものかと希望がさす。
危ないことはさせなかった職場体験とは違い、一人のサイドキックとしてみられるなら。
意気込む1―A組の面々だったが。
「1年生のヒーローインターンですが、昨日協議した結果校長を始め多くの先生が、
「やめとけ」という意見でした」
翌日、相澤先生の言葉にショックを受ける。
「マジか・・・(やりたかったなぁ・・・)」→歌恋
「あんな説明会までして!」→切島
「でも、全寮制になった経緯から考えたらそうなるか・・・」→上鳴
「ざまァ!!」
本日から爆豪も授業に参加である。
「参加できないからって」
前の席の葉隠の肩が、やれやれと横に振っている。
「が、今の保護下方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、
方針として「インターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可する」
と、いう結論に至りました」
「クソが!!」
(爆豪くん、感情激しいなぁ)
「登坂」
その日の夕方頃、常闇が声をかけてきた。
「この間インターンの話をし、ホークスに聞いてみたんだが」
「!」
「『連れてきていいよ』と言われた」
「常闇くん!ありがとう!」
彼の両肩を掴み、喜ぶ歌恋に、後ろの轟は面白くない。
「・・・だが、やはり本当にホークスの元でいいのか?」
本日の授業が終わって早急に聞いたもんだが、歌恋の後ろの轟の視線が妙に常闇には痛い。
「職場体験の時俺は後を追うので精一杯だった。それに、選んだ理由など単純だぞ?」
「それでも常闇くんは、またホークスの所を選んだんでしょ?」
「・・・!あぁ」
"個性"を伸ばし、必殺技を作り出すのは何もあれっきり終わった訳じゃない。
日々の特訓は、欠かさずやっている。
「ホークスが、本当に常闇くんを選んだ理由と私を連れてきていいって言ってくれた理由が一緒でも、
通形先輩が言っていた一人のサイドキックと見られなくても、"経験"ありきだとも言ってたしさ!
私は今、自分の"個性"をもっと強くしたい。憧れのシンリンカムイに逢って幹の方はバリエーション増えた。
次は、ホークスが羽を操るように、もっと桜を操れるようにして、バリエーション増やしたい。
向こうが私達をどう見てどう使おうが構わない。だったら私達も逆に、盗めるもんは盗む!」
歌恋の力説に目をパチクリさせる常闇。
「なる・・・ほど・・・。さっそく週末は九州の方に赴くことになるが・・・。ホークスは飛ぶぞ?」
「ドーンと来いよ!」
「・・・だ、そうだが・・・」
轟に顔を向ける常闇。歌恋も一緒に、轟を見る。彼は深いため息を一つ。
「・・・勝手にしろ(止める権利はねぇし)」
「焦凍くんは週末補習だから」
「仮免"補講"だ」
思えば、いくらA組で強い"個性"と言われても、歌恋も期末試験で補習を喰らってる。
ここはお互い様だろう。いや、ここにきて、轟よりも一歩進めてる事が嬉しいのは自分の中の秘密だ。
なんだかんだでやってきた週末。
轟以外のクラスの男の子と遠出するなんて初めてだ。いや、遠出事態初めてだ。
「私、九州初めてだ・・・」
「登坂、こっちだ」
「あ、うん!」
いけない、離れたら事務所が分からない。今回、ホークスは迎えにこれないらしい。
「ありゃ、もうこんな時間だった?」
「「!!」」
頭上から声がした方を見れば、そこにはホークスがいる。
「「ホークス!」」
「パトロールのついで。ようこそ、お二人さん。ツクヨミは久しぶりだね。キルシュは初めまして」
「(わっ・・・)は、初めまして・・・」
「女の子がホント、来てくれるなんて嬉しいな。事務所、むさ苦しい男連中多いけど」
「だ・・・大丈夫です・・・!」
飛んでたホークスは、二人の前におりたってくれる。
「ふーん・・・」
常闇のことはもう会ってるからそれほど珍しいものはないだろうが、歌恋には興味津々に見てきた。
「え、えっと・・・?」
歌恋は照れ隠しにキョロキョロ視線を泳がす。
「ホークス、今回我々の承諾、ありがとうございます」
「いいよ、ツクヨミ。堅苦しいのなしね」
彼の"個性"の特徴。それは発動中、肺が酸素を取り込めないこと。吸っても透過してしまうらしい。
同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜け、何も感じることができない。
ただただ質量を持ったまま、落下の感覚だけがある・・・ということらしい。
壁一つ抜けるにしても、片足以外発動、もう片足の方を解除して接地。
そして残った足を発動させすり抜け。簡単な動きにもいくつか工程がいる。
(急いでいる時とか、難しいそうな"個性")
自分の桜の"個性"がいかに単純かが伺える。
「案の定俺は遅れた!!ビリっけつまであっという間に落っこちた。服も落ちた。
この"個性"で上を行くには、遅れだけはとっちゃダメだった!予測!周囲よりも早く!
時に欺く!何より「予測」が必要だった!そしてその予測を可能にするのは経験!
経験則から予測を立てる。長くなったけど、コレが手合わせの理由!
言葉よりも"経験"で伝えたかった。インターンにおいて我々は「お客」ではなく一人のサイドキック!
プロとして扱われるんだよね!それはとても恐ろしいよ。時には人の死にも立ち合う・・・!
けれど恐い思いも辛い思いも全てが、学校じゃ手に入らない一線級の"経験"。
俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!
恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!」
話し方もプロ並み。自分も、あと2年で努力次第でこんなに変われるものかと希望がさす。
危ないことはさせなかった職場体験とは違い、一人のサイドキックとしてみられるなら。
意気込む1―A組の面々だったが。
「1年生のヒーローインターンですが、昨日協議した結果校長を始め多くの先生が、
「やめとけ」という意見でした」
翌日、相澤先生の言葉にショックを受ける。
「マジか・・・(やりたかったなぁ・・・)」→歌恋
「あんな説明会までして!」→切島
「でも、全寮制になった経緯から考えたらそうなるか・・・」→上鳴
「ざまァ!!」
本日から爆豪も授業に参加である。
「参加できないからって」
前の席の葉隠の肩が、やれやれと横に振っている。
「が、今の保護下方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、
方針として「インターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可する」
と、いう結論に至りました」
「クソが!!」
(爆豪くん、感情激しいなぁ)
「登坂」
その日の夕方頃、常闇が声をかけてきた。
「この間インターンの話をし、ホークスに聞いてみたんだが」
「!」
「『連れてきていいよ』と言われた」
「常闇くん!ありがとう!」
彼の両肩を掴み、喜ぶ歌恋に、後ろの轟は面白くない。
「・・・だが、やはり本当にホークスの元でいいのか?」
本日の授業が終わって早急に聞いたもんだが、歌恋の後ろの轟の視線が妙に常闇には痛い。
「職場体験の時俺は後を追うので精一杯だった。それに、選んだ理由など単純だぞ?」
「それでも常闇くんは、またホークスの所を選んだんでしょ?」
「・・・!あぁ」
"個性"を伸ばし、必殺技を作り出すのは何もあれっきり終わった訳じゃない。
日々の特訓は、欠かさずやっている。
「ホークスが、本当に常闇くんを選んだ理由と私を連れてきていいって言ってくれた理由が一緒でも、
通形先輩が言っていた一人のサイドキックと見られなくても、"経験"ありきだとも言ってたしさ!
私は今、自分の"個性"をもっと強くしたい。憧れのシンリンカムイに逢って幹の方はバリエーション増えた。
次は、ホークスが羽を操るように、もっと桜を操れるようにして、バリエーション増やしたい。
向こうが私達をどう見てどう使おうが構わない。だったら私達も逆に、盗めるもんは盗む!」
歌恋の力説に目をパチクリさせる常闇。
「なる・・・ほど・・・。さっそく週末は九州の方に赴くことになるが・・・。ホークスは飛ぶぞ?」
「ドーンと来いよ!」
「・・・だ、そうだが・・・」
轟に顔を向ける常闇。歌恋も一緒に、轟を見る。彼は深いため息を一つ。
「・・・勝手にしろ(止める権利はねぇし)」
「焦凍くんは週末補習だから」
「仮免"補講"だ」
思えば、いくらA組で強い"個性"と言われても、歌恋も期末試験で補習を喰らってる。
ここはお互い様だろう。いや、ここにきて、轟よりも一歩進めてる事が嬉しいのは自分の中の秘密だ。
なんだかんだでやってきた週末。
轟以外のクラスの男の子と遠出するなんて初めてだ。いや、遠出事態初めてだ。
「私、九州初めてだ・・・」
「登坂、こっちだ」
「あ、うん!」
いけない、離れたら事務所が分からない。今回、ホークスは迎えにこれないらしい。
「ありゃ、もうこんな時間だった?」
「「!!」」
頭上から声がした方を見れば、そこにはホークスがいる。
「「ホークス!」」
「パトロールのついで。ようこそ、お二人さん。ツクヨミは久しぶりだね。キルシュは初めまして」
「(わっ・・・)は、初めまして・・・」
「女の子がホント、来てくれるなんて嬉しいな。事務所、むさ苦しい男連中多いけど」
「だ・・・大丈夫です・・・!」
飛んでたホークスは、二人の前におりたってくれる。
「ふーん・・・」
常闇のことはもう会ってるからそれほど珍しいものはないだろうが、歌恋には興味津々に見てきた。
「え、えっと・・・?」
歌恋は照れ隠しにキョロキョロ視線を泳がす。
「ホークス、今回我々の承諾、ありがとうございます」
「いいよ、ツクヨミ。堅苦しいのなしね」