第十二話 二学期
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
1―A組に戻り、相澤先生が言う。
「じゃあまァ・・・今日からまた通常通り授業を続けていく。かつてない程に色々あったがうまく切り換えて、
学生の本分を全うするように。今日は座学のみだが、後期はより厳しい訓練になっていくからな。
何だ、芦戸?」
急に話を振るう相澤先生に、芦戸じゃなくとも何故か歌恋もビクッとしてしまった。
「ヒッ!久々の感覚!」
(三奈ちゃん・・・)
「ごめんなさい、いいかしら先生」
芦戸の後ろにいる蛙吹が手をあげる。
「さっき始業式でお話に出てた"ヒーローインターン"ってどういうものか聞かせてもらえないかしら」
「そういや、校長が何か言ってたな」
「俺も気になってた」
前の瀬呂と常闇の話が歌恋に聞こえ、彼女も轟の方に顔を向ける。
「皆、気になってたのは一緒だったんだね」
「そうだな」
別に聞かれて悪い会話でもないため、気に止めない。今度八百万が手をあげる。
「先輩方の多くが取り組んでらっしゃるとか・・・」
「それについては後日やるつもりだったが・・・そうだな、先に言っておく方が合理的か・・・。
平たく言うと"校外でのヒーロー活動"。以前行ったプロヒーローの下での職場体験・・・その本格版だ。
ヒーローインターンは、体育祭で得たスカウトをコネクションとして使うんだ。
これは授業の一環ではなく、生徒の任意で行う活動だ。むしろ体育祭で指名を頂けなかった者は、
活動自体難しい。元々は各事務所が募集する形だったが、雄英生徒引き入れの為にイザコザが多発し、
このような形になった。仮免を取得したことでより本格的・長期的に活動へ加担できる。
ただ、1年生での仮免取得はあまり例がないこと。ヴィランの活性化も相まって、
おまえらの参加は慎重に考えてるのが現状だ。まァ、体験談なども含め、
後日ちゃんとした説明と、今後の方針を話す。こっちも都合があるんでな。
じゃ・・・待たせて悪かったな、マイク」
「一限は、英語だーー!!すなわち、俺の時間!!久々登場、俺の壇上待ったかブラ!!
今日は詰めていくぜー!!アガってけー!!イエァァ!!」
「「はーい」」
夕方。
「んっんー・・・このホコリは何です、爆豪くん?」
峰田に言われ、いつもの如く怒鳴り散らす爆豪。
「そこデクだ、ザけんじゃねぇぞ。オイコラてめー、掃除もできねぇのか!!」
「わっ、ごめん。あ・・・皆部屋のゴミ、ドアの前に出しといてまとめます」
緑谷の前で、皆それぞれ授業の話やインターンの話をし。
(たった一日で、すごい置いてかれてる感・・・!!)
「と、いう顔だね。謹慎くん!」
「キンシンくんはひどいや。あの飯田くん、インターンって何?」
「俺は怒っているんだよ!授業内容等、伝達は先生から禁じられた!
悪いが二人とも、その感をとくと味わっていただくぞ!聞いてるか、爆豪くん!」
「っるせんだよ、わかってらクソメガネ!」
「ムムッ・・・」
歌恋は皆がいる共有スペースにはいなく、轟の部屋にあがらせてもらっていた。
インターンが気にならないわけじゃない。だが、明らかに授業内容がさっぱり分からなくなっている。
ので、八百万に教わるのもいいが、やはりここは轟に押しかけてみた。
仮免以来二人の時間もないし、夜嵐とのあれからの話もちゃんとしてなかったしと思ったが、
夜嵐のことではもう気にしていないようで、これからの自分の行動あるのみと彼は話している。
「・・・焦凍くんの部屋って、やっぱり私達と違うよね」
「そうか?」
出会った頃のあの鋭かった目付きは今、轟にはない。
(あれはあれでカッコよかったんだけどなぁ)
なんて本人に言えば、怒らせるだけである。まぁ、丸くなった今の性格の方が話やすいからいいが。
久しぶりの普通の生活、ゆっくり過ごせる時間。
「何が分からねぇんだ?」
さっそく教科書を開いてのマンツーマンの勉強会が始まる。
やはり彼は頭が良く、自分の不甲斐なさにため息が出てしまう。
「雄英、やっぱ学力のレベル高いよね・・・」
「まぁ、普通の高校とも色々違うしな」
勉強会の目的で轟の部屋に乗り込んだが、やはり甘えたくなってしまうもの。
横にいる轟の左の、赤毛の見える方の肩に頭を乗せてみた。ビクッと、震える轟は、少し顔を向ける。
「歌恋」
少し驚いた声と、怒ってるような声。
「んー・・・焦凍くんの隣、何度も言うけどやっぱり落ち着くんだぁ」
「・・・・・・せめて右にしてくれ」
無意識に炎が出てしまえば危ない。
「大丈夫だよ、いまの焦凍くんなら。恐くない」
「そういう問題じゃない。俺は、いつも歌恋を守れない・・・いつも、人任せだ」
初めはUSJ。ヴィラン連合に拐われた時も。全部・・・全部。
「俺は、歌恋より弱い・・・夜嵐の言う通りだなって、アイツの気持ち分かる・・・」
自分が歌恋といるのが勿体ないって。強いアイツの方がふさわしいんじゃないかって。
「それは違うよ。ヒーロー目指してるってのに助けられてるばかりの私が悪いの。
焦凍くんは強いよ。ただ、仮免の時はその・・・申し訳なかったけど・・・。私だって、まだ強くなる。
一緒に、強くなるやり方は違うかもしれない。けど、まだまだこれからだよ!
誰にも心配されないほど、強くなりたい・・・!」
「ん、俺には心配させてくれ」
「え?」
轟が、自分の胸板の方に抱き止めてくれる。歌恋は、それが一番嬉しい。
自分が此処にいていいんだって、ちゃんと自分が存在していいんだって。
親と離れて暮らすいま、彼の温もりは一番大切になっていた。それに、今だけなら。
「ねぇ、焦凍・・・?」
「!」
緊張しながら、くんもなにもなくしっかり呼んでくれる名前。
「ヒーローインターン・・・もし、相澤先生の許可降りたら、私ホークスにお願いできないかって考えた」
名前のことで意識持ってかれそうになったが、その内容に我を止める。
「ホークス?そういえば、俺にも指名があったところだ」
「私も指名もらってたんだけど、職場体験の時はデステゴロさんの所に行ったんだけど・・・」
事務所はデステゴロのもの。すなわち、毎度毎度シンリンカムイに会えるわけもなく。
毎日のようにあった筋トレは、正直キツイ。
「エクトプラズム先生がね、桜を操る特訓の時に言ってたんだ。ホークスの羽みたいにって。
ホークスに会えば、いろいろ"個性"のヒントが貰えるかもしれないって思って。
常闇くんにもお願いしてみるけど」
「・・・仮免、早く俺も取らねぇとな(どんどん置いてかれちまう。だからって、行くなと否定は出来ない)
また・・・名前、呼んでくれるか・・・?」
「うん、焦凍」
ギュッと、抱き締める力を強くする。この関係が、いつまでも続けばいい。
「じゃあまァ・・・今日からまた通常通り授業を続けていく。かつてない程に色々あったがうまく切り換えて、
学生の本分を全うするように。今日は座学のみだが、後期はより厳しい訓練になっていくからな。
何だ、芦戸?」
急に話を振るう相澤先生に、芦戸じゃなくとも何故か歌恋もビクッとしてしまった。
「ヒッ!久々の感覚!」
(三奈ちゃん・・・)
「ごめんなさい、いいかしら先生」
芦戸の後ろにいる蛙吹が手をあげる。
「さっき始業式でお話に出てた"ヒーローインターン"ってどういうものか聞かせてもらえないかしら」
「そういや、校長が何か言ってたな」
「俺も気になってた」
前の瀬呂と常闇の話が歌恋に聞こえ、彼女も轟の方に顔を向ける。
「皆、気になってたのは一緒だったんだね」
「そうだな」
別に聞かれて悪い会話でもないため、気に止めない。今度八百万が手をあげる。
「先輩方の多くが取り組んでらっしゃるとか・・・」
「それについては後日やるつもりだったが・・・そうだな、先に言っておく方が合理的か・・・。
平たく言うと"校外でのヒーロー活動"。以前行ったプロヒーローの下での職場体験・・・その本格版だ。
ヒーローインターンは、体育祭で得たスカウトをコネクションとして使うんだ。
これは授業の一環ではなく、生徒の任意で行う活動だ。むしろ体育祭で指名を頂けなかった者は、
活動自体難しい。元々は各事務所が募集する形だったが、雄英生徒引き入れの為にイザコザが多発し、
このような形になった。仮免を取得したことでより本格的・長期的に活動へ加担できる。
ただ、1年生での仮免取得はあまり例がないこと。ヴィランの活性化も相まって、
おまえらの参加は慎重に考えてるのが現状だ。まァ、体験談なども含め、
後日ちゃんとした説明と、今後の方針を話す。こっちも都合があるんでな。
じゃ・・・待たせて悪かったな、マイク」
「一限は、英語だーー!!すなわち、俺の時間!!久々登場、俺の壇上待ったかブラ!!
今日は詰めていくぜー!!アガってけー!!イエァァ!!」
「「はーい」」
夕方。
「んっんー・・・このホコリは何です、爆豪くん?」
峰田に言われ、いつもの如く怒鳴り散らす爆豪。
「そこデクだ、ザけんじゃねぇぞ。オイコラてめー、掃除もできねぇのか!!」
「わっ、ごめん。あ・・・皆部屋のゴミ、ドアの前に出しといてまとめます」
緑谷の前で、皆それぞれ授業の話やインターンの話をし。
(たった一日で、すごい置いてかれてる感・・・!!)
「と、いう顔だね。謹慎くん!」
「キンシンくんはひどいや。あの飯田くん、インターンって何?」
「俺は怒っているんだよ!授業内容等、伝達は先生から禁じられた!
悪いが二人とも、その感をとくと味わっていただくぞ!聞いてるか、爆豪くん!」
「っるせんだよ、わかってらクソメガネ!」
「ムムッ・・・」
歌恋は皆がいる共有スペースにはいなく、轟の部屋にあがらせてもらっていた。
インターンが気にならないわけじゃない。だが、明らかに授業内容がさっぱり分からなくなっている。
ので、八百万に教わるのもいいが、やはりここは轟に押しかけてみた。
仮免以来二人の時間もないし、夜嵐とのあれからの話もちゃんとしてなかったしと思ったが、
夜嵐のことではもう気にしていないようで、これからの自分の行動あるのみと彼は話している。
「・・・焦凍くんの部屋って、やっぱり私達と違うよね」
「そうか?」
出会った頃のあの鋭かった目付きは今、轟にはない。
(あれはあれでカッコよかったんだけどなぁ)
なんて本人に言えば、怒らせるだけである。まぁ、丸くなった今の性格の方が話やすいからいいが。
久しぶりの普通の生活、ゆっくり過ごせる時間。
「何が分からねぇんだ?」
さっそく教科書を開いてのマンツーマンの勉強会が始まる。
やはり彼は頭が良く、自分の不甲斐なさにため息が出てしまう。
「雄英、やっぱ学力のレベル高いよね・・・」
「まぁ、普通の高校とも色々違うしな」
勉強会の目的で轟の部屋に乗り込んだが、やはり甘えたくなってしまうもの。
横にいる轟の左の、赤毛の見える方の肩に頭を乗せてみた。ビクッと、震える轟は、少し顔を向ける。
「歌恋」
少し驚いた声と、怒ってるような声。
「んー・・・焦凍くんの隣、何度も言うけどやっぱり落ち着くんだぁ」
「・・・・・・せめて右にしてくれ」
無意識に炎が出てしまえば危ない。
「大丈夫だよ、いまの焦凍くんなら。恐くない」
「そういう問題じゃない。俺は、いつも歌恋を守れない・・・いつも、人任せだ」
初めはUSJ。ヴィラン連合に拐われた時も。全部・・・全部。
「俺は、歌恋より弱い・・・夜嵐の言う通りだなって、アイツの気持ち分かる・・・」
自分が歌恋といるのが勿体ないって。強いアイツの方がふさわしいんじゃないかって。
「それは違うよ。ヒーロー目指してるってのに助けられてるばかりの私が悪いの。
焦凍くんは強いよ。ただ、仮免の時はその・・・申し訳なかったけど・・・。私だって、まだ強くなる。
一緒に、強くなるやり方は違うかもしれない。けど、まだまだこれからだよ!
誰にも心配されないほど、強くなりたい・・・!」
「ん、俺には心配させてくれ」
「え?」
轟が、自分の胸板の方に抱き止めてくれる。歌恋は、それが一番嬉しい。
自分が此処にいていいんだって、ちゃんと自分が存在していいんだって。
親と離れて暮らすいま、彼の温もりは一番大切になっていた。それに、今だけなら。
「ねぇ、焦凍・・・?」
「!」
緊張しながら、くんもなにもなくしっかり呼んでくれる名前。
「ヒーローインターン・・・もし、相澤先生の許可降りたら、私ホークスにお願いできないかって考えた」
名前のことで意識持ってかれそうになったが、その内容に我を止める。
「ホークス?そういえば、俺にも指名があったところだ」
「私も指名もらってたんだけど、職場体験の時はデステゴロさんの所に行ったんだけど・・・」
事務所はデステゴロのもの。すなわち、毎度毎度シンリンカムイに会えるわけもなく。
毎日のようにあった筋トレは、正直キツイ。
「エクトプラズム先生がね、桜を操る特訓の時に言ってたんだ。ホークスの羽みたいにって。
ホークスに会えば、いろいろ"個性"のヒントが貰えるかもしれないって思って。
常闇くんにもお願いしてみるけど」
「・・・仮免、早く俺も取らねぇとな(どんどん置いてかれちまう。だからって、行くなと否定は出来ない)
また・・・名前、呼んでくれるか・・・?」
「うん、焦凍」
ギュッと、抱き締める力を強くする。この関係が、いつまでも続けばいい。