第十二話 二学期
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翌朝、始業式。後半戦開始である。
「おはよー」
同じ階の麗日と廊下で遭遇。
「おはよう」
「ん?どうしたの、お茶子ちゃん」
一緒に行くだろうと思っていた麗日の足が止まっていることに気付き振り返る。
「ずっと・・・聞こうと思ってたんやけど・・・お互い気持ちが通じるって、どんなんかなーって・・・」
「は?」
「いや、歌恋ちゃんと二人になって話すん、今しかないと思ったら私・・・その・・・」
歌恋はあぁ、と思い出す。そういえば、麗日は芦戸らに誰か好きな人がいるのか聞かれていたなと。
「へぇ・・・お茶子ちゃん、もしかして・・・」
飯田のことは飯田くんと呼んでるし、やっぱりあだ名で呼んでる緑谷くんか。
「緑谷くん?」
ボンッと、麗日の丸くて可愛い顔が、リンゴの如く赤くなる。
「やっぱり・・・」
「あの、その、このことは!」
「皆には内緒?」
コクリと頷く麗日。
「で・・・さっきのどういう意味?」
なんでも麗日は、いまヒーローを目指して頑張ってる緑谷の邪魔をしたくなくて、
気持ちは自分の中にしまってるらしい。でも、ちゃんとお互いわかりあえてる轟と歌恋が羨ましいとか。
「おっはよー!二人とも!早く行かないと遅刻だぞ!?」
同じ階に、元気な芦戸がいるのを忘れていた。
「アハハ」
二人で顔を合わせて苦笑い。
「ケンカして、謹慎~~!?」
驚く葉隠の声が響き、何事かと皆が集まってる方にいけば、何やら昨晩緑谷と爆豪が殺りあったとか。
「馬鹿じゃん!!」
「馬鹿かよ」
「ナンセンス!」
皆から散々言われ、掃除機をかけながら爆豪は唸る。
「ぐぬぬ・・・」
「ええ、それ、仲直りしたの?」
心配した麗日が緑谷に聞いていた。
「仲直り・・・っていうものでも・・・うーん、言語化が難しい・・・」
「よく謹慎で済んだものだ・・・!!では、これからの始業式は君ら欠席だな!」
委員長である飯田は、カンカンに怒っている。
「爆豪、仮免の補習どうすんだ」
「うるせぇ・・・てめーには関係ねぇだろ」
「もー、心配して聞いてくれてるのにその言い方!」
「あぁ!?」
轟を隣にし、歌恋は爆豪と睨み合う。
「神野の時だって、そうだったけどさ・・・」
爆豪は絶対に、誰かに謝罪はしないな、と。
「ケッ」
「じゃー、掃除よろしくなー」
緑谷と爆豪を置いていき、他の者は学校に向かう。
「皆、いいか!?列は乱さずそれでいて迅速に!!グラウンドへ向かうんだ!!」
「いや、おめーが乱れてるよ」
「委員長のジレンマ!!」
「入学式出れやんかったから、今回も相澤先生何かするんかと思った」
「まー、4月とはあまりに事情が違うしね」
「聞いたよー、A組ィィ!」
聞きなれた嫌な声に、歌恋はゲッと、言葉が出た。それは苦手な物間がいるからである。
「二名!!そちら仮免落ちが二名も出たんだってぇえ!?」
「B組物間!相変わらず気が触れてやがる!」
上鳴と同じ意見の歌恋。
「さてはまた、オメーだけ落ちたな」
林間合宿の時を思い出したのか、切島が問いかけた。
「ハッハッハッハッ」
意味もなく笑ってからの、物間は大人しくなり背中を向ける。
「いやどっちだよ」
「こちとら、全員合格。水があいたね、A組」
「・・・・・・悪ィ・・・みんな・・・」
ずーんと落ち込む轟に、ハッとする歌恋は寄り添う。
「気にしなくていいって、焦凍くんが悪いわけじゃないよ」
歌恋と一緒に便乗してくれるのは切島で。
「そうだぜ。向こうが一方的に競ってるだけだから、気にやむなよ」
「ブラドティーチャーによるゥと、後期ィはクラストゥゲザージュギョーあるデスミタイ。タノシミしテマス!」
B組、アメリカ人である角取ポニーがそう話す。
「へぇ!そりゃ腕が鳴るぜ!」
角取に何やら物間が耳打ちしている。
「ボコボコォに、ウチノメシテヤァ・・・ンヨ?」
「アハハハハハ」
「変な言葉教えんな!」
物間に目潰しを食らわす拳藤。
(んー、B組はB組で賑やかで楽しそうだ)
「オーイ、後ろ詰まってんだけど」
「すみません!!さァさァ皆、私語は慎むんだ!迷惑かかってるぞ!」
再び、委員長の仕事に戻る飯田に、A組の後ろから来ていたのは心操率いる普通科だ。
「かっこ悪ィとこ見せてくれるなよ」
体育祭で緑谷と戦って以来だが、何だか彼の雰囲気が少し変わっていた。
A組皆がいうように、ゴツくなってる感じに。
そして始業式は、根津校長の長い話から始まる。
「やぁ!皆大好き小型ほ乳類の校長さ!最近は私自慢の毛質が低下しちゃってね、ケアにも一苦労なのさ。
これは人間にも言えることさ。亜鉛・ビタミン群を多く摂れる食事バランスにしてはいるものの、
やはり一番重要なのは睡眠だね。ライフスタイルの乱れが、最も毛に悪いのさ。
皆も毛並みに気を遣う際は、睡眠を大事にするといいのさ!」
(毛並み・・・)
歌恋はアクビを噛み締めながら聞き流す。
「ライフスタイルが乱れたのは皆も御存知の通り、この夏休みで起きた"事件"に起因しているのさ。
柱の喪失、あの事件の影響は予想を越えた速度で現れ始めている。
これから社会には、大きな困難が待ち受けているだろう。特にヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる。
2・3年生の多くが取りくんでいる"ヒーローインターン"も、これまで以上に、
危機意識を持って考える必要がある」
「?」
歌恋は首を傾げ、後ろの轟に声をかける。
「ヒーローインターンって、相澤先生話してたっけ?」
「いや、俺も初めて聞いた」
「だよね・・・」
それでも、校長の話は続き。
「暗い話はどうしたって空気が重くなるね。大人たちは今、その空気をどうにかしようと頑張っているんだ。
君たちには是非とも、その頑張りを受け継ぎ、発展させられる人材となってほしい。
経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も、皆社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ」
最後にいくつか注意事項を、生活指導ハウンドドッグ先生からあったが。
猟犬ヒーローという名だけあり、言葉にならず吠えまくった先生の代わりにブラド先生が伝える。
「ええと「昨晩ケンカした生徒がいました。慣れない寮生活ではありますが、
節度をもって生活しましょう」とのお話でした」
ハウンドドッグ先生何だったんだろうと思いつつ、緑谷と爆豪のケンカは全員に知られた。
彼ら二人は、立派な問題児扱い。まぁ、やってしまったのはしょうがないが。
これにて始業式は終了。それぞれの教室へ戻っていく。
「おはよー」
同じ階の麗日と廊下で遭遇。
「おはよう」
「ん?どうしたの、お茶子ちゃん」
一緒に行くだろうと思っていた麗日の足が止まっていることに気付き振り返る。
「ずっと・・・聞こうと思ってたんやけど・・・お互い気持ちが通じるって、どんなんかなーって・・・」
「は?」
「いや、歌恋ちゃんと二人になって話すん、今しかないと思ったら私・・・その・・・」
歌恋はあぁ、と思い出す。そういえば、麗日は芦戸らに誰か好きな人がいるのか聞かれていたなと。
「へぇ・・・お茶子ちゃん、もしかして・・・」
飯田のことは飯田くんと呼んでるし、やっぱりあだ名で呼んでる緑谷くんか。
「緑谷くん?」
ボンッと、麗日の丸くて可愛い顔が、リンゴの如く赤くなる。
「やっぱり・・・」
「あの、その、このことは!」
「皆には内緒?」
コクリと頷く麗日。
「で・・・さっきのどういう意味?」
なんでも麗日は、いまヒーローを目指して頑張ってる緑谷の邪魔をしたくなくて、
気持ちは自分の中にしまってるらしい。でも、ちゃんとお互いわかりあえてる轟と歌恋が羨ましいとか。
「おっはよー!二人とも!早く行かないと遅刻だぞ!?」
同じ階に、元気な芦戸がいるのを忘れていた。
「アハハ」
二人で顔を合わせて苦笑い。
「ケンカして、謹慎~~!?」
驚く葉隠の声が響き、何事かと皆が集まってる方にいけば、何やら昨晩緑谷と爆豪が殺りあったとか。
「馬鹿じゃん!!」
「馬鹿かよ」
「ナンセンス!」
皆から散々言われ、掃除機をかけながら爆豪は唸る。
「ぐぬぬ・・・」
「ええ、それ、仲直りしたの?」
心配した麗日が緑谷に聞いていた。
「仲直り・・・っていうものでも・・・うーん、言語化が難しい・・・」
「よく謹慎で済んだものだ・・・!!では、これからの始業式は君ら欠席だな!」
委員長である飯田は、カンカンに怒っている。
「爆豪、仮免の補習どうすんだ」
「うるせぇ・・・てめーには関係ねぇだろ」
「もー、心配して聞いてくれてるのにその言い方!」
「あぁ!?」
轟を隣にし、歌恋は爆豪と睨み合う。
「神野の時だって、そうだったけどさ・・・」
爆豪は絶対に、誰かに謝罪はしないな、と。
「ケッ」
「じゃー、掃除よろしくなー」
緑谷と爆豪を置いていき、他の者は学校に向かう。
「皆、いいか!?列は乱さずそれでいて迅速に!!グラウンドへ向かうんだ!!」
「いや、おめーが乱れてるよ」
「委員長のジレンマ!!」
「入学式出れやんかったから、今回も相澤先生何かするんかと思った」
「まー、4月とはあまりに事情が違うしね」
「聞いたよー、A組ィィ!」
聞きなれた嫌な声に、歌恋はゲッと、言葉が出た。それは苦手な物間がいるからである。
「二名!!そちら仮免落ちが二名も出たんだってぇえ!?」
「B組物間!相変わらず気が触れてやがる!」
上鳴と同じ意見の歌恋。
「さてはまた、オメーだけ落ちたな」
林間合宿の時を思い出したのか、切島が問いかけた。
「ハッハッハッハッ」
意味もなく笑ってからの、物間は大人しくなり背中を向ける。
「いやどっちだよ」
「こちとら、全員合格。水があいたね、A組」
「・・・・・・悪ィ・・・みんな・・・」
ずーんと落ち込む轟に、ハッとする歌恋は寄り添う。
「気にしなくていいって、焦凍くんが悪いわけじゃないよ」
歌恋と一緒に便乗してくれるのは切島で。
「そうだぜ。向こうが一方的に競ってるだけだから、気にやむなよ」
「ブラドティーチャーによるゥと、後期ィはクラストゥゲザージュギョーあるデスミタイ。タノシミしテマス!」
B組、アメリカ人である角取ポニーがそう話す。
「へぇ!そりゃ腕が鳴るぜ!」
角取に何やら物間が耳打ちしている。
「ボコボコォに、ウチノメシテヤァ・・・ンヨ?」
「アハハハハハ」
「変な言葉教えんな!」
物間に目潰しを食らわす拳藤。
(んー、B組はB組で賑やかで楽しそうだ)
「オーイ、後ろ詰まってんだけど」
「すみません!!さァさァ皆、私語は慎むんだ!迷惑かかってるぞ!」
再び、委員長の仕事に戻る飯田に、A組の後ろから来ていたのは心操率いる普通科だ。
「かっこ悪ィとこ見せてくれるなよ」
体育祭で緑谷と戦って以来だが、何だか彼の雰囲気が少し変わっていた。
A組皆がいうように、ゴツくなってる感じに。
そして始業式は、根津校長の長い話から始まる。
「やぁ!皆大好き小型ほ乳類の校長さ!最近は私自慢の毛質が低下しちゃってね、ケアにも一苦労なのさ。
これは人間にも言えることさ。亜鉛・ビタミン群を多く摂れる食事バランスにしてはいるものの、
やはり一番重要なのは睡眠だね。ライフスタイルの乱れが、最も毛に悪いのさ。
皆も毛並みに気を遣う際は、睡眠を大事にするといいのさ!」
(毛並み・・・)
歌恋はアクビを噛み締めながら聞き流す。
「ライフスタイルが乱れたのは皆も御存知の通り、この夏休みで起きた"事件"に起因しているのさ。
柱の喪失、あの事件の影響は予想を越えた速度で現れ始めている。
これから社会には、大きな困難が待ち受けているだろう。特にヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる。
2・3年生の多くが取りくんでいる"ヒーローインターン"も、これまで以上に、
危機意識を持って考える必要がある」
「?」
歌恋は首を傾げ、後ろの轟に声をかける。
「ヒーローインターンって、相澤先生話してたっけ?」
「いや、俺も初めて聞いた」
「だよね・・・」
それでも、校長の話は続き。
「暗い話はどうしたって空気が重くなるね。大人たちは今、その空気をどうにかしようと頑張っているんだ。
君たちには是非とも、その頑張りを受け継ぎ、発展させられる人材となってほしい。
経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も、皆社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ」
最後にいくつか注意事項を、生活指導ハウンドドッグ先生からあったが。
猟犬ヒーローという名だけあり、言葉にならず吠えまくった先生の代わりにブラド先生が伝える。
「ええと「昨晩ケンカした生徒がいました。慣れない寮生活ではありますが、
節度をもって生活しましょう」とのお話でした」
ハウンドドッグ先生何だったんだろうと思いつつ、緑谷と爆豪のケンカは全員に知られた。
彼ら二人は、立派な問題児扱い。まぁ、やってしまったのはしょうがないが。
これにて始業式は終了。それぞれの教室へ戻っていく。