第十一話 仮免
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それから、二人で待つこと数分・・・。
「あれ、お二人とも早いじゃん!なに、一緒だったの?」
耳郎が、八百万らと到着だ。
「みんな!」
「いや、別々だ」
耳郎の問いに答えたのは轟で。
「ホント、歌恋ちゃんが推薦じゃないのがいまでも不思議ね、ケロ」
蛙吹が歌恋の隣の椅子に座りながら、そう言ってくれる。
「う~ん、中学の時の実力は乏しかったからだよ、アハハ」
「なら、お互い一人であの戦乱にいたのか」
轟の隣に座りながら、障子が彼とそんな風な会話をしているのが耳に入る。
続々集まるA組は、緑谷・瀬呂・麗日と、爆豪・切島・上鳴が共に控え室にやってきた。
「お、登坂!はえーな!」
「切島くん、お疲れ様!」
期末試験以来、ペアを組んでからなんだかんだで絡みの増えた二人。
切島の性格はさっぱりし、人当たりもいいのですんなり入り込めてしまう。
「皆さん、よくご無事で!心配しましたわ」
「ヤオモモー!ゴブジよゴブジ!つーか早くね、皆!?」
わらわらと、A組皆で集まる。上鳴に、障子が言う。
「俺たちも、ついさっきだ。轟と登坂が早かった」
「え!?なに、お前ら・・・」
ニヤニヤしてくる上鳴に、二人一緒になって拒否る。
「別です」
「別だ」
自分と同じ質問を投げ掛けた上鳴に、いつもの如く耳郎が言い放つ。
「(質問が一緒とか・・・)爆豪も、絶対もういると思ってたけど、なる程!上鳴が一緒だったからか」
「はァ!?おまえちょっとそこなおれ!」
「ターゲットを外すキーが奥にあるわ。ボールバッグと一緒に返却棚に戻せって」
優しい蛙吹が教えてあげている。
「A組はこれで12人か」
切島と話終えている歌恋の隣に行きながら、轟が確認する。
「そうだね」
「あと8人」
頷く歌恋に、考える素振りを見せる切島に。
「アナウンスでは、通過83名・・・枠はあと17人・・・」
もう終盤にきているせいか、アナウンスでの情報修正が早くなっていく。
「ハイ、えー、ここで一気に8名通過来ましたー!残席は9名です」
A組は、あと8人。
青山と行動していた飯田。しかし、何を思ったのか青山は空に向けネビルレーザーを放っていた。
「何をしている!?待って・・・本当に何をしている!?」
唖然と理解不能な状態の飯田がさすがに突っ込んでいる。
「目立ってる☆」
「とってもな!違う!そうじゃなく!!」
「僕を庇ってると共倒れ☆目立ってる僕は、もう二か所ターゲットをやられてる。
あと一か所で僕アウト。君に譲っちゃう」
「!」
「目立ってる僕を取りに来る人たちの裏を取るんだよ。君のスピードなら・・・、君一人なら可能だろ?☆」
「なーにを急に言ってるんだ!!」
「急に聞こえるだろうけどね、僕はずっと対等になりたかったのさ」
青山の考えてるように、受験者たちが二人に向かって集まっていた。
「!?」
だが、そんな彼らの視界を奪うように、大量のハトが襲いかかってきたのだ。
それはA組の、動物を操れる"個性"をもつ口田の技だった。
[その場で旋回を続けるのです!!]
そして、駆けつけに来たのは口田だけではなかったのだ。
「ブラックアンク黒き腕の暗々裏!」
常闇も、峰田はモギモギを他の受験者の足元に投げていきながら、身動き出来ない者を尾白が倒してさらに張り付ける。
「取れる奴から取ってけぇ!!」
「他に取られる前に!!」
「皆ァ!!」
「集光屈折ハイチーズ!」
葉隠の必殺技、光が受験者の目を眩ませる。
「お先ねー!!」
「俺も!」
葉隠、尾白、通過。
「・・・ねぇ」
「みーんな焦って大雑把んなってきて、敵も味方もぐちゃぐちゃで周り全然見えなかったんだよー!」
青山が何を思ってるのか分からない。だけど、芦戸はそんな青山に振り向き親指を立てた。
「青山のおへそレーザー見えたから!また集まれたねえ!」
芦戸、常闇、峰田、通過。最終盤で一丸となってる雄英が、他にも次々とクリアしていく。
「青山くん!何をもって対等なのか・・・物差しが違う故わからんが、君のおかげだ。ありがとう!」
飯田、青山通過。そして、合格人数100人枠、もれなく終了である。
控え室で、皆と一緒に盛り上がる。
「おォオオオ~~・・・っしゃあああ!!」
「スゲェ!!こんなんスゲェよ!」
「雄英全員、一次通っちゃったあ!!」
そんな中でもデカイ声のため聞こえてしまう夜嵐の声。
「へえ!肉倉先輩落ちちゃったんスか!!」
「声デカイわ!先走って単独行動するからあの劇場型男!おまえらもだ!
1年の夜嵐はともかく・・・ケミィ!ダメよ!」
「ハァイ」
賑やかになる控え室に、目良のアナウンスが響く。
「えー、100人の皆さん。これ、ご覧下さい」
画面に映し出されたのは、先程までいたフィールド。が、次の瞬間フィールドが爆発した。
「「は?何故!!」」
唖然とする歌恋たち。建物の面影が、一切ない。
「次の試験でラストになります!皆さんにはこれからこの被災現場で、
バイスタンダーとして、救助演習を行ってもらいます」
「救助、演習・・・」
「「パイスライダー?」」
「バイスタンダー」
とぼける上鳴と峰田に、歌恋が訂正。その言葉の説明を葉隠と八百万がしてくれる。
「現場に居合わせた人のことだよ。授業でやったでしょ」
「一般市民を指す意味でも使われたりしますが・・・」
目良が言う。
「ここでは、一般市民としてではなく、仮免許を取得した者として・・・、
どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます」
「む・・・人がいる」
障子の言葉に、目を見張る。その崩壊したフィールドには、老人から子供まで沢山の人がいた。
なんでも彼らは要救助者のプロらしく、あらゆる訓練において今引っ張りダコらしい。
「ヘルプ・アス・カンパニー」それぞれの頭文字を略して「HUC=フック」と呼ばれる。
ヒーロー人気のこの現代に即した仕事ともいえよう。そのフックが、傷病者に扮しフィールド全域にスタンバイ中。
受験者は彼らの救出を行うこと。尚、今回は救出活動をポイントで採点されていき、
演習終了時に基準値を越えていれば合格となる。
「合格の基準は言わないんだ」
「わからん以上は、訓練通りやるだけだ」
「そうだね」
「大丈夫だ」
「うん(やっぱ、轟くんの隣だと落ち着くな~あ、いけないいけない)」
どうも、名字の響きがよくてそう呼んでしまうよ。
10分という短い休憩時間を、思うままにそれぞれ過ごす。
「なァなァ、すげー事あってさァ聞いてくれよ」
瀬呂が意気揚々と峰田と上鳴に話している。
「Rは?」
「18」
「聞こう」
(峰田くんめ・・・相変わらずなんて下品な)
※人様のこと言えなくなってますが。
「士傑のボディスーツいんじゃん?あの女の人」
「いる」
「「良い・・・」という話なら甘い。オイラはもうさっきっからずっと彼女を視・・・」
「素っ裸のまま緑谷と岩陰にいたんだよ!!」
「「緑谷ァ!!!」」
殺気溢れる上鳴と峰田が緑谷を鷲掴む。
「何してたんだてめェはァ!?俺たちが大変な時にてめェはァ!?」
「試験中だぞ、ナメてんのか人生を!!」
「わ、痛いやめて、何!?」
「とぼけんじゃねぇ。あの人と!おまえは!何をして」
騒ぐ彼らに、じぃっーとケミィが見ている。目が合えば、彼女はニコと微笑み手を振ってきた。
「良い仲に進展した後、男女がコッソリ交わす挨拶のヤツをやってんじゃねーか!!
うちにも例がいるだろ、轟と登坂だよ!それをやったのかって話だ!」
「やめてよ峰田くん!話をいちいち振らないで!」
顔を赤くしながら、歌恋は思わず怒鳴ってしまう。だから内緒にしたかった。
なんで、こうなったんだっけ・・・あぁ、全寮制になってしまったからだ。
「・・・落ちつけよ、轟は」
切島が優しく、轟の肩に手を置いている。轟は轟で、怒りを必死に押さえているようで。
そんな進展を招いたという緑谷を、歌恋まで睨んでしまっていた。
「ち、違うよ!そういうんじゃないってば!全然そんなん関係ないし"個性"の関係だよ!
ていうか、わけわかんなくてめっちゃ怖かったんだよ!」
「もう嫌だ・・・ほっといて、静かにさせて・・・」
泣く泣く蛙吹に泣きつく歌恋。
「皆・・・歌恋ちゃんをからかいすぎよ。それに試験中なのよ」
「「はい・・・」」
「皆のこと、嫌いになっちゃう・・・」
「「「!!」」」
せっかくA組は皆いい人だと思っているのに。
うわぁーと、どうにもならない感情を、今だ峰田と上鳴は緑谷にあたっている。
女子の皆と一緒に、やれやれと呆れていると士傑の人がこちらにやってきていた。
「あれ、お二人とも早いじゃん!なに、一緒だったの?」
耳郎が、八百万らと到着だ。
「みんな!」
「いや、別々だ」
耳郎の問いに答えたのは轟で。
「ホント、歌恋ちゃんが推薦じゃないのがいまでも不思議ね、ケロ」
蛙吹が歌恋の隣の椅子に座りながら、そう言ってくれる。
「う~ん、中学の時の実力は乏しかったからだよ、アハハ」
「なら、お互い一人であの戦乱にいたのか」
轟の隣に座りながら、障子が彼とそんな風な会話をしているのが耳に入る。
続々集まるA組は、緑谷・瀬呂・麗日と、爆豪・切島・上鳴が共に控え室にやってきた。
「お、登坂!はえーな!」
「切島くん、お疲れ様!」
期末試験以来、ペアを組んでからなんだかんだで絡みの増えた二人。
切島の性格はさっぱりし、人当たりもいいのですんなり入り込めてしまう。
「皆さん、よくご無事で!心配しましたわ」
「ヤオモモー!ゴブジよゴブジ!つーか早くね、皆!?」
わらわらと、A組皆で集まる。上鳴に、障子が言う。
「俺たちも、ついさっきだ。轟と登坂が早かった」
「え!?なに、お前ら・・・」
ニヤニヤしてくる上鳴に、二人一緒になって拒否る。
「別です」
「別だ」
自分と同じ質問を投げ掛けた上鳴に、いつもの如く耳郎が言い放つ。
「(質問が一緒とか・・・)爆豪も、絶対もういると思ってたけど、なる程!上鳴が一緒だったからか」
「はァ!?おまえちょっとそこなおれ!」
「ターゲットを外すキーが奥にあるわ。ボールバッグと一緒に返却棚に戻せって」
優しい蛙吹が教えてあげている。
「A組はこれで12人か」
切島と話終えている歌恋の隣に行きながら、轟が確認する。
「そうだね」
「あと8人」
頷く歌恋に、考える素振りを見せる切島に。
「アナウンスでは、通過83名・・・枠はあと17人・・・」
もう終盤にきているせいか、アナウンスでの情報修正が早くなっていく。
「ハイ、えー、ここで一気に8名通過来ましたー!残席は9名です」
A組は、あと8人。
青山と行動していた飯田。しかし、何を思ったのか青山は空に向けネビルレーザーを放っていた。
「何をしている!?待って・・・本当に何をしている!?」
唖然と理解不能な状態の飯田がさすがに突っ込んでいる。
「目立ってる☆」
「とってもな!違う!そうじゃなく!!」
「僕を庇ってると共倒れ☆目立ってる僕は、もう二か所ターゲットをやられてる。
あと一か所で僕アウト。君に譲っちゃう」
「!」
「目立ってる僕を取りに来る人たちの裏を取るんだよ。君のスピードなら・・・、君一人なら可能だろ?☆」
「なーにを急に言ってるんだ!!」
「急に聞こえるだろうけどね、僕はずっと対等になりたかったのさ」
青山の考えてるように、受験者たちが二人に向かって集まっていた。
「!?」
だが、そんな彼らの視界を奪うように、大量のハトが襲いかかってきたのだ。
それはA組の、動物を操れる"個性"をもつ口田の技だった。
[その場で旋回を続けるのです!!]
そして、駆けつけに来たのは口田だけではなかったのだ。
「ブラックアンク黒き腕の暗々裏!」
常闇も、峰田はモギモギを他の受験者の足元に投げていきながら、身動き出来ない者を尾白が倒してさらに張り付ける。
「取れる奴から取ってけぇ!!」
「他に取られる前に!!」
「皆ァ!!」
「集光屈折ハイチーズ!」
葉隠の必殺技、光が受験者の目を眩ませる。
「お先ねー!!」
「俺も!」
葉隠、尾白、通過。
「・・・ねぇ」
「みーんな焦って大雑把んなってきて、敵も味方もぐちゃぐちゃで周り全然見えなかったんだよー!」
青山が何を思ってるのか分からない。だけど、芦戸はそんな青山に振り向き親指を立てた。
「青山のおへそレーザー見えたから!また集まれたねえ!」
芦戸、常闇、峰田、通過。最終盤で一丸となってる雄英が、他にも次々とクリアしていく。
「青山くん!何をもって対等なのか・・・物差しが違う故わからんが、君のおかげだ。ありがとう!」
飯田、青山通過。そして、合格人数100人枠、もれなく終了である。
控え室で、皆と一緒に盛り上がる。
「おォオオオ~~・・・っしゃあああ!!」
「スゲェ!!こんなんスゲェよ!」
「雄英全員、一次通っちゃったあ!!」
そんな中でもデカイ声のため聞こえてしまう夜嵐の声。
「へえ!肉倉先輩落ちちゃったんスか!!」
「声デカイわ!先走って単独行動するからあの劇場型男!おまえらもだ!
1年の夜嵐はともかく・・・ケミィ!ダメよ!」
「ハァイ」
賑やかになる控え室に、目良のアナウンスが響く。
「えー、100人の皆さん。これ、ご覧下さい」
画面に映し出されたのは、先程までいたフィールド。が、次の瞬間フィールドが爆発した。
「「は?何故!!」」
唖然とする歌恋たち。建物の面影が、一切ない。
「次の試験でラストになります!皆さんにはこれからこの被災現場で、
バイスタンダーとして、救助演習を行ってもらいます」
「救助、演習・・・」
「「パイスライダー?」」
「バイスタンダー」
とぼける上鳴と峰田に、歌恋が訂正。その言葉の説明を葉隠と八百万がしてくれる。
「現場に居合わせた人のことだよ。授業でやったでしょ」
「一般市民を指す意味でも使われたりしますが・・・」
目良が言う。
「ここでは、一般市民としてではなく、仮免許を取得した者として・・・、
どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます」
「む・・・人がいる」
障子の言葉に、目を見張る。その崩壊したフィールドには、老人から子供まで沢山の人がいた。
なんでも彼らは要救助者のプロらしく、あらゆる訓練において今引っ張りダコらしい。
「ヘルプ・アス・カンパニー」それぞれの頭文字を略して「HUC=フック」と呼ばれる。
ヒーロー人気のこの現代に即した仕事ともいえよう。そのフックが、傷病者に扮しフィールド全域にスタンバイ中。
受験者は彼らの救出を行うこと。尚、今回は救出活動をポイントで採点されていき、
演習終了時に基準値を越えていれば合格となる。
「合格の基準は言わないんだ」
「わからん以上は、訓練通りやるだけだ」
「そうだね」
「大丈夫だ」
「うん(やっぱ、轟くんの隣だと落ち着くな~あ、いけないいけない)」
どうも、名字の響きがよくてそう呼んでしまうよ。
10分という短い休憩時間を、思うままにそれぞれ過ごす。
「なァなァ、すげー事あってさァ聞いてくれよ」
瀬呂が意気揚々と峰田と上鳴に話している。
「Rは?」
「18」
「聞こう」
(峰田くんめ・・・相変わらずなんて下品な)
※人様のこと言えなくなってますが。
「士傑のボディスーツいんじゃん?あの女の人」
「いる」
「「良い・・・」という話なら甘い。オイラはもうさっきっからずっと彼女を視・・・」
「素っ裸のまま緑谷と岩陰にいたんだよ!!」
「「緑谷ァ!!!」」
殺気溢れる上鳴と峰田が緑谷を鷲掴む。
「何してたんだてめェはァ!?俺たちが大変な時にてめェはァ!?」
「試験中だぞ、ナメてんのか人生を!!」
「わ、痛いやめて、何!?」
「とぼけんじゃねぇ。あの人と!おまえは!何をして」
騒ぐ彼らに、じぃっーとケミィが見ている。目が合えば、彼女はニコと微笑み手を振ってきた。
「良い仲に進展した後、男女がコッソリ交わす挨拶のヤツをやってんじゃねーか!!
うちにも例がいるだろ、轟と登坂だよ!それをやったのかって話だ!」
「やめてよ峰田くん!話をいちいち振らないで!」
顔を赤くしながら、歌恋は思わず怒鳴ってしまう。だから内緒にしたかった。
なんで、こうなったんだっけ・・・あぁ、全寮制になってしまったからだ。
「・・・落ちつけよ、轟は」
切島が優しく、轟の肩に手を置いている。轟は轟で、怒りを必死に押さえているようで。
そんな進展を招いたという緑谷を、歌恋まで睨んでしまっていた。
「ち、違うよ!そういうんじゃないってば!全然そんなん関係ないし"個性"の関係だよ!
ていうか、わけわかんなくてめっちゃ怖かったんだよ!」
「もう嫌だ・・・ほっといて、静かにさせて・・・」
泣く泣く蛙吹に泣きつく歌恋。
「皆・・・歌恋ちゃんをからかいすぎよ。それに試験中なのよ」
「「はい・・・」」
「皆のこと、嫌いになっちゃう・・・」
「「「!!」」」
せっかくA組は皆いい人だと思っているのに。
うわぁーと、どうにもならない感情を、今だ峰田と上鳴は緑谷にあたっている。
女子の皆と一緒に、やれやれと呆れていると士傑の人がこちらにやってきていた。