第一話 挑戦
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「核兵器」を回収した緑谷と麗日が勝ったにも関わらず、
勝った二人はそれぞれ、緑谷はリカバリーガールの元で治癒してもらい、
麗日はキャパオーバーだったのか彼女が言っていた通り少しの時間ゲロを吐いている。
負けた爆豪と飯田はほぼ無傷という、意外な展開で第一試合終了。
モニタールームで先ほどの戦いを振り替える。
「今戦のベストは、飯田少年だけどな!!」
オールマイトから称賛をもらった飯田は、驚いてい。
「なな!!?」
その意味合いに、蛙吹が首をかしげた。
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
「何故だろうなぁ~?わかる人!!?」
「ハイ、オールマイト先生」
迷わず手を上げたのは八百万。
「それは飯田さんが一番、状況設定に順応していたから」
八百万の説明はそれだけではない。
爆豪勝己の場合は、私怨(しえん)丸出しの独断。そして屋内での大規模攻撃。
緑谷出久も、また同様とのことで。麗日お茶子は中盤の気の緩みと最後の攻撃が乱暴すぎたこと。
「ハリボテを「核」として扱っていたら、あんな危険な行為出来ませんわ。
相手への対策をこなし、且つ(かつ)、"「核」の略奪"をきちんと想定していたからこそ、
飯田さんは最後対応に遅れた。ヒーローの勝ちは、「訓練」という甘えから生じた、
反則のようなものですわ」
あまりにも完璧な彼女の答えに、シーンと、誰も反論する事なく静まる。
(思ってたより言われた!!)
オールマイトも震えながら親指をつきたてた。
「ま・・・まあ、飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが・・・まぁ、正解だよ。くう・・・!」
「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになど、なれませんので!」
(・・・爆豪くん、もっと八百万さんに言い返すと思ったけど、しなかったな・・・)
確信をつかれたと、そんなような顔をしていた。彼に励ましも応援も違うと思う。
人の心配するより、まずは自分の心配だ。ブーツの紐を縛り直し、深呼吸する。
いよいよ第二試合は、Bコンビ、轟焦凍と登坂歌恋「ヒーローチーム」と、
Iコンビ、葉隠透と尾白猿夫「敵チーム」だ。
轟と一緒に、建物の中に潜入する。
爆豪の時みたく、奇襲をかけてくる様子はない。
「・・・登坂」
「え?」
「あんたの"個性"で、敵のおおよその場所、探知出来ねぇか?」
「・・・やってみる。轟くんは、後ろにいて」
「あぁ」
万が一前にいて攻撃してしまったら最も子もない。それに、建物全部に桜の葉を巡らすなんて・・・。
「ここからどこまで出きるか正直わかんないけど・・・」
「攻撃は俺がする」
「うん」
歌恋はしゃがみ、地面に手のひらを広げ髪の毛に意思を集中させる。
すると、黒い彼女の髪の毛は毛先がピンクになり、その部分を引き千切る。
「!?」
その行為に、轟は目を見開いた。
彼女の"個性"で、腕を幹にして伸ばして簡単に敵の場所を見つけられると思っていたから。
「おまえ・・・!」
「平気!これが一番早い!」
言いながら千切った髪の毛は手の中で大量の葉になり、それを建物の中に投げ込む。
それぞれ、葉達は意思があるかのように舞い上がり奥に吸い込まれた。
「見つけた!」
「!」
「四階、北側の広間に一人。けど・・・ごめん、葉隠さんの場所が分からない。なんで・・・?
(透明だから・・・目に見える部分がない?どういう事・・・?)けど、「核」はある!
(広がる葉を警戒して、二人は触らないんだ・・・こっちもそんなに数を出せるわけじゃない。
桜吹雪では探知できなくなるから・・・量があればいいってもんでもないんだよな・・・)」
「・・・分かった。外出れるか?危ねぇから、あとは下がってろ」
轟に言われた通り、歌恋は外に出る。出口付近でよかった。
チラッと肩越しに歌恋を見る轟。息を小さく吐いてからだ。
「!?」
今度は歌恋が驚く番だった。
轟が氷の技を使うのは重々承知だったのに。これは、外に出るだけでどうとかなる話ではない。
建物全部を凍らせていく轟の後ろで、歌恋は慌てて身を隠すように大きな葉で自身を覆った。
(さ、さささささ寒いっ!!)
ガタガタ体を震わせる歌恋は、自分の身を守ろうとした葉が凍っている事に唖然とする。
(つくってなかったら巻き添え食らってた!)
轟の様子を見るため、葉を解除。だが、彼の姿はどこにもない。
「あれ・・・?」
「ヒーローチームWIN!!」
「は!?」
歌恋の知らないところで、どうやら決着ついたらしい。
「ちょ、轟くん!?」
急いで小型無線を使い、今の状況を確認する。
「「核」に触った。場所は的確だった、知ってなかったら全部凍らせちまうから」
彼の、圧倒的強さにゾクリと寒気を覚える。これは・・・敵に回したくない奴だ。
小型無線を切る必要ないと思ったのか、尾白との会話が聞こえる。
「悪かったな」
謝罪するなり、氷はどんどん溶けていく。
「・・・熱・・・!」
「レベルが違いすぎた」
強い・・・。もしかしたら彼は、クラスの中で一番最強かもしれない。
それから他のクラスのみんなも、それぞれ自分の"個性"を発揮していた。
お互い、ペアを組んだものどうしで、うまくやりあっていた。
(・・・私は、本当にあれで役にたってたのかな・・・)
彼はああに気を遣っていってくれただけなのかもしれない。
本当は、一人で軽々クリアできた訓練だったのかもしれない。実力の差を、肌で感じた。
緑谷以外、誰も大きな怪我なく終えたオールマイトの授業。
歌恋はそれから、とりあえず食べる。
「「・・・・・・・・・・」」
轟も八百万も、何も言わない。オールマイトの授業が終わってから、轟と顔を合わせようともしなかった。
「おめー、よくあれやってから食う気になるな」
峰田とは反対の隣の前にいる切島に、突っ込まれる。
「食べます。生命力の源です。あと、帰りのホームルームだけ?」
「おう」
瀬呂とは普通に話す歌恋に、轟の表情が僅かに曇る。
みんな、緑谷が戻ってくるまで教室にいるようで。
「あ、爆豪!おめーは残れよ!」
「そうだぜ、緑谷になんか言わねーの?」
緑谷をボコボコにした爆豪は、周りが止めようとするが、ずっと黙ったままだった。
「・・・爆豪くん・・・」
彼にいま、どんな言葉をかけても聞く耳をもとうとしないだろう。
「登坂さん!」
「!?」
透明で気付きにくい葉隠に、案の定驚く。
「ねぇねぇ、あの建物の中に舞い込んだ葉っぱって、登坂さんの"個性"?」
「え!?あ、うん・・・」
「ビックリだよね~髪の毛、あんな使い方するんだもんさ」
麗日も話に加わり、少し短くなった髪の毛を気にしてくれる。
「1日経てばすぐ戻るんだ。これ思い付いたのお風呂場なんだよね」
「あー、わかるよ!髪の毛がーって洗うと抜ける抜ける」
「そうそう」
同じクラスの女の子と喋れてるのが嬉しい。
ただ、その会話を聞いていたであろう轟は、黙って席をたった。
彼がいまどんな心境だとか、少し喋る程度の相手の気持ちに、歌恋はなんとも思っていない。
(ごめんね、轟くん・・・。いまは、話したいって気分じゃなくて・・・。
間違って言葉で責めてしまいそうだから・・・)
勝った二人はそれぞれ、緑谷はリカバリーガールの元で治癒してもらい、
麗日はキャパオーバーだったのか彼女が言っていた通り少しの時間ゲロを吐いている。
負けた爆豪と飯田はほぼ無傷という、意外な展開で第一試合終了。
モニタールームで先ほどの戦いを振り替える。
「今戦のベストは、飯田少年だけどな!!」
オールマイトから称賛をもらった飯田は、驚いてい。
「なな!!?」
その意味合いに、蛙吹が首をかしげた。
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
「何故だろうなぁ~?わかる人!!?」
「ハイ、オールマイト先生」
迷わず手を上げたのは八百万。
「それは飯田さんが一番、状況設定に順応していたから」
八百万の説明はそれだけではない。
爆豪勝己の場合は、私怨(しえん)丸出しの独断。そして屋内での大規模攻撃。
緑谷出久も、また同様とのことで。麗日お茶子は中盤の気の緩みと最後の攻撃が乱暴すぎたこと。
「ハリボテを「核」として扱っていたら、あんな危険な行為出来ませんわ。
相手への対策をこなし、且つ(かつ)、"「核」の略奪"をきちんと想定していたからこそ、
飯田さんは最後対応に遅れた。ヒーローの勝ちは、「訓練」という甘えから生じた、
反則のようなものですわ」
あまりにも完璧な彼女の答えに、シーンと、誰も反論する事なく静まる。
(思ってたより言われた!!)
オールマイトも震えながら親指をつきたてた。
「ま・・・まあ、飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが・・・まぁ、正解だよ。くう・・・!」
「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになど、なれませんので!」
(・・・爆豪くん、もっと八百万さんに言い返すと思ったけど、しなかったな・・・)
確信をつかれたと、そんなような顔をしていた。彼に励ましも応援も違うと思う。
人の心配するより、まずは自分の心配だ。ブーツの紐を縛り直し、深呼吸する。
いよいよ第二試合は、Bコンビ、轟焦凍と登坂歌恋「ヒーローチーム」と、
Iコンビ、葉隠透と尾白猿夫「敵チーム」だ。
轟と一緒に、建物の中に潜入する。
爆豪の時みたく、奇襲をかけてくる様子はない。
「・・・登坂」
「え?」
「あんたの"個性"で、敵のおおよその場所、探知出来ねぇか?」
「・・・やってみる。轟くんは、後ろにいて」
「あぁ」
万が一前にいて攻撃してしまったら最も子もない。それに、建物全部に桜の葉を巡らすなんて・・・。
「ここからどこまで出きるか正直わかんないけど・・・」
「攻撃は俺がする」
「うん」
歌恋はしゃがみ、地面に手のひらを広げ髪の毛に意思を集中させる。
すると、黒い彼女の髪の毛は毛先がピンクになり、その部分を引き千切る。
「!?」
その行為に、轟は目を見開いた。
彼女の"個性"で、腕を幹にして伸ばして簡単に敵の場所を見つけられると思っていたから。
「おまえ・・・!」
「平気!これが一番早い!」
言いながら千切った髪の毛は手の中で大量の葉になり、それを建物の中に投げ込む。
それぞれ、葉達は意思があるかのように舞い上がり奥に吸い込まれた。
「見つけた!」
「!」
「四階、北側の広間に一人。けど・・・ごめん、葉隠さんの場所が分からない。なんで・・・?
(透明だから・・・目に見える部分がない?どういう事・・・?)けど、「核」はある!
(広がる葉を警戒して、二人は触らないんだ・・・こっちもそんなに数を出せるわけじゃない。
桜吹雪では探知できなくなるから・・・量があればいいってもんでもないんだよな・・・)」
「・・・分かった。外出れるか?危ねぇから、あとは下がってろ」
轟に言われた通り、歌恋は外に出る。出口付近でよかった。
チラッと肩越しに歌恋を見る轟。息を小さく吐いてからだ。
「!?」
今度は歌恋が驚く番だった。
轟が氷の技を使うのは重々承知だったのに。これは、外に出るだけでどうとかなる話ではない。
建物全部を凍らせていく轟の後ろで、歌恋は慌てて身を隠すように大きな葉で自身を覆った。
(さ、さささささ寒いっ!!)
ガタガタ体を震わせる歌恋は、自分の身を守ろうとした葉が凍っている事に唖然とする。
(つくってなかったら巻き添え食らってた!)
轟の様子を見るため、葉を解除。だが、彼の姿はどこにもない。
「あれ・・・?」
「ヒーローチームWIN!!」
「は!?」
歌恋の知らないところで、どうやら決着ついたらしい。
「ちょ、轟くん!?」
急いで小型無線を使い、今の状況を確認する。
「「核」に触った。場所は的確だった、知ってなかったら全部凍らせちまうから」
彼の、圧倒的強さにゾクリと寒気を覚える。これは・・・敵に回したくない奴だ。
小型無線を切る必要ないと思ったのか、尾白との会話が聞こえる。
「悪かったな」
謝罪するなり、氷はどんどん溶けていく。
「・・・熱・・・!」
「レベルが違いすぎた」
強い・・・。もしかしたら彼は、クラスの中で一番最強かもしれない。
それから他のクラスのみんなも、それぞれ自分の"個性"を発揮していた。
お互い、ペアを組んだものどうしで、うまくやりあっていた。
(・・・私は、本当にあれで役にたってたのかな・・・)
彼はああに気を遣っていってくれただけなのかもしれない。
本当は、一人で軽々クリアできた訓練だったのかもしれない。実力の差を、肌で感じた。
緑谷以外、誰も大きな怪我なく終えたオールマイトの授業。
歌恋はそれから、とりあえず食べる。
「「・・・・・・・・・・」」
轟も八百万も、何も言わない。オールマイトの授業が終わってから、轟と顔を合わせようともしなかった。
「おめー、よくあれやってから食う気になるな」
峰田とは反対の隣の前にいる切島に、突っ込まれる。
「食べます。生命力の源です。あと、帰りのホームルームだけ?」
「おう」
瀬呂とは普通に話す歌恋に、轟の表情が僅かに曇る。
みんな、緑谷が戻ってくるまで教室にいるようで。
「あ、爆豪!おめーは残れよ!」
「そうだぜ、緑谷になんか言わねーの?」
緑谷をボコボコにした爆豪は、周りが止めようとするが、ずっと黙ったままだった。
「・・・爆豪くん・・・」
彼にいま、どんな言葉をかけても聞く耳をもとうとしないだろう。
「登坂さん!」
「!?」
透明で気付きにくい葉隠に、案の定驚く。
「ねぇねぇ、あの建物の中に舞い込んだ葉っぱって、登坂さんの"個性"?」
「え!?あ、うん・・・」
「ビックリだよね~髪の毛、あんな使い方するんだもんさ」
麗日も話に加わり、少し短くなった髪の毛を気にしてくれる。
「1日経てばすぐ戻るんだ。これ思い付いたのお風呂場なんだよね」
「あー、わかるよ!髪の毛がーって洗うと抜ける抜ける」
「そうそう」
同じクラスの女の子と喋れてるのが嬉しい。
ただ、その会話を聞いていたであろう轟は、黙って席をたった。
彼がいまどんな心境だとか、少し喋る程度の相手の気持ちに、歌恋はなんとも思っていない。
(ごめんね、轟くん・・・。いまは、話したいって気分じゃなくて・・・。
間違って言葉で責めてしまいそうだから・・・)