第十話 入れ寮
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翌日、皆に轟との関係がバレ、からかわれながらの登校。
(まぁ・・・中学よりはいいけど・・・)
それで苛められるとか、ひとりぼっちにされる心配とか、このクラスにはなさそうで。
まだどうなるか、正直分からないけど・・・今日も今日とて普通の生活が始まるだけ。
「昨日話した通り、まずは"仮免"取得が当面の目標だ」
「「「はい!」」」
気を引き締める。また、授業が始まっていく。
「ヒーロー免許ってのは、人命に直接係わる責任重大な資格だ。
当然取得の為の試験は、とても厳しい。仮免といえど、その合格率は例年5割を切る。
そこで今日から君らには一人最低でも二つ・・・必殺技を作ってもらう!!」
「必殺技!!」
「ヒーローっぽいのキタァア!!」
クラスの皆と盛り上がる。
必殺技を歩むという授業に、エクトプラズム先生、セメントス先生、ミッドナイト先生がいた。
コスチュームに着替え、体育館γ・・・通称、トレーニングの台所ランド略してTDLに集合する。
(((TDLはマズそうだ)))
「でも、ここ何もないですね?」
歌恋が聞くと、セメントス先生が答えた。
「ここは俺考案の施設。生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」
「なるほど・・・」
確かにセメントス先生の"個性"なら、ここだと最強だ。うん、もうセメントス先生とは戦いたくない。
「質問をお許し下さい!」
飯田が手を上げて言った。
「何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います!!」
「順を追って話すよ」
ヒーローとは、事件・事故・天災・人災・・・あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事。
取得試験では、当然その適性を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力。
他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など。多くの適性を毎年違う試験内容で試される。
その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となる。
技の有無は、合否に大きく影響する。
「状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有しているって事になるんだよ」
セメントス先生と戦っているからか、歌恋には妙にセメントス先生の言葉に納得する。
(相澤先生にも言われたな・・・戦闘力、私の場合は強度)
「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハナイ。例エバ・・・飯田クンノ"レシプロバースト"」
一時的な超高速移動、それ自体が脅威である為必殺技と呼ぶに値するとエクトプラズム先生に言われ、
飯田は嬉しさで感動していた。
「中断されてしまった合宿での「"個性"伸ばし」は、この必殺技を作り上げる為のプロセスだった。
つまりこれから、後期授業まで・・・残り十日余りの夏休みは、
"個性"を伸ばしつつ、必殺技を編み出す・・・圧縮訓練となる!」
何もなかった体育館が、あっという間にセメントス先生が地形を作り、エクトプラズム先生が無数現れる。
相澤先生が続ける。
「尚、"個性"の伸びや技の性質に合わせて、コスチュームの改良も並行して考えていくように。
プルスウルトラの精神で乗り越えろ。準備はいいか?」
「ワクワクしてきたぁ!!」
生徒一人につき、エクトプラズム先生が一人ついて指導してくれる。
小さい頃から憧れていた。自分の"個性"での必殺技、改めてやるとなると楽しくてしょうがない。
エクトプラズム先生曰く、歌恋の桜吹雪も飯田同様、必殺技の一種だと言ってくれた。
「確かに、桜吹雪って自分でもわかりやすくするためにつけた名前ですけど・・・。
私には、強度が必要だって、前に相澤先生が言ってくれたんです。
腕を変換して幹にしても、まだまだ強度はありません。だったら、得意の桜吹雪でって思ったんですけど・・・」
「・・・君ハ、ホークストイウヒーローハ?知ッテイルカナ」
「はい」
常闇が職場体験でも行っていたし、今、人気急上昇中のホークスは、知らない者はいないだろう。
「彼ノ羽ハ、ヒトツヒトツ神経ヲメグラセテ操ルコトガデキルダロウ。
君ノ桜モアヤツレルナラ、マズハ数ヲ少ナクシテ強化シテミテハ?」
「あ・・・なるほど・・・(確かにホークスと同じように、桜を意のままにすれば・・・)」
一つ一つ、地道にやっていくしかない。何度も繰り返すが、強度が歌恋は課題だと明白だから。
「でも、やりたいことがまだいくつかあるんですよね・・・」
「やぁ、登坂くん!」
「オールマイト!」
声をかけられるまできづかなかった。
「いま、私が皆にアドバイスしながら回っているのさ。どうだい、いつもの技が中々みれないじゃないか」
周りの皆は、どんどん前に進んでいるように見える。
「とりあえず、桜の強化からと思ってるんですけど・・・中々いうこと聞いてくれませんね。
ホークスの羽みたいにと思って、やってみてるんですけど、すぐピンクの花びらから緑になっちゃうから」
アハハと、おどける歌恋。
「桜は、儚げに散るのが美しいって言われるからねぇ。桜を操れる時は、ピンクになってる短い時間なんだろう?」
「はい・・・」
「だから一度に、君は大量の髪の毛を使うことになってしまう。
でも、いままで一度しか使えなかったそれを長時間操れるようになればもっと攻撃幅も広がる。
うん、見えた!私から君へのアドバイス」
落ち込み気味の歌恋の肩に、オールマイトの手が優しく乗せられた。
「君の桜吹雪の技は、数で敵を圧巻することのできる素晴らしい技だよ。
神経を巡らせるには、膨大な時間が必要だと思う。時間が許す限り先ずはその特訓。
やりたいことがあるってさっき聞こえたけれど、攻撃の要である幹の方で調整したらどうかな」
時間は、出来るまで待ってはくれない。このままずっと出来なければ、技がなにもなくなってしまう。
まだ初日。とりあえず、手当たり次第やってみよう。
「・・・なに、にらめっこしてんだ?」
ただいま寮。談話室では気が散るため集中出来ないため、歌恋は一人中庭にいた。
そこにお風呂上がりの轟が、みんなといない彼女を心配して探したのだ。
「特訓」
「特訓・・・」
「桜の花びらをより長い時間出来れば、もっと攻撃幅が広がるから。
イメージとしては、いまの桜吹雪は攻撃がないから、刃物みたいになんないかなとおもって。
ほら、普通の葉っぱでも、あの端っこで手切れたりするでしょ?それをザバァッて、雨みたいにしてみたい」
「・・・・・・・そんな技、作んなくっていいけどな。方向性だけ間違えんなよ」
「なによ、自分は強いからって。私には強度も必要なの。閉じ込められて何も出来ないのは、もうこりごりだから。
外からも内からも破壊できる何かが必要なのよ!轟くんには分かんないよこの気持ち」
「なっ・・・俺はただ、心配して」
「あーもー!分かってる!ずっと親にも言われてきたんだもん、ヒーロー向きの"個性"じゃないって!」
ダメだ。特訓がおもうようにうまくいかなくてイライラして、感情をぶつけてしまう。
「もう、生半可な気持ちでいられる時期じゃないってことだって分かってるわよ!
親に散々心配かけて、他の学校じゃダメかって聞かれて!全部!全部・・・!」
『真っ赤な真っ赤な、血のようで』
「っ・・・!」
泣き叫ぶ歌恋を、轟は抱き止めてくれる。
「この"個性"・・・嫌い・・・なんで・・・なんで・・・桜だったんだろう・・・っ怖い・・・私が、私じゃないみたいで・・・」
「歌恋は、歌恋だ・・・(俺は、何も分かっちゃいなかった・・・)」
皆が言う不吉だの血だの、本人が言われてどれだけ苦しいのか、分かってやれてなくて。
自分がエンデヴァーの息子だって話た時と。抱えてるモンの大小は、関係ない。
さっき歌恋が言っていた技が完成したら、彼女自身に使うんじゃないかって。
「ヴィランに言われた事は忘れろ、血じゃねぇよ。キレイな技だって、言っただろ?
血だなんて、他のクラスの奴らも思っちゃいねぇ。だから皆、いいヤツなんだろ」
「っ・・・うっ・・・」
轟に寄り添い、しがみつく。彼も、優しく力を込めてくれる。
(まぁ・・・中学よりはいいけど・・・)
それで苛められるとか、ひとりぼっちにされる心配とか、このクラスにはなさそうで。
まだどうなるか、正直分からないけど・・・今日も今日とて普通の生活が始まるだけ。
「昨日話した通り、まずは"仮免"取得が当面の目標だ」
「「「はい!」」」
気を引き締める。また、授業が始まっていく。
「ヒーロー免許ってのは、人命に直接係わる責任重大な資格だ。
当然取得の為の試験は、とても厳しい。仮免といえど、その合格率は例年5割を切る。
そこで今日から君らには一人最低でも二つ・・・必殺技を作ってもらう!!」
「必殺技!!」
「ヒーローっぽいのキタァア!!」
クラスの皆と盛り上がる。
必殺技を歩むという授業に、エクトプラズム先生、セメントス先生、ミッドナイト先生がいた。
コスチュームに着替え、体育館γ・・・通称、トレーニングの台所ランド略してTDLに集合する。
(((TDLはマズそうだ)))
「でも、ここ何もないですね?」
歌恋が聞くと、セメントス先生が答えた。
「ここは俺考案の施設。生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」
「なるほど・・・」
確かにセメントス先生の"個性"なら、ここだと最強だ。うん、もうセメントス先生とは戦いたくない。
「質問をお許し下さい!」
飯田が手を上げて言った。
「何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います!!」
「順を追って話すよ」
ヒーローとは、事件・事故・天災・人災・・・あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事。
取得試験では、当然その適性を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力。
他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など。多くの適性を毎年違う試験内容で試される。
その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となる。
技の有無は、合否に大きく影響する。
「状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有しているって事になるんだよ」
セメントス先生と戦っているからか、歌恋には妙にセメントス先生の言葉に納得する。
(相澤先生にも言われたな・・・戦闘力、私の場合は強度)
「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハナイ。例エバ・・・飯田クンノ"レシプロバースト"」
一時的な超高速移動、それ自体が脅威である為必殺技と呼ぶに値するとエクトプラズム先生に言われ、
飯田は嬉しさで感動していた。
「中断されてしまった合宿での「"個性"伸ばし」は、この必殺技を作り上げる為のプロセスだった。
つまりこれから、後期授業まで・・・残り十日余りの夏休みは、
"個性"を伸ばしつつ、必殺技を編み出す・・・圧縮訓練となる!」
何もなかった体育館が、あっという間にセメントス先生が地形を作り、エクトプラズム先生が無数現れる。
相澤先生が続ける。
「尚、"個性"の伸びや技の性質に合わせて、コスチュームの改良も並行して考えていくように。
プルスウルトラの精神で乗り越えろ。準備はいいか?」
「ワクワクしてきたぁ!!」
生徒一人につき、エクトプラズム先生が一人ついて指導してくれる。
小さい頃から憧れていた。自分の"個性"での必殺技、改めてやるとなると楽しくてしょうがない。
エクトプラズム先生曰く、歌恋の桜吹雪も飯田同様、必殺技の一種だと言ってくれた。
「確かに、桜吹雪って自分でもわかりやすくするためにつけた名前ですけど・・・。
私には、強度が必要だって、前に相澤先生が言ってくれたんです。
腕を変換して幹にしても、まだまだ強度はありません。だったら、得意の桜吹雪でって思ったんですけど・・・」
「・・・君ハ、ホークストイウヒーローハ?知ッテイルカナ」
「はい」
常闇が職場体験でも行っていたし、今、人気急上昇中のホークスは、知らない者はいないだろう。
「彼ノ羽ハ、ヒトツヒトツ神経ヲメグラセテ操ルコトガデキルダロウ。
君ノ桜モアヤツレルナラ、マズハ数ヲ少ナクシテ強化シテミテハ?」
「あ・・・なるほど・・・(確かにホークスと同じように、桜を意のままにすれば・・・)」
一つ一つ、地道にやっていくしかない。何度も繰り返すが、強度が歌恋は課題だと明白だから。
「でも、やりたいことがまだいくつかあるんですよね・・・」
「やぁ、登坂くん!」
「オールマイト!」
声をかけられるまできづかなかった。
「いま、私が皆にアドバイスしながら回っているのさ。どうだい、いつもの技が中々みれないじゃないか」
周りの皆は、どんどん前に進んでいるように見える。
「とりあえず、桜の強化からと思ってるんですけど・・・中々いうこと聞いてくれませんね。
ホークスの羽みたいにと思って、やってみてるんですけど、すぐピンクの花びらから緑になっちゃうから」
アハハと、おどける歌恋。
「桜は、儚げに散るのが美しいって言われるからねぇ。桜を操れる時は、ピンクになってる短い時間なんだろう?」
「はい・・・」
「だから一度に、君は大量の髪の毛を使うことになってしまう。
でも、いままで一度しか使えなかったそれを長時間操れるようになればもっと攻撃幅も広がる。
うん、見えた!私から君へのアドバイス」
落ち込み気味の歌恋の肩に、オールマイトの手が優しく乗せられた。
「君の桜吹雪の技は、数で敵を圧巻することのできる素晴らしい技だよ。
神経を巡らせるには、膨大な時間が必要だと思う。時間が許す限り先ずはその特訓。
やりたいことがあるってさっき聞こえたけれど、攻撃の要である幹の方で調整したらどうかな」
時間は、出来るまで待ってはくれない。このままずっと出来なければ、技がなにもなくなってしまう。
まだ初日。とりあえず、手当たり次第やってみよう。
「・・・なに、にらめっこしてんだ?」
ただいま寮。談話室では気が散るため集中出来ないため、歌恋は一人中庭にいた。
そこにお風呂上がりの轟が、みんなといない彼女を心配して探したのだ。
「特訓」
「特訓・・・」
「桜の花びらをより長い時間出来れば、もっと攻撃幅が広がるから。
イメージとしては、いまの桜吹雪は攻撃がないから、刃物みたいになんないかなとおもって。
ほら、普通の葉っぱでも、あの端っこで手切れたりするでしょ?それをザバァッて、雨みたいにしてみたい」
「・・・・・・・そんな技、作んなくっていいけどな。方向性だけ間違えんなよ」
「なによ、自分は強いからって。私には強度も必要なの。閉じ込められて何も出来ないのは、もうこりごりだから。
外からも内からも破壊できる何かが必要なのよ!轟くんには分かんないよこの気持ち」
「なっ・・・俺はただ、心配して」
「あーもー!分かってる!ずっと親にも言われてきたんだもん、ヒーロー向きの"個性"じゃないって!」
ダメだ。特訓がおもうようにうまくいかなくてイライラして、感情をぶつけてしまう。
「もう、生半可な気持ちでいられる時期じゃないってことだって分かってるわよ!
親に散々心配かけて、他の学校じゃダメかって聞かれて!全部!全部・・・!」
『真っ赤な真っ赤な、血のようで』
「っ・・・!」
泣き叫ぶ歌恋を、轟は抱き止めてくれる。
「この"個性"・・・嫌い・・・なんで・・・なんで・・・桜だったんだろう・・・っ怖い・・・私が、私じゃないみたいで・・・」
「歌恋は、歌恋だ・・・(俺は、何も分かっちゃいなかった・・・)」
皆が言う不吉だの血だの、本人が言われてどれだけ苦しいのか、分かってやれてなくて。
自分がエンデヴァーの息子だって話た時と。抱えてるモンの大小は、関係ない。
さっき歌恋が言っていた技が完成したら、彼女自身に使うんじゃないかって。
「ヴィランに言われた事は忘れろ、血じゃねぇよ。キレイな技だって、言っただろ?
血だなんて、他のクラスの奴らも思っちゃいねぇ。だから皆、いいヤツなんだろ」
「っ・・・うっ・・・」
轟に寄り添い、しがみつく。彼も、優しく力を込めてくれる。