第十話 入れ寮
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「やだな・・・まじで全員やるの・・・?大丈夫?」
まずは共同スペースの一階に戻らないといけない為、女子先頭バッターは耳郎響香、3階からスタート。
「大丈夫でしょ、多分」
(多分、なんだ・・・)
「・・・ハズいんだけど」
耳郎ルーム。
「思ってた以上にガッキガッキしてんな」
「スゴい!!ドラムもギターも!え、これ音響効果出せるやつ!?」
楽器を持ったことない歌恋は、興味津々である。
「耳郎ちゃんはロッキンガールなんだねぇ!!」
「これ、全部弾けるの!?」
興奮してる麗日の問いかけに、耳郎が頷く。
「まァ、一通りは・・・」
「女っ気のねぇ部屋だ」
「ノン淑女」
上鳴と青山に、耳郎の容赦ない"個性"のイヤホンから攻撃されるのだった。
「次行こ、次!!」
「次は私、葉隠だ!どーだ!?」
葉隠ルーム。
やはり葉隠の部屋は女の子らしくて、可愛らしい部屋だ。男子も思わず赤面が多数。
「プルスウルトラ」
どさくさに紛れ、峰田はカラーボックスを引いていた。
「正面突破かよ、峰田くん!」
それから峰田は、瀬呂のテープで全身巻かれた。
(ありがとう瀬呂くん)
これで少しは安心である。
4階、歌恋ルームからスタート。
「なんか、見せるってほどでもないんだけど・・・」
チラッと、チラッと、轟に視線で投げ掛ける。
「一人で逃げるのはズリーぞ、登坂!」
「歌恋ちゃんの部屋も見せて!」
上鳴と、葉隠強豪突破。
登坂ルーム。
「うお、漫画ならんでる!ジャンル一緒じゃん!」
切島が漫画を一冊手に取りパラパラめくる。歌恋は単行本派である。
「観葉植物がオシャレ!」
「歌恋っぽいな」
「べ、別に特に変わったもんはないよっ」
カーテンやベッドの布団は、クローバーなど植物が模様されたデザインだ。
「まるで自然だな」
轟の言葉に、照れてしまう。
「お母さんも花が好きな人だから、自然とそういう風にね」
「登坂、あとで漫画貸し借りしねぇ?」
「いいよ!」
切島とは、すっかり漫画で共感できるものがあったようだ。
次は芦戸ルーム。
「じゃーん!!カワイーでしょーが!!」
葉隠とは逆に、芦戸の部屋もオシャレであるが、少しコギャル感あり、また違う雰囲気だ。
麗日ルーム。
「味気のない部屋でございます・・・」
スッキリとした部屋に、可愛らしい小物たちがキレイに並べられている。
「なんか、こう・・・あまりにもフツーに、フツーのジョシ部屋見て回ってると、背徳感出てくるね・・・」
「禁断の花園・・・」
そう尾白と常闇が呟いた。
次は蛙吹の部屋だが、彼女は気分が優れないということで、気分がいい時にみさせてもらおうとなった。
というわけで、ラストはクラス一金持ちお嬢様である八百万の部屋。
「それが・・・私、見当違いをしてしまいまして・・・皆さんの創意溢れるお部屋と比べて・・・、
少々手狭になってしまいましたの」
「でけぇー!!」
「狭!!」
「どうした、八百万!」
八百万の部屋は、映画のワンシーンに出てくるようなお姫様が使うような広いベッドだった。
「私の使っていた家具なのですが・・・まさかお部屋の広さがこれだけだとは思っておらず・・・」
(住む世界が違うや・・・でも、こんな素敵なベッドで・・・)
女子だって、妄想はするさ。チラッと、轟を見れば視線が合うわけで。カァーと、赤くなる。
(いや、何私妄想してるの・・・!ただ厭らしいだけじゃん)
再び、彼を見てみると、彼も赤くなる顔を隠していた。
(何、俺イライラしてんだ・・・歌恋が他の奴と親しげに話してるのがムカムカしてくる。
今まで話してきたのは親父のことや、お互いの過去のこと・・・好きなモンとか、全然しらなかった・・・。
だから歌恋も、好きな食べ物は何?なんて、聞いてきたのだろう。教えたことなかったしな。
それでも歌恋は、またいろいろ厭らしいことでも考えていたんだろうな)
自分の顔を見れば、彼女はすぐ赤面する。
(こっちだって、我慢してんのに・・・そんなに期待されてちゃ、すぐ手出ししちまいそうになる)
というよりも、好きな女子の部屋をこう軽々他の男に見せてよかったのだろうか。
だから彼女も、あんなに気にしていたのだろう。
部屋が終わり、共同スペースに戻る時に歌恋が話してくる。
「轟くんが和室ってのに驚いた。けっこう、日本文化が好きなんだね」
「俺も、登坂が漫画好きだとは思わなかったな」
「昔から、漫画が心の拠り所だったから・・・」
過去を知ったせいか、ズキリと胸が痛む。
「いまは、俺がいる」
「うん」
大きな手が頭に乗せられる。それがとても心地よい。が、すっかり忘れそうになった。
「アツアツ・・・」
「ラブラブだねぇ~」
ギクッと、芦戸と葉隠に目を向ける。
「なんだよ、お前らそーいう関係!?」
「へぇー、どこまでヤってんだ?」
からかい上手の上鳴に瀬呂がニヤニヤしながら聞いてくる。
「ち、違う!違うって!」
照れ隠しにあたふた動揺しながら身ぶり手振りする歌恋を、轟が後ろから捕まえた。
「と・・・っ!!」
「そーいう関係だ」
こんな形で皆にばれるとは。最初の方で戻っていた耳郎に歌恋は抱きつく。
「わ、なに?」
「み、みみ皆にバレた・・・」
「轟とのこと?」
耳郎、彼女はいつも直球である。
「はう」
「クラスで最初のカップル登場だね!」
「ど、どどどーしたの、上鳴くん、瀬呂くん!」
氷で身動き取れない二人を見て、緑谷は目を丸くしている。
「「助けてくれー!!」」
「カップルってなんだよ!どーゆうことだよ!」
叫ぶ峰田には、轟が不機嫌に睨み付ける。まぁ、最初の頃のあの目付きだ。
「歌恋には手出すなよ」
「えーと、うーんと・・・」
これはまずい、せっかくの楽しかった雰囲気が台無しである。
「焦凍くん!」
「わりぃ・・・」
「・・・な、なんか部屋王とか、どうでもよくなっちゃったね!」
「明日も早いし、寝よっか!」
「じゃあね~」
「あっ!」
部屋王と言い出しっぺ二人がそそくさと逃げていく。
「俺も寝る」
「あっ、轟くん、ちょ待って!」
そう彼を呼び止めたのは、麗日だった。
「デクくんも飯田くんも・・・それに、切島くん八百万さん、ちょっといいかな。あと、歌恋ちゃんも」
外に出ると、落ち込んでいる蛙吹がいる。
「あのね、梅雨ちゃんが皆にお話ししたいんだって」
「私、思ったことは何でも言っちゃうの。けど、最初にこれだけは言わせて欲しいの。
歌恋ちゃんが、無事に帰ってきてくれて本当によかったわ」
「梅雨ちゃん・・・」
「でもね、何て言ったらいいのかわからないのだけど・・・緑谷ちゃんたちは、
病院で私が言った言葉、憶えてるかしら」
『ルールを破るというのなら、その行為はヴィランのそれと同じなのよ』
「・・・!・・・うん」
「心を鬼にして、辛い言い方をしたわ」
「梅雨ちゃん・・・」
「それでも皆行ってしまったと今朝聞いて、とてもショックだったの。
止めたつもりになってた不甲斐なさや、色んな嫌な気持ちが溢れて・・・。
何て言ったらいいのか、わからなくなって。皆と楽しくお喋りできそうになかったのよ。
でも、それはとても悲しいの」
蛙吹の瞳に、涙が溢れていく。
「だから・・・まとまらなくっても、ちゃんとお話をして、また皆と楽しくお喋りできるようにしたいと思ったの」
泣いてしまう蛙吹を、麗日がなだめる。
「梅雨ちゃんだけじゃないよ。皆、すんごい不安で、拭いさりたくって。
だから・・・部屋王とかやったのも、デクくんたちや歌恋ちゃんの気持ちはわかったからこそのアレで。
だから、責めるんじゃなく、またアレ・・・なんていうか・・・ムズいけど、とにかく、
また皆で笑って・・・頑張っていこうってヤツさ!!」
皆の気持ちを、考えてくれて・・・。
「梅雨ちゃん・・・すまねぇ!!話してくれて、ありがとう!!」
「蛙吹、すまねぇ」
「蛙吹さん!」
「ケロッ」
「梅雨ちゃん、ありがとう」
「まだ、歌恋ちゃんにちゃんと言えてなかったわ・・・おかえりなさい」
歌恋は蛙吹と、ギューと抱き合った。
そして、いつもの日常に戻っていく。
まずは共同スペースの一階に戻らないといけない為、女子先頭バッターは耳郎響香、3階からスタート。
「大丈夫でしょ、多分」
(多分、なんだ・・・)
「・・・ハズいんだけど」
耳郎ルーム。
「思ってた以上にガッキガッキしてんな」
「スゴい!!ドラムもギターも!え、これ音響効果出せるやつ!?」
楽器を持ったことない歌恋は、興味津々である。
「耳郎ちゃんはロッキンガールなんだねぇ!!」
「これ、全部弾けるの!?」
興奮してる麗日の問いかけに、耳郎が頷く。
「まァ、一通りは・・・」
「女っ気のねぇ部屋だ」
「ノン淑女」
上鳴と青山に、耳郎の容赦ない"個性"のイヤホンから攻撃されるのだった。
「次行こ、次!!」
「次は私、葉隠だ!どーだ!?」
葉隠ルーム。
やはり葉隠の部屋は女の子らしくて、可愛らしい部屋だ。男子も思わず赤面が多数。
「プルスウルトラ」
どさくさに紛れ、峰田はカラーボックスを引いていた。
「正面突破かよ、峰田くん!」
それから峰田は、瀬呂のテープで全身巻かれた。
(ありがとう瀬呂くん)
これで少しは安心である。
4階、歌恋ルームからスタート。
「なんか、見せるってほどでもないんだけど・・・」
チラッと、チラッと、轟に視線で投げ掛ける。
「一人で逃げるのはズリーぞ、登坂!」
「歌恋ちゃんの部屋も見せて!」
上鳴と、葉隠強豪突破。
登坂ルーム。
「うお、漫画ならんでる!ジャンル一緒じゃん!」
切島が漫画を一冊手に取りパラパラめくる。歌恋は単行本派である。
「観葉植物がオシャレ!」
「歌恋っぽいな」
「べ、別に特に変わったもんはないよっ」
カーテンやベッドの布団は、クローバーなど植物が模様されたデザインだ。
「まるで自然だな」
轟の言葉に、照れてしまう。
「お母さんも花が好きな人だから、自然とそういう風にね」
「登坂、あとで漫画貸し借りしねぇ?」
「いいよ!」
切島とは、すっかり漫画で共感できるものがあったようだ。
次は芦戸ルーム。
「じゃーん!!カワイーでしょーが!!」
葉隠とは逆に、芦戸の部屋もオシャレであるが、少しコギャル感あり、また違う雰囲気だ。
麗日ルーム。
「味気のない部屋でございます・・・」
スッキリとした部屋に、可愛らしい小物たちがキレイに並べられている。
「なんか、こう・・・あまりにもフツーに、フツーのジョシ部屋見て回ってると、背徳感出てくるね・・・」
「禁断の花園・・・」
そう尾白と常闇が呟いた。
次は蛙吹の部屋だが、彼女は気分が優れないということで、気分がいい時にみさせてもらおうとなった。
というわけで、ラストはクラス一金持ちお嬢様である八百万の部屋。
「それが・・・私、見当違いをしてしまいまして・・・皆さんの創意溢れるお部屋と比べて・・・、
少々手狭になってしまいましたの」
「でけぇー!!」
「狭!!」
「どうした、八百万!」
八百万の部屋は、映画のワンシーンに出てくるようなお姫様が使うような広いベッドだった。
「私の使っていた家具なのですが・・・まさかお部屋の広さがこれだけだとは思っておらず・・・」
(住む世界が違うや・・・でも、こんな素敵なベッドで・・・)
女子だって、妄想はするさ。チラッと、轟を見れば視線が合うわけで。カァーと、赤くなる。
(いや、何私妄想してるの・・・!ただ厭らしいだけじゃん)
再び、彼を見てみると、彼も赤くなる顔を隠していた。
(何、俺イライラしてんだ・・・歌恋が他の奴と親しげに話してるのがムカムカしてくる。
今まで話してきたのは親父のことや、お互いの過去のこと・・・好きなモンとか、全然しらなかった・・・。
だから歌恋も、好きな食べ物は何?なんて、聞いてきたのだろう。教えたことなかったしな。
それでも歌恋は、またいろいろ厭らしいことでも考えていたんだろうな)
自分の顔を見れば、彼女はすぐ赤面する。
(こっちだって、我慢してんのに・・・そんなに期待されてちゃ、すぐ手出ししちまいそうになる)
というよりも、好きな女子の部屋をこう軽々他の男に見せてよかったのだろうか。
だから彼女も、あんなに気にしていたのだろう。
部屋が終わり、共同スペースに戻る時に歌恋が話してくる。
「轟くんが和室ってのに驚いた。けっこう、日本文化が好きなんだね」
「俺も、登坂が漫画好きだとは思わなかったな」
「昔から、漫画が心の拠り所だったから・・・」
過去を知ったせいか、ズキリと胸が痛む。
「いまは、俺がいる」
「うん」
大きな手が頭に乗せられる。それがとても心地よい。が、すっかり忘れそうになった。
「アツアツ・・・」
「ラブラブだねぇ~」
ギクッと、芦戸と葉隠に目を向ける。
「なんだよ、お前らそーいう関係!?」
「へぇー、どこまでヤってんだ?」
からかい上手の上鳴に瀬呂がニヤニヤしながら聞いてくる。
「ち、違う!違うって!」
照れ隠しにあたふた動揺しながら身ぶり手振りする歌恋を、轟が後ろから捕まえた。
「と・・・っ!!」
「そーいう関係だ」
こんな形で皆にばれるとは。最初の方で戻っていた耳郎に歌恋は抱きつく。
「わ、なに?」
「み、みみ皆にバレた・・・」
「轟とのこと?」
耳郎、彼女はいつも直球である。
「はう」
「クラスで最初のカップル登場だね!」
「ど、どどどーしたの、上鳴くん、瀬呂くん!」
氷で身動き取れない二人を見て、緑谷は目を丸くしている。
「「助けてくれー!!」」
「カップルってなんだよ!どーゆうことだよ!」
叫ぶ峰田には、轟が不機嫌に睨み付ける。まぁ、最初の頃のあの目付きだ。
「歌恋には手出すなよ」
「えーと、うーんと・・・」
これはまずい、せっかくの楽しかった雰囲気が台無しである。
「焦凍くん!」
「わりぃ・・・」
「・・・な、なんか部屋王とか、どうでもよくなっちゃったね!」
「明日も早いし、寝よっか!」
「じゃあね~」
「あっ!」
部屋王と言い出しっぺ二人がそそくさと逃げていく。
「俺も寝る」
「あっ、轟くん、ちょ待って!」
そう彼を呼び止めたのは、麗日だった。
「デクくんも飯田くんも・・・それに、切島くん八百万さん、ちょっといいかな。あと、歌恋ちゃんも」
外に出ると、落ち込んでいる蛙吹がいる。
「あのね、梅雨ちゃんが皆にお話ししたいんだって」
「私、思ったことは何でも言っちゃうの。けど、最初にこれだけは言わせて欲しいの。
歌恋ちゃんが、無事に帰ってきてくれて本当によかったわ」
「梅雨ちゃん・・・」
「でもね、何て言ったらいいのかわからないのだけど・・・緑谷ちゃんたちは、
病院で私が言った言葉、憶えてるかしら」
『ルールを破るというのなら、その行為はヴィランのそれと同じなのよ』
「・・・!・・・うん」
「心を鬼にして、辛い言い方をしたわ」
「梅雨ちゃん・・・」
「それでも皆行ってしまったと今朝聞いて、とてもショックだったの。
止めたつもりになってた不甲斐なさや、色んな嫌な気持ちが溢れて・・・。
何て言ったらいいのか、わからなくなって。皆と楽しくお喋りできそうになかったのよ。
でも、それはとても悲しいの」
蛙吹の瞳に、涙が溢れていく。
「だから・・・まとまらなくっても、ちゃんとお話をして、また皆と楽しくお喋りできるようにしたいと思ったの」
泣いてしまう蛙吹を、麗日がなだめる。
「梅雨ちゃんだけじゃないよ。皆、すんごい不安で、拭いさりたくって。
だから・・・部屋王とかやったのも、デクくんたちや歌恋ちゃんの気持ちはわかったからこそのアレで。
だから、責めるんじゃなく、またアレ・・・なんていうか・・・ムズいけど、とにかく、
また皆で笑って・・・頑張っていこうってヤツさ!!」
皆の気持ちを、考えてくれて・・・。
「梅雨ちゃん・・・すまねぇ!!話してくれて、ありがとう!!」
「蛙吹、すまねぇ」
「蛙吹さん!」
「ケロッ」
「梅雨ちゃん、ありがとう」
「まだ、歌恋ちゃんにちゃんと言えてなかったわ・・・おかえりなさい」
歌恋は蛙吹と、ギューと抱き合った。
そして、いつもの日常に戻っていく。