第九話 救出作戦
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あのまま、緑谷たちと街中まで走っていた。騒ぎから逃げ惑う人々も一緒に。
「緑谷、そっち無事か?」
轟から電話がかかってきているのか、緑谷が応答している。
「うん!轟くんの方は!?逃げ切れた!?」
「多分な。奴の背面方向に逃げてる。プロたちが避難誘導してくれてる」
「よかった!僕らは駅前にいるよ!あの衝撃波も圏外っぽい!奪還は成功だよ!」
「・・・緑谷くん、轟くんとだよね?」
「あ、うん」
やっぱりあの氷は轟の氷結の"個性"。歌恋は林間合宿のあの夜、
スマホはポケットから出し机の上に出していた。だから、自分のはいまなくて。
「轟くん、代わるよ」
緑谷がそっと、スマホを貸してくれる。
「ありがとう」
ドキドキしながら、それを受け取り、歌恋は口を開く。
「・・・轟、くん・・・?」
「歌恋か!?無事なんだな!?」
「いいか、俺ァ助けられたわけじゃねぇ。一番良い脱出経路がてめェらだっただけだ!」
ハッキリ言い切る爆豪に、切島は笑顔で親指を立てている。
「ナイス判断!」
そのやり取りを見て、歌恋は話す。
「爆豪くんはああに言ってるけど・・・みんな、ありがとう。もう、泣くのは嫌なのに、なんでかな・・・」
無事でいれたこと、またこうやってみんなと会えたこと。不安が減り、安心感があること。
「ありがとう・・・、みんな・・・」
溢れてくる涙を、必死に拭う。そんな彼女をみて、爆豪は頭に手をのせてきた。
「はぁ・・・俺はただ、オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからだ」
「うん、うん・・・」
泣きながら頷いている歌恋の声は機械越しで。
「・・・そろそろ切るぞ?」
「うん・・・緑谷くん、ありがとう・・・」
一つ、不安がなくなり、電話を切ったあと轟は安堵のため息をはく。
「皆さん、ご無事でしょうか・・・?」
人混みの中、八百万が聞いてくる。
「あぁ・・・(救出中とはいえ、嫉妬だなんてな・・・)」
一番気持ちが針積めてる時に、いつも側にいてやれない。向こうには皆がいるから大丈夫だろうが。
「・・・・・・・・」
「轟さん・・・その、あの・・・」
胸元にギュッと、切なげに八百万は手を握りしめる。
「なんだ?」
「・・・いえ・・・」
『私は、轟くんが好きだよ』
笑顔で言っていた歌恋を思い出す。
「合流を急ぎましょう」
聞きたかった言葉は、呑み込んで・・・。
「そうだな」
オールマイトVSオール・フォー・ワンの戦い。
報道陣がヘリで向かったのか、生中継がテレビに映し出されていた。
いまは合流することも忘れ、道行く街の人も一緒に画面にくぎ付けだ。
あの平和の象徴オールマイトが、押されている・・・殺られている・・・。
「オールマイト、ボコられてなかった?」
「最近、ヴィラン暴れすぎじゃね?」
「むしろヒーローがやられすぎな気ィする・・・」
「他のヒーローは、何やってんだ!?」
等々。歌恋は歯を食いしばる。悔しい・・・自分がもっと強ければ。
オールマイトと共に戦うか、脳無と交戦中のエンデヴァーらと協力して戦えたかもしれないのに。
いまは、助けられることで、邪魔にならないようにするだけで精一杯だなんて。
最初から自分たちが捕まってなければ、オールマイトがこんなことにならずにすんだのに。
ヒーローは、守るべきものが多いなんて、ヴィランに言われなくてもわかっている。
テレビで見えたのは、逃げ遅れて瓦礫に埋もれている女性がいた。
そうだ。決してあの場所にいたのは自分たちだけじゃない。普通に生活している人だっていた。
ここでオールマイトが攻撃をよければ、その女性に大きな被害が及ぶ。だから・・・。
「避けて良いのか?君が守ってきたものを奪う。まずは怪我を通し続けたその矜持。
惨めな姿を晒せ、平和の象徴」
唖然と、目を見開く歌恋たち。いま、画面に映っているヒーローは、誰だ?
「え・・・?」
「なんだ、あのガイコツ・・・」
「・・・オールマイト・・・?」
いつもみんなの知るオールマイトの姿ではない。頬はこけ、目も窪んでいるその人。
これが、オールマイトの本来の姿・・・。
「私の心は、依然平和の象徴!!一欠片とて奪えるものじゃあない!!」
「オールマイト・・・やばくない・・・!?」
「そんな・・・嫌だ・・・オールマイト・・・!あんたが勝てなきゃ、あんなの誰が勝てんだよ・・・」
「姿は変わっても、オールマイトはオールマイトでしょ!?いつだって何とかしてきてくれたじゃんか!」
異様な光景が広がっていく。オールマイトへの声援が、広がっていく。
「負けるなオールマイト!!」
「頑張れ!!」
そして、爆豪も緑谷も。
「勝てや!!」
「オールマイトォ!!」
「ああ・・・!多いよ・・・!ヒーローは・・・守るものが多いんだよ、オール・フォー・ワン!!だから負けないんだよ」
宙に浮いたオール・フォー・ワンに、炎が襲う。ハッとオールマイトが顔を上げればエンデヴァーがいた。
「なんだ、貴様・・・その姿は何だオールマイトォ!!!」
来てくれたのはエンデヴァーだけではない。脳無を撃退し終えたヒーロー達が次々に駆けつけてくれたのだ。
「全て中位とはいえ・・・あの脳無たちをもう制圧したか。さすがNo.2にのぼりつめた男」
「貴様・・・」
自分が越えようと必死にもがいていたNo.1ヒーローがいま、こんな相手一人に・・・。
なんのために、なんのために家族を犠牲にしてきたのか。全ては自分が越えたいが為だった・・・。
「なんだそのっ、情けない背中は!!」
「応援に来ただけなら、観客らしくおとなしくしててくれ」
「抜かせ破壊者」
"個性"でオール・フォー・ワンに攻撃するのは、エッジショット。
「俺たちは救けに来たんだ」
シンリンカムイも虎も、倒れてしまったヒーローに動けない一般人を救けていく。
すこしでもオールマイトの背負うモノを減らせるように。どんな姿でも、
オールマイトは皆のNo.1ヒーローなのだと。みんなが、勝利を願っている。
「煩わしい」
応戦していたヒーローたちが、衝撃波で弾き飛ばされる。
「精神の話はよして、現実の話をしよう」
オール・フォー・ワンの右腕が、筋骨に変化され膨れ上がる。オールマイトを確実に殺す手段。
拳と拳が、ぶつかり合う。お互い一歩も譲らない破壊力。
オールマイトの懐に入ったオール・フォー・ワンを、力の限り何度も何度も立ち向かう。
「らしくない小細工だ。浅い」
すれすれで、オールマイトは攻撃をよける。そう、彼は僅かなこの瞬間を狙っていた。
攻撃の体制に戻られる前のこの一瞬を。
「そりゃァ・・・腰が、入ってなかったからな!!」
最後の正念場・・・最後の一振り・・・。
さらばだ、オール・フォー・ワン。
吹き付ける突風。視界が開けた先に立つ人物は、弱々しくもしっかり拳を上げたオールマイトだった。
「「「オールマイトォ!!」」」
騒然とパニックになる街の中。オールマイトの勝利に誰もが喜ぶ。
そんな中、画面越しにオールマイトが指をさした。
「次は、君だ」
と。オールマイトからのメッセージ。人それぞれの捉え方はある。
それを見た緑谷が泣いた姿。なんて言えばいいのかわからないけど、胸が痛んだ。
これがオールマイトの最後の戦い・・・。
「緑谷、そっち無事か?」
轟から電話がかかってきているのか、緑谷が応答している。
「うん!轟くんの方は!?逃げ切れた!?」
「多分な。奴の背面方向に逃げてる。プロたちが避難誘導してくれてる」
「よかった!僕らは駅前にいるよ!あの衝撃波も圏外っぽい!奪還は成功だよ!」
「・・・緑谷くん、轟くんとだよね?」
「あ、うん」
やっぱりあの氷は轟の氷結の"個性"。歌恋は林間合宿のあの夜、
スマホはポケットから出し机の上に出していた。だから、自分のはいまなくて。
「轟くん、代わるよ」
緑谷がそっと、スマホを貸してくれる。
「ありがとう」
ドキドキしながら、それを受け取り、歌恋は口を開く。
「・・・轟、くん・・・?」
「歌恋か!?無事なんだな!?」
「いいか、俺ァ助けられたわけじゃねぇ。一番良い脱出経路がてめェらだっただけだ!」
ハッキリ言い切る爆豪に、切島は笑顔で親指を立てている。
「ナイス判断!」
そのやり取りを見て、歌恋は話す。
「爆豪くんはああに言ってるけど・・・みんな、ありがとう。もう、泣くのは嫌なのに、なんでかな・・・」
無事でいれたこと、またこうやってみんなと会えたこと。不安が減り、安心感があること。
「ありがとう・・・、みんな・・・」
溢れてくる涙を、必死に拭う。そんな彼女をみて、爆豪は頭に手をのせてきた。
「はぁ・・・俺はただ、オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからだ」
「うん、うん・・・」
泣きながら頷いている歌恋の声は機械越しで。
「・・・そろそろ切るぞ?」
「うん・・・緑谷くん、ありがとう・・・」
一つ、不安がなくなり、電話を切ったあと轟は安堵のため息をはく。
「皆さん、ご無事でしょうか・・・?」
人混みの中、八百万が聞いてくる。
「あぁ・・・(救出中とはいえ、嫉妬だなんてな・・・)」
一番気持ちが針積めてる時に、いつも側にいてやれない。向こうには皆がいるから大丈夫だろうが。
「・・・・・・・・」
「轟さん・・・その、あの・・・」
胸元にギュッと、切なげに八百万は手を握りしめる。
「なんだ?」
「・・・いえ・・・」
『私は、轟くんが好きだよ』
笑顔で言っていた歌恋を思い出す。
「合流を急ぎましょう」
聞きたかった言葉は、呑み込んで・・・。
「そうだな」
オールマイトVSオール・フォー・ワンの戦い。
報道陣がヘリで向かったのか、生中継がテレビに映し出されていた。
いまは合流することも忘れ、道行く街の人も一緒に画面にくぎ付けだ。
あの平和の象徴オールマイトが、押されている・・・殺られている・・・。
「オールマイト、ボコられてなかった?」
「最近、ヴィラン暴れすぎじゃね?」
「むしろヒーローがやられすぎな気ィする・・・」
「他のヒーローは、何やってんだ!?」
等々。歌恋は歯を食いしばる。悔しい・・・自分がもっと強ければ。
オールマイトと共に戦うか、脳無と交戦中のエンデヴァーらと協力して戦えたかもしれないのに。
いまは、助けられることで、邪魔にならないようにするだけで精一杯だなんて。
最初から自分たちが捕まってなければ、オールマイトがこんなことにならずにすんだのに。
ヒーローは、守るべきものが多いなんて、ヴィランに言われなくてもわかっている。
テレビで見えたのは、逃げ遅れて瓦礫に埋もれている女性がいた。
そうだ。決してあの場所にいたのは自分たちだけじゃない。普通に生活している人だっていた。
ここでオールマイトが攻撃をよければ、その女性に大きな被害が及ぶ。だから・・・。
「避けて良いのか?君が守ってきたものを奪う。まずは怪我を通し続けたその矜持。
惨めな姿を晒せ、平和の象徴」
唖然と、目を見開く歌恋たち。いま、画面に映っているヒーローは、誰だ?
「え・・・?」
「なんだ、あのガイコツ・・・」
「・・・オールマイト・・・?」
いつもみんなの知るオールマイトの姿ではない。頬はこけ、目も窪んでいるその人。
これが、オールマイトの本来の姿・・・。
「私の心は、依然平和の象徴!!一欠片とて奪えるものじゃあない!!」
「オールマイト・・・やばくない・・・!?」
「そんな・・・嫌だ・・・オールマイト・・・!あんたが勝てなきゃ、あんなの誰が勝てんだよ・・・」
「姿は変わっても、オールマイトはオールマイトでしょ!?いつだって何とかしてきてくれたじゃんか!」
異様な光景が広がっていく。オールマイトへの声援が、広がっていく。
「負けるなオールマイト!!」
「頑張れ!!」
そして、爆豪も緑谷も。
「勝てや!!」
「オールマイトォ!!」
「ああ・・・!多いよ・・・!ヒーローは・・・守るものが多いんだよ、オール・フォー・ワン!!だから負けないんだよ」
宙に浮いたオール・フォー・ワンに、炎が襲う。ハッとオールマイトが顔を上げればエンデヴァーがいた。
「なんだ、貴様・・・その姿は何だオールマイトォ!!!」
来てくれたのはエンデヴァーだけではない。脳無を撃退し終えたヒーロー達が次々に駆けつけてくれたのだ。
「全て中位とはいえ・・・あの脳無たちをもう制圧したか。さすがNo.2にのぼりつめた男」
「貴様・・・」
自分が越えようと必死にもがいていたNo.1ヒーローがいま、こんな相手一人に・・・。
なんのために、なんのために家族を犠牲にしてきたのか。全ては自分が越えたいが為だった・・・。
「なんだそのっ、情けない背中は!!」
「応援に来ただけなら、観客らしくおとなしくしててくれ」
「抜かせ破壊者」
"個性"でオール・フォー・ワンに攻撃するのは、エッジショット。
「俺たちは救けに来たんだ」
シンリンカムイも虎も、倒れてしまったヒーローに動けない一般人を救けていく。
すこしでもオールマイトの背負うモノを減らせるように。どんな姿でも、
オールマイトは皆のNo.1ヒーローなのだと。みんなが、勝利を願っている。
「煩わしい」
応戦していたヒーローたちが、衝撃波で弾き飛ばされる。
「精神の話はよして、現実の話をしよう」
オール・フォー・ワンの右腕が、筋骨に変化され膨れ上がる。オールマイトを確実に殺す手段。
拳と拳が、ぶつかり合う。お互い一歩も譲らない破壊力。
オールマイトの懐に入ったオール・フォー・ワンを、力の限り何度も何度も立ち向かう。
「らしくない小細工だ。浅い」
すれすれで、オールマイトは攻撃をよける。そう、彼は僅かなこの瞬間を狙っていた。
攻撃の体制に戻られる前のこの一瞬を。
「そりゃァ・・・腰が、入ってなかったからな!!」
最後の正念場・・・最後の一振り・・・。
さらばだ、オール・フォー・ワン。
吹き付ける突風。視界が開けた先に立つ人物は、弱々しくもしっかり拳を上げたオールマイトだった。
「「「オールマイトォ!!」」」
騒然とパニックになる街の中。オールマイトの勝利に誰もが喜ぶ。
そんな中、画面越しにオールマイトが指をさした。
「次は、君だ」
と。オールマイトからのメッセージ。人それぞれの捉え方はある。
それを見た緑谷が泣いた姿。なんて言えばいいのかわからないけど、胸が痛んだ。
これがオールマイトの最後の戦い・・・。