第九話 救出作戦
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「電気も点いてねーし、中に人がいる感じはねぇな」
「木を隠すなら森の中・・・廃倉庫を装ってるワケだな」
「・・・轟くん?」
「・・・?」
緑谷に名前を呼ばれ、振り返る。先程見た記者会見から、轟は黙ったままだった。
「何か、提案があるの?」
どうやって忍び込もうかと考えてくれているのかと思い、緑谷が話を促してみる。
「あぁ・・・わりぃ、違う・・・」
あの時相澤先生が言っていた[不吉の桜]。確かに桜には、色んな言い伝えがある。
「・・・登坂の"個性"の桜って、なんだろうなって」
男子の名前を呼ばない理由も、そこからきているのかわからないけど。
「・・・少なくとも僕は、登坂さんの"個性"凄いと思うよ。だって、万能だよ!
桜って、確かに悪い方での印象も強い花かもしれない。古典の授業とかであるようにさ。
だけど、相澤先生も言ってた通り、登坂さん自身の"個性"なんだよ。
よく詠われるような、宵闇に輝く不気味な桜じゃない。美しくヒラヒラ舞う桜だよ」
緑谷なら、そう前向きな言葉をくれると思った。なんせ自分の時も無茶苦茶やってくるような奴だ。
「そう、だよな・・・」
「あ、それ、俺もだからな!」
「切島・・・」
「期末試験の時、あいつと組んだから何となくわかる」
「うむ・・・落ちたがな」
「落ちましたわね」
「そこ引っ張んなよ!飯田、八百万っ。んで、どーするよ?」
皆の明るい雰囲気に、口元が緩む。
(そうだよな・・・いまは、あいつを救けることだけ考える)
今いる場所から見える範囲で辺りを見回すが、出入口らしい出入口もなく、
この深夜の時間帯にも関わらず酔っぱらいでの人通りも少なくはない。
「・・・とりあえず、裏に回ってみよう」
轟の案に、緑谷が頷く。
「そうだね。どれだけか細くても、僕らにはここしか情報がないから」
裏道を通るのに使ったのは狭い路地。胸のデカイ八百万は少々苦痛だ。
「狭いですわ・・・つっかえそう」
「・・・・・・」
隣で聞いていた切島は何も言わない。男には、わからない・・・。
「安全を確信出来ない限り動けない・・・。ここなら人目はないし・・・」
顔を上げて周りを気にしていた緑谷がハッとした。目線の先に窓がある。
「あの高さなら、中の様子見れそうだよ!!」
だが、部屋の中から物音もしなければみるからに真っ暗で。
「この暗さで見れるか?」
轟が首をかしげる。
「それなら私、暗視鏡を・・・」
「いや!!八百万、それ俺、持って来てんだな実は」
切島の見せる暗視鏡に、緑谷が目を丸くしる。
「ええ、すごい何で!?」
「アマゾンには何でもあって、すぐ届くんだ。一つしか買えなかったけど、
やれる事考えた時に・・・要ると思ってよ」
「それ、めっちゃ高いやつじゃない!?僕もコスチューム考えてた時ネットで見たけど、
確か5万くらいしたような・・・」
「値段はいんだよ、言うな」
「よし。じゃあ、緑谷と切島が見ろ。俺と飯田で担ごう」
「せまいな・・・」
「あまり身を乗り出すなよ。危ないと思ったら、すぐ逃げ出せるよう」
「飯田、ちょっと下がれるか?」
不安定ながらも二組の肩車で様子を伺う。
「様子を教えたまえ。切島くん、どうなってる!?」
まず手始めに、切島が覗く。
「んあー・・・汚ねーだけで・・・特に、は―・・・うおっ!!」
グラッと揺れ落ちそうになる切島を、飯田がしっかり支えていく。
「おい!」
「っべェ!!」
「切島くん!?」
「どうした、何見えた!?切島!!」
気持ちが急いでしまう。どうなって、何が起きているのかと。
「左奥・・・!!緑谷、左奥!!見ろ!!」
「!?」
切島から暗視鏡を手渡された緑谷が、中を覗く。
「ウソだろ・・・!?あんな・・・無造作に・・・・・アレ、全部・・・脳無・・・!?」
そこには、ご丁寧に一体一体液体に浸けられた脳無の姿があった。
一触即発の中、歌恋は爆豪と離れまいと、必死に側に寄る。
一人になってしまったら、意識まで持つか心配だから。誰かいてくれてるという、
心強い気持ちで、今は意識を保ってられていた。
爆豪は死柄木の『先生』という発言に疑問を抱く。
「先生ぇ・・・?てめェがボスじゃねぇのかよ・・・白けんな」
「黒霧、コンプレス、また眠らせてしまっておけ」
死柄木の命令に、コンプレスは爆豪らの態度にため息をつく。
「ここまで人の話聞かねーとは・・・逆に感心するぜ」
普通の授業だったらちゃんと話は聞いている。だがこれは違う。ヴィランからのスカウト。
聞いていい話と聞きたくない話は、自分たちで勝手にわけられる。
「聞いて欲しけりゃ、土下座して死ね!」
その時、緊張感の欠片もない音が、爆豪と歌恋の後ろにあるドアから音がする。
「どーもォ、ピザーラ神野店ですー」
見ていたドアの方向から別に、壁が崩壊する。その崩壊した壁から現れたのは、プロヒーローたちだ。
「黒霧!ゲート・・・」
しかし、それを出させる暇もなく、シンリンカムイの技が炸裂した。
「先制必縛、ウルシ鎖牢!!」
瞬く間に、ヴィランらが拘束されていく。
「ぐっ」
「木ィ!?んなもん・・・」
荼毘が炎で燃やそうとするが、グラントリノの素早い蹴りが襲う。
「逸んなよ。おとなしくしといた方が・・・身の為だぜ」
「さすが若手実力派だ、シンリンカムイ!!」
内心ドキドキしているシンリンカムイと歌恋の目が合う。
職場体験以来、またこうやってお目にかかれるとは思っていない。
「そして、目にも止まらぬ古豪グラントリノ!!もう逃げられんぞヴィラン連合・・・。
何故って!?我々が、来た!」
正々堂々立ち向かうヒーロー、現No.1プロヒーローオールマイトもいる。
「あの会見後にまさか、タイミング示し合わせて・・・!」
「攻勢時ほど、守りが疎かになるものだ・・・ピザーラ神野店は、俺たちだけじゃない」
ドアから姿を現すプロヒーロー、エッジショット、忍者ヒーローが。
「外はあのエンデヴァーをはじめ、手練れのヒーローと警察が包囲してる」
「エンデヴァー・・・」
歌恋が呟く。
(轟くんのお父さんも・・・)
「塚内ィ!!何故あのメリケン男が突入で俺が包囲なんだ!!」
「万が一捕り漏らした場合、君の方が視野が広い」
なんて外で会話されている事は露知らす。
「怖かったろうに・・・よく耐えた!ごめんな・・・もう大丈夫だ、少年少女!」
「オールマイト~~・・・」
緊張の糸が切れ、ヘナヘナと力なくしゃがんでしまう歌恋とは対象の爆豪。
「こっ・・・怖くねぇよ。ヨユーだ、クソッ!!」
グッと、爆豪に向け、オールマイトが親指をたてる。
「安心してくれるのは嬉しいが、とりあえず立とう登坂少女!」
力任せにオールマイトが腕を掴み立たせてくれるが、その力は見掛けによらず頼もしい。
「はいっ」
「せっかく色々こねくり回してたのに・・・何そっちから来てくれてんだよラスボス・・・。
仕方がない・・・俺たちだけじゃない・・・そりゃあ、こっちもだ。黒霧、持って来れるだけ持って来い!!」
だが、何の反応も示さない。
「すみません死柄木弔・・・所定の位置にあるハズの脳無が・・・ない・・・!!」
「!?」
「やはり君はまだまだ青二才だ、死柄木!」
「あ?」
オールマイトが爆豪も、肩に手をまわし抱き寄せる。
「ヴィラン連合よ、君らは舐めすぎだ。少年少女の魂を。警察のたゆまぬ捜査を。
そして、我々の怒りを!!」
巨大化したMt.レディが、緑谷たちがいた建物を崩壊していく。
他のプロヒーローと共に、脳無のいた倉庫を制圧していた。
「おいたが過ぎたな。ここで終わりだ死柄木弔!!」
「木を隠すなら森の中・・・廃倉庫を装ってるワケだな」
「・・・轟くん?」
「・・・?」
緑谷に名前を呼ばれ、振り返る。先程見た記者会見から、轟は黙ったままだった。
「何か、提案があるの?」
どうやって忍び込もうかと考えてくれているのかと思い、緑谷が話を促してみる。
「あぁ・・・わりぃ、違う・・・」
あの時相澤先生が言っていた[不吉の桜]。確かに桜には、色んな言い伝えがある。
「・・・登坂の"個性"の桜って、なんだろうなって」
男子の名前を呼ばない理由も、そこからきているのかわからないけど。
「・・・少なくとも僕は、登坂さんの"個性"凄いと思うよ。だって、万能だよ!
桜って、確かに悪い方での印象も強い花かもしれない。古典の授業とかであるようにさ。
だけど、相澤先生も言ってた通り、登坂さん自身の"個性"なんだよ。
よく詠われるような、宵闇に輝く不気味な桜じゃない。美しくヒラヒラ舞う桜だよ」
緑谷なら、そう前向きな言葉をくれると思った。なんせ自分の時も無茶苦茶やってくるような奴だ。
「そう、だよな・・・」
「あ、それ、俺もだからな!」
「切島・・・」
「期末試験の時、あいつと組んだから何となくわかる」
「うむ・・・落ちたがな」
「落ちましたわね」
「そこ引っ張んなよ!飯田、八百万っ。んで、どーするよ?」
皆の明るい雰囲気に、口元が緩む。
(そうだよな・・・いまは、あいつを救けることだけ考える)
今いる場所から見える範囲で辺りを見回すが、出入口らしい出入口もなく、
この深夜の時間帯にも関わらず酔っぱらいでの人通りも少なくはない。
「・・・とりあえず、裏に回ってみよう」
轟の案に、緑谷が頷く。
「そうだね。どれだけか細くても、僕らにはここしか情報がないから」
裏道を通るのに使ったのは狭い路地。胸のデカイ八百万は少々苦痛だ。
「狭いですわ・・・つっかえそう」
「・・・・・・」
隣で聞いていた切島は何も言わない。男には、わからない・・・。
「安全を確信出来ない限り動けない・・・。ここなら人目はないし・・・」
顔を上げて周りを気にしていた緑谷がハッとした。目線の先に窓がある。
「あの高さなら、中の様子見れそうだよ!!」
だが、部屋の中から物音もしなければみるからに真っ暗で。
「この暗さで見れるか?」
轟が首をかしげる。
「それなら私、暗視鏡を・・・」
「いや!!八百万、それ俺、持って来てんだな実は」
切島の見せる暗視鏡に、緑谷が目を丸くしる。
「ええ、すごい何で!?」
「アマゾンには何でもあって、すぐ届くんだ。一つしか買えなかったけど、
やれる事考えた時に・・・要ると思ってよ」
「それ、めっちゃ高いやつじゃない!?僕もコスチューム考えてた時ネットで見たけど、
確か5万くらいしたような・・・」
「値段はいんだよ、言うな」
「よし。じゃあ、緑谷と切島が見ろ。俺と飯田で担ごう」
「せまいな・・・」
「あまり身を乗り出すなよ。危ないと思ったら、すぐ逃げ出せるよう」
「飯田、ちょっと下がれるか?」
不安定ながらも二組の肩車で様子を伺う。
「様子を教えたまえ。切島くん、どうなってる!?」
まず手始めに、切島が覗く。
「んあー・・・汚ねーだけで・・・特に、は―・・・うおっ!!」
グラッと揺れ落ちそうになる切島を、飯田がしっかり支えていく。
「おい!」
「っべェ!!」
「切島くん!?」
「どうした、何見えた!?切島!!」
気持ちが急いでしまう。どうなって、何が起きているのかと。
「左奥・・・!!緑谷、左奥!!見ろ!!」
「!?」
切島から暗視鏡を手渡された緑谷が、中を覗く。
「ウソだろ・・・!?あんな・・・無造作に・・・・・アレ、全部・・・脳無・・・!?」
そこには、ご丁寧に一体一体液体に浸けられた脳無の姿があった。
一触即発の中、歌恋は爆豪と離れまいと、必死に側に寄る。
一人になってしまったら、意識まで持つか心配だから。誰かいてくれてるという、
心強い気持ちで、今は意識を保ってられていた。
爆豪は死柄木の『先生』という発言に疑問を抱く。
「先生ぇ・・・?てめェがボスじゃねぇのかよ・・・白けんな」
「黒霧、コンプレス、また眠らせてしまっておけ」
死柄木の命令に、コンプレスは爆豪らの態度にため息をつく。
「ここまで人の話聞かねーとは・・・逆に感心するぜ」
普通の授業だったらちゃんと話は聞いている。だがこれは違う。ヴィランからのスカウト。
聞いていい話と聞きたくない話は、自分たちで勝手にわけられる。
「聞いて欲しけりゃ、土下座して死ね!」
その時、緊張感の欠片もない音が、爆豪と歌恋の後ろにあるドアから音がする。
「どーもォ、ピザーラ神野店ですー」
見ていたドアの方向から別に、壁が崩壊する。その崩壊した壁から現れたのは、プロヒーローたちだ。
「黒霧!ゲート・・・」
しかし、それを出させる暇もなく、シンリンカムイの技が炸裂した。
「先制必縛、ウルシ鎖牢!!」
瞬く間に、ヴィランらが拘束されていく。
「ぐっ」
「木ィ!?んなもん・・・」
荼毘が炎で燃やそうとするが、グラントリノの素早い蹴りが襲う。
「逸んなよ。おとなしくしといた方が・・・身の為だぜ」
「さすが若手実力派だ、シンリンカムイ!!」
内心ドキドキしているシンリンカムイと歌恋の目が合う。
職場体験以来、またこうやってお目にかかれるとは思っていない。
「そして、目にも止まらぬ古豪グラントリノ!!もう逃げられんぞヴィラン連合・・・。
何故って!?我々が、来た!」
正々堂々立ち向かうヒーロー、現No.1プロヒーローオールマイトもいる。
「あの会見後にまさか、タイミング示し合わせて・・・!」
「攻勢時ほど、守りが疎かになるものだ・・・ピザーラ神野店は、俺たちだけじゃない」
ドアから姿を現すプロヒーロー、エッジショット、忍者ヒーローが。
「外はあのエンデヴァーをはじめ、手練れのヒーローと警察が包囲してる」
「エンデヴァー・・・」
歌恋が呟く。
(轟くんのお父さんも・・・)
「塚内ィ!!何故あのメリケン男が突入で俺が包囲なんだ!!」
「万が一捕り漏らした場合、君の方が視野が広い」
なんて外で会話されている事は露知らす。
「怖かったろうに・・・よく耐えた!ごめんな・・・もう大丈夫だ、少年少女!」
「オールマイト~~・・・」
緊張の糸が切れ、ヘナヘナと力なくしゃがんでしまう歌恋とは対象の爆豪。
「こっ・・・怖くねぇよ。ヨユーだ、クソッ!!」
グッと、爆豪に向け、オールマイトが親指をたてる。
「安心してくれるのは嬉しいが、とりあえず立とう登坂少女!」
力任せにオールマイトが腕を掴み立たせてくれるが、その力は見掛けによらず頼もしい。
「はいっ」
「せっかく色々こねくり回してたのに・・・何そっちから来てくれてんだよラスボス・・・。
仕方がない・・・俺たちだけじゃない・・・そりゃあ、こっちもだ。黒霧、持って来れるだけ持って来い!!」
だが、何の反応も示さない。
「すみません死柄木弔・・・所定の位置にあるハズの脳無が・・・ない・・・!!」
「!?」
「やはり君はまだまだ青二才だ、死柄木!」
「あ?」
オールマイトが爆豪も、肩に手をまわし抱き寄せる。
「ヴィラン連合よ、君らは舐めすぎだ。少年少女の魂を。警察のたゆまぬ捜査を。
そして、我々の怒りを!!」
巨大化したMt.レディが、緑谷たちがいた建物を崩壊していく。
他のプロヒーローと共に、脳無のいた倉庫を制圧していた。
「おいたが過ぎたな。ここで終わりだ死柄木弔!!」