第九話 救出作戦
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その夜、病院の前で切島と轟が約束通り彼らを待つ。
「八百万・・・考えさせてっつってくれた・・・どうだろうな・・・」
「まァ・・・いくら逸っても結局あいつ次第・・・」
「お、来た」
八百万と、八百万の後ろに緑谷も。
「緑谷・・・」
「八百万、答え・・・」
「私は―・・・」
「待て」
「「!!」」
呼び止められた声の方を見れば、飯田がいる。
「・・・何で、よりにもよって君たちなんだ・・・!」
ステインと戦った時に助けに来てくれた緑谷と轟。
あの時二人から貰った言葉の数々のお陰で、いま自分はここにいれるのに。
「俺の私的暴走をとがめてくれた・・・共に特赦を受けたハズの君たち二人が・・・っ!!
何で俺と同じ過ちを犯そうとしている!?あんまりじゃないか・・・!」
「何の話してんだよ・・・」
前に出ようとする切島を、飯田の言葉に心当たりがある轟が、そっと切島を止める。
「俺たちはまだ保護下にいる。ただでさえ、雄英が大変な時だぞ。
君らの行動の責任は誰がとるのか、わかってるのか!?」
「飯田くん、違うんだよ。僕らだって、ルールを破っていいなんて・・・」
飯田の行動から、誰も予想しなかったろう。緑谷を、思いっきり殴ったのだ。
「俺だって悔しいさ!!心配さ!!当然だ!!俺は学級委員長だ!クラスメイトを心配するんだ!!
爆豪くんと登坂くんだけじゃない!!君の怪我を見て、床に伏せる兄の姿を重ねた!!
君たちが暴走した挙げ句、兄のように取り返しのつかない事態になったら・・・っ!!
僕の心配はどうでもいいっていうのか!!」
悔しい気持ちは皆一緒で・・・。
「僕の気持ちは・・・・・・どうでもいいっていうのか・・・!」
「飯田くん・・・」
「飯田」
それまで黙ってた轟が、口を開く。
「俺たちだって、何も正面きってカチ込む気なんざねぇよ」
「・・・!?」
「戦闘無しで救け出す」
「ようは、隠密活動!!それが俺ら卵の出来る・・・ルールにギリ触れねぇ戦い方だろ」
「私は、轟さんを信頼しています・・・が!!万が一を考え、私がストッパーとなれるよう・・・、
同行するつもりで参りました」
「八百万くん!?」
「八百万!」
「僕も・・・自分でもわからないんだ・・・手が届くと言われて・・・いてもたってもいられなくなって・・・。
救けたいと思っちゃうんだ」
「・・・・・・平行線か・・・」
これ以上、何を言っても彼らは意思を曲げないだろう。
「―・・・ならば」
これもクラスメイトを、友を守るための選択の一つ。
「―・・・っ俺も、連れて行け」
「!?」
そして、起きる。USJ襲撃の時に書いた―・・・後に起きる大事件。
「早速だが・・・ヒーロー志望の爆豪勝己くんと登坂歌恋ちゃん・・・俺の仲間にならないか?」
拘束される二人の目の前には、死柄木弔を中心としたヴィラン連合。
「寝言は寝て死ね」
よりにもよって爆豪と一緒だとは。自分が下手に喋って罰を受けるのはヴィランの方ではない。
たぶん、仲間であるハズの爆豪だと歌恋は心に誓う。何より敵にまわしたくない奴がいる。
「お友達になりましょ?歌恋ちゃん」
一人、制服を着た女の子が嬉しそうに言う。
「真っ赤な真っ赤なあの技・・・私、大好きなの。きっと楽しいよ?」
「わ、私は・・・」
やはり話そうとした瞬間、隣からのオーラが怖い。
「てめぇも黙ってろやクソが」
「ヒィッ(爆豪くん、めっちゃ怖い・・・よく冷静でいられるな)」
ヴィランを見るのが怖くて、部屋を見渡す。
(どっかの、バー?紛らわし、紛らわし)
でも、クラスメイトだから知る、彼の優しい一面もある。
これが、いまのこの緊張感が、最大限の彼なりの優しさだってことも。
「んー・・・相性最悪だな・・・」
ビミョーな空気の中、死柄木がテレビをつけてみせたのは、ニュースで騒がれてる雄英で起こった被害だ。
時同じく、二人の救出に向かう五人は、用心として変装する姿があった。
歌恋たちが見せられてるニュースを、彼らは街にある巨大テレビで眺めて。
『では、先程行われた雄英高校謝罪会見の一部をご覧下さい』
そこには、校長先生の根津と、ブラドキング先生と、メディア嫌いの相澤先生の三名がいる。
『この度、我々の不備からヒーロー科1年生27名に被害が及んでしまった事。
ヒーロー育成の場でありながら、敵意への防衛を怠り社会に不安を与えた事。
謹んでお詫び申し上げます。まことに申し訳ございませんでした』
『NHAです。雄英高校は今年に入って4回、生徒がヴィランと接触していますが、
今回生徒に被害が出るまで、各ご家庭にはどのような説明をされていたのか。
又、具体的にどのような対策を行ってきたのか、お聞かせ下さい』
『周辺地域の警備強化、校内の防犯システム再検討。"強い姿勢"で生徒の安全を保証する・・・。
と、説明しておりました』
緑谷たちがいる街の中では、批判の声が上がる。
「は?守れてねーじゃん」
「何言ってんだ、こいつら」
結果が全て。空気が、淀んでいく。
「不思議なもんだよなぁ・・・何故、ヒーローが責められてる!?」
得意気に、嬉しそうに言う死柄木。
「奴らは少ーし対応がズレてただけだ!守るのが仕事だから?誰だってミスの一つや二つある!
「おまえらは完璧でいろ」って!?現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ、お二人さん!」
スピナーが言う。
「守るという行為に対価が発生した時点で、ヒーローはヒーローでなくなった。
これがステインのご教示!!」
「・・・・・・・」
あの爆豪が、黙って死柄木たちの言葉に耳を傾けている。
だから歌恋も、言い返しは終いと、かたく口を結ぶ。余計な事を言わないように。
「人の命を金や自己顕示に変換する異様。それをルールでギチギチと守る社会。
敗北者を励ますどころか、責めたてる国民。俺たちの戦いは「問い」。
ヒーローとは、正義とは何か。この社会が本当に正しいのか、一人一人に考えてもらう!
俺たちは勝つつもりだ。君らも、勝つのは好きだろ。荼毘、拘束外せ」
「は?暴れるぞ、こいつ」
彼が指さすのは爆豪で。
「いいんだよ。対等に扱わなきゃな、スカウトだもの。それに、この状況で暴れて勝てるかどうか、
わからないような連中じゃないだろ?雄英生」
なんで、死柄木がわざわざ拘束を外せと命令をここで判断したのかわからない。
仲間に大人しくなると思ったから・・・?
「・・・なら、俺は女の方外す。トゥワイスが、こいつの方外せ」
そう指さして言うのは荼毘。
「はァ俺!?嫌だし!」
が、言葉と裏腹に荼毘と一緒にトゥワイスが爆豪の拘束を外していく。
「強引な手段だったのは謝る」
ビクッと、歌恋はMr.コンプレスに目を向けてしまう。拘束はとれても、体が固まっているんだ。
あの仮面の下にある素顔を見せたあの時から・・・。
「けどな、我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむ、ただの暴徒じゃねぇのを、わかってくれ。
君らをさらったのは偶々じゃねぇ。ここにいる者、事情は違えど人に、ルールに、
ヒーローに縛られ・・・苦しんだ。君らならそれを―・・・」
拘束が外れた爆豪の方へ歩み寄っていた死柄木に、爆豪が思いっきり"個性"である爆破を使った。
ボォオンと破裂する音と共に、歌恋の体は爆豪の
方へ抱き寄せられていた。
「ば、ばばばばく、ご・・・くん??」
唖然と目を丸くする歌恋。いったい、彼は何をしてくれた。
「黙って聞いてりゃダラッダラよォ・・・!馬鹿は要約出来ねーから話が長ぇ!
要は「嫌がらせしてぇから仲間になって下さい」だろ!?無駄だよ。
俺は、オールマイトが勝つ姿に憧れた。誰が何言ってこようが、そこァもう曲がらねぇ」
素顔を隠すようにつけていた手。その落ちた手をみて、死柄木は呟いた。
「・・・・・・・・・お父さん・・・・・・」
「八百万・・・考えさせてっつってくれた・・・どうだろうな・・・」
「まァ・・・いくら逸っても結局あいつ次第・・・」
「お、来た」
八百万と、八百万の後ろに緑谷も。
「緑谷・・・」
「八百万、答え・・・」
「私は―・・・」
「待て」
「「!!」」
呼び止められた声の方を見れば、飯田がいる。
「・・・何で、よりにもよって君たちなんだ・・・!」
ステインと戦った時に助けに来てくれた緑谷と轟。
あの時二人から貰った言葉の数々のお陰で、いま自分はここにいれるのに。
「俺の私的暴走をとがめてくれた・・・共に特赦を受けたハズの君たち二人が・・・っ!!
何で俺と同じ過ちを犯そうとしている!?あんまりじゃないか・・・!」
「何の話してんだよ・・・」
前に出ようとする切島を、飯田の言葉に心当たりがある轟が、そっと切島を止める。
「俺たちはまだ保護下にいる。ただでさえ、雄英が大変な時だぞ。
君らの行動の責任は誰がとるのか、わかってるのか!?」
「飯田くん、違うんだよ。僕らだって、ルールを破っていいなんて・・・」
飯田の行動から、誰も予想しなかったろう。緑谷を、思いっきり殴ったのだ。
「俺だって悔しいさ!!心配さ!!当然だ!!俺は学級委員長だ!クラスメイトを心配するんだ!!
爆豪くんと登坂くんだけじゃない!!君の怪我を見て、床に伏せる兄の姿を重ねた!!
君たちが暴走した挙げ句、兄のように取り返しのつかない事態になったら・・・っ!!
僕の心配はどうでもいいっていうのか!!」
悔しい気持ちは皆一緒で・・・。
「僕の気持ちは・・・・・・どうでもいいっていうのか・・・!」
「飯田くん・・・」
「飯田」
それまで黙ってた轟が、口を開く。
「俺たちだって、何も正面きってカチ込む気なんざねぇよ」
「・・・!?」
「戦闘無しで救け出す」
「ようは、隠密活動!!それが俺ら卵の出来る・・・ルールにギリ触れねぇ戦い方だろ」
「私は、轟さんを信頼しています・・・が!!万が一を考え、私がストッパーとなれるよう・・・、
同行するつもりで参りました」
「八百万くん!?」
「八百万!」
「僕も・・・自分でもわからないんだ・・・手が届くと言われて・・・いてもたってもいられなくなって・・・。
救けたいと思っちゃうんだ」
「・・・・・・平行線か・・・」
これ以上、何を言っても彼らは意思を曲げないだろう。
「―・・・ならば」
これもクラスメイトを、友を守るための選択の一つ。
「―・・・っ俺も、連れて行け」
「!?」
そして、起きる。USJ襲撃の時に書いた―・・・後に起きる大事件。
「早速だが・・・ヒーロー志望の爆豪勝己くんと登坂歌恋ちゃん・・・俺の仲間にならないか?」
拘束される二人の目の前には、死柄木弔を中心としたヴィラン連合。
「寝言は寝て死ね」
よりにもよって爆豪と一緒だとは。自分が下手に喋って罰を受けるのはヴィランの方ではない。
たぶん、仲間であるハズの爆豪だと歌恋は心に誓う。何より敵にまわしたくない奴がいる。
「お友達になりましょ?歌恋ちゃん」
一人、制服を着た女の子が嬉しそうに言う。
「真っ赤な真っ赤なあの技・・・私、大好きなの。きっと楽しいよ?」
「わ、私は・・・」
やはり話そうとした瞬間、隣からのオーラが怖い。
「てめぇも黙ってろやクソが」
「ヒィッ(爆豪くん、めっちゃ怖い・・・よく冷静でいられるな)」
ヴィランを見るのが怖くて、部屋を見渡す。
(どっかの、バー?紛らわし、紛らわし)
でも、クラスメイトだから知る、彼の優しい一面もある。
これが、いまのこの緊張感が、最大限の彼なりの優しさだってことも。
「んー・・・相性最悪だな・・・」
ビミョーな空気の中、死柄木がテレビをつけてみせたのは、ニュースで騒がれてる雄英で起こった被害だ。
時同じく、二人の救出に向かう五人は、用心として変装する姿があった。
歌恋たちが見せられてるニュースを、彼らは街にある巨大テレビで眺めて。
『では、先程行われた雄英高校謝罪会見の一部をご覧下さい』
そこには、校長先生の根津と、ブラドキング先生と、メディア嫌いの相澤先生の三名がいる。
『この度、我々の不備からヒーロー科1年生27名に被害が及んでしまった事。
ヒーロー育成の場でありながら、敵意への防衛を怠り社会に不安を与えた事。
謹んでお詫び申し上げます。まことに申し訳ございませんでした』
『NHAです。雄英高校は今年に入って4回、生徒がヴィランと接触していますが、
今回生徒に被害が出るまで、各ご家庭にはどのような説明をされていたのか。
又、具体的にどのような対策を行ってきたのか、お聞かせ下さい』
『周辺地域の警備強化、校内の防犯システム再検討。"強い姿勢"で生徒の安全を保証する・・・。
と、説明しておりました』
緑谷たちがいる街の中では、批判の声が上がる。
「は?守れてねーじゃん」
「何言ってんだ、こいつら」
結果が全て。空気が、淀んでいく。
「不思議なもんだよなぁ・・・何故、ヒーローが責められてる!?」
得意気に、嬉しそうに言う死柄木。
「奴らは少ーし対応がズレてただけだ!守るのが仕事だから?誰だってミスの一つや二つある!
「おまえらは完璧でいろ」って!?現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ、お二人さん!」
スピナーが言う。
「守るという行為に対価が発生した時点で、ヒーローはヒーローでなくなった。
これがステインのご教示!!」
「・・・・・・・」
あの爆豪が、黙って死柄木たちの言葉に耳を傾けている。
だから歌恋も、言い返しは終いと、かたく口を結ぶ。余計な事を言わないように。
「人の命を金や自己顕示に変換する異様。それをルールでギチギチと守る社会。
敗北者を励ますどころか、責めたてる国民。俺たちの戦いは「問い」。
ヒーローとは、正義とは何か。この社会が本当に正しいのか、一人一人に考えてもらう!
俺たちは勝つつもりだ。君らも、勝つのは好きだろ。荼毘、拘束外せ」
「は?暴れるぞ、こいつ」
彼が指さすのは爆豪で。
「いいんだよ。対等に扱わなきゃな、スカウトだもの。それに、この状況で暴れて勝てるかどうか、
わからないような連中じゃないだろ?雄英生」
なんで、死柄木がわざわざ拘束を外せと命令をここで判断したのかわからない。
仲間に大人しくなると思ったから・・・?
「・・・なら、俺は女の方外す。トゥワイスが、こいつの方外せ」
そう指さして言うのは荼毘。
「はァ俺!?嫌だし!」
が、言葉と裏腹に荼毘と一緒にトゥワイスが爆豪の拘束を外していく。
「強引な手段だったのは謝る」
ビクッと、歌恋はMr.コンプレスに目を向けてしまう。拘束はとれても、体が固まっているんだ。
あの仮面の下にある素顔を見せたあの時から・・・。
「けどな、我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむ、ただの暴徒じゃねぇのを、わかってくれ。
君らをさらったのは偶々じゃねぇ。ここにいる者、事情は違えど人に、ルールに、
ヒーローに縛られ・・・苦しんだ。君らならそれを―・・・」
拘束が外れた爆豪の方へ歩み寄っていた死柄木に、爆豪が思いっきり"個性"である爆破を使った。
ボォオンと破裂する音と共に、歌恋の体は爆豪の
方へ抱き寄せられていた。
「ば、ばばばばく、ご・・・くん??」
唖然と目を丸くする歌恋。いったい、彼は何をしてくれた。
「黙って聞いてりゃダラッダラよォ・・・!馬鹿は要約出来ねーから話が長ぇ!
要は「嫌がらせしてぇから仲間になって下さい」だろ!?無駄だよ。
俺は、オールマイトが勝つ姿に憧れた。誰が何言ってこようが、そこァもう曲がらねぇ」
素顔を隠すようにつけていた手。その落ちた手をみて、死柄木は呟いた。
「・・・・・・・・・お父さん・・・・・・」