第八話 林間合宿
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「っ・・・わかった」
本当は、一人で突っ走りたい。だが、緑谷にここまで言われては返しようがない。
一人で歌恋を捕まえたヴィランを捜すのは無理だってことも、頭ではわかってる。
でも、心配なのは変わらない・・・。
「皆で爆豪を護衛しつつ、歌恋も捜し出すってことだな」
「うん。このメンツなら正直・・・オールマイトだって恐くないんじゃないかな・・・!」
「何だこいつら!!」
カッと怒鳴る爆豪。
「おまえ、中央歩け」
轟が釘を打つ。
「俺を守るんじゃねぇ、クソ共!!」
「・・・やっと見つけた。捜しまわってみて正解でしたね」
「っ・・・!(轟くん・・・!みんな!)」
施設からヴィランと出された。ビー玉の中に閉じ込められていた自分は今解放されている。
そう、首を絞められたまま、ヴィランの手の中に。
「高みの見物もこりゃいい。プロヒーローもあっけない」
「っ・・・な、んで・・・」
掠れ声で、必死に問いかける。
「おっと。下手に桜ちゃんで居場所教えちゃ駄目だぞ。何でって・・・捉えたカワイ子ちゃんを、
おじさんがどうやって遊んであげようかなーと考えてたけど。事態急変してるからな」
(怖いっ・・・怖いっ・・・)
「君はトガちゃんの推薦。真っ赤な桜で、真っ赤な血を再現したいんだって、いい趣味してるだろ」
「・・・なに、が・・・」
『俺より、綺麗に扱ってたから』
最初に褒めてくれた。綺麗だって言ってくれたこと、とっても嬉しくて。
「その口、黙らせてみていいかい?」
仮面を外し、ヴィランは顔を覗かせ下を出す。
ゾクッと、一気に恐怖で冷や汗は流れ、体が動かない。
「ま、これから仲間になってもらうから、手荒な真似出来ないよね。また戻ってて」
(―・・・轟くん・・・)
「?」
ふと、轟は足を止め夜空を眺める。
「どうした?」
後ろの常闇に声をかけられる。いま、ひらりと一枚目の前に、緑の葉が落ちてきた。
「いや・・・」
歌恋の"個性"なのか、周りの木々の葉なのか区別がつかない。
("個性"使うの、ずっと桜のままになんねぇのか?んで、攻撃終わったり探索する時、
緑の葉に戻るんだよ。桜なら、桜ならすぐ分かってやれんのにっ・・・!)
普通の桜の木の特徴だから、仕方ないのか。
「ん!んー、浅い少ない!」
ヴィランの襲撃を受けたのは尚、彼らだけでなく麗日・蛙吹ペアも交戦していた。
ナイフの刃についてるのは、麗日の血。彼女を庇うように、蛙吹が前に出る。
「急に切りかかって来るなんて、ひどいじゃない。何なのあなた」
「トガです!二人共、カァイイねぇ。麗日さんと、蛙吹さん」
「!!」
「名前バレとる・・・」
「体育祭かしら・・・何にせよ、情報は割れてるってことね。不利よ」
「んー、歌恋ちゃん奪略は先ほどMr.コンプレスが教えてくれました」
「「!!」」
「歌恋ちゃん・・・て」
「どういうことかしら?爆豪ちゃんが狙いじゃないの?」
「歌恋ちゃんの真っ赤な桜が気に入ったのです。真っ赤な血のようで」
「歌恋ちゃんの桜は、真っ赤なんかやない!ピンクのカワイイ色しとる!」
「ただ、私のお仕事はまだ残ってるので。血が少ないとダメです」
言いながらトガは、機械を装着し直す。
「この機械は、刺すだけでチウチウするそうで、大変捗るとのことでした。刺すね」
「お茶子ちゃん、施設へ走って」
蛙吹が舌で、麗日を投げる。
「戦闘許可は「ヴィランを倒せ」じゃなく「身を守れ」ってことよ。相澤先生はそういう人よ」
「梅雨ちゃんも!!」
「もちろん、私も・・・つっ!!」
2対1にも関わらず、先に麗日を逃そうとした蛙吹の舌を切りつける。
「梅雨ちゃん。梅雨ちゃん・・・梅雨ちゃんっ!カァイイ呼び方。私もそう呼ぶね」
「やめて。そう呼んで欲しいのは、お友だちになりたい人だけなの。
だから歌恋ちゃんの名前も、簡単に呼ばないで!」
「やー、じゃあ私もお友だちね!やったぁ!」
「梅雨ちゃんっ!離れて!!」
ナイフを持つトガ相手に素手で立ち向かう。
そう、これは職場体験の時、ガンヘッドに教わった必殺。
(近接格闘術!G・M・A!!)
トガを地面に押さえつける事に成功。
「梅雨ちゃん、ベロで手!拘束!出来る!?痛い!?」
「すごいわ、お茶子ちゃん・・・!ベロは少し待って・・・」
「お茶子ちゃん・・・あなたも素敵。私と同じ匂いがする」
「?」
ふと、麗日はトガの言葉に耳を傾けてしまう。
「好きな人がいますよね」
「!?」
「体育祭みて思ったんです、歌恋ちゃんもだって。
そしてその人みたくなりたいって、思ってますよね。わかるんです、乙女だもん」
トガの瞳に、麗日はゾクリと寒気を覚える。
(何・・・この人・・・)
「好きな人と同じになりたいよね、当然だよね。同じもの身に付けちゃったりしちゃうよね。
でも、だんだん満足できなくなっちゃうよね。その人そのものになっちゃうよね。
しょうがないよね。あなたの好みはどんな人?私はボロボロで、血の香りがする人大好きです。
だから最後はいつも切り刻むの。ねぇ、お茶子ちゃん楽しいねぇ。恋バナ、楽しいねぇ!」
油断、していたわけじゃない。けど、プスっと、足が何かに刺される。
「お茶子ちゃん!?」
足から、どんどん血が吸われていく。
その時、茂みの向こうからガサッと音がする。
「麗日!?」
姿を最初に見せたのは、障子だった。
「障子ちゃん、皆・・・!」
「あっ、しまっ・・・」
一瞬の隙に、トガが逃げ出す。
「人増えたので、殺されるのは嫌だからバイバイ」
そして、振り向いていたトガの視界に入ったのは、傷だらけの緑谷・・・。
「待っ・・・!」
追いかけようとする麗日を止める蛙吹。
「危ないわ。どんな"個性"を持ってるかわからないわ!」
「何だ、今の女・・・」
「ヴィランよ、クレイジーよ」
「麗日さん、ケガを・・・!!」
「大丈夫、全然歩けるし・・・っていうかデクくんの方が・・・!」
「それより皆聞いて!歌恋ちゃんが大変よ・・・!」
「うん、知ってる」
緑谷の頷きに、皆押し黙る。
「だから今、僕らはかっちゃんを護衛しつつ施設に向かってから、登坂さんを捜すんだ」
「・・・・・・・・ん?」
だが、麗日は首をかしげる。そして、蛙吹も。
「歌恋ちゃんの事は分かったわ。けど、爆豪ちゃんはどこにいるの?」
「え?」
「何言ってるんだ。かっちゃんなら後ろに・・・」
この非常時誰も―・・・油断する人間なんているハズなかった。
「彼なら」
「!」
突如聞こえた、第三者の声。
「彼女と一緒に、俺のマジックで貰っちゃったよ」
「「「!!」」」
「こいつぁ、ヒーロー側にいるべき人材じゃあねぇ。もっと輝ける舞台へ、
俺たちが連れていくよ」
「―!?っ返せ!!」
本当は、一人で突っ走りたい。だが、緑谷にここまで言われては返しようがない。
一人で歌恋を捕まえたヴィランを捜すのは無理だってことも、頭ではわかってる。
でも、心配なのは変わらない・・・。
「皆で爆豪を護衛しつつ、歌恋も捜し出すってことだな」
「うん。このメンツなら正直・・・オールマイトだって恐くないんじゃないかな・・・!」
「何だこいつら!!」
カッと怒鳴る爆豪。
「おまえ、中央歩け」
轟が釘を打つ。
「俺を守るんじゃねぇ、クソ共!!」
「・・・やっと見つけた。捜しまわってみて正解でしたね」
「っ・・・!(轟くん・・・!みんな!)」
施設からヴィランと出された。ビー玉の中に閉じ込められていた自分は今解放されている。
そう、首を絞められたまま、ヴィランの手の中に。
「高みの見物もこりゃいい。プロヒーローもあっけない」
「っ・・・な、んで・・・」
掠れ声で、必死に問いかける。
「おっと。下手に桜ちゃんで居場所教えちゃ駄目だぞ。何でって・・・捉えたカワイ子ちゃんを、
おじさんがどうやって遊んであげようかなーと考えてたけど。事態急変してるからな」
(怖いっ・・・怖いっ・・・)
「君はトガちゃんの推薦。真っ赤な桜で、真っ赤な血を再現したいんだって、いい趣味してるだろ」
「・・・なに、が・・・」
『俺より、綺麗に扱ってたから』
最初に褒めてくれた。綺麗だって言ってくれたこと、とっても嬉しくて。
「その口、黙らせてみていいかい?」
仮面を外し、ヴィランは顔を覗かせ下を出す。
ゾクッと、一気に恐怖で冷や汗は流れ、体が動かない。
「ま、これから仲間になってもらうから、手荒な真似出来ないよね。また戻ってて」
(―・・・轟くん・・・)
「?」
ふと、轟は足を止め夜空を眺める。
「どうした?」
後ろの常闇に声をかけられる。いま、ひらりと一枚目の前に、緑の葉が落ちてきた。
「いや・・・」
歌恋の"個性"なのか、周りの木々の葉なのか区別がつかない。
("個性"使うの、ずっと桜のままになんねぇのか?んで、攻撃終わったり探索する時、
緑の葉に戻るんだよ。桜なら、桜ならすぐ分かってやれんのにっ・・・!)
普通の桜の木の特徴だから、仕方ないのか。
「ん!んー、浅い少ない!」
ヴィランの襲撃を受けたのは尚、彼らだけでなく麗日・蛙吹ペアも交戦していた。
ナイフの刃についてるのは、麗日の血。彼女を庇うように、蛙吹が前に出る。
「急に切りかかって来るなんて、ひどいじゃない。何なのあなた」
「トガです!二人共、カァイイねぇ。麗日さんと、蛙吹さん」
「!!」
「名前バレとる・・・」
「体育祭かしら・・・何にせよ、情報は割れてるってことね。不利よ」
「んー、歌恋ちゃん奪略は先ほどMr.コンプレスが教えてくれました」
「「!!」」
「歌恋ちゃん・・・て」
「どういうことかしら?爆豪ちゃんが狙いじゃないの?」
「歌恋ちゃんの真っ赤な桜が気に入ったのです。真っ赤な血のようで」
「歌恋ちゃんの桜は、真っ赤なんかやない!ピンクのカワイイ色しとる!」
「ただ、私のお仕事はまだ残ってるので。血が少ないとダメです」
言いながらトガは、機械を装着し直す。
「この機械は、刺すだけでチウチウするそうで、大変捗るとのことでした。刺すね」
「お茶子ちゃん、施設へ走って」
蛙吹が舌で、麗日を投げる。
「戦闘許可は「ヴィランを倒せ」じゃなく「身を守れ」ってことよ。相澤先生はそういう人よ」
「梅雨ちゃんも!!」
「もちろん、私も・・・つっ!!」
2対1にも関わらず、先に麗日を逃そうとした蛙吹の舌を切りつける。
「梅雨ちゃん。梅雨ちゃん・・・梅雨ちゃんっ!カァイイ呼び方。私もそう呼ぶね」
「やめて。そう呼んで欲しいのは、お友だちになりたい人だけなの。
だから歌恋ちゃんの名前も、簡単に呼ばないで!」
「やー、じゃあ私もお友だちね!やったぁ!」
「梅雨ちゃんっ!離れて!!」
ナイフを持つトガ相手に素手で立ち向かう。
そう、これは職場体験の時、ガンヘッドに教わった必殺。
(近接格闘術!G・M・A!!)
トガを地面に押さえつける事に成功。
「梅雨ちゃん、ベロで手!拘束!出来る!?痛い!?」
「すごいわ、お茶子ちゃん・・・!ベロは少し待って・・・」
「お茶子ちゃん・・・あなたも素敵。私と同じ匂いがする」
「?」
ふと、麗日はトガの言葉に耳を傾けてしまう。
「好きな人がいますよね」
「!?」
「体育祭みて思ったんです、歌恋ちゃんもだって。
そしてその人みたくなりたいって、思ってますよね。わかるんです、乙女だもん」
トガの瞳に、麗日はゾクリと寒気を覚える。
(何・・・この人・・・)
「好きな人と同じになりたいよね、当然だよね。同じもの身に付けちゃったりしちゃうよね。
でも、だんだん満足できなくなっちゃうよね。その人そのものになっちゃうよね。
しょうがないよね。あなたの好みはどんな人?私はボロボロで、血の香りがする人大好きです。
だから最後はいつも切り刻むの。ねぇ、お茶子ちゃん楽しいねぇ。恋バナ、楽しいねぇ!」
油断、していたわけじゃない。けど、プスっと、足が何かに刺される。
「お茶子ちゃん!?」
足から、どんどん血が吸われていく。
その時、茂みの向こうからガサッと音がする。
「麗日!?」
姿を最初に見せたのは、障子だった。
「障子ちゃん、皆・・・!」
「あっ、しまっ・・・」
一瞬の隙に、トガが逃げ出す。
「人増えたので、殺されるのは嫌だからバイバイ」
そして、振り向いていたトガの視界に入ったのは、傷だらけの緑谷・・・。
「待っ・・・!」
追いかけようとする麗日を止める蛙吹。
「危ないわ。どんな"個性"を持ってるかわからないわ!」
「何だ、今の女・・・」
「ヴィランよ、クレイジーよ」
「麗日さん、ケガを・・・!!」
「大丈夫、全然歩けるし・・・っていうかデクくんの方が・・・!」
「それより皆聞いて!歌恋ちゃんが大変よ・・・!」
「うん、知ってる」
緑谷の頷きに、皆押し黙る。
「だから今、僕らはかっちゃんを護衛しつつ施設に向かってから、登坂さんを捜すんだ」
「・・・・・・・・ん?」
だが、麗日は首をかしげる。そして、蛙吹も。
「歌恋ちゃんの事は分かったわ。けど、爆豪ちゃんはどこにいるの?」
「え?」
「何言ってるんだ。かっちゃんなら後ろに・・・」
この非常時誰も―・・・油断する人間なんているハズなかった。
「彼なら」
「!」
突如聞こえた、第三者の声。
「彼女と一緒に、俺のマジックで貰っちゃったよ」
「「「!!」」」
「こいつぁ、ヒーロー側にいるべき人材じゃあねぇ。もっと輝ける舞台へ、
俺たちが連れていくよ」
「―!?っ返せ!!」