第一話 挑戦
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「授業終わりにガッツいて食べるなんて、女の子としてはしたないですわ・・・」
お上品な喋り方の美女、確か八百万百と名乗っていた気がする。
「・・・・・・・・・・」
そのような悪口は、中学の頃からもうなれている。
だって、食べないのを我慢して盛大にお腹を鳴らすよりはよっぽどいい。
一度そんな事件を経験している彼女はそれが嫌で、いつもカバン以外のもう一つ小さな手提げには食べ物を入れていた。
「よくみりゃ、登坂の手提げ、くいもんばっかじゃん」
ガヤガヤと騒がしい教室の中で、一際元気で声がデカイ赤毛の切島鋭児郎。
「え?なになに?お菓子?」
この透明な子は確か、葉隠透だったかな。本当に服が勝手に動いてる感じで。
「午前中でも構わず食ってたもんな~」
と、嫌みたっぷりな頭にぶどうをつけた感じの隣の小さな男の子は峰田実で。
クラスの話題が一気に自分に向けられるこの感じ、ヒーロー科に通う者からすればうってつけなのかもしれない。
自分をアピールできるから。けど、歌恋は逆にそういうのは苦手だった。
「・・・帰るから」
自分の荷物を持って、そそくさと退散する。
きっとこの行動で、クラスの三分の一の人には嫌われただろう。
自分が持つ"個性"は嫌いじゃない。綺麗な花を見せれば人を惹き付ける。
けれど、その反動がいつも嫌いだった。友達づくりは、うまくいかない。
最初の出だしが失敗したのは自分でもわかってる。
「バカだな、私・・・」
「ホントにな」
「!?」
泣きかけた顔が一瞬で引っ込む。独り言のつもりだったのに。静かな彼には聞こえていたらしい。
「・・・"個性"の反動だろ」
「え・・・あ、うん・・・たぶん・・・」
変に緊張して上手くしゃべれない。だって、今ここで喋っているのって、轟焦凍、あのイケメン君だから。
「ただ、食べるのが好きというか、大食いなだけなのか、よく自分でもわかんないんだけど、
いつも以上にお腹減るのは確かかな・・・」
つい勢いで喋ってしまった。それと同時に、お腹が鳴ってしまった。
(うわぁ~~、最悪っ・・・!)
普段使わない勢いで"個性"をたくさん使ったからしょうがない。
「・・・・・・・」
轟焦凍の冷めた目付きが怖い。
「・・・・・・腹、まだ食えるなら何か食いに行くか?」
「え、いいの?」
彼女の手提げには、まだ食べ物は残ってるけれど。
お腹を鳴らされたまま近くを歩く方が、よっぽど恥ずかしいと思う轟だった。
「・・・・・・あんたの技、俺より綺麗に扱ってたから」
「(うわ、マジか、嬉しい!)轟くんも、氷の技大胆に使ってて凄かったよ。
(怖い人かと思ったけど、爆豪くんよりは話やすい)」
(は、話損ねたぁー!!)
二人の後ろ姿を眺めていたのは、爆豪だった。
入試から知っていた彼女のことを、先程のクラスの件で心配になり後をつけたけど。
先客がいた。あいつは、彼女の後ろの席にいる奴だ。
「・・・・・なに、気にしてんだ」
昨日は二人でラーメン屋さんに入った。ラーメンのみ頼んだ轟に対し、
餃子もプラスで頼む歌恋の姿は勇ましい。いや、正直彼よりも食べたかもしれない。
よく食べる奴と認証してくれたお陰か、彼は構わず自分のペースを保っていたけど。
(・・・やっぱあれかな、男の子より食べる女の子ってよく思われないかな)
昨日はあのまま食事終えたらそのまま帰ったけど。
本日から授業開始である。
「登坂、昨日はからかってごめんな」
ドアを開けると、切島くんが両手を合わせて謝罪してきた。
「え?」
「いや、食いもんの話。ただ食べる奴だけだと思ったけど」
「あー、大丈夫。そういうのは慣れてるし、気にしないで」
「そうかぁ?」
「うん」
「まぁ、"個性"による反動はみんな違いますわ」
「八百万さん・・・」
彼女もあれから気にしていたらしい。初めての人たちの前でやってしまった自分にも非があるから仕方ない。
「私も最初に言っておけばよかったのに、ごめんなさい。食べておかないと、逆に授業の邪魔しちゃうから」
「いいんですわ。轟さんからお話聞くまで考えもしなかったですから・・・」
「てかあれな、登坂のって、◯◯パンマンみたいな・・・」
「それは言わないで、瀬呂くん」
自分の席について息を吐く。みんな朝から元気だな。
「おはよう」
歌恋は目をぱちくりさせて轟を見た。
朝のあいさつを、彼からしてくれた。
「あ・・・お、おはよう・・・」
それから"個性"による反動はみんなそれぞれのようで。
ボブヘアーの女の子、麗日お茶子はキャパオーバーするとゲロしちゃうらしく、
お腹からビームを出す青山優雅はだし続けるとお腹を下したり、
緑谷出久はまだうまく制御出来ないせいもあるが、指に大きな負担がうまれたり等々。
ヒーロー科といっても、午前中は普通の高校の授業と変わらない。
そんな中、声に出してお礼を言うのもなんなので、歌恋は紙に「ありがとう」と書き、
小さく折ったモノを轟の机の端に置いた。手紙を見た轟は、小さく笑みを作ったとか。
昼はお茶子ちゃんや出久くんから誘いを受け、食堂で食べる。
(本当は、轟くん誘いたかったけど、まぁいいか)
歌恋のお盆の上の量をみて、麗日は目を丸くした。
「うわ、登坂さん、本当に凄い量や!」
「あ、ははっごめんね・・・」
「次は待ちに待ったヒーロー基礎学だもんね」
しみじみいう出久ははにかみながら、嬉しそうにいう。
そう、なんてたって午後の授業はヒーロー基礎学。何をやるかわからないから食べておかないと。
それに、この学科を教えてくれる先生はあの超人気の平和の象徴・オールマイトなのだから。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」
本当に、本当にオールマイトが来た。嬉しさのあまり号泣しそうになる。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う課目だ!!
早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」
戦闘訓練の言葉に、緊張する。
「そしてそいつに伴って・・・こちら!!
入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた・・・戦闘服!!」
みんなオリジナルの戦闘服に着替え、グラウンドに集まった。
お上品な喋り方の美女、確か八百万百と名乗っていた気がする。
「・・・・・・・・・・」
そのような悪口は、中学の頃からもうなれている。
だって、食べないのを我慢して盛大にお腹を鳴らすよりはよっぽどいい。
一度そんな事件を経験している彼女はそれが嫌で、いつもカバン以外のもう一つ小さな手提げには食べ物を入れていた。
「よくみりゃ、登坂の手提げ、くいもんばっかじゃん」
ガヤガヤと騒がしい教室の中で、一際元気で声がデカイ赤毛の切島鋭児郎。
「え?なになに?お菓子?」
この透明な子は確か、葉隠透だったかな。本当に服が勝手に動いてる感じで。
「午前中でも構わず食ってたもんな~」
と、嫌みたっぷりな頭にぶどうをつけた感じの隣の小さな男の子は峰田実で。
クラスの話題が一気に自分に向けられるこの感じ、ヒーロー科に通う者からすればうってつけなのかもしれない。
自分をアピールできるから。けど、歌恋は逆にそういうのは苦手だった。
「・・・帰るから」
自分の荷物を持って、そそくさと退散する。
きっとこの行動で、クラスの三分の一の人には嫌われただろう。
自分が持つ"個性"は嫌いじゃない。綺麗な花を見せれば人を惹き付ける。
けれど、その反動がいつも嫌いだった。友達づくりは、うまくいかない。
最初の出だしが失敗したのは自分でもわかってる。
「バカだな、私・・・」
「ホントにな」
「!?」
泣きかけた顔が一瞬で引っ込む。独り言のつもりだったのに。静かな彼には聞こえていたらしい。
「・・・"個性"の反動だろ」
「え・・・あ、うん・・・たぶん・・・」
変に緊張して上手くしゃべれない。だって、今ここで喋っているのって、轟焦凍、あのイケメン君だから。
「ただ、食べるのが好きというか、大食いなだけなのか、よく自分でもわかんないんだけど、
いつも以上にお腹減るのは確かかな・・・」
つい勢いで喋ってしまった。それと同時に、お腹が鳴ってしまった。
(うわぁ~~、最悪っ・・・!)
普段使わない勢いで"個性"をたくさん使ったからしょうがない。
「・・・・・・・」
轟焦凍の冷めた目付きが怖い。
「・・・・・・腹、まだ食えるなら何か食いに行くか?」
「え、いいの?」
彼女の手提げには、まだ食べ物は残ってるけれど。
お腹を鳴らされたまま近くを歩く方が、よっぽど恥ずかしいと思う轟だった。
「・・・・・・あんたの技、俺より綺麗に扱ってたから」
「(うわ、マジか、嬉しい!)轟くんも、氷の技大胆に使ってて凄かったよ。
(怖い人かと思ったけど、爆豪くんよりは話やすい)」
(は、話損ねたぁー!!)
二人の後ろ姿を眺めていたのは、爆豪だった。
入試から知っていた彼女のことを、先程のクラスの件で心配になり後をつけたけど。
先客がいた。あいつは、彼女の後ろの席にいる奴だ。
「・・・・・なに、気にしてんだ」
昨日は二人でラーメン屋さんに入った。ラーメンのみ頼んだ轟に対し、
餃子もプラスで頼む歌恋の姿は勇ましい。いや、正直彼よりも食べたかもしれない。
よく食べる奴と認証してくれたお陰か、彼は構わず自分のペースを保っていたけど。
(・・・やっぱあれかな、男の子より食べる女の子ってよく思われないかな)
昨日はあのまま食事終えたらそのまま帰ったけど。
本日から授業開始である。
「登坂、昨日はからかってごめんな」
ドアを開けると、切島くんが両手を合わせて謝罪してきた。
「え?」
「いや、食いもんの話。ただ食べる奴だけだと思ったけど」
「あー、大丈夫。そういうのは慣れてるし、気にしないで」
「そうかぁ?」
「うん」
「まぁ、"個性"による反動はみんな違いますわ」
「八百万さん・・・」
彼女もあれから気にしていたらしい。初めての人たちの前でやってしまった自分にも非があるから仕方ない。
「私も最初に言っておけばよかったのに、ごめんなさい。食べておかないと、逆に授業の邪魔しちゃうから」
「いいんですわ。轟さんからお話聞くまで考えもしなかったですから・・・」
「てかあれな、登坂のって、◯◯パンマンみたいな・・・」
「それは言わないで、瀬呂くん」
自分の席について息を吐く。みんな朝から元気だな。
「おはよう」
歌恋は目をぱちくりさせて轟を見た。
朝のあいさつを、彼からしてくれた。
「あ・・・お、おはよう・・・」
それから"個性"による反動はみんなそれぞれのようで。
ボブヘアーの女の子、麗日お茶子はキャパオーバーするとゲロしちゃうらしく、
お腹からビームを出す青山優雅はだし続けるとお腹を下したり、
緑谷出久はまだうまく制御出来ないせいもあるが、指に大きな負担がうまれたり等々。
ヒーロー科といっても、午前中は普通の高校の授業と変わらない。
そんな中、声に出してお礼を言うのもなんなので、歌恋は紙に「ありがとう」と書き、
小さく折ったモノを轟の机の端に置いた。手紙を見た轟は、小さく笑みを作ったとか。
昼はお茶子ちゃんや出久くんから誘いを受け、食堂で食べる。
(本当は、轟くん誘いたかったけど、まぁいいか)
歌恋のお盆の上の量をみて、麗日は目を丸くした。
「うわ、登坂さん、本当に凄い量や!」
「あ、ははっごめんね・・・」
「次は待ちに待ったヒーロー基礎学だもんね」
しみじみいう出久ははにかみながら、嬉しそうにいう。
そう、なんてたって午後の授業はヒーロー基礎学。何をやるかわからないから食べておかないと。
それに、この学科を教えてくれる先生はあの超人気の平和の象徴・オールマイトなのだから。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」
本当に、本当にオールマイトが来た。嬉しさのあまり号泣しそうになる。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う課目だ!!
早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」
戦闘訓練の言葉に、緊張する。
「そしてそいつに伴って・・・こちら!!
入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた・・・戦闘服!!」
みんなオリジナルの戦闘服に着替え、グラウンドに集まった。