第七話 期末テスト
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぐっ、つぅ・・・!」
ゴタゴタ考えてる場合じゃない。歌恋も腕を幹にし、片方を屋根に向けもう片方を切島に巻き付ける。
そして、屋根の方に逃げる二人は背を低くした。
「すまねぇ・・・」
「大丈夫?」
「わざと俺の方を狙ったのかわかんねぇけど、登坂じゃなくてよかったぜ。
俺だったら防御出来る。んで、気配はあったか?」
「・・・ない。セメントがあればきっと、どっからでも攻撃可能なんだよ。
とりあえず、ここから離れよう。ゲートから少し離れて態勢立て直して」
そこからどう対処すればいいのか、いい案が全然思い浮かばない。
side:轟組は。
八百万が出す異様な光景に、轟が疑問を投げ掛ける。
「何か出せっつったが、おまえなんだそれ」
「ロシアの人形、マトリョーシカですわ」
「そうか。とりあえず"個性"に異変があったら、すぐ言ってくれ」
轟もまた、自分の氷結を確認している。
「さすがですわね、轟さん・・・」
「何が」
「相澤先生への対戦をすぐ打ち出すのもそうですが、ベストを即決出来る判断力です」
「・・・普通だろ(まぁ、歌恋とだったら口喧嘩だな)」
あーだこーだと、すぐ言いたがる。だからいつもお互いに道がずれていざこざしたけど。
「普通・・・ですか・・・。雄英の推薦入学者・・・スタートは同じハズでしたのに。
ヒーローとしての実技に於いて、私の方は特筆すべき結果を何も残せていません・・・。
騎馬戦では、あなたの指示下についただけ・・・本戦は、常闇さんに為すすべなく敗退でした・・・。
女子での推薦っていうのであれば、登坂さんじゃないのが不思議なくらいですわ・・・」
「・・・・・・・」
何て言ってあげればいいか分からない。だが、八百万を見てふと異変に気付く。
「八百万、マトリョーシカ・・・」
「!」
いつの間にか、無意識に創れていない。
「来るぞ!!」
「すみませ・・・」
「と、思ったらすぐ行動に移せ」
二人の間にぶら下がっている相澤先生に背後をとられた。
「ちっ!」
振り返り、なんとか攻撃しようとする轟だったが。
「この場合はまず、回避優先すべきだ。先手取られたんだから」
「八百万、行け!」
「ハッ・・・あっ」
「あ、そういうアレか。なら・・・」
「痛・・・!!?」
「好都合だ」
相澤先生の布で手首を後ろ手に拘束されたまま、轟は電線にまで引っ張りあげられた。
「どのみち、攻撃的なおまえから捕まえるつもりだった」
轟を捕まえた布を、相澤先生は器用に先を電柱にぐるぐる巻き付けている。
「捕まえた・・・つもりですか。こんな拘束、燃やすか氷結かですぐ・・・」
「どっちでもいいが、落下先に気をつけろよ」
「!?」
そう言いながらばら蒔いたのは、マキビシだ。
「マキビシ・・・忍者かよ。嫌らしい対策、してくるな・・・」
「そりゃ、ヒーロー殺しの時とは違うからな。ヒーローの"個性"も人数も知ってる。
迎撃態勢バッチリの敵だ。ずいぶんと負担の偏った策じゃないか。
女の子をおもんばかるのは立派だが、もう少し話し合っても良かったんじゃないか?
登坂との間で、それはもう重々承知したと思ってたが・・・」
「!なんで、アイツの事・・・」
「まぁ、先生だからな」
「答えになってねぇ」
目薬をつけおえた相澤先生は、そのまま八百万の方へ行ってしまった。
(話し・・・)
一人走る八百万は、思考がまとまっていない。
(脱出ゲートまであとどのくらい?もっと最短ルートがあるのでは?これでいいの?
轟さんは無事?時間を犠牲にしてでも移動用アイテムをつくるべき?
これでいいの!?私はこのまま逃げきれる?私・・・どこ走ってる!?ダメ・・・何で!!
考えが、これでいいの!?)
「体育祭以降、自信の喪失が見てとれる」
知った声に振り向けば、相澤先生が既に後ろにいる。
(なっ!!じゃあ、もう轟さんを・・・!?)
「痛いところは突いてくぞ」
言いながら、左手首を相澤先生の布に捉えられ引っ張られてしまう。
「手数勝負しようか」
(先生相手に、私では勝ち目が・・・!!?アレ、消されてない・・・!?)
瞬時に創造で、八百万は布から脱出をはかる。
(すみません轟さん・・・!!)
「!」
拘束を破られ、八百万の出方を伺う。
「逆走・・・(判断を委ねに行ったな)」
『もう少し話し合っても良かったんじゃないか?』
確かに、歌恋の時は話し合いできる時間が長くあった。
そのせいもあって、気持ちがずれていざこざしたけど。
これは期末試験。歌恋の時みたく時間がある訳じゃない。
ガツガツくる性格じゃない八百万だからこそ、あの時みたいな失敗はしたくない。
これは、試験だ。
「轟さ・・・」
「八百万」
「轟さん!?」
ぷらーんと、電線に縛られたままの状態の轟に、目を丸くする八百万。
「すみません、私・・・やっぱり・・・」
「あ、オイ。相澤先生来てるぞ!八百万!!何か、あるんだよな?
悪い、聞くべきだった「これでいいか?」って(だから、歌恋の時で散々失敗して)
何かあるんだよな!?」
「でも、轟さんの策が通用しなかったのに、私の考えなんて・・・」
「いいから早くしろ!そういうのはおまえの方が適任だったって言ってるんだ!
学級委員決めた時おまえ、二票だったろ!一票は俺が入れた!
そういう事に長けた奴だと思ったからだ!」
「で、でも・・・轟さんに入ってた一票は・・・?」
「あれは、別の奴だ」
本人から直接聞いてるから知っている。
「済んだ?」
「!」
相澤先生が、八百万の頭上に迫ってきていた。
(みっともない・・・!!みっともない!!けれど!!)
腰に入れていたマトリョーシカを掴み相澤先生に向け放り投げる。
「轟さん、目を閉じて!!」
「!?」
マトリョーシカの中に入れていた閃光弾が炸裂した。その隙に八百万は布をほどき轟を降ろしていく。
「あります!轟さん!私、ありますの!相澤先生に勝利する、とっておきのオペレーションが!!」
切島とどうにかセメントスから距離をとれたであろう歌恋。
「・・・わりぃ」
いつになく弱気な切島に、なんだか調子が狂う。
「何が?私だってそうだよ。相手も強すぎるし、いつもの切島くんじゃないと変な気分」
「いや、轟や爆豪だったらあんな分厚いセメントでもなんでも壊して即おめークリアなのに」
「だから、それは私が切島くんにも言える事!今は二人しかいないんだから、
それ言ってもきりがないよ」
「逃げてばかりじゃ、勝負には勝てないよ」
「「!!」」
追うものは、追われている立場よりずっと楽にみえてしまう。
こんな試験、どう足掻いても勝てる気がいまの二人にはない。
「だったら・・・先生捕まえてもクリア条件なんだよね」
「だけど、あんなんじゃ近寄れねーぞ」
「待って、切島くん。一か八か、二対一を利用するしかない」
「けど、バラバラに捕まっても終わりだろ」
「だから、一か八か。どう、する・・・?」
「おめーがそこまで言うんなら、やらなきゃ男じゃねーよな!」
「さっすが切島くん、そうじゃなくちゃ!これで落ちてもくいはない!」
「いや、諦めんなよ最初から!」
ゴタゴタ考えてる場合じゃない。歌恋も腕を幹にし、片方を屋根に向けもう片方を切島に巻き付ける。
そして、屋根の方に逃げる二人は背を低くした。
「すまねぇ・・・」
「大丈夫?」
「わざと俺の方を狙ったのかわかんねぇけど、登坂じゃなくてよかったぜ。
俺だったら防御出来る。んで、気配はあったか?」
「・・・ない。セメントがあればきっと、どっからでも攻撃可能なんだよ。
とりあえず、ここから離れよう。ゲートから少し離れて態勢立て直して」
そこからどう対処すればいいのか、いい案が全然思い浮かばない。
side:轟組は。
八百万が出す異様な光景に、轟が疑問を投げ掛ける。
「何か出せっつったが、おまえなんだそれ」
「ロシアの人形、マトリョーシカですわ」
「そうか。とりあえず"個性"に異変があったら、すぐ言ってくれ」
轟もまた、自分の氷結を確認している。
「さすがですわね、轟さん・・・」
「何が」
「相澤先生への対戦をすぐ打ち出すのもそうですが、ベストを即決出来る判断力です」
「・・・普通だろ(まぁ、歌恋とだったら口喧嘩だな)」
あーだこーだと、すぐ言いたがる。だからいつもお互いに道がずれていざこざしたけど。
「普通・・・ですか・・・。雄英の推薦入学者・・・スタートは同じハズでしたのに。
ヒーローとしての実技に於いて、私の方は特筆すべき結果を何も残せていません・・・。
騎馬戦では、あなたの指示下についただけ・・・本戦は、常闇さんに為すすべなく敗退でした・・・。
女子での推薦っていうのであれば、登坂さんじゃないのが不思議なくらいですわ・・・」
「・・・・・・・」
何て言ってあげればいいか分からない。だが、八百万を見てふと異変に気付く。
「八百万、マトリョーシカ・・・」
「!」
いつの間にか、無意識に創れていない。
「来るぞ!!」
「すみませ・・・」
「と、思ったらすぐ行動に移せ」
二人の間にぶら下がっている相澤先生に背後をとられた。
「ちっ!」
振り返り、なんとか攻撃しようとする轟だったが。
「この場合はまず、回避優先すべきだ。先手取られたんだから」
「八百万、行け!」
「ハッ・・・あっ」
「あ、そういうアレか。なら・・・」
「痛・・・!!?」
「好都合だ」
相澤先生の布で手首を後ろ手に拘束されたまま、轟は電線にまで引っ張りあげられた。
「どのみち、攻撃的なおまえから捕まえるつもりだった」
轟を捕まえた布を、相澤先生は器用に先を電柱にぐるぐる巻き付けている。
「捕まえた・・・つもりですか。こんな拘束、燃やすか氷結かですぐ・・・」
「どっちでもいいが、落下先に気をつけろよ」
「!?」
そう言いながらばら蒔いたのは、マキビシだ。
「マキビシ・・・忍者かよ。嫌らしい対策、してくるな・・・」
「そりゃ、ヒーロー殺しの時とは違うからな。ヒーローの"個性"も人数も知ってる。
迎撃態勢バッチリの敵だ。ずいぶんと負担の偏った策じゃないか。
女の子をおもんばかるのは立派だが、もう少し話し合っても良かったんじゃないか?
登坂との間で、それはもう重々承知したと思ってたが・・・」
「!なんで、アイツの事・・・」
「まぁ、先生だからな」
「答えになってねぇ」
目薬をつけおえた相澤先生は、そのまま八百万の方へ行ってしまった。
(話し・・・)
一人走る八百万は、思考がまとまっていない。
(脱出ゲートまであとどのくらい?もっと最短ルートがあるのでは?これでいいの?
轟さんは無事?時間を犠牲にしてでも移動用アイテムをつくるべき?
これでいいの!?私はこのまま逃げきれる?私・・・どこ走ってる!?ダメ・・・何で!!
考えが、これでいいの!?)
「体育祭以降、自信の喪失が見てとれる」
知った声に振り向けば、相澤先生が既に後ろにいる。
(なっ!!じゃあ、もう轟さんを・・・!?)
「痛いところは突いてくぞ」
言いながら、左手首を相澤先生の布に捉えられ引っ張られてしまう。
「手数勝負しようか」
(先生相手に、私では勝ち目が・・・!!?アレ、消されてない・・・!?)
瞬時に創造で、八百万は布から脱出をはかる。
(すみません轟さん・・・!!)
「!」
拘束を破られ、八百万の出方を伺う。
「逆走・・・(判断を委ねに行ったな)」
『もう少し話し合っても良かったんじゃないか?』
確かに、歌恋の時は話し合いできる時間が長くあった。
そのせいもあって、気持ちがずれていざこざしたけど。
これは期末試験。歌恋の時みたく時間がある訳じゃない。
ガツガツくる性格じゃない八百万だからこそ、あの時みたいな失敗はしたくない。
これは、試験だ。
「轟さ・・・」
「八百万」
「轟さん!?」
ぷらーんと、電線に縛られたままの状態の轟に、目を丸くする八百万。
「すみません、私・・・やっぱり・・・」
「あ、オイ。相澤先生来てるぞ!八百万!!何か、あるんだよな?
悪い、聞くべきだった「これでいいか?」って(だから、歌恋の時で散々失敗して)
何かあるんだよな!?」
「でも、轟さんの策が通用しなかったのに、私の考えなんて・・・」
「いいから早くしろ!そういうのはおまえの方が適任だったって言ってるんだ!
学級委員決めた時おまえ、二票だったろ!一票は俺が入れた!
そういう事に長けた奴だと思ったからだ!」
「で、でも・・・轟さんに入ってた一票は・・・?」
「あれは、別の奴だ」
本人から直接聞いてるから知っている。
「済んだ?」
「!」
相澤先生が、八百万の頭上に迫ってきていた。
(みっともない・・・!!みっともない!!けれど!!)
腰に入れていたマトリョーシカを掴み相澤先生に向け放り投げる。
「轟さん、目を閉じて!!」
「!?」
マトリョーシカの中に入れていた閃光弾が炸裂した。その隙に八百万は布をほどき轟を降ろしていく。
「あります!轟さん!私、ありますの!相澤先生に勝利する、とっておきのオペレーションが!!」
切島とどうにかセメントスから距離をとれたであろう歌恋。
「・・・わりぃ」
いつになく弱気な切島に、なんだか調子が狂う。
「何が?私だってそうだよ。相手も強すぎるし、いつもの切島くんじゃないと変な気分」
「いや、轟や爆豪だったらあんな分厚いセメントでもなんでも壊して即おめークリアなのに」
「だから、それは私が切島くんにも言える事!今は二人しかいないんだから、
それ言ってもきりがないよ」
「逃げてばかりじゃ、勝負には勝てないよ」
「「!!」」
追うものは、追われている立場よりずっと楽にみえてしまう。
こんな試験、どう足掻いても勝てる気がいまの二人にはない。
「だったら・・・先生捕まえてもクリア条件なんだよね」
「だけど、あんなんじゃ近寄れねーぞ」
「待って、切島くん。一か八か、二対一を利用するしかない」
「けど、バラバラに捕まっても終わりだろ」
「だから、一か八か。どう、する・・・?」
「おめーがそこまで言うんなら、やらなきゃ男じゃねーよな!」
「さっすが切島くん、そうじゃなくちゃ!これで落ちてもくいはない!」
「いや、諦めんなよ最初から!」