第一話 挑戦
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春、それは高校生活の始まり。
「1-A、ここだ」
なんとなく迷いながらも自分の教室にたどり着けた。
(何度も言うけど、広すぎっ)
ドキドキしながら教室のドアを開ける。自分も早めに来たつもりだったけど、ほぼほぼ集まっていた。
(みんな早い)
クラスに、まだそんな親しい人がいない歌恋だが、爆豪勝己を発見した。
(あ、いた・・・)
机に足を乗っけているという、いかにもヤクザ的な態度に近寄りがたくなる。
(・・・・・・お礼、言いずら)
あまり目立たないように、顔を下に向けながら自分の席を探す。
「あった・・・」
呟いて、自分の席が存在していることに嬉しさが募りにやけてしまう。
隣を見れば、爆豪勝己ではなくてよかったと、内心安心した。
「・・・・・・・カッコいい・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
前の席の方で、なんだか騒がしい気がするけど、歌恋には入ってこない。
後ろの席の男の子、半分白銀で半分赤髪で。目付きちょっと鋭いけど。
思わずもれた声に気付いたのか、彼は視線をこちらに向けた。
ヤバい、と歌恋は何事もなかったかのように座る。
「なぁなぁ、おいらはどうよ?」
えへん、と胸を入っている彼は・・・頭にぶどうのようなものがついていた。
お世辞にも強そうにはみえない。けれど、彼もヒーロー志望なのだから実力はあるのだろう。
「え、え~っと・・・」
「迷うなよぉ!!」
「ご、ごめんなさい・・・」
それから、後ろにいる先ほどの彼に身体ごと向ける。無意識な発言だったけど、巻き込んだ。
「あ、あの・・・さっきのは忘れて下さい・・・」
静かに目を閉じていた彼は、ゆっくり瞼を上げた。
「別に」
たったそれだけだったけど、少し嬉しかった。
しかし、彼の隣の女の子はメチャクチャ美少女だ。天と地が逆になっても、色々と彼女には叶わない気がする。
(・・・美男美女の前の席・・・ヤバい・・・)
「おいらはなんなのさっ」
チャイムが鳴り、ドアの方で喋っていた生徒が何かを見つけたらしい。
それは寝袋にくるまりながら横になっている一人の男がいる。
彼は気だるげに教卓に上がり、寝袋をとっていく。
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。
担任の相澤消太だ、よろしくね」
(担任!?)
まさかこんな、くたびれたような人が担任だとは。紹介を終えるなり、相澤先生は寝袋から体操服を取り出す。
いやいや、どこから取り出してるんですか。
「さっそくだが、これ着てグラウンドに出ろ」
言われるまま、歌恋達は着替えグラウンドに出る。
そこで相澤先生に話を聞かされたこれからやること、とは。
「個性把握テスト!?」
クラスの人から驚きの声が上がる。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
ボブヘアーをしている女子が、ショックなのか相澤先生に問い詰める。
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。
雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」
「・・・・・・?」
中学の頃からやっている基本の"個性"禁止の体力テスト。
だが、これから行われる体力テストは、"個性"を使ってやるというもの。
お手本として、爆豪が名前を呼ばれおもいっきり"個性"を使いソフトボール投げをしろとの事で。
「んじゃまぁ」
肩を回してから、爆豪は勢いよく腕を振り上げる。
「死ねぇ!!!」
と。
唖然とするクラスメートたち。
(・・・・・・死ね?)
(相変わらず、凄い威力)
春か彼方に投げられたボールを見る歌恋。
爆豪の"個性"の凄さを知る彼女は、少しの余裕がある。
爆豪勝己のソフトボール投げの記録は705.2m。
「まず、自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
今まで溜め込んでいた力をおもいっきり発散できるとすればどう見ても面白い。
だが、その面白い発言に、相澤先生を怒らせ、
8種目のテストで最下位の者は除籍処分すると発表される。
「生徒の如何は先生の"自由"。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
入学初日の大試練である。
"個性"をおもいっきり使える体力テストはとても凄いものだった。
ソフトボール投げは∞の記録を叩き出したボブヘアーの女の子に、
50m走を4秒、はたまた3秒という驚異的なスピードを持つもの。
(体力テスト、花達がおもいっきり使える!)
歌恋はぎゅっと拳を握り、ソフトボール投げでは桜吹雪で圧倒。
50m走ではツルをうまく活用し、握力、立ち幅跳びもまた同様。
(・・・持久走だけはダメだ・・・)
一つ二つあまり良い結果は残せない。
しかし、ただ一人、緑谷出久だけはソフトボール投げで初めて"個性"を使った記録を出していたが。
ふたを開けてクラスの順位を見れば6位だった。
「う~ん・・・」
まだまだダメダメだ。
そういえば、最下位の者は除籍対象といっていたが、それは相澤先生がついたウソだった。
クラスの皆の最大限を引き出す合理的虚偽だとか。
「はーー!!?」
声をあらげて驚く出久やボブヘアーの女の子に。
「あんなの、ウソに決まってるじゃない・・・ちょっと考えればわかりますわ・・・」
歌恋のななめ後ろの席の美少女が呆れたように言った。
「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」
教室に戻ると、歌恋はさっそくカバンから菓子パンを取り出す。
(お腹鳴る~・・・楽しくって、忘れかけてたのに)
やはり食べないとどうにもならない。休憩時間の短い間に食べれるだけと思ったが、結局全部だ。
(物足りない・・・)
けど、今日はもう終わりだから、少し我慢すれば帰ったらまたいっぱい食べれる。
あとは、自己紹介の時間で本日終了だ。
「1-A、ここだ」
なんとなく迷いながらも自分の教室にたどり着けた。
(何度も言うけど、広すぎっ)
ドキドキしながら教室のドアを開ける。自分も早めに来たつもりだったけど、ほぼほぼ集まっていた。
(みんな早い)
クラスに、まだそんな親しい人がいない歌恋だが、爆豪勝己を発見した。
(あ、いた・・・)
机に足を乗っけているという、いかにもヤクザ的な態度に近寄りがたくなる。
(・・・・・・お礼、言いずら)
あまり目立たないように、顔を下に向けながら自分の席を探す。
「あった・・・」
呟いて、自分の席が存在していることに嬉しさが募りにやけてしまう。
隣を見れば、爆豪勝己ではなくてよかったと、内心安心した。
「・・・・・・・カッコいい・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
前の席の方で、なんだか騒がしい気がするけど、歌恋には入ってこない。
後ろの席の男の子、半分白銀で半分赤髪で。目付きちょっと鋭いけど。
思わずもれた声に気付いたのか、彼は視線をこちらに向けた。
ヤバい、と歌恋は何事もなかったかのように座る。
「なぁなぁ、おいらはどうよ?」
えへん、と胸を入っている彼は・・・頭にぶどうのようなものがついていた。
お世辞にも強そうにはみえない。けれど、彼もヒーロー志望なのだから実力はあるのだろう。
「え、え~っと・・・」
「迷うなよぉ!!」
「ご、ごめんなさい・・・」
それから、後ろにいる先ほどの彼に身体ごと向ける。無意識な発言だったけど、巻き込んだ。
「あ、あの・・・さっきのは忘れて下さい・・・」
静かに目を閉じていた彼は、ゆっくり瞼を上げた。
「別に」
たったそれだけだったけど、少し嬉しかった。
しかし、彼の隣の女の子はメチャクチャ美少女だ。天と地が逆になっても、色々と彼女には叶わない気がする。
(・・・美男美女の前の席・・・ヤバい・・・)
「おいらはなんなのさっ」
チャイムが鳴り、ドアの方で喋っていた生徒が何かを見つけたらしい。
それは寝袋にくるまりながら横になっている一人の男がいる。
彼は気だるげに教卓に上がり、寝袋をとっていく。
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。
担任の相澤消太だ、よろしくね」
(担任!?)
まさかこんな、くたびれたような人が担任だとは。紹介を終えるなり、相澤先生は寝袋から体操服を取り出す。
いやいや、どこから取り出してるんですか。
「さっそくだが、これ着てグラウンドに出ろ」
言われるまま、歌恋達は着替えグラウンドに出る。
そこで相澤先生に話を聞かされたこれからやること、とは。
「個性把握テスト!?」
クラスの人から驚きの声が上がる。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
ボブヘアーをしている女子が、ショックなのか相澤先生に問い詰める。
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。
雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」
「・・・・・・?」
中学の頃からやっている基本の"個性"禁止の体力テスト。
だが、これから行われる体力テストは、"個性"を使ってやるというもの。
お手本として、爆豪が名前を呼ばれおもいっきり"個性"を使いソフトボール投げをしろとの事で。
「んじゃまぁ」
肩を回してから、爆豪は勢いよく腕を振り上げる。
「死ねぇ!!!」
と。
唖然とするクラスメートたち。
(・・・・・・死ね?)
(相変わらず、凄い威力)
春か彼方に投げられたボールを見る歌恋。
爆豪の"個性"の凄さを知る彼女は、少しの余裕がある。
爆豪勝己のソフトボール投げの記録は705.2m。
「まず、自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
今まで溜め込んでいた力をおもいっきり発散できるとすればどう見ても面白い。
だが、その面白い発言に、相澤先生を怒らせ、
8種目のテストで最下位の者は除籍処分すると発表される。
「生徒の如何は先生の"自由"。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
入学初日の大試練である。
"個性"をおもいっきり使える体力テストはとても凄いものだった。
ソフトボール投げは∞の記録を叩き出したボブヘアーの女の子に、
50m走を4秒、はたまた3秒という驚異的なスピードを持つもの。
(体力テスト、花達がおもいっきり使える!)
歌恋はぎゅっと拳を握り、ソフトボール投げでは桜吹雪で圧倒。
50m走ではツルをうまく活用し、握力、立ち幅跳びもまた同様。
(・・・持久走だけはダメだ・・・)
一つ二つあまり良い結果は残せない。
しかし、ただ一人、緑谷出久だけはソフトボール投げで初めて"個性"を使った記録を出していたが。
ふたを開けてクラスの順位を見れば6位だった。
「う~ん・・・」
まだまだダメダメだ。
そういえば、最下位の者は除籍対象といっていたが、それは相澤先生がついたウソだった。
クラスの皆の最大限を引き出す合理的虚偽だとか。
「はーー!!?」
声をあらげて驚く出久やボブヘアーの女の子に。
「あんなの、ウソに決まってるじゃない・・・ちょっと考えればわかりますわ・・・」
歌恋のななめ後ろの席の美少女が呆れたように言った。
「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」
教室に戻ると、歌恋はさっそくカバンから菓子パンを取り出す。
(お腹鳴る~・・・楽しくって、忘れかけてたのに)
やはり食べないとどうにもならない。休憩時間の短い間に食べれるだけと思ったが、結局全部だ。
(物足りない・・・)
けど、今日はもう終わりだから、少し我慢すれば帰ったらまたいっぱい食べれる。
あとは、自己紹介の時間で本日終了だ。