第五話 それぞれの気持ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
自分の部屋に戻り、スマホを確認する。
(しまった・・・既読してから時間経ってしまった・・・)
とりあえず、メッセージをいれる。
【遅くなっちゃってごめんね】と。お母さんからもあんな事言われ、ドキドキしながら待つ。
(・・・体育祭の時は無我夢中だったけど、なんだろ・・・こんなに気になるのって・・・。
最初は、轟くんのこと、カッコいいって・・・まぁ、やっぱ外見見て思っちゃって。
それが轟くんは気に食わなくて・・・オールマイトの最初の授業でコンビ組んで、ちぐはぐして。
・・・・・・・わ~っ・・・気にしないつもりだったけど、こう異性気になるって・・・好きって・・・っ)
ちょくちょく、今までの轟との行動を思い出す。皆にも(クラスの女子)
散々指摘されてたけど・・・いやぁ、まさかな、まさかな。
でも、あの時、抱きしめてくれた・・・。ちゃんと、イヤかって聞いてくれて。
気が合う=好き?
クラスの男の子とこう連絡するのも、可笑しいこと?いや、皆の連絡先は知ってる。
うん。緑谷だって、飯田だって、その他もろもろの人も。でも、そんなしょっちゅうやり取りしないけど。
轟とは、ちょっと彼の過去を知り、現状を知り、ただ・・・緑谷みたいな間柄なだけで。
轟本人に聞けば早いのは分かる。あんな素振りすることも。でも、確信を聞くのは怖くて。
(・・・そうだよ。私が仮に轟くんを好きでも、あんなイケメン君はヤオモモみたいな美女がお似合いだよ。
恋愛なんて、そんなん・・・)
自分の姿を見て、悲しくなる。胸だって、そんなデカイわけじゃない。
身長はだいたい麗日と同じか、蛙吹よりは少し高いくらいだし。
(・・・私に、何のメリットがあるんだろう?ただ、からかわれてる?いや、轟くんの雰囲気からしてそれはないか)
今のままの距離が、一番いいんだって。
『爆豪となんかあんのか?』
(なんかって・・・なに?爆豪くんと何かあったらまずいこと?)
ふと、忘れかけていた。轟が触れた太ももの感触。
「っ~・・・。(あーゆーこと・・・?)」
分からない。男の子は皆、あんな感じなのかと。
すると、スマホから電話が鳴った。静かな部屋でよからぬ事を考えていたので驚く。
「あ・・・も、もしもし・・・?」
「悪いな、こんな時間電話して・・・今、いいか?」
「うん、大丈夫だよ」
電話鳴るまでいろいろ考えていたけど、やっぱり話せると嬉しくて笑みが出てしまう。
「その・・・明日明後日休みだろ?それで明日は、お母さんに会いに行こうと思ってる」
「お母さんに?」
「俺が、前を向く為に。それで、その・・・明後日、会えないか?」
「特に用はないから平気」
「歌恋に、いい報告できるように」
歌恋は目を見開く。なんだかくすぐったい。
(この気持ちは、やっぱりさっき考えてたことと一致してるのかな・・・)
黙ってしまった事に違和感を感じたのか、轟がもう一度名前を呼んでくれる。
「歌恋・・・?」
「・・・嬉しいなって、思って」
「あんな話した後始末、つけなきゃだしな」
「でも、こうやって話してくれるのが、私には特別に感じるし、嬉しいの」
「っ・・・。ホント、無意識に煽るよな」
「え?え?」
「いや・・・じゃあ、また後で」
それから、轟と待ち合わせし、カフェでゆっくりお茶をしていた。
「今までお母さんに会わなかったのは、自分の存在がお母さんを追いつめてしまうと思ってたから。
だけど、緑谷や歌恋に言われて、会うきっかけができて。たくさん話ができた」
轟の表情が、今までより明るくなってる気がするし、針積めていた空気も、今はない・・・。
「それで・・・お母さんは・・・?」
「泣いて謝ってくれて・・・驚く程あっさりと笑って赦してくれたよ。
俺が何にも捉われずにつき進む事が、幸せであり救いになると言ってくれた。
親父を赦したわけじゃないし、赦す気もない。でも、簡単なことだったんだよな、全部。
簡単なことなのに、見えてなかった。緑谷のあの一言に救われて」
『君の力じゃないか!』
「轟くん・・・表情が前と全然違う。なんか、本当に嬉しそう」
「そう、か・・・?」
「うん」
「・・・これも、幸せの在り方なんだな・・・」
「まぁ、あのムッツリしてる時も、別によかったけど」
「・・・・・・」
「いや、冗談だって。(半分本気、だったり)」
「それで、少し考えた。コスチュームも、変更しようと思うんだ」
「それがいいと思う。最初のコスチューム、正直怖かったし」
「アレは・・・アレだな」
「・・・私もコスチューム、見直そうかな・・・。なんか、パッとしないんだよね」
「別に、無理に変える必要なくねぇか?」
「そうかなぁ」
「ああ。あと・・・一つ・・・」
「なに?」
「俺が・・・俺自身なんだって思えるように・・・焦凍。焦凍って、呼べねぇか?」
歌恋は驚きで、目を見開く。
「え・・・?」
「あ、いや・・・無理にとは言わねぇ。男からこんな風に言うの、可笑しいよな」
「ち、違うのっ。その、私なんかがそんなおいそれと・・・。私の名前呼んでくれたことも、
その・・・だ、抱き止めてくれた事も嬉しいけど・・・轟くんは、ヤオモモみたいな美女の方が似合うよ」
「は?」
(しまった)
轟の表情が、何言ってんだ、コイツ。みたいになっている。そりゃそうだ。
(何言ってんの、私!昨日から変なことばっか考えて、つい口が)
無性に居心地が悪くなった。
「ご、ごめんなさい・・・帰る」
「おい・・・!」
追ってこなくていいのに。普段"個性"禁止なこの社会で、普通に男の子の一歩に勝てるわけなくて。
手首を捕まれ、互いに呼吸が荒くなって。
「アンタ・・・変なとこで強情だよな。なんでそこで八百万が出るんだって話・・・」
「・・・だって・・・」
「・・・男が・・・気になる奴にしかしねぇって・・・なんで・・・」
頬をほんのり赤くし、ゴニョゴニョ言う轟。
「え・・・何?」
(まてよ)
ここでいま、彼女に告白したところで、「え、まさかぁ」「何言ってんの、轟くん」で終わりかねない。
彼女自身、自分の事になるとどっか消極的だ。ただ単に慎重すぎるのか頑固なのか。
(俺だけじゃない、コイツにも何か・・・自分を後ろめたく思うなにかがあるのか・・・?)
知ってるようで知らない、彼女のこと。今まで自分の事に夢中で気付けなくて。
だからあんなちぐはぐしたり、八百万が出てきたりしてしまうのかもしれなくて。
今の心を縛る鎖を、紐解いてやらなければ歌恋は変われない。
力無く、轟が手を離してくれる。
「悪かった、痛かったか・・・?」
「大丈夫・・・」
皆、誰にもそういう気持ちがあって。
(俺だけじゃない・・・)
「逃げて、ごめんなさい・・・」
「いや、俺が悪かったんだから」
「轟くんの・・・気持ち、変わりたいって気持ちは凄くわかる」
1年A組の皆は優しい。優しくて仲間想いが強い連中で。だから時々、自分を忘れる。
中学の時にあった自分の立場。忘れちゃいけない、あの時知った人の裏側。
友達に裏切られた・・・"個性"あるが故の優劣。
「私の名前呼んでくれるの、嬉しい・・・。だけど、呼べない・・・(男の子の名前は、簡単に・・・)
呼んじゃ、いけないんだよ・・・」
「なん、で・・・だ?女子の連中とはあんなに・・・」
「ごめんなさい・・・」
1年A組の皆を悪くおもってないけど・・・耳郎や、芦戸を裏切るような事したくないけど、
分からないじゃないか・・・。
(しまった・・・既読してから時間経ってしまった・・・)
とりあえず、メッセージをいれる。
【遅くなっちゃってごめんね】と。お母さんからもあんな事言われ、ドキドキしながら待つ。
(・・・体育祭の時は無我夢中だったけど、なんだろ・・・こんなに気になるのって・・・。
最初は、轟くんのこと、カッコいいって・・・まぁ、やっぱ外見見て思っちゃって。
それが轟くんは気に食わなくて・・・オールマイトの最初の授業でコンビ組んで、ちぐはぐして。
・・・・・・・わ~っ・・・気にしないつもりだったけど、こう異性気になるって・・・好きって・・・っ)
ちょくちょく、今までの轟との行動を思い出す。皆にも(クラスの女子)
散々指摘されてたけど・・・いやぁ、まさかな、まさかな。
でも、あの時、抱きしめてくれた・・・。ちゃんと、イヤかって聞いてくれて。
気が合う=好き?
クラスの男の子とこう連絡するのも、可笑しいこと?いや、皆の連絡先は知ってる。
うん。緑谷だって、飯田だって、その他もろもろの人も。でも、そんなしょっちゅうやり取りしないけど。
轟とは、ちょっと彼の過去を知り、現状を知り、ただ・・・緑谷みたいな間柄なだけで。
轟本人に聞けば早いのは分かる。あんな素振りすることも。でも、確信を聞くのは怖くて。
(・・・そうだよ。私が仮に轟くんを好きでも、あんなイケメン君はヤオモモみたいな美女がお似合いだよ。
恋愛なんて、そんなん・・・)
自分の姿を見て、悲しくなる。胸だって、そんなデカイわけじゃない。
身長はだいたい麗日と同じか、蛙吹よりは少し高いくらいだし。
(・・・私に、何のメリットがあるんだろう?ただ、からかわれてる?いや、轟くんの雰囲気からしてそれはないか)
今のままの距離が、一番いいんだって。
『爆豪となんかあんのか?』
(なんかって・・・なに?爆豪くんと何かあったらまずいこと?)
ふと、忘れかけていた。轟が触れた太ももの感触。
「っ~・・・。(あーゆーこと・・・?)」
分からない。男の子は皆、あんな感じなのかと。
すると、スマホから電話が鳴った。静かな部屋でよからぬ事を考えていたので驚く。
「あ・・・も、もしもし・・・?」
「悪いな、こんな時間電話して・・・今、いいか?」
「うん、大丈夫だよ」
電話鳴るまでいろいろ考えていたけど、やっぱり話せると嬉しくて笑みが出てしまう。
「その・・・明日明後日休みだろ?それで明日は、お母さんに会いに行こうと思ってる」
「お母さんに?」
「俺が、前を向く為に。それで、その・・・明後日、会えないか?」
「特に用はないから平気」
「歌恋に、いい報告できるように」
歌恋は目を見開く。なんだかくすぐったい。
(この気持ちは、やっぱりさっき考えてたことと一致してるのかな・・・)
黙ってしまった事に違和感を感じたのか、轟がもう一度名前を呼んでくれる。
「歌恋・・・?」
「・・・嬉しいなって、思って」
「あんな話した後始末、つけなきゃだしな」
「でも、こうやって話してくれるのが、私には特別に感じるし、嬉しいの」
「っ・・・。ホント、無意識に煽るよな」
「え?え?」
「いや・・・じゃあ、また後で」
それから、轟と待ち合わせし、カフェでゆっくりお茶をしていた。
「今までお母さんに会わなかったのは、自分の存在がお母さんを追いつめてしまうと思ってたから。
だけど、緑谷や歌恋に言われて、会うきっかけができて。たくさん話ができた」
轟の表情が、今までより明るくなってる気がするし、針積めていた空気も、今はない・・・。
「それで・・・お母さんは・・・?」
「泣いて謝ってくれて・・・驚く程あっさりと笑って赦してくれたよ。
俺が何にも捉われずにつき進む事が、幸せであり救いになると言ってくれた。
親父を赦したわけじゃないし、赦す気もない。でも、簡単なことだったんだよな、全部。
簡単なことなのに、見えてなかった。緑谷のあの一言に救われて」
『君の力じゃないか!』
「轟くん・・・表情が前と全然違う。なんか、本当に嬉しそう」
「そう、か・・・?」
「うん」
「・・・これも、幸せの在り方なんだな・・・」
「まぁ、あのムッツリしてる時も、別によかったけど」
「・・・・・・」
「いや、冗談だって。(半分本気、だったり)」
「それで、少し考えた。コスチュームも、変更しようと思うんだ」
「それがいいと思う。最初のコスチューム、正直怖かったし」
「アレは・・・アレだな」
「・・・私もコスチューム、見直そうかな・・・。なんか、パッとしないんだよね」
「別に、無理に変える必要なくねぇか?」
「そうかなぁ」
「ああ。あと・・・一つ・・・」
「なに?」
「俺が・・・俺自身なんだって思えるように・・・焦凍。焦凍って、呼べねぇか?」
歌恋は驚きで、目を見開く。
「え・・・?」
「あ、いや・・・無理にとは言わねぇ。男からこんな風に言うの、可笑しいよな」
「ち、違うのっ。その、私なんかがそんなおいそれと・・・。私の名前呼んでくれたことも、
その・・・だ、抱き止めてくれた事も嬉しいけど・・・轟くんは、ヤオモモみたいな美女の方が似合うよ」
「は?」
(しまった)
轟の表情が、何言ってんだ、コイツ。みたいになっている。そりゃそうだ。
(何言ってんの、私!昨日から変なことばっか考えて、つい口が)
無性に居心地が悪くなった。
「ご、ごめんなさい・・・帰る」
「おい・・・!」
追ってこなくていいのに。普段"個性"禁止なこの社会で、普通に男の子の一歩に勝てるわけなくて。
手首を捕まれ、互いに呼吸が荒くなって。
「アンタ・・・変なとこで強情だよな。なんでそこで八百万が出るんだって話・・・」
「・・・だって・・・」
「・・・男が・・・気になる奴にしかしねぇって・・・なんで・・・」
頬をほんのり赤くし、ゴニョゴニョ言う轟。
「え・・・何?」
(まてよ)
ここでいま、彼女に告白したところで、「え、まさかぁ」「何言ってんの、轟くん」で終わりかねない。
彼女自身、自分の事になるとどっか消極的だ。ただ単に慎重すぎるのか頑固なのか。
(俺だけじゃない、コイツにも何か・・・自分を後ろめたく思うなにかがあるのか・・・?)
知ってるようで知らない、彼女のこと。今まで自分の事に夢中で気付けなくて。
だからあんなちぐはぐしたり、八百万が出てきたりしてしまうのかもしれなくて。
今の心を縛る鎖を、紐解いてやらなければ歌恋は変われない。
力無く、轟が手を離してくれる。
「悪かった、痛かったか・・・?」
「大丈夫・・・」
皆、誰にもそういう気持ちがあって。
(俺だけじゃない・・・)
「逃げて、ごめんなさい・・・」
「いや、俺が悪かったんだから」
「轟くんの・・・気持ち、変わりたいって気持ちは凄くわかる」
1年A組の皆は優しい。優しくて仲間想いが強い連中で。だから時々、自分を忘れる。
中学の時にあった自分の立場。忘れちゃいけない、あの時知った人の裏側。
友達に裏切られた・・・"個性"あるが故の優劣。
「私の名前呼んでくれるの、嬉しい・・・。だけど、呼べない・・・(男の子の名前は、簡単に・・・)
呼んじゃ、いけないんだよ・・・」
「なん、で・・・だ?女子の連中とはあんなに・・・」
「ごめんなさい・・・」
1年A組の皆を悪くおもってないけど・・・耳郎や、芦戸を裏切るような事したくないけど、
分からないじゃないか・・・。