第四話 緑谷VS轟
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控え室に戻る轟の前に、エンデヴァーが立っていた。
「・・・・・・・・」
「邪魔だ、とは言わんのか。炎熱のコントロール・・・ベタ踏みでまだまだ危なっかしいもんだが、
子どもじみた駄々を捨ててようやくお前は完璧な"俺の上位互換"となった!
卒業後は俺の元へ来い!!俺が覇道を歩ませてやる!」
「捨てられるわけねぇだろう」
エンデヴァーの伸ばされた手を掴むことはない。轟は自身の左手を見つめながら言う。
「ただ、あの時あの一瞬は、お前を忘れた。それが良いのか悪ィのか正しいことなのか・・・少し・・・考える」
エンデヴァーはそのまま、何も言わなかった。控え室に戻れば、そこには次の試合の準備をする歌恋がいた。
「あ、轟くん・・・」
そう気まずそうに呟いて、彼女は視線をそらす。
「き、着替えるよね?私、出るね」
頭の後ろに手をやりながら笑って言う歌恋に言った。
「上着だけでいいから、そんままでいい」
「っ・・・」
ボロボロになった体操着を脱ぎながら言えば、慌てて後ろを向く歌恋。
「・・・次、飯田とだろ」
「うん。勝ったら、轟くんとだね・・・勝てる気がしないけど」
次の試合は、会場整備があるため、少し時間があった。
「・・・隣、座っていいか?」
着替え終わった轟が、優しい目を向けている。確実に緑谷と戦って何かが変わったんだ。
「うん・・・」
「・・・緑谷に言われて、家族じゃない、他人に言われてようやく気付けた気がした」
『君の力じゃないか!』
「親父の力じゃない。自分の・・・力だと」
轟の考えながら喋る言葉に、別に何を言うわけもなく聞き止める。
「ガキの頃に、すっかり忘れてた・・・お母さんからの言葉・・・。この先、どうすればいいのか今はわからねぇ。
登坂にも、散々酷いこと言っちまって、悪かった」
轟が頭を下げて謝ってくれる。まだハッキリと覚えてるあの日の事を。でも・・・。
「・・・何の事だかもう、忘れちゃったよ」
「それは・・・!」
轟のせいだけじゃないから。歌恋は右手の人差し指を自分の口元にもっていく。
「大丈夫だから。私も、酷いこと言っちゃったし、だから・・・ね?」
また、泣きたくなりそうだった。だけど、今は我慢する。いつの間にか、歌恋を抱いてー・・・。
「・・・!と、轟くん・・・?」
「・・・イヤ、か・・・?」
ドクンドクンと、心臓が五月蝿い。恥ずかしい。けど、いまは二人だから。
ちょっぴり、嬉しさもあって・・・。ちょっとだけ、彼の胸板に顔を近付ける。
「なぁ」
「ん?」
そのままで、少し歌恋は顔を上げた。
「その・・・二人の時、歌恋って、呼んでいいか?他の連中の前じゃ、呼べねえけど・・・」
「も、もちろん!別に皆もそう呼んでるんだから、可笑しくないよ!」
「いや、そういんじゃなくて・・・」
濁らせていう轟に、歌恋はハッとなんやかんや思い、顔を真っ赤にした。
「お前な・・・」
「と、轟くんってば、恥ずかしいことサラッと言うんだもん。別に、いつでも呼んでくれていいのにさ」
「まぁ・・・いいならいいけどよ」
「うん」
「さぁ、会場の準備が整ったぜ!」
「あ、行かなくちゃ」
慌てて席を立つ歌恋の手首を掴む。
「!」
「いや・・・その・・・頑張れよ」
「ありがとう」
歌恋を見送って、控え室が静かになる。ここで帰りを待ってていいような気もするし、試合も見たい。
けど、ここを離れたら会場でまた会うのは難しいだろう。
「あれー?轟、まだいんの?」
と、賑やかな明るい声。
「・・・芦戸・・・」
「次、あたしと常闇だからさ」
「そうか、邪魔したな」
「まぁ、歌恋待つってならいてもいーけど」
「・・・・・・・・・」
「図星?」
「ウルセー」
芦戸にからかわれない内にさっさと退散するのだった。
(・・・そんなに、わかりやすいのか?)
轟とあんな話をしていたら戦略を考えていなかった。飯田のスピード対策。
(捕まったら終わり。だけど・・・!)
プレゼント・マイクの声が響く。
「スタート!!」
やはり飯田は先手必勝とばかりに"個性"を使いスピードを上げる。
(飯田くんを捕まえられれば・・・!)
歌恋も"個性"で捕らえられるよう腕を幹にしていく。
「遅い!」
「っ!!」
後ろをとられ、振り向く間もなく飯田に肩を掴まれた。
「悪いな登坂くん、勝たせてもらうぞ!」
「こっ、のぉ・・・!」
『頑張れよ』って、応援してくれたのに。
「登坂さん、場外!飯田くん三回戦進出!!」
ミッドナイトの声がした。
「・・・・・・・・」
いつの間にか、飯田に押し出されていたのだ。飯田の手が、肩から離れる。
「飯田くんのスピードには、ついていけないや。押し出し場外、かぁ・・・」
「正直、爆豪くんみたいな攻撃の仕方は、女子にはしたくなかったからな!これが最善だと思ったのだ!」
ハァ・・・と、ため息をつきながら頭を垂れる。そして、もう一度飯田を見た。
「次、轟くんと。私じゃ勝てないだろうけど、もしかしたら飯田くんなら行けるかも」
「むむ、期待に応えれるよう全力を尽くす!」
控え室に戻ると、次の芦戸とすれ違う。
「歌恋ー、お疲れ!」
「三奈ちゃん!」
「残念だったね、いけると思ったけど」
「まぁ、次の相手が相手だし・・・飯田くんとでよかった気がするよ」
歌恋より少し背の高い芦戸に、頭を軽くポンポン叩かれる。
「?」
「じゃあ、あたし行ってくるね!」
元気よく手を振る芦戸に、手を振り返した。
「そうだ。あとで緑谷くんにも会わないと・・・」
彼がかえてくれた。緑谷の言葉のお陰で、自分だけでは助けてあげれなかった轟が、かわろうとしてることに。
「あれ」
「・・・・・・・・・」
「轟くん、こんな出口付近で待っててくれたんだ」
「・・・飯田と、もうちょい戦えただろ」
「えー・・・飯田くん対策出来なかったもん」
「・・・・・・俺、か?」
「いやぁ・・・んー?」
ダークシャドウで即効した常闇が、芦戸を押し出し常闇が三回戦進出を決める。
次は、爆豪と切島の対決だ。それが終わればベスト4が出そろう。
「私、皆のとこに戻るね。ちゃんと試合、見てるから」
「ああ」
歌恋の背中を見送る。本当は、もう少し話したかったし、自分の事も名前でって言おうか考えてた。
(・・・それはまだいいか・・・)
誰かと話していれば、気が紛れるもんだ。
皆がいる場所を目指しながら、試合にも目を向ける歌恋。
二人してカウンターを食らわす爆豪と切島。切島の"個性"硬化に爆豪が爆破をくらわし続けた結果、
硬化の綻びを見抜いた爆豪の攻撃が決まり、残り一枠のベスト4進出は、爆豪にきまった。
出揃ったベスト4。飯田、轟、常闇、爆豪。まず始めに飯田VS轟が始まろうとしていた。
「・・・・・・・・」
「邪魔だ、とは言わんのか。炎熱のコントロール・・・ベタ踏みでまだまだ危なっかしいもんだが、
子どもじみた駄々を捨ててようやくお前は完璧な"俺の上位互換"となった!
卒業後は俺の元へ来い!!俺が覇道を歩ませてやる!」
「捨てられるわけねぇだろう」
エンデヴァーの伸ばされた手を掴むことはない。轟は自身の左手を見つめながら言う。
「ただ、あの時あの一瞬は、お前を忘れた。それが良いのか悪ィのか正しいことなのか・・・少し・・・考える」
エンデヴァーはそのまま、何も言わなかった。控え室に戻れば、そこには次の試合の準備をする歌恋がいた。
「あ、轟くん・・・」
そう気まずそうに呟いて、彼女は視線をそらす。
「き、着替えるよね?私、出るね」
頭の後ろに手をやりながら笑って言う歌恋に言った。
「上着だけでいいから、そんままでいい」
「っ・・・」
ボロボロになった体操着を脱ぎながら言えば、慌てて後ろを向く歌恋。
「・・・次、飯田とだろ」
「うん。勝ったら、轟くんとだね・・・勝てる気がしないけど」
次の試合は、会場整備があるため、少し時間があった。
「・・・隣、座っていいか?」
着替え終わった轟が、優しい目を向けている。確実に緑谷と戦って何かが変わったんだ。
「うん・・・」
「・・・緑谷に言われて、家族じゃない、他人に言われてようやく気付けた気がした」
『君の力じゃないか!』
「親父の力じゃない。自分の・・・力だと」
轟の考えながら喋る言葉に、別に何を言うわけもなく聞き止める。
「ガキの頃に、すっかり忘れてた・・・お母さんからの言葉・・・。この先、どうすればいいのか今はわからねぇ。
登坂にも、散々酷いこと言っちまって、悪かった」
轟が頭を下げて謝ってくれる。まだハッキリと覚えてるあの日の事を。でも・・・。
「・・・何の事だかもう、忘れちゃったよ」
「それは・・・!」
轟のせいだけじゃないから。歌恋は右手の人差し指を自分の口元にもっていく。
「大丈夫だから。私も、酷いこと言っちゃったし、だから・・・ね?」
また、泣きたくなりそうだった。だけど、今は我慢する。いつの間にか、歌恋を抱いてー・・・。
「・・・!と、轟くん・・・?」
「・・・イヤ、か・・・?」
ドクンドクンと、心臓が五月蝿い。恥ずかしい。けど、いまは二人だから。
ちょっぴり、嬉しさもあって・・・。ちょっとだけ、彼の胸板に顔を近付ける。
「なぁ」
「ん?」
そのままで、少し歌恋は顔を上げた。
「その・・・二人の時、歌恋って、呼んでいいか?他の連中の前じゃ、呼べねえけど・・・」
「も、もちろん!別に皆もそう呼んでるんだから、可笑しくないよ!」
「いや、そういんじゃなくて・・・」
濁らせていう轟に、歌恋はハッとなんやかんや思い、顔を真っ赤にした。
「お前な・・・」
「と、轟くんってば、恥ずかしいことサラッと言うんだもん。別に、いつでも呼んでくれていいのにさ」
「まぁ・・・いいならいいけどよ」
「うん」
「さぁ、会場の準備が整ったぜ!」
「あ、行かなくちゃ」
慌てて席を立つ歌恋の手首を掴む。
「!」
「いや・・・その・・・頑張れよ」
「ありがとう」
歌恋を見送って、控え室が静かになる。ここで帰りを待ってていいような気もするし、試合も見たい。
けど、ここを離れたら会場でまた会うのは難しいだろう。
「あれー?轟、まだいんの?」
と、賑やかな明るい声。
「・・・芦戸・・・」
「次、あたしと常闇だからさ」
「そうか、邪魔したな」
「まぁ、歌恋待つってならいてもいーけど」
「・・・・・・・・・」
「図星?」
「ウルセー」
芦戸にからかわれない内にさっさと退散するのだった。
(・・・そんなに、わかりやすいのか?)
轟とあんな話をしていたら戦略を考えていなかった。飯田のスピード対策。
(捕まったら終わり。だけど・・・!)
プレゼント・マイクの声が響く。
「スタート!!」
やはり飯田は先手必勝とばかりに"個性"を使いスピードを上げる。
(飯田くんを捕まえられれば・・・!)
歌恋も"個性"で捕らえられるよう腕を幹にしていく。
「遅い!」
「っ!!」
後ろをとられ、振り向く間もなく飯田に肩を掴まれた。
「悪いな登坂くん、勝たせてもらうぞ!」
「こっ、のぉ・・・!」
『頑張れよ』って、応援してくれたのに。
「登坂さん、場外!飯田くん三回戦進出!!」
ミッドナイトの声がした。
「・・・・・・・・」
いつの間にか、飯田に押し出されていたのだ。飯田の手が、肩から離れる。
「飯田くんのスピードには、ついていけないや。押し出し場外、かぁ・・・」
「正直、爆豪くんみたいな攻撃の仕方は、女子にはしたくなかったからな!これが最善だと思ったのだ!」
ハァ・・・と、ため息をつきながら頭を垂れる。そして、もう一度飯田を見た。
「次、轟くんと。私じゃ勝てないだろうけど、もしかしたら飯田くんなら行けるかも」
「むむ、期待に応えれるよう全力を尽くす!」
控え室に戻ると、次の芦戸とすれ違う。
「歌恋ー、お疲れ!」
「三奈ちゃん!」
「残念だったね、いけると思ったけど」
「まぁ、次の相手が相手だし・・・飯田くんとでよかった気がするよ」
歌恋より少し背の高い芦戸に、頭を軽くポンポン叩かれる。
「?」
「じゃあ、あたし行ってくるね!」
元気よく手を振る芦戸に、手を振り返した。
「そうだ。あとで緑谷くんにも会わないと・・・」
彼がかえてくれた。緑谷の言葉のお陰で、自分だけでは助けてあげれなかった轟が、かわろうとしてることに。
「あれ」
「・・・・・・・・・」
「轟くん、こんな出口付近で待っててくれたんだ」
「・・・飯田と、もうちょい戦えただろ」
「えー・・・飯田くん対策出来なかったもん」
「・・・・・・俺、か?」
「いやぁ・・・んー?」
ダークシャドウで即効した常闇が、芦戸を押し出し常闇が三回戦進出を決める。
次は、爆豪と切島の対決だ。それが終わればベスト4が出そろう。
「私、皆のとこに戻るね。ちゃんと試合、見てるから」
「ああ」
歌恋の背中を見送る。本当は、もう少し話したかったし、自分の事も名前でって言おうか考えてた。
(・・・それはまだいいか・・・)
誰かと話していれば、気が紛れるもんだ。
皆がいる場所を目指しながら、試合にも目を向ける歌恋。
二人してカウンターを食らわす爆豪と切島。切島の"個性"硬化に爆豪が爆破をくらわし続けた結果、
硬化の綻びを見抜いた爆豪の攻撃が決まり、残り一枠のベスト4進出は、爆豪にきまった。
出揃ったベスト4。飯田、轟、常闇、爆豪。まず始めに飯田VS轟が始まろうとしていた。