第四話 緑谷VS轟
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「何の・・・つもりだ」
脳裏をかすめる母の姿を思い出せるのは、僅かな言葉。
『いいのよ、おまえは・・・』
この先を、いつの間にか忘れてしまった。
「全力・・・?クソ親父に金でも握らされたか・・・?イラつくな・・・!」
(・・・!動きが鈍い?)
緑谷もそれを見逃さず、自ら距離を詰め、重たい一撃を轟に命中させた。
「モロだぁー!生々しいの入ったぁ!!」
「轟に・・・一発入れやがった!!」
「どう見ても、緑谷の方がボロボロなのに・・・」
「ここで攻勢に出るなんて・・・!」
(緑谷くん・・・轟くん・・・)
白熱する二人の試合に、手すりを掴む手に力が入ってしまう。
「ゲホッ(何で・・・)」
狙いが悪くなっていく氷結。
「氷の勢いも、弱まってる。ぐっ・・・(握れない・・・!)」
それでも緑谷は口をつかい、更に限度を越えるスマッシュを繰り出す。
(登坂さんが、何で僕を応援してくれるのか分かるから・・・!
だから、半分の力で勝つって言う轟くんに僕が負けたら、轟くんは・・・!)
「何で、そこまで・・・」
「期待に、応えたいんだ・・・!笑って応えられるような・・・カッコいい人に・・・なりたいんだ。
だから全力でやってんだ、皆!君の境遇も君の決心も、僕なんかに計り知れるもんじゃない・・・。
登坂さんに話したのだって、何か意味があったからなんだろ?」
「っ・・・」
「君が、苦しそうだって・・・でも、逃げ出しちゃったって・・・どうすればいいのか、
必死に悩んでるのに。全力も出さないで一番になって、完全否定なんて、フザけるなって、今は思ってる!」
(あいつに・・・登坂に話そうとしたのは、ただの当て付け)
『アンタみたいな幸せな両親の元で産まれた奴に、俺の何が分かる?』
酷い事を言ってるのに。
思い浮かぶのは、過去の散々な日々で・・・。
『立て。こんなもので倒れていてはオールマイトはおろか、雑魚ヴィランにすら・・・』
『やめて下さい!まだ五つですよ・・・』
吐いてまで苦しむ自分にいつも駆けつけてきてくれる母親は、父親に叩かれて。
『もう五つだ!邪魔するな!!』
「うるせぇ・・・」
イラついている。なのに、冷えきった体に、氷結が応えてくれない。腕が震え、技が出せないのだ。
『嫌だよお母さん・・・僕・・・僕、お父さんみたいになりたくない』
いつかの日、母親に抱き止めてもらいながら言ったあの日。
『お母さんをいじめる人になんて、なりたくない』
『・・・でも、ヒーローにはなりたいんでしょ?』
そう、優しく言ってくれた母親の言葉。
『いいのよ、おまえはー・・・強く想う"将来"があるならー・・・』
「だから・・・僕が勝つ!!君を、超えてっ!!」
氷結をいつの間にか使わなくなった轟に、緑谷の一撃が入る。
庭で遊ぶ上のキョウダイを、一人寂しく窓から見ていても、無理矢理父親につれていかれて。
『焦凍、見るな。兄さんらはおまえとは違う世界の人間だ』
ある夜、たまたま目覚めて通りかかったところでお湯を沸かしながら電話をしている母親を見つける。
『お母さん・・・私、ヘンなの・・・』
その声はとても震えていて。
『もうダメ・・・子どもたちが・・・日に日にあの人に似てくる・・・。
焦凍の・・・あの子の左側が、時折とても醜く思えてしまうの。
私・・・もう、育てられない。育てちゃダメなの・・・』
『お・・・お母さん・・・?』
怯えた声でそう呼ばれ振り向けば、母親の目はまるで・・・。
(俺は・・・・・・)
家族間でのやり取りは、そんなんばかり思い出して。
火傷した顔に包帯を巻かれた。
『お母さんは・・・?』
『おまえに危害を加えたので病院に入れた。全く・・・大事な時だと言うのに・・・』
『・・・・・・・・』
「(俺は、親父を)親父を・・・」
「君の!力じゃないか!!」
「っ・・・!!」
昔みた、オールマイトが取り上げられている番組を母親と見ていた時。
言ってくれてたじゃないか。
『"個性"というものは、親から子へと受け継がれていきます。しかし・・・本当に大事なのは、
その繋がりではなく・・・自分の血肉・・・自分である!と、認識すること。
そういう意味もあって、私はこう言うのさ!私が来た!ってね』
『でも、ヒーローにはなりたいんでしょう?いいのよ、おまえは。
血に囚われることなんかない。なりたい自分に、なっていいんだよ』
母親から送ってもらっていた、大切な言葉ー・・・いつの間にか、忘れてしまった。
「!!」
ハッと、目を見開く歌恋。轟が使ってこなかったもう一つの自分の"個性"である炎が、
今、目の前に大きな範囲で燃え上がっている。緑谷のこれまでの言葉が、彼を突き動かした。
「勝ちてぇくせに・・・ちくしょう・・・敵に塩送るなんて、どっちがフザけてるって話だ・・・。
俺だって、ヒーローに・・・!!」
これが、轟がいままで封じ込んでいたもう一つの力。
「焦凍ォオオ!!!」
一人喜びの歓喜を上げるエンデヴァーに、注目が集まる。
「やっと己を受け入れたか!!そうだ!!良いぞ!!ここからがお前の始まり!!
俺の血をもって、俺を超えて行き・・・俺の野望をお前が果たせ!!」
「「「・・・・・・・・」」」
一人盛り上がるエンデヴァーに、誰も何も言わない。轟も、エンデヴァーに目を向けようとしなかった。
少し目に溜まった涙をぬぐい、炎を纏わせたまま緑谷と向き直る。
「・・・・・・・・」
「凄・・・」
「何笑ってんだよ。その怪我で・・・この状況でお前・・・イカれてるよ」
思わず出た笑みを、緑谷は引き締め構える。
「どうなっても、知らねぇぞ」
緑谷に襲いかかる氷結。それに対し、緑谷は全身を強化。なるべく近くでと緑谷が駆け出す。
二人の間に阻む、セメントスのコンクリートと、ミッドナイトの眠り香を出すが。
轟が氷結を使い、炎を強化ー・・・。
「緑谷、ありがとな」
緑谷、場外。轟が三回戦進出。
脳裏をかすめる母の姿を思い出せるのは、僅かな言葉。
『いいのよ、おまえは・・・』
この先を、いつの間にか忘れてしまった。
「全力・・・?クソ親父に金でも握らされたか・・・?イラつくな・・・!」
(・・・!動きが鈍い?)
緑谷もそれを見逃さず、自ら距離を詰め、重たい一撃を轟に命中させた。
「モロだぁー!生々しいの入ったぁ!!」
「轟に・・・一発入れやがった!!」
「どう見ても、緑谷の方がボロボロなのに・・・」
「ここで攻勢に出るなんて・・・!」
(緑谷くん・・・轟くん・・・)
白熱する二人の試合に、手すりを掴む手に力が入ってしまう。
「ゲホッ(何で・・・)」
狙いが悪くなっていく氷結。
「氷の勢いも、弱まってる。ぐっ・・・(握れない・・・!)」
それでも緑谷は口をつかい、更に限度を越えるスマッシュを繰り出す。
(登坂さんが、何で僕を応援してくれるのか分かるから・・・!
だから、半分の力で勝つって言う轟くんに僕が負けたら、轟くんは・・・!)
「何で、そこまで・・・」
「期待に、応えたいんだ・・・!笑って応えられるような・・・カッコいい人に・・・なりたいんだ。
だから全力でやってんだ、皆!君の境遇も君の決心も、僕なんかに計り知れるもんじゃない・・・。
登坂さんに話したのだって、何か意味があったからなんだろ?」
「っ・・・」
「君が、苦しそうだって・・・でも、逃げ出しちゃったって・・・どうすればいいのか、
必死に悩んでるのに。全力も出さないで一番になって、完全否定なんて、フザけるなって、今は思ってる!」
(あいつに・・・登坂に話そうとしたのは、ただの当て付け)
『アンタみたいな幸せな両親の元で産まれた奴に、俺の何が分かる?』
酷い事を言ってるのに。
思い浮かぶのは、過去の散々な日々で・・・。
『立て。こんなもので倒れていてはオールマイトはおろか、雑魚ヴィランにすら・・・』
『やめて下さい!まだ五つですよ・・・』
吐いてまで苦しむ自分にいつも駆けつけてきてくれる母親は、父親に叩かれて。
『もう五つだ!邪魔するな!!』
「うるせぇ・・・」
イラついている。なのに、冷えきった体に、氷結が応えてくれない。腕が震え、技が出せないのだ。
『嫌だよお母さん・・・僕・・・僕、お父さんみたいになりたくない』
いつかの日、母親に抱き止めてもらいながら言ったあの日。
『お母さんをいじめる人になんて、なりたくない』
『・・・でも、ヒーローにはなりたいんでしょ?』
そう、優しく言ってくれた母親の言葉。
『いいのよ、おまえはー・・・強く想う"将来"があるならー・・・』
「だから・・・僕が勝つ!!君を、超えてっ!!」
氷結をいつの間にか使わなくなった轟に、緑谷の一撃が入る。
庭で遊ぶ上のキョウダイを、一人寂しく窓から見ていても、無理矢理父親につれていかれて。
『焦凍、見るな。兄さんらはおまえとは違う世界の人間だ』
ある夜、たまたま目覚めて通りかかったところでお湯を沸かしながら電話をしている母親を見つける。
『お母さん・・・私、ヘンなの・・・』
その声はとても震えていて。
『もうダメ・・・子どもたちが・・・日に日にあの人に似てくる・・・。
焦凍の・・・あの子の左側が、時折とても醜く思えてしまうの。
私・・・もう、育てられない。育てちゃダメなの・・・』
『お・・・お母さん・・・?』
怯えた声でそう呼ばれ振り向けば、母親の目はまるで・・・。
(俺は・・・・・・)
家族間でのやり取りは、そんなんばかり思い出して。
火傷した顔に包帯を巻かれた。
『お母さんは・・・?』
『おまえに危害を加えたので病院に入れた。全く・・・大事な時だと言うのに・・・』
『・・・・・・・・』
「(俺は、親父を)親父を・・・」
「君の!力じゃないか!!」
「っ・・・!!」
昔みた、オールマイトが取り上げられている番組を母親と見ていた時。
言ってくれてたじゃないか。
『"個性"というものは、親から子へと受け継がれていきます。しかし・・・本当に大事なのは、
その繋がりではなく・・・自分の血肉・・・自分である!と、認識すること。
そういう意味もあって、私はこう言うのさ!私が来た!ってね』
『でも、ヒーローにはなりたいんでしょう?いいのよ、おまえは。
血に囚われることなんかない。なりたい自分に、なっていいんだよ』
母親から送ってもらっていた、大切な言葉ー・・・いつの間にか、忘れてしまった。
「!!」
ハッと、目を見開く歌恋。轟が使ってこなかったもう一つの自分の"個性"である炎が、
今、目の前に大きな範囲で燃え上がっている。緑谷のこれまでの言葉が、彼を突き動かした。
「勝ちてぇくせに・・・ちくしょう・・・敵に塩送るなんて、どっちがフザけてるって話だ・・・。
俺だって、ヒーローに・・・!!」
これが、轟がいままで封じ込んでいたもう一つの力。
「焦凍ォオオ!!!」
一人喜びの歓喜を上げるエンデヴァーに、注目が集まる。
「やっと己を受け入れたか!!そうだ!!良いぞ!!ここからがお前の始まり!!
俺の血をもって、俺を超えて行き・・・俺の野望をお前が果たせ!!」
「「「・・・・・・・・」」」
一人盛り上がるエンデヴァーに、誰も何も言わない。轟も、エンデヴァーに目を向けようとしなかった。
少し目に溜まった涙をぬぐい、炎を纏わせたまま緑谷と向き直る。
「・・・・・・・・」
「凄・・・」
「何笑ってんだよ。その怪我で・・・この状況でお前・・・イカれてるよ」
思わず出た笑みを、緑谷は引き締め構える。
「どうなっても、知らねぇぞ」
緑谷に襲いかかる氷結。それに対し、緑谷は全身を強化。なるべく近くでと緑谷が駆け出す。
二人の間に阻む、セメントスのコンクリートと、ミッドナイトの眠り香を出すが。
轟が氷結を使い、炎を強化ー・・・。
「緑谷、ありがとな」
緑谷、場外。轟が三回戦進出。