第四話 緑谷VS轟
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ボケーとしたまま、歌恋はみんなのところに戻る。
「あ、帰ってきた帰ってきた」
「あら、轟さんも一緒かとおもいましたわ」
耳郎と八百万の間に座らせてもらう。
「轟くんは、次緑谷くんとだから・・・さっき別れた」
「え?なになに、お前らそういう関係!?」
「俺とだったら悲しむことないぜ」
「よく言うぜ、お前も」
「そういうやっすい関係じゃありません。普通のクラスメートです」
よからぬオーラを出す歌恋に、瀬呂と上鳴はだんまりになる。
「登坂くん、いつ控え室行こうか悩むな」
そう話題するのは飯田だ。
「正直、最後までみたいけど・・・そうもいかないよね・・・」
「う~む・・・」
切島とB組の鉄哲の試合が再び腕相撲で再開される。
短期決戦の末、勝利を手にしたのは切島だ。彼が無事、二回戦進出を決めた。
「おーう、何か大変だったな、悪人面!!」
「組み合わせの妙とはいえ、とんでもないヒールっぷりだったわ爆豪ちゃん」
瀬呂と蛙吹が話してる方を見ると、爆豪が戻ってきている。
「うぅるっせぇんだよ、黙れ!!」
何故か不機嫌に、隅が空いている耳郎の隣に大胆に座る。
それから暫く。
「二人、まだ始まっとらん?」
目が腫れぼったくなった麗日が登場とか。
(きた・・・)
ギュッと、歌恋は握りこぶしを膝の上につくる。とうとう始まる、緑谷と轟の試合が、スタートだ。
開始瞬間に緑谷に氷結をぶつける轟。だが、緑谷もそれは読んでいたようで、
緑谷は右手の中指で、オールマイトと似て非なる威力あるスマッシュで氷結を寄せ付けない。
「うわ、寒っ!」
氷結を破った時に出来る冷たい突風が、会場に襲った。
「やっぱそう来るか・・・」
再び氷結で攻撃するが、緑谷もまた同じようにスマッシュで打ち消す。
「ちっ・・・」
(轟くんの戦いは、知る限りいつも一瞬で情報が少ない。情報を・・・この中で隙を見つけなくちゃ・・・!
背面に張った氷は恐らく、吹っ飛ばされない為に対策した結果だ。
とすれば、指で正解だった!腕犠牲の100%スマッシュでも、対応される可能性が高い・・・。
見極めろ・・・考えろ・・・見つけるんだ・・・!!あと、6回の中で!)
「おまえは・・・」
何を言いかけようとしたのか分からないけど、轟の攻撃が止むことない。
「ゲッ、始まってんじゃん!」
「お!切島!」
彼が戻った事に気付いた上鳴が声をかけた。
「二回戦進出やったな!」
「そうよ、次おめーとだ爆豪!」
「ぶっ殺す」
「ハッハッハ、やってみな!とか言って・・・おめーも轟も、強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー・・・」
「ポンポンじゃねぇよ、ナメんな」
「ん?」
どういうことだろうと、歌恋も耳を傾けた。
「筋肉酷使すりゃ、筋繊維が切れるし、走り続けりゃ息切れる。"個性"だって、身体機能だ。
そこの腹減り野郎が、一番よく知ってるだろ」
「はっ、腹減り!?」
まぁまぁと、歌恋をなだめる耳郎。そんな彼女を無視する爆豪。
(まだ葉っぱ女でいい・・・)
「奴にも何らかの"限度"はあるハズだろ(俺だって、出せる威力には限度がある)」
爆豪の説明に納得する切島。
「考えりゃ、そりゃそっか・・・じゃあ、緑谷は瞬殺マンの轟に・・・」
「耐久戦か。すぐ、終わらせてやるよ」
「!」
幾度となく、氷結を打ち消していた緑谷の右手の指が、痛々しい色になっている。
それに構わず、轟は怯むことなく接近戦に勝負出た。氷を器用に登り、緑谷の上を取る。
「っくしょっ・・・!っ、ぶなっ!」
緑谷に攻撃させまいと、振りかかる轟の拳に、避けたと思った瞬間にはもう氷結だ。
「!(ダメだ、近っ・・・)」
下で構える轟に、ゾクリと寒気を覚える緑谷。今までの威力よりも高い攻撃で、轟もろとも吹き飛ばす。
「・・・さっきよりずいぶん、高威力だな。近づくなってか」
「っ・・・」
緑谷の左腕が、ボロボロだ。
("個性"だけじゃない・・・。判断力、応用力・・・機動力・・・全ての能力が・・・強い!!)
「守って逃げるだけでボロボロじゃねぇか」
轟の余りの強さに、会場がざわつく。そこらのプロ以上だとか、さすがNo.2の息子だとか。
でも、あれは何だろう。目を凝らして轟を見れば、彼の体に霜みたいなのが降りてきている。
「悪かったな」
彼の吐く息も、誰より真っ白で。
「ありがとう、緑谷」
轟は目線を緑谷から、エンデヴァーを捉えて。
「おかげで・・・奴の顔が曇った」
(・・・炎を使わないで一番に・・・やっぱり、轟くんに何もしてあげられないの・・・?
私達じゃあ、彼の力になれないの・・・?悔しい・・・)
「その両手じゃ、もう戦いにならねぇだろ。終わりにしよう」
まだ、威力の高い氷結を出せる彼の、とどめの攻撃が緑谷を襲う。
歌恋はたまらず、駆け出していた。
「緑谷くん!!!負けないで!!!」
「っ!」
どうして緑谷を応援しようと思ったのか、そんな行動が出たのか。
このまま緑谷が負けてしまえば、彼は・・・轟はどんどん皆と離れてしまうんじゃないかと思った。
「!」
エンデヴァーから歌恋に目を向けていた轟。
なんで彼女は緑谷を応援するのだろう、どうして泣きそうなんだろうと。
緑谷が言う。
「どこ見てるんだ・・・!」
気を取られてる間に、緑谷が氷結を打ち消していた。
「ぐっ・・・!」
緑谷の指はボロボロなのに、まだこんなにも威力があるなんて。
「てめェ・・・(壊れた指で・・・!!)何でそこまで・・・」
「震えてるよ、轟くん」
「み・・・緑谷、くん・・・?」
「"個性"だって、身体機能の一つだ。君自身、冷気に耐えられる限度があるんだろう・・・!?
で、それって、左側の熱を使えば解決出来るもんなんじゃないのか・・・?登坂さん、君のこと凄く心配してる・・・」
「・・・アイツと、話したのか・・・?」
あの時、緑谷に過去を話した時・・・つい、口走ってしまった。
『登坂には何で話そうとしたのか、分からねぇ・・・』
「チッ・・・!」
「・・・っ・・・」
ギラつく轟の目に、怯みそうになる。でも、歌恋の言葉を思い出す。
『私は、失敗してる!』
『轟くんが、ひとりになろうとしてる』
「皆・・・本気でやってる。勝って・・・目標に近付く為に・・・っ。
一番になる為に!半分の力で勝つ!?まだ僕は君に、傷一つつけられちゃいないぞ!
全力でかかってこい!!」
試合が始まる直前、緑谷はエンデヴァーと鉢合わせになり、轟の話を聞いていた。
『君の活躍、見せてもらった。素晴らしい"個性"だね。指を弾くだけであれほどの威圧・・・!
パワーだけで言えば、オールマイトに匹敵する"個性"だ』
『何を・・・何を言い・・・たいんですか!僕、もう行かないと・・・』
『ウチの焦凍には、オールマイトを越える義務がある。君との試合は、テストベッドとしてとても有益なものとなる。
くれぐれも、みっともない試合はしないでくれたまえ。言いたいのはそれだけだ。直前に失礼した』
轟が父親から受け継いだ"個性"を使いたくないと思う気持ちは、なんとなくわかる。けど・・・。
『・・・僕は、オールマイトじゃありません・・・』
『そんなのは当たりま・・・』
『当たり前の事ですよね・・・轟くんも、あなたじゃない』
「あ、帰ってきた帰ってきた」
「あら、轟さんも一緒かとおもいましたわ」
耳郎と八百万の間に座らせてもらう。
「轟くんは、次緑谷くんとだから・・・さっき別れた」
「え?なになに、お前らそういう関係!?」
「俺とだったら悲しむことないぜ」
「よく言うぜ、お前も」
「そういうやっすい関係じゃありません。普通のクラスメートです」
よからぬオーラを出す歌恋に、瀬呂と上鳴はだんまりになる。
「登坂くん、いつ控え室行こうか悩むな」
そう話題するのは飯田だ。
「正直、最後までみたいけど・・・そうもいかないよね・・・」
「う~む・・・」
切島とB組の鉄哲の試合が再び腕相撲で再開される。
短期決戦の末、勝利を手にしたのは切島だ。彼が無事、二回戦進出を決めた。
「おーう、何か大変だったな、悪人面!!」
「組み合わせの妙とはいえ、とんでもないヒールっぷりだったわ爆豪ちゃん」
瀬呂と蛙吹が話してる方を見ると、爆豪が戻ってきている。
「うぅるっせぇんだよ、黙れ!!」
何故か不機嫌に、隅が空いている耳郎の隣に大胆に座る。
それから暫く。
「二人、まだ始まっとらん?」
目が腫れぼったくなった麗日が登場とか。
(きた・・・)
ギュッと、歌恋は握りこぶしを膝の上につくる。とうとう始まる、緑谷と轟の試合が、スタートだ。
開始瞬間に緑谷に氷結をぶつける轟。だが、緑谷もそれは読んでいたようで、
緑谷は右手の中指で、オールマイトと似て非なる威力あるスマッシュで氷結を寄せ付けない。
「うわ、寒っ!」
氷結を破った時に出来る冷たい突風が、会場に襲った。
「やっぱそう来るか・・・」
再び氷結で攻撃するが、緑谷もまた同じようにスマッシュで打ち消す。
「ちっ・・・」
(轟くんの戦いは、知る限りいつも一瞬で情報が少ない。情報を・・・この中で隙を見つけなくちゃ・・・!
背面に張った氷は恐らく、吹っ飛ばされない為に対策した結果だ。
とすれば、指で正解だった!腕犠牲の100%スマッシュでも、対応される可能性が高い・・・。
見極めろ・・・考えろ・・・見つけるんだ・・・!!あと、6回の中で!)
「おまえは・・・」
何を言いかけようとしたのか分からないけど、轟の攻撃が止むことない。
「ゲッ、始まってんじゃん!」
「お!切島!」
彼が戻った事に気付いた上鳴が声をかけた。
「二回戦進出やったな!」
「そうよ、次おめーとだ爆豪!」
「ぶっ殺す」
「ハッハッハ、やってみな!とか言って・・・おめーも轟も、強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー・・・」
「ポンポンじゃねぇよ、ナメんな」
「ん?」
どういうことだろうと、歌恋も耳を傾けた。
「筋肉酷使すりゃ、筋繊維が切れるし、走り続けりゃ息切れる。"個性"だって、身体機能だ。
そこの腹減り野郎が、一番よく知ってるだろ」
「はっ、腹減り!?」
まぁまぁと、歌恋をなだめる耳郎。そんな彼女を無視する爆豪。
(まだ葉っぱ女でいい・・・)
「奴にも何らかの"限度"はあるハズだろ(俺だって、出せる威力には限度がある)」
爆豪の説明に納得する切島。
「考えりゃ、そりゃそっか・・・じゃあ、緑谷は瞬殺マンの轟に・・・」
「耐久戦か。すぐ、終わらせてやるよ」
「!」
幾度となく、氷結を打ち消していた緑谷の右手の指が、痛々しい色になっている。
それに構わず、轟は怯むことなく接近戦に勝負出た。氷を器用に登り、緑谷の上を取る。
「っくしょっ・・・!っ、ぶなっ!」
緑谷に攻撃させまいと、振りかかる轟の拳に、避けたと思った瞬間にはもう氷結だ。
「!(ダメだ、近っ・・・)」
下で構える轟に、ゾクリと寒気を覚える緑谷。今までの威力よりも高い攻撃で、轟もろとも吹き飛ばす。
「・・・さっきよりずいぶん、高威力だな。近づくなってか」
「っ・・・」
緑谷の左腕が、ボロボロだ。
("個性"だけじゃない・・・。判断力、応用力・・・機動力・・・全ての能力が・・・強い!!)
「守って逃げるだけでボロボロじゃねぇか」
轟の余りの強さに、会場がざわつく。そこらのプロ以上だとか、さすがNo.2の息子だとか。
でも、あれは何だろう。目を凝らして轟を見れば、彼の体に霜みたいなのが降りてきている。
「悪かったな」
彼の吐く息も、誰より真っ白で。
「ありがとう、緑谷」
轟は目線を緑谷から、エンデヴァーを捉えて。
「おかげで・・・奴の顔が曇った」
(・・・炎を使わないで一番に・・・やっぱり、轟くんに何もしてあげられないの・・・?
私達じゃあ、彼の力になれないの・・・?悔しい・・・)
「その両手じゃ、もう戦いにならねぇだろ。終わりにしよう」
まだ、威力の高い氷結を出せる彼の、とどめの攻撃が緑谷を襲う。
歌恋はたまらず、駆け出していた。
「緑谷くん!!!負けないで!!!」
「っ!」
どうして緑谷を応援しようと思ったのか、そんな行動が出たのか。
このまま緑谷が負けてしまえば、彼は・・・轟はどんどん皆と離れてしまうんじゃないかと思った。
「!」
エンデヴァーから歌恋に目を向けていた轟。
なんで彼女は緑谷を応援するのだろう、どうして泣きそうなんだろうと。
緑谷が言う。
「どこ見てるんだ・・・!」
気を取られてる間に、緑谷が氷結を打ち消していた。
「ぐっ・・・!」
緑谷の指はボロボロなのに、まだこんなにも威力があるなんて。
「てめェ・・・(壊れた指で・・・!!)何でそこまで・・・」
「震えてるよ、轟くん」
「み・・・緑谷、くん・・・?」
「"個性"だって、身体機能の一つだ。君自身、冷気に耐えられる限度があるんだろう・・・!?
で、それって、左側の熱を使えば解決出来るもんなんじゃないのか・・・?登坂さん、君のこと凄く心配してる・・・」
「・・・アイツと、話したのか・・・?」
あの時、緑谷に過去を話した時・・・つい、口走ってしまった。
『登坂には何で話そうとしたのか、分からねぇ・・・』
「チッ・・・!」
「・・・っ・・・」
ギラつく轟の目に、怯みそうになる。でも、歌恋の言葉を思い出す。
『私は、失敗してる!』
『轟くんが、ひとりになろうとしてる』
「皆・・・本気でやってる。勝って・・・目標に近付く為に・・・っ。
一番になる為に!半分の力で勝つ!?まだ僕は君に、傷一つつけられちゃいないぞ!
全力でかかってこい!!」
試合が始まる直前、緑谷はエンデヴァーと鉢合わせになり、轟の話を聞いていた。
『君の活躍、見せてもらった。素晴らしい"個性"だね。指を弾くだけであれほどの威圧・・・!
パワーだけで言えば、オールマイトに匹敵する"個性"だ』
『何を・・・何を言い・・・たいんですか!僕、もう行かないと・・・』
『ウチの焦凍には、オールマイトを越える義務がある。君との試合は、テストベッドとしてとても有益なものとなる。
くれぐれも、みっともない試合はしないでくれたまえ。言いたいのはそれだけだ。直前に失礼した』
轟が父親から受け継いだ"個性"を使いたくないと思う気持ちは、なんとなくわかる。けど・・・。
『・・・僕は、オールマイトじゃありません・・・』
『そんなのは当たりま・・・』
『当たり前の事ですよね・・・轟くんも、あなたじゃない』