第四話 緑谷VS轟
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飯田の試合が終わり、麗日は早めに控え室の方へ行ってしまった。麗日の相手はあの爆豪。
歌恋だったら、即棄権する相手の一人。でも、麗日は逃げず戦いにいった。
(すごいよ、お茶子ちゃん・・・)
みんな、目の前の壁をどんどん越えていこうと頑張ってる。誰一人、逃げ出すことはない。
芦戸と青山は、"個性"を連射させられた青山の隙をついた芦戸が勝利。二人の試合が終わり、緑谷に向き直る。
「緑谷くん」
「なに?」
「緑谷くんの次の相手が轟くんなのは知ってる。けど、やっぱり私は、轟くんが心配なんだ」
轟の辛い過去を知ってるのは、クラスでも二人きりで。体育祭のおかげで、周りの声は煩くて。
緑谷が隣に座っててくれたので、出きるだけ小さな声で話して。
次の試合、常闇と八百万の試合が、始まる。
「散々酷いこと行って、私から避け始めたけど、今度は逆に轟くんが一人になろうとしてる。
このままじゃ、いけないような気もするけど、逃げられそうなきもするけど。
私、轟くん捜してくるね」
「うん。登坂さんだって、次は飯田くんとだし、飯田くんは本気だしてくるよ。
他に気を取られてて登坂さんが本気じゃなかったら、きっと飯田くんは怒ると思う。
その、僕は飯田くんじゃないから分からないけど・・・僕だって、本気の轟くんと戦いたいよ」
八百万を迎えに行っていて、耳郎がいない時に抜け出す。本当は試合以外"個性"使っちゃダメだけど。
ステージの後ろに行き、そっと髪の毛を数本引きちぎる。
「教えてね、何処にいるのか」
なんとなくそんな風に呟いて吹き掛ける。
会場内にいるってことが分かっていれば、捜すのはそんな難しくない。
試合はいま、切島がB組の鉄哲と"個性"ただ被り勝負が始まっている。
「いた・・・」
見つけた気配に向かい、歌恋は走る。
正直、会うのは怖い。でも、ずっと逃げるのは嫌だった。
そう、嫌なんだけど・・・思わず近くの柱の内側に隠れる。
轟の手のひらには、桜の葉が一枚、乗っかっていた。
「・・・それで隠れたつもりか?」
いまの轟は、爆豪に負けず劣らずの不機嫌な雰囲気。最初はこんなんじゃなかったのに。
「逃げてもまた捜すんだろ」
チラッと、その手の中にある葉を見せてくる。
「・・・うん・・・」
ぎこちなく、轟の隣に立つ。
(さっきよりイラついてないのかな。お父さんがいないから?)
そう、ただこうやって隣にいてあげるだけでいいんだ。でも、これが一番難しい。
ずっと、口を閉じて試合に目を向けてる歌恋。何か話した方がいいのかと思い悩む。
(・・・親父を見ないだけで、こうやって落ち着ける)
ふと、ずっと気になってた事を聞いてみた。
「なぁ・・・」
ビクッと、大胆に驚く歌恋。
「(そんなに、驚くか・・・?)気になってたんだが・・・学級委員決める時俺に票入れたの、アンタか?」
「え、あ・・・そう、です・・・」
「自分には入れなかったのか」
「轟くんだって、そうでしょ?誰にいれたの?」
「・・・八百万・・・」
「そっか・・・あ、もうすぐ決着つくかな・・・?」
"個性"だだ被り組は、猛烈な殴り合いの末、引き分けに終わった。尚、この場合、
第一試合が全部終わり次第、もれなく腕相撲で勝敗を決めるようだ。
「切島くん、もう一回か・・・惜しかったのに」
そして、いよいよ始まる爆豪勝己対麗日お茶子の試合。
「頑張れ、お茶子ちゃん」
「・・・・・・・」
ギュッと、胸の前で両手を拳にする歌恋を見る轟。
「お前、浮かす奴だな、丸顔」
「まる・・・」
「退くなら今退けよ、「痛ぇ」じゃすまねぇぞ」
爆豪からの忠告と、スタートの合図で試合が始まった。麗日は速攻狙いで突っ走る。
「退くなんて選択肢、ないから!(ここだ!)」
だが、爆豪の容赦ない爆破が襲いかかる。
「ぶわっ(アカン・・・!わかってても反応出来ない!)」
(お茶子ちゃんの"個性"で爆豪くんを浮かせられれば、お茶子ちゃんの勝機はある。
だけど、爆豪くんもそう簡単には触らせてくれない。お茶子ちゃんの"個性"を知ってるから)
ただ、この試合は、見てる方が辛い。麗日の接近を嫌い、爆豪の容赦ない爆破が何度も繰り広げられて。
「まだまだぁ!!」
「・・・よく対策考えてやがる」
「え?」
「上」
「うえ?」
一部からブーイングが爆豪に浴びせられる。だが、それを一蹴したのは相澤先生だった。
「今、遊んでるっつったのプロか?何年目だ?シラフで言ってんなら、もう見る意味ねぇから帰れ。
帰って転職サイトでも見てろ。ここまで上がってきた相手の力を認めてるから警戒してんだろう。
本気で勝とうとしてるからこそ、手加減も油断も出来ねぇんだろうが」
(いつの間に・・・)
よろめきながら麗日は立っている。まだ彼女は諦めてない。
「そろそろ・・・か・・・な・・・ありがとう、爆豪くん。油断してくれなくて」
「あ・・・?」
「・・・プロヒーローも、あっけねぇな。爆豪の距離ならともかく、こっからブーイングなんて」
「轟くんに教えてもらうまで気づかなかったよ。これが、お茶子ちゃんの作戦」
低姿勢で爆豪の気を引き、絶え間ない突進と爆煙で上を悟らせないように武器を蓄えていた。
それは、爆豪の爆破の衝撃で出来た無数の瓦礫。
「勝ぁあアアつ!!」
「流星群ー!!!」
驚くプレゼント・マイクに、容赦なく相澤先生が突っ込む。
「気づけよ」
(こんだけの量!!迎撃にしろ回避にしろ、必ず隙が出来る!その瞬間に超必で距離つめる!
勝つ!!勝って、私もデクくんみたいに)
だが、爆豪はその場から動くことなく、左手を掲げ、最大限の爆破をぶっぱなした。
「!!」
麗日の作戦を、一瞬で粉々にする。なんてパワー、なんて威力。
「デクのヤロウとつるんでっからな、てめェ。何か企みあるとは思ってたが・・・」
「・・・・・・一撃て・・・」
「危ねぇな」
心なしか、左手がズキズキと痛む。これだけ追い詰められたのはいつぶりだろうか。
「いいぜ、こっから本番だ、麗日!」
けれど、麗日は膝から崩れ落ちる。キャパオーバー。
「ハッ、ハッ、んのっ・・・体、言うこと・・・きかん。まだ・・・父ちゃん・・・!!」
「麗日さん・・・行動不能。二回戦進出、爆豪くん!」
会場メンテナンスのため、小休憩が挟まれる。
「轟くん、次・・・緑谷くんとだよね。ごめんね、邪魔したねっ」
アハハと笑ってその場をやり過ごす。みんなすごい。自分も、次の飯田戦を考えなくちゃだ。
もし、飯田に勝って、轟が緑谷に勝ったら・・・ガチンコバトルが待ってる。
いやいや、そうなったらそうなっただ。自分だって、トップを狙いたいのは一緒だから。
「歌恋っ」
「!(名前・・・)」
どういう風に応援すればいいのか分からないけど。初めて彼から呼んでくれた名前は嬉しくて。
唐突だったのか、照れてるのか、読みにくい感情だが。呼び方はいつも通りに戻っている。
「あ・・・いや、登坂、悪ぃ・・・」
そう言い残し、彼は逆方向へ歩いていった。
「・・・え?」
歌恋だったら、即棄権する相手の一人。でも、麗日は逃げず戦いにいった。
(すごいよ、お茶子ちゃん・・・)
みんな、目の前の壁をどんどん越えていこうと頑張ってる。誰一人、逃げ出すことはない。
芦戸と青山は、"個性"を連射させられた青山の隙をついた芦戸が勝利。二人の試合が終わり、緑谷に向き直る。
「緑谷くん」
「なに?」
「緑谷くんの次の相手が轟くんなのは知ってる。けど、やっぱり私は、轟くんが心配なんだ」
轟の辛い過去を知ってるのは、クラスでも二人きりで。体育祭のおかげで、周りの声は煩くて。
緑谷が隣に座っててくれたので、出きるだけ小さな声で話して。
次の試合、常闇と八百万の試合が、始まる。
「散々酷いこと行って、私から避け始めたけど、今度は逆に轟くんが一人になろうとしてる。
このままじゃ、いけないような気もするけど、逃げられそうなきもするけど。
私、轟くん捜してくるね」
「うん。登坂さんだって、次は飯田くんとだし、飯田くんは本気だしてくるよ。
他に気を取られてて登坂さんが本気じゃなかったら、きっと飯田くんは怒ると思う。
その、僕は飯田くんじゃないから分からないけど・・・僕だって、本気の轟くんと戦いたいよ」
八百万を迎えに行っていて、耳郎がいない時に抜け出す。本当は試合以外"個性"使っちゃダメだけど。
ステージの後ろに行き、そっと髪の毛を数本引きちぎる。
「教えてね、何処にいるのか」
なんとなくそんな風に呟いて吹き掛ける。
会場内にいるってことが分かっていれば、捜すのはそんな難しくない。
試合はいま、切島がB組の鉄哲と"個性"ただ被り勝負が始まっている。
「いた・・・」
見つけた気配に向かい、歌恋は走る。
正直、会うのは怖い。でも、ずっと逃げるのは嫌だった。
そう、嫌なんだけど・・・思わず近くの柱の内側に隠れる。
轟の手のひらには、桜の葉が一枚、乗っかっていた。
「・・・それで隠れたつもりか?」
いまの轟は、爆豪に負けず劣らずの不機嫌な雰囲気。最初はこんなんじゃなかったのに。
「逃げてもまた捜すんだろ」
チラッと、その手の中にある葉を見せてくる。
「・・・うん・・・」
ぎこちなく、轟の隣に立つ。
(さっきよりイラついてないのかな。お父さんがいないから?)
そう、ただこうやって隣にいてあげるだけでいいんだ。でも、これが一番難しい。
ずっと、口を閉じて試合に目を向けてる歌恋。何か話した方がいいのかと思い悩む。
(・・・親父を見ないだけで、こうやって落ち着ける)
ふと、ずっと気になってた事を聞いてみた。
「なぁ・・・」
ビクッと、大胆に驚く歌恋。
「(そんなに、驚くか・・・?)気になってたんだが・・・学級委員決める時俺に票入れたの、アンタか?」
「え、あ・・・そう、です・・・」
「自分には入れなかったのか」
「轟くんだって、そうでしょ?誰にいれたの?」
「・・・八百万・・・」
「そっか・・・あ、もうすぐ決着つくかな・・・?」
"個性"だだ被り組は、猛烈な殴り合いの末、引き分けに終わった。尚、この場合、
第一試合が全部終わり次第、もれなく腕相撲で勝敗を決めるようだ。
「切島くん、もう一回か・・・惜しかったのに」
そして、いよいよ始まる爆豪勝己対麗日お茶子の試合。
「頑張れ、お茶子ちゃん」
「・・・・・・・」
ギュッと、胸の前で両手を拳にする歌恋を見る轟。
「お前、浮かす奴だな、丸顔」
「まる・・・」
「退くなら今退けよ、「痛ぇ」じゃすまねぇぞ」
爆豪からの忠告と、スタートの合図で試合が始まった。麗日は速攻狙いで突っ走る。
「退くなんて選択肢、ないから!(ここだ!)」
だが、爆豪の容赦ない爆破が襲いかかる。
「ぶわっ(アカン・・・!わかってても反応出来ない!)」
(お茶子ちゃんの"個性"で爆豪くんを浮かせられれば、お茶子ちゃんの勝機はある。
だけど、爆豪くんもそう簡単には触らせてくれない。お茶子ちゃんの"個性"を知ってるから)
ただ、この試合は、見てる方が辛い。麗日の接近を嫌い、爆豪の容赦ない爆破が何度も繰り広げられて。
「まだまだぁ!!」
「・・・よく対策考えてやがる」
「え?」
「上」
「うえ?」
一部からブーイングが爆豪に浴びせられる。だが、それを一蹴したのは相澤先生だった。
「今、遊んでるっつったのプロか?何年目だ?シラフで言ってんなら、もう見る意味ねぇから帰れ。
帰って転職サイトでも見てろ。ここまで上がってきた相手の力を認めてるから警戒してんだろう。
本気で勝とうとしてるからこそ、手加減も油断も出来ねぇんだろうが」
(いつの間に・・・)
よろめきながら麗日は立っている。まだ彼女は諦めてない。
「そろそろ・・・か・・・な・・・ありがとう、爆豪くん。油断してくれなくて」
「あ・・・?」
「・・・プロヒーローも、あっけねぇな。爆豪の距離ならともかく、こっからブーイングなんて」
「轟くんに教えてもらうまで気づかなかったよ。これが、お茶子ちゃんの作戦」
低姿勢で爆豪の気を引き、絶え間ない突進と爆煙で上を悟らせないように武器を蓄えていた。
それは、爆豪の爆破の衝撃で出来た無数の瓦礫。
「勝ぁあアアつ!!」
「流星群ー!!!」
驚くプレゼント・マイクに、容赦なく相澤先生が突っ込む。
「気づけよ」
(こんだけの量!!迎撃にしろ回避にしろ、必ず隙が出来る!その瞬間に超必で距離つめる!
勝つ!!勝って、私もデクくんみたいに)
だが、爆豪はその場から動くことなく、左手を掲げ、最大限の爆破をぶっぱなした。
「!!」
麗日の作戦を、一瞬で粉々にする。なんてパワー、なんて威力。
「デクのヤロウとつるんでっからな、てめェ。何か企みあるとは思ってたが・・・」
「・・・・・・一撃て・・・」
「危ねぇな」
心なしか、左手がズキズキと痛む。これだけ追い詰められたのはいつぶりだろうか。
「いいぜ、こっから本番だ、麗日!」
けれど、麗日は膝から崩れ落ちる。キャパオーバー。
「ハッ、ハッ、んのっ・・・体、言うこと・・・きかん。まだ・・・父ちゃん・・・!!」
「麗日さん・・・行動不能。二回戦進出、爆豪くん!」
会場メンテナンスのため、小休憩が挟まれる。
「轟くん、次・・・緑谷くんとだよね。ごめんね、邪魔したねっ」
アハハと笑ってその場をやり過ごす。みんなすごい。自分も、次の飯田戦を考えなくちゃだ。
もし、飯田に勝って、轟が緑谷に勝ったら・・・ガチンコバトルが待ってる。
いやいや、そうなったらそうなっただ。自分だって、トップを狙いたいのは一緒だから。
「歌恋っ」
「!(名前・・・)」
どういう風に応援すればいいのか分からないけど。初めて彼から呼んでくれた名前は嬉しくて。
唐突だったのか、照れてるのか、読みにくい感情だが。呼び方はいつも通りに戻っている。
「あ・・・いや、登坂、悪ぃ・・・」
そう言い残し、彼は逆方向へ歩いていった。
「・・・え?」