第四話 緑谷VS轟
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午後はレクリエーションを挟んで最終種目であるトーナメント形式のガチバトルが行われる。
正直、レクリエーションはそんな乗り気なかったけど、まぁ楽しめた。
なぜなら、トーナメントのガチバトルに緊張もしていたからだ。
歌恋の初戦の相手は、上鳴電気。もし、うまく勝ち進めれば三回戦には轟とぶつかる。
正直、轟と戦うのは怖い。彼に当たらないようわざと負ける手もあるが、それはそれで嫌だ。
それに、轟はまず順調に進めば二回戦で緑谷とだ。どうせなら緑谷を応援しよう、そうしよう。
「色々やってきましたが!!結局これだぜガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!
ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!心・技・体に知恵知識!!
総動員して駆け上がれ!!一回戦、成績の割りに何だその顔ヒーロー科緑谷出久!!
対、ごめん、まだ目立つ活躍なし!普通科心操人使!!」
ルールは簡単。相手を場外に落とすか、行動不能にする。あとは「まいった」とか言わせても勝ち。
ケガもリカバリーガールが待機してるから、道徳倫理は一旦捨ておけ。
だが、命に関わるよーなのはアウト。ヒーローはヴィランを捕まえる為に拳を振るためである。
その場合、セメントスとミッドナイトが試合を止めるとのことである。
「登坂!手加減なし、真っ向勝負だからな!」
「もちろん!」
上鳴も歌恋も、休憩時間を挟んだおかげで復活していた。
「ただ、響香ちゃん達無駄にチアの恰好させた罰だからね!」
「だね、落とし前つけてやってよ」
「いえ・・・峰田さんの策略にハマった私が悪いの・・・」
落ち込む八百万を、麗日が慰めてる。
「てか、登坂そんなん冗談も言うキャラなんだな」
上鳴と仲の良い切島も、話に加わる。
「皆のおかげだよ」
そう、ここには、1-Aは誰も悪い人はいない。
「緑谷くんの試合が始まるぞ、みんな!」
飯田の声に、試合に集中する。ここに、瀬呂と轟はいない。二回戦で当たる彼らは控え室にいるから。
緑谷の相手、心操はこの間A組に宣戦布告しに来た目の下にクマがある人だった。
心操が、尾白の事をチャンスを捨てたバカだと言い、緑谷がカッとなって怒鳴った。
だが、それっきり緑谷が動かない。何も動かない緑谷に、心操もただ「振り向いてそのまま場外まで歩け」と。
緑谷は彼の言いなりになりそのまま命令通りに歩く。そう、心操の"個性"は「洗脳」だ。
ただ、緑谷も何の対策もしていなかったわけじゃない。午後のあいた時間、尾白から聞いていたから。
緑谷は線ギリギリで指に個性を発動させ、意識を取り戻す。もう、心操の言葉にうなずかない。
うなずけばまた洗脳させられてしまうから。
緑谷はそれっきり技を使わず、掴みかかり殴り合う。そして、最後は心操を背負いなげた。
「あ」
その背負いなげた時、爆豪の口から言葉がもれた。きっとなにかしらあるのだろう。
それよりも、緑谷が無事に二回戦進出を果たした。
「よしっ。じゃあ、行ってくる」
「ガンバ」
パチンと、耳郎と手を合わせた。
待合室に向かう途中、聞こえてしまった。
「醜態ばかりだな、焦凍」
「!」
曲がり角の向こうに聞こえた、焦凍と呼ぶ声。
(・・・エンデヴァー?)
歌恋は身を隠し、思わず話を聞いてしまった。いわゆる、盗み聞きってやつ。
「左の"力"を使えば障害物競走も騎馬戦も、圧倒出来たハズだろ。いい加減、子どもじみた反抗をやめろ。
おまえには、オールマイトを越えるという義務があるんだぞ」
「・・・・・・・」
轟が話してくれたことは全部本当で、あれが子供に対して言う父親の言葉なのか。
歌恋の両親は、彼女に昼休みメールが届いていた。それは心からの喜びと、応援メッセージだったのに。
そんなエンデヴァーに、轟は何も言わない。だが、ある言葉にいつもの轟の冷静さがなくなった。
「わかってるのか?兄さんらとは違う。おまえは、最高傑作なんだぞ!」
「それしか言えねぇのかてめェは・・・お母さんの力だけで勝ち上がる。戦いでてめェの力は使わねぇ」
「学生のうちは通用したとしても、すぐ限界が来るぞ」
歌恋は急いで控え室に入りその場をやり過ごす。
(思ってたよりも、辛い過去・・・)
本当だね、彼の言ってた通りだ。
「幸せ家族の私には、分からない、か・・・」
だもん、何を言っても轟をイラつかせるだけだ。彼に何をしてあげられること、ないのかもしれない。
「あんな、酷いこと言っちゃった・・・」
彼が辛くて話してくれて助けを求めてたなら、もっともっと自分がもらった幸せをあげればいいのかな。
轟と瀬呂の試合は、すぐに終わってしまった。
試合前にエンデヴァーと話していたことでイラついていた轟が、氷で圧倒的強さを見せつけたのだ。
試合を終えた轟が戻ってくる。
「「・・・・・・・・・」」
少しの会場整備があり、控え室で鉢合わせになる二人。別にここで黙っていればよかったんだ。
そう、黙って余計な事を言わなければよかった。だけど、盗み聞きというどうもできないことに不安があった。
「轟くん・・・その、あの・・・今まで余計なこと言って、ごめんなさい・・・。
あと・・・さっき、控え室に来る時・・・話、聞いちゃった・・・ごめんなさいっ」
「・・・・・・・・・」
轟からの威圧が怖い。
「・・・親父には、会わなかったよな・・・?」
「うん。見られてはないと思う・・・」
「そうだよな。アンタには、全部関係ないことだよな」
今さら後悔しても、遅いのかもしれない。
轟はドアを開けたまま、中に入ろうとしなかった。それよか、そう吐き捨ててドアを閉めてしまった。
追いかけようにも、追いかけられない。それ以上の関係性がない。ただのクラスメートでライバル。
ただ、こんな気持ちのまま上鳴と戦うのは彼に申し訳なくて。泣くな、構えろ。
昼休み、ニコニコ笑顔だった歌恋の顔が一変していた。
「お?お?俺に対してかなりビビってる?」
「まさか。用が出来た、即終わらせるよ」
「そりゃ、こっちのセリフだぜ登坂!」
プレゼント・マイクのスタートと同時、上鳴が威力満点の放電をかましてきた。
やはりやり方は騎馬戦と同じ。歌恋は幹でガードし、放電がやむとすぐ上鳴に幹を巻き付けた。
放電しきるとウェイと、アホ状態になる上鳴は見てきていたので正直それ狙いだったが。
第二回戦進出は、登坂歌恋である。
「瞬殺じゃん、歌恋」
イェイと、耳郎とVサイン。
「相手が上鳴くんだし」
「俺、すげー弱くね?」
「原作でもそうだから大丈夫」
「んん?」
上鳴は置いておいて、耳郎と話を続ける。
「ねぇ、轟くんは?」
「帰ってきてないよ。どっかにいるんじゃない?」
「さっき、控え室ですれ違ったんだけど・・・」
「登坂も轟の事を気にしすぎだぜ?俺、氷結の勢いに圧倒されたし」
瀬呂が敗けを認めた時に自然と沸き上がったどんまいコールを思い出す。
「どんまい」
「くっ・・・!」
「そろそろ、飯田くんの試合が始まるよ!」
彼・・・轟の事を気にしてしまうのは、過去をしってしまったから。
お父さんを嫌いな理由も、火傷の理由も、全部。あの時、イライラさせてしまったから。
どんどん一人になろうとする轟が、心配なんだ。
飯田の相手はサポート科の発目明。サポート科はヒーロー科に対抗として、サポートアイテムの使用は可能。
それに何故か、飯田もサポートアイテムフル装備だ。どうやら発目のスポーツマンシップに心打たれたようで。
が、試合が始まってみれば戦う素振りを見せることなく、発目のアイテム説明が始まった。
異様な状況に、実況兼解説役のプレゼント・マイクも相澤先生も唖然としている。
「何、コレ・・・」
「売り込み根性たくましいな・・・」
アイテム解説付きの鬼ごっこはその後、10分もの間繰り広げられ。
「ふー・・・全てあますことなく見て頂けました。もう思い残すことはありません!!」
「騙したなぁああああ!!!」
「発目さん、場外!!飯田くん、二回戦進出!!」
それと同時に、歌恋の相手が決まった。
「飯田くん・・・か」
正直、レクリエーションはそんな乗り気なかったけど、まぁ楽しめた。
なぜなら、トーナメントのガチバトルに緊張もしていたからだ。
歌恋の初戦の相手は、上鳴電気。もし、うまく勝ち進めれば三回戦には轟とぶつかる。
正直、轟と戦うのは怖い。彼に当たらないようわざと負ける手もあるが、それはそれで嫌だ。
それに、轟はまず順調に進めば二回戦で緑谷とだ。どうせなら緑谷を応援しよう、そうしよう。
「色々やってきましたが!!結局これだぜガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!
ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!心・技・体に知恵知識!!
総動員して駆け上がれ!!一回戦、成績の割りに何だその顔ヒーロー科緑谷出久!!
対、ごめん、まだ目立つ活躍なし!普通科心操人使!!」
ルールは簡単。相手を場外に落とすか、行動不能にする。あとは「まいった」とか言わせても勝ち。
ケガもリカバリーガールが待機してるから、道徳倫理は一旦捨ておけ。
だが、命に関わるよーなのはアウト。ヒーローはヴィランを捕まえる為に拳を振るためである。
その場合、セメントスとミッドナイトが試合を止めるとのことである。
「登坂!手加減なし、真っ向勝負だからな!」
「もちろん!」
上鳴も歌恋も、休憩時間を挟んだおかげで復活していた。
「ただ、響香ちゃん達無駄にチアの恰好させた罰だからね!」
「だね、落とし前つけてやってよ」
「いえ・・・峰田さんの策略にハマった私が悪いの・・・」
落ち込む八百万を、麗日が慰めてる。
「てか、登坂そんなん冗談も言うキャラなんだな」
上鳴と仲の良い切島も、話に加わる。
「皆のおかげだよ」
そう、ここには、1-Aは誰も悪い人はいない。
「緑谷くんの試合が始まるぞ、みんな!」
飯田の声に、試合に集中する。ここに、瀬呂と轟はいない。二回戦で当たる彼らは控え室にいるから。
緑谷の相手、心操はこの間A組に宣戦布告しに来た目の下にクマがある人だった。
心操が、尾白の事をチャンスを捨てたバカだと言い、緑谷がカッとなって怒鳴った。
だが、それっきり緑谷が動かない。何も動かない緑谷に、心操もただ「振り向いてそのまま場外まで歩け」と。
緑谷は彼の言いなりになりそのまま命令通りに歩く。そう、心操の"個性"は「洗脳」だ。
ただ、緑谷も何の対策もしていなかったわけじゃない。午後のあいた時間、尾白から聞いていたから。
緑谷は線ギリギリで指に個性を発動させ、意識を取り戻す。もう、心操の言葉にうなずかない。
うなずけばまた洗脳させられてしまうから。
緑谷はそれっきり技を使わず、掴みかかり殴り合う。そして、最後は心操を背負いなげた。
「あ」
その背負いなげた時、爆豪の口から言葉がもれた。きっとなにかしらあるのだろう。
それよりも、緑谷が無事に二回戦進出を果たした。
「よしっ。じゃあ、行ってくる」
「ガンバ」
パチンと、耳郎と手を合わせた。
待合室に向かう途中、聞こえてしまった。
「醜態ばかりだな、焦凍」
「!」
曲がり角の向こうに聞こえた、焦凍と呼ぶ声。
(・・・エンデヴァー?)
歌恋は身を隠し、思わず話を聞いてしまった。いわゆる、盗み聞きってやつ。
「左の"力"を使えば障害物競走も騎馬戦も、圧倒出来たハズだろ。いい加減、子どもじみた反抗をやめろ。
おまえには、オールマイトを越えるという義務があるんだぞ」
「・・・・・・・」
轟が話してくれたことは全部本当で、あれが子供に対して言う父親の言葉なのか。
歌恋の両親は、彼女に昼休みメールが届いていた。それは心からの喜びと、応援メッセージだったのに。
そんなエンデヴァーに、轟は何も言わない。だが、ある言葉にいつもの轟の冷静さがなくなった。
「わかってるのか?兄さんらとは違う。おまえは、最高傑作なんだぞ!」
「それしか言えねぇのかてめェは・・・お母さんの力だけで勝ち上がる。戦いでてめェの力は使わねぇ」
「学生のうちは通用したとしても、すぐ限界が来るぞ」
歌恋は急いで控え室に入りその場をやり過ごす。
(思ってたよりも、辛い過去・・・)
本当だね、彼の言ってた通りだ。
「幸せ家族の私には、分からない、か・・・」
だもん、何を言っても轟をイラつかせるだけだ。彼に何をしてあげられること、ないのかもしれない。
「あんな、酷いこと言っちゃった・・・」
彼が辛くて話してくれて助けを求めてたなら、もっともっと自分がもらった幸せをあげればいいのかな。
轟と瀬呂の試合は、すぐに終わってしまった。
試合前にエンデヴァーと話していたことでイラついていた轟が、氷で圧倒的強さを見せつけたのだ。
試合を終えた轟が戻ってくる。
「「・・・・・・・・・」」
少しの会場整備があり、控え室で鉢合わせになる二人。別にここで黙っていればよかったんだ。
そう、黙って余計な事を言わなければよかった。だけど、盗み聞きというどうもできないことに不安があった。
「轟くん・・・その、あの・・・今まで余計なこと言って、ごめんなさい・・・。
あと・・・さっき、控え室に来る時・・・話、聞いちゃった・・・ごめんなさいっ」
「・・・・・・・・・」
轟からの威圧が怖い。
「・・・親父には、会わなかったよな・・・?」
「うん。見られてはないと思う・・・」
「そうだよな。アンタには、全部関係ないことだよな」
今さら後悔しても、遅いのかもしれない。
轟はドアを開けたまま、中に入ろうとしなかった。それよか、そう吐き捨ててドアを閉めてしまった。
追いかけようにも、追いかけられない。それ以上の関係性がない。ただのクラスメートでライバル。
ただ、こんな気持ちのまま上鳴と戦うのは彼に申し訳なくて。泣くな、構えろ。
昼休み、ニコニコ笑顔だった歌恋の顔が一変していた。
「お?お?俺に対してかなりビビってる?」
「まさか。用が出来た、即終わらせるよ」
「そりゃ、こっちのセリフだぜ登坂!」
プレゼント・マイクのスタートと同時、上鳴が威力満点の放電をかましてきた。
やはりやり方は騎馬戦と同じ。歌恋は幹でガードし、放電がやむとすぐ上鳴に幹を巻き付けた。
放電しきるとウェイと、アホ状態になる上鳴は見てきていたので正直それ狙いだったが。
第二回戦進出は、登坂歌恋である。
「瞬殺じゃん、歌恋」
イェイと、耳郎とVサイン。
「相手が上鳴くんだし」
「俺、すげー弱くね?」
「原作でもそうだから大丈夫」
「んん?」
上鳴は置いておいて、耳郎と話を続ける。
「ねぇ、轟くんは?」
「帰ってきてないよ。どっかにいるんじゃない?」
「さっき、控え室ですれ違ったんだけど・・・」
「登坂も轟の事を気にしすぎだぜ?俺、氷結の勢いに圧倒されたし」
瀬呂が敗けを認めた時に自然と沸き上がったどんまいコールを思い出す。
「どんまい」
「くっ・・・!」
「そろそろ、飯田くんの試合が始まるよ!」
彼・・・轟の事を気にしてしまうのは、過去をしってしまったから。
お父さんを嫌いな理由も、火傷の理由も、全部。あの時、イライラさせてしまったから。
どんどん一人になろうとする轟が、心配なんだ。
飯田の相手はサポート科の発目明。サポート科はヒーロー科に対抗として、サポートアイテムの使用は可能。
それに何故か、飯田もサポートアイテムフル装備だ。どうやら発目のスポーツマンシップに心打たれたようで。
が、試合が始まってみれば戦う素振りを見せることなく、発目のアイテム説明が始まった。
異様な状況に、実況兼解説役のプレゼント・マイクも相澤先生も唖然としている。
「何、コレ・・・」
「売り込み根性たくましいな・・・」
アイテム解説付きの鬼ごっこはその後、10分もの間繰り広げられ。
「ふー・・・全てあますことなく見て頂けました。もう思い残すことはありません!!」
「騙したなぁああああ!!!」
「発目さん、場外!!飯田くん、二回戦進出!!」
それと同時に、歌恋の相手が決まった。
「飯田くん・・・か」